著者
山本みつる
雑誌
日手術医会誌
巻号頁・発行日
vol.14, pp.113-114, 1993
被引用文献数
2 2
著者
森 道子
出版者
大手前大学・大手前短期大学
雑誌
大手前大学人文科学部論集 (ISSN:13462105)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.A93-A107, 2003

Where Angels Fear to Tread と『雪国』とは、海外旅行と国内旅行という違いはあるが、ともに鉄道による旅行小説である。特に注目したいのは両者におけるトンネルの効果的な活用である。旅人である主人公に密着した三人称の語り手が故郷と正反対の、ユートピア性をもつ旅先の土地での事件と徒労を描写する。タイトルに暗示されるように登場人物の間に浄化作用が、宗教的かつ神話的に働くことや、異郷の情景描写など具体的な旅行の魅力を存分に備えながら、旅先で起きる死によって旅とは人生であり、その行く先は死であるのを象徴することなどの共通点を探り、二作品を比較対照した。
著者
山内 太 長谷部 弘 高橋 基泰 佐藤 康行 村山 良之 岩間 剛城
出版者
京都産業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、近世村落社会における農民的土地所有の性格について、特に新潟県の割地制度を素材としながら、実証的に明らかにしようとしたものである。旧上塩尻村(長野県上田市)の事例研究をベースとして、旧中郷屋村等新潟県蒲原平野に位置する、かつて割地を行っていた村落の資料調査を行い(継続中)、共同体的な土地所有制度であると見なされてきた割地が、この地域の自然環境、並びに村落構造と密接な関連をもちながら行われていたという事実を明らかにしつつある。
著者
寺林 伸明 白木澤 旭児 三浦 泰之
出版者
北海道開拓記念館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

北海道と黒竜江省、吉林省に関する「満洲開拓団」について、関係者、関係文献の研究を日中共同ですすめ、「満洲開拓」の実態追求にかかわる下記の重要諸課題について、報告書を集成の予定である。
著者
佐藤 直之 川辺 良一 海野 智 石川 好美 大村 進 水木 信之 藤田 浄秀 竹林 茂生
出版者
Japanese Society of Oral and Maxillofacial Surgeons
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.41, no.8, pp.677-681, 1995-08-20
被引用文献数
10

Color Doppler imaging findings were reviewed for 36 lymph nodes in 13 patients with oral cancer who underwent neck dissection. Seventeen lymph nodes were histologically diagnosed as metastatic and 19 as non-metastatic. Color flow was observed in 6 nodes, all of which were non-metastatic. None of the 17 metastatic lymph nodes had color flow. Al-though 13 of the 19 non-metastatic lymph nodes also had no detectable color flow, all of these nodes were less than 10mm in diameter.<BR>These results suggest that normal or inflammatory swollen lymph nodes have color flow detectable with color Doppler imaging, and that metastasis to these nodes leads to the loss of color flow. We conclude that color Doppler imaging facilitates the diagnosis of cervical lymph node matastasis.
著者
菊池 馨実 関 ふ佐子 石田 道彦 大原 利夫 尾形 健 石田 道彦 大原 利夫 尾形 健 関 ふ佐子
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

アメリカ高齢者法を多角的に検討した共同研究を日米法学会総会で行うとともに、アメリカでの現地調査の概要を雑誌に連載する機会を得た。また各研究者が、個別に、日本社会保障法学会、日本成年後見法学会、全米ロースクール協会などでの学会報告で、高齢者の権利擁護、高齢者法などに係る研究発表を行った。このほか、各研究者が、自律の価値付け、アメリカ医療改革・所得保障制度などに係る比較研究、日米の福祉国家研究など、高齢者の法的保護に関わる多くの論文を発表した。
著者
小葉田 亨 高見 晋一
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.212-216, 1989-06-05
被引用文献数
3 4

旱ばつに対して, 登熟期のイネがどのような葉身水ポテンシャル(LWP)および穀実生産反応を示すかは明らかにされていない. そこで, 日本型の陸稲5品種と水稲1品種(Oryza sativa L.)を用いて, 畑栽培し, 8月15日からひき続き灌漑する区と停止した区について, 出穂後における止葉葉身の日中LWPの推移と乾物生産, 穀実生産量を調べた. 断水後(8月15日), 12日以内に全ての品種が出穂した. LWPは, 在来陸稲2品種では-1.4MPaまで低下した後旱1.1MPaまで回復した. また, 改良陸稲2, 在来陸稲1品種では-1.4MPaまで低下したまま低いレベルで推移した. 水稲品種ではLWPは-1.7MPaまで低下して, その後大部分の葉身は枯死した. いずれの品種でも, 登熟期間中の日中平均LWPが低下すると, 主稈全体及び玄米の乾物増加が抑制され, 品種を込みにすると日中の平均LWPと両乾物増加量との間にはそれぞれ高い相関があった. また主稈の玄米増加量と個体当たりの粗玄米収量との間には高い相関関係があった. 従って, LWPを高く保つ能力は, 圃場における登熟期の乾物生産及び穀実生産にとって重要であり, 日本型イネの中では在来陸稲品種がそのような能力が高いとみなされる.
著者
石塚 修 今村 哲也
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

臨床的な観点から考えると、膀胱の再生においては、膀胱頚部、つまり尿道括約筋部の再生が、尿失禁の予防には重要である。まず、われわれは、ラビットの大腿骨骨髄より注射針で骨髄由来幹細胞を採取し培養し増殖することを可能とした。その培養細胞を、障害を与えた尿道括約筋に移植し、尿道括約筋部の再生を免疫染色およびRT-PCR法にて組織学的に、また、機能的検査にても確認することができた。
著者
熊井 正之 森 つくり 内田 愛
出版者
東北大学
雑誌
教育情報学研究 (ISSN:13481983)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.81-90, 2007-03

言語発達の遅れや障害によってインタビューや質問紙の適用が困難な障害幼児の課題場面における動機づけを分析する方法を検討することが本研究の目的である。対象は最重度聴覚障害の4歳男児であった。始発と目標の視点を組み合わせた分析の枠組みを用いて、児の動機づけに関する行動観察データの分析を試みた。その結果、分析者内においても、分析者間においても十分な信頼性が確認された。
著者
西田 友昭 河合 真吾
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

白色腐朽菌および白色腐朽菌の産生するリグニン分解酵素は、ブチルパラベン類(防腐剤)、ジクロフェナク(抗炎症剤)、メフェナム酸(抗炎症剤)およびトリクロサン(抗菌剤)の分解と毒性除去に有効であることを明らかにした。さらに、リグニン分解酵素は、現行の下水処理における除去効率が10%以下である難分解性のカルバマゼピン(抗てんかん剤)をも分解しうることを見いだした。
著者
山本 淳一 小嶋 祥三
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

次の6つのステップからなる療育プログラムを構成し,3歳から7歳の13名の重度自閉症幼児に適用した効果を詳細に分析した.(1)「基本的社会的相互作用」対人刺激の過敏性をとり、遊びを中心にした社会的相互作用を安定させることが、支援プログラムの初期段階においては最も重要であった。(2)「共同注意」応答型共同注意は、指さしから視線に手がかりを移行させることで、全ての子どもで成立した。始発型共同注意は,相手がその刺激を見ることができない場面設定をし、参加児の興味を引く刺激を用いることで促進された.(3)「模倣」以下の摸倣を系統的に評価し、運動、知覚、自己他者認知の障害のあり方を分析した。粗大・微細,動作・音声,対称・非対称,他者方向・自己方向。(4)「音声言語理解」聞き取り理解の学習と前頭葉の活動との相関関係が見られた。(5)「言語表出(哺語,単音,単語,文)」視覚的枠組み使って,文法にあった文を成立させていく指導ステップを構築した。(6)「機能的言語」叙述言語に関して、自分の経験した事象を報告する指導によって、獲得と般化がなされた。子どもの注意を十分引く必要があり試行回数が学習効果を決定する課題は「離散試行型指導法」を用い,社会的相互作用を目的とした課題と般化促進のために「ピボタル行動指導法」を用いた.基本的には週1回、大学での子どもへの指導,親面接,家庭でのかかわり方と指導のアドバイスを実施した.その結果、9名の自閉症児の社会言語領域、認知領域の発達年齢に大きな向上が見られた.また,適応行動尺度では,全員について向上が見られた.このような指導だけでは,音声言語の獲得と拡張、機能化がなされなかった4名の自閉症児については,絵カードの交換によるPECS(Picture Exchange Communication System)を導入し,3名について音声模倣の獲得がなされた.
著者
熊 傑田 上田 誠之助
出版者
公益社団法人日本生物工学会
雑誌
醗酵工學雑誌 (ISSN:03675963)
巻号頁・発行日
vol.54, no.4, pp.241-248, 1976-04-25

重質経由(high boiling point gas oil)を唯一の炭素源として40〜50℃を適温とする細胞, 酵母, 放射菌およびカビのスクリーニングを行った.得られた30株の中に9株の放射菌と1株のカビ以外に全部は細菌であった.細菌の中に普通によく知られている細菌よりリン含量が高い菌を数株分離した.その中の1株Brevibacteriumの一種であると同定した.A25R菌は石油資化性がよく, その菌体内リン酸化合物を分画して標準菌株と比べて見ると冷酸可溶画分とKOH可溶画分に特徴があることがわかった.冷酸可溶部を分画して見るとATPは 3.6μg/mg-cells, ADPは2.3μg/mg-cellsであった.KOH可溶画分中にRNAの分解に由来したモノヌクレオチッドのCMP, AMP, UMPとGMPのほかに氷冷した10%トリクロル酢酸で抽出できないが, アルカリによって分解をうけつつ抽出される糖のリン酸エステルが存在していることがわかった.このリン酸エステルの検討について後に報告する.Brevibacterium sp. A25R菌を用いてその培養条件を検討したところ, 有機窒素源は必要でなく, 無機塩と重質軽油でも培養できた.炭素源濃度を0.2〜10v%とかえても, つねに一定の比増殖速度0.35hr^<-1>をもつことがわかった.炭素源濃度が2v%以上では, 菌体濃が2〜3mg/mlを越えると資化できる炭化水素がまだ残っているのに, 増殖速度が減少しはじめ, 長時間にわたって低い速度で増殖しつづけることがわかった.この現象について2,3の検討を行った.培養の最初の5時間内にはpHの変動がなく, 中和剤の添加が見られなかったが, 培養が進むにつれてpHが酸性になり, 中和剤の添加が見られた.培養液のpHを6.4〜7.4にたもつために加えられた4N NaOHが不定形に変形した油滴を円形にもどすという現象が観察された.NaOH中和での油滴が円形にもどすため菌体の接触しうる油滴表面積が減り, 菌の増殖が不良になったのではないかと推察した.一方, 4M(NH_4)_2HPO_4で中和する場合, 変形した油的が培養が進むにつれて更に小さくなっていて対数増殖期(始発炭素源濃度が4v%の場合)は菌体濃度7〜8mg/ml までつづき, 最大菌体濃度は8mg/mlに達すること(NaOHで中和する場合は 5.6mg/mlであった)がわかった.更に0.06%Tween60を含む4M(NH_4)_2HPO_4で中和する場合, 油滴は4M(NH_4)_2HPO_4だけで中和する倍より更に細かい変形油的になり, 菌体濃度は 9mg/mlまで高めることができた.このように中和剤の油滴形状や大きさへの影響は大きく, それらが菌体増殖へ強く作用することが認められ, 石油醗酵の場合油滴を細かく培養液中に分散させる手段とか, 菌の乳化力を妨害する因子の回避を考慮に入れなければならないと思う.
著者
木越 治
出版者
金沢大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

近世小説史の記述に用いられる「初期読本」というジャンル呼称は、その始発に位置する都賀庭鐘自身が明確に有していたそれ以前の小説と自らのそれとを区別する意識を受け継いで設定されたものである。また、その発展とみなされる京伝・馬琴らの江戸読本とも一線を画そうという意図をも内包している。それゆえ、今後の文学史記述においてこのジャンル呼称を用いる場合は、こうした評価軸を意識しつつ、所与のものとしてではなく、選ばれた作品のみに与えるジャンル名として用いていく必要がある。
著者
中山 武司 二宮 洋 浅井 秀樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CAS, 回路とシステム
巻号頁・発行日
vol.95, no.482, pp.31-38, 1996-01-25

タイリング問題とは有限の升目上に隙間なくポリオミノを敷き詰めていく典型的なNP-complete問題である. 本研究ではm×nの升目上に, 異なる形のι個のポリオミノを敷き詰めることを考える. はじめに, 我々が以前提案した接触検出関数を用いたタイリングアルゴリズムについてぶれる. 次に, その手法について異なる四つのアルゴリズムを提案し比較検討する. そして, このアルゴリズムの適用例を挙げ有効性を示す.
著者
北島 勲 仁井見 英樹 畠山 登
出版者
富山大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

炎症反応の中核を成す転写因子NF-κB活性化状態を病院検査室で利用できる高感度・迅速な計測方法を開発する。本研究は液相における物質のブラウン運動を計測する一分子蛍光相関法を基盤にした応用開発である。救急医療での迅速な対応が要求される全身炎症反応症候群(SIRS)病態に関わるNF-κB活性化状態の迅速検査法を確立することでSIRSの予後予測と早期対策が期待できる。
著者
沢岡 清秀
出版者
工学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2002

1.<創造的再利用>の意義に対する設計者・建築家の基本的認識について:<創造的再利用>は古美術の博物館展示的作業や、既存建築の物理的骨格のみを利用して思いのまま変更する作業ではなく、既存建築を「対話」の相手と考えてアイデアを構想する、新しい創作の一領域であると捉えられている。それは、既存建築の中にそれを創り出した人々の考え方や価値観、感情の「表現」を見るという基本的視点に立っている。その結果生み出されたすぐれた事例は歴史的文化的価値を経済的社会的価値に転換し、長い間人々に忘れられていた空間に光を当て、パブリックのための価値を生み出している。2.<創造的再利用>のデザイン手法について:一方に内部と外部を切り離して考える「内外分離の原則」があり、これは特にニューヨーク市の保存行政において顕著に見られる。この原則は、外部の保存と引き換えに内部の自由な変更を保証し、内外デザインに強いコントラストを生む背景を形作っている。他方に外部ファサードのみを保存して内部のみを改変する手法には明確な批判もあり、これは特にチューリヒ市において顕著に見られた。そこでは内外を続合して考え、新旧の混在をより積極的に表現する方向性が模索されている。<創造的再利用>は既存作品の「解釈」から成り立つ点で演劇の演出や音楽の演奏にも通ずる「対話」に基づくアートであり、21世紀においてますます重要になる新たな創作の領域であると考えられる。