著者
高橋 正樹 三須 俊彦 合志 清一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. DSP, ディジタル信号処理 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.103, no.379, pp.1-6, 2003-10-16

放送コンテンツの中でもスポーツ中継は視聴率が高い.スポーツ中継は完成の域に達しているように見えるが,新たな映像表現を用いればより多くの視聴者へさらにわかりやすい映像を供給できる可能性がある.映像内の個々の物体(オブジェクト)の抽出・追跡技術を利用することにより,オブジェクトの特微量を利用した様々な映像表現の生成が可能となる.本稿では検出処理と幾何変換・作画処理を組み合わせた,スポーツシーンにおける新たな映像表現生成手法について述べる.また高速に移動するオブジェクトに対応したオブジェクト抽出・追跡法について述べる.さらに,上記手法を利用したスポーツコーダシステムを構築し,これを実験した結果仕様通りの映像が生成されることが確認できたのでこれを報告する.
著者
平田 邦男
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育
巻号頁・発行日
vol.38, no.4, pp.291-294, 1989

本論説は1990年8月6日に東海大学湘南校舎で開催された第7回物理教育研究大会における講演『物理カリキュラム研究のすすめ』を編集部の依頼により要約したものである。高校物理教育の危機は教育現場の荒廃とは無縁ではないこと,高校物理カリキュラム研究の視点として,構成主義者的学習論の重視,数式物理の追放,文系志望者のための物理カリキュラムのあり方の3点を挙げたこと,および次期学習指導要領の改訂に向けての準備について述べた。
著者
服部 範子 名須川 知子 岩崎 雅美 角田 万里子 黒川 衣代 加納 光子 畑野 裕子 黒川 衣代 加納 光子 畑野 裕子 角田 万里子 太田 まさこ
出版者
兵庫教育大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

南アジアは世界的にみて最貧地域とされ、ジェンダー差が著しいことが指摘されている。本研究は南アジア女性の現状を現地調査に基づき明らかにした。第一に、南アジア諸国では最近、女子教育施策(女児の就学促進策や成人女性への識字教室など)が積極的に推進されていること、第二に、南アジアのジェンダーに関して、女性の日常生活の実態やライフコースの多様性や問題点を、国別、地域別、宗教別などにより明らかにした。
著者
三浦 信
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.9, pp.62-71, 1961-01-30

In questo saggio viene esaminata l'economia aziendale in Italia : gli inizi, gli sviluppi e la situazione attuale. I caratteri dello studio della gestione e dill'organizzazione dell'azienda, associato a quello della rilevazione delle sue operazioni, sono infatti diversi da Paese a Paese. L'A., esaminando la storia delle discipline italiane, conclude che la dottrina moderna fondata dallo Zappa puo essere caratterizzata come una scienza della vita economica(gestione e organizzazione)dell'azienda, studiata largamente per mezzo di teniche contabili, cosi, affine a quella tedesca(Betriebswirtschaftslehre ). Dopoguerra le preoccupanti condizioni economico-sociali dell'ambiente fecero sentire agli italiani la necessita di fare ricorso anche alle discipline ame icane(Business Administration), senza metodo unitario ma tecnicamente molto sviluppate. Cosi la dottrina italiana stessa ora sta introducendo nel suo sistema i contributi americani come abbondanti e utili materiali di fatti e di tecniche.
著者
栗本 陽子
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2006

雍正2年(1724)に来朝したチャンキャ三世は,主に乾隆年間に清朝のチベット仏教政策を牽引し乾隆帝の最も信頼するチベット仏教政策顧問として大きな足跡を残した人物として有名である。その来朝の経緯を明らかにするとともに,彼が招請され,前世の地位を継承したことが後の清朝のチベット仏教管理制度である扎薩克喇嘛制度にもたらした変化を以下のように具体的に明らかにした。(1)チャンキャ二世の時代から清朝はチャンキャを重用していたが,康煕年間にはチャンキャと同じアムドのグンルン寺系の転生僧に対する重視が始まったに過ぎず,チャンキャの地位は定まっていなかった。雍正年間にチャンキャ自身の転生者が来朝してその地位を継承したことで,初めて後代に受け継がれる慣例ができた。(2)チャンキャ三世招請が決定されたのは清朝による青海平定の最中で,雍正2年正月のグンルン寺との交戦後であった。当初の予定になかった幼いチャンキャ三世の招請によって,清朝とアムドの寺院勢力の間の紐帯となりうるチャンキャ三世の存在感が高まり,その後双方によってチャンキャと清廷の因縁が随所で強調され,利用されていった。(3)雍正12年にチャンキャ三世が大国師を継承するにあたり,清朝とアムド寺院勢力双方の思惑により,チャンキャ縁の複数の転生僧が禅師としてその脇を固めることとなった。これにより,札薩克喇嘛制度がチャンキャ体制ともいうべき形へと整えられていく。チャンキャ三世が前世の地位を継承したことで,このチャンキャ体制も転生相続制度によって代々継承されていくシステムができていった。雍正年間のこれらの決定は,その後のチャンキャの地位を安定的且つ絶対的なものとし,またそれまで方向が定まっていなかった清初からの扎薩克喇嘛制度そのものを大きく転換させるなど,後世に大きな影響を及ぼすものであった。
著者
鈴木 郁真 池内 康樹 津邑公暁 中島 康彦 中島 浩
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.46, no.16, pp.129-143, 2005-12-15
被引用文献数
5

遺伝的アルゴリズムにおいて最も処理時間を要する適合度計算に対し,再利用を適用することで高速化する手法を提案し,再利用の有効性を示す.適合度計算の入力となる遺伝子が,前世代で処理された遺伝子と多くの共通部分を持つことから,適合度関数を分割することで再利用の効果を引き出す手法について述べる.GENEsYs を用いて評価した結果,2 点交叉で最大83%,平均27%のサイクル数を削減できた.さらに,関数分割などの改良を施すことにより,最大86%,平均38%までこれが向上した.特に適合度計算に要する時間が長い適合度関数について,再利用の効果がより大きくなることが分かった.This paper describes a speedup technique with computational reuse for the fitness calculation of GA programs. A genotype has many genes in common with its parental genotypes. Therefore, partial results of fitness calculation are reusable. Through the result of an evaluation with GENEsYs, a well-known GA software, we show that the maximum ratio of the cycle reduction reaches 83%, while accomplishing average reduction of 27% with 2-point crossover. Futhermore, dividing fitness procedures raises the maximum ratio to 86% and average ratio to 38%.
著者
武末 純一 桃崎 祐輔 松木 武彦 橋本 博文 坂 靖 亀田 修一 高久 健二 重藤 輝行 山本 孝文 田中 清美 七田 忠昭 禰宜田 佳男 角田 徳幸 梅木 謙一 庄田 慎矢 浜田 晋介 寺井 誠 李 健茂 安 在晧 池 賢柄 李 弘鍾 朴 升圭 権 五栄 李 盛周 金 武重 金 昌億 宋 満栄 李 暎徹 李 東煕 河 眞鎬 金 権中 金 奎正 李 宗哲 朴 栄九 李 亨源 鄭 一 朴 泰洪 兪 炳〓 孔 敏奎 河 承哲 尹 昊弼 李 基星 裴 徳煥 李 昌煕 千 羨幸
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

この研究では、日本と韓国の弥生・古墳時代集落研究を、集落構造論の立場から検討し、最終報告書(650頁)を発刊した。日韓の環溝集落の様相や海村の様相、日韓それぞれの地域の国際交流港での渡来人集落が明らかになった。日韓の首長層居宅の比較や、日本人による韓国の集落分析、韓国人による日本の集落分析もなされた。そのほか、日韓の金属器生産遺跡や馬飼集団の集落も解明できた。全体として日韓の集落研究者の絆を深め、両地域の弥生・古墳時代集落研究を活性化できた。
著者
田中 重好 藤田 弘夫 熊田 俊郎 友枝 敏雄 堀川 三郎 横田 尚俊 田中 重好
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

「生活公共性」という新しい社会学的な概念を検討し、都市環境や都市空間の実証的な研究に援用可能であることを確認した。その概念を用いて、日本、中国、イタリアやドイツの都市空間の実証的な研究を行った。公共性という概念は、実証的な国際比較研究において重要な鍵概念であるばかりではなく、危機にある社会学理論の今後の再建においても重要な概念であることを検討してきた。本研究の研究成果は、『東アジアにおける公共性の変容』(慶応大学出版会、2010、日本語)、『地域から生まれる公共性』(ミネルヴァ書房、 2010、日本語)、 The Comparative Study of the Publicnee(中国社会科学出版社、2013、英語)、科学研究費報告書『都市環境における生活公共性の比較社会学的研究』としてまとめ、公刊した。とくに、我々としては、国際比較社会学の研究成果を英文で出版しえたことは、重要であったと考えている。また、 2012 年日本社会学会大会において「生活公共性と比較社会学」という特別セッションを海外から 6 名の研究者を招聘して開催し、研究報告をおこなった。本セッションの全体は、科学研究費報告書『都市環境における生活公共性の比較社会学的研究』に収録した。
著者
張 偉 深井 誠一 五井 正憲
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.347-351, 1998-05-15
被引用文献数
3 1

日本産野生ギク7種(キクタニギク, シマカンギク, リュウノウギク, サツマノギク, アシズリノジギク, イソギク, ナカガワノギク)について頭状花序の分化・発達過程を走査型電子顕微鏡で観察した.頭状花序の分化は, 未分化, ドーム形成, 総包形成前期・後期, 小花原基形成前期・後期, 花冠形成前期・中期・後期の9段階に区別できた.頭状花序の分化時期, 発達スピードおよび開花時期は種によって異なった.筒状花の発達過程において, 雄ずいの分化前に花筒が閉じる種と分化後に花筒が閉じる種が見られた.
著者
石井 浩二郎
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2008

本研究では、これまで未解明であったセントロメア新生反応機構について、分裂酵母の卓越した遺伝学を用いた新たに分子的な解剖を試み、セントロメア生来の必須機能の分子的な本質の理解を行ってきた。セントロメア機能傷害の発生に際して、染色体上の別座位に新たにセントロメア機能(ネオセントロメア)が獲得される現象は既に高等細胞で見出されているが、その出現を偏りなく人為的に誘導する実験系はこれまで報告がない。私たちは、高等生物と同等の分子構造を示す分裂酵母セントロメアに人為操作を加え、細胞内で条件的にセントロメアを染色体から切除するシステムを構築し、セントロメア欠失という致死的な傷害を既定の細胞集団に誘発する系を確立した。ネオセントロメアの新生をこの致死的細胞集団からの復帰生存株の出現という細胞応答として検出し、その反応素過程を分子生物学的に解析した。昨年までの解析により、分裂酵母第一染色体および第二染色体からのセントロメア欠失はネオセントロメア獲得細胞を再現性よく生成し、そのネオセントロメア形成領域として染色体両端のテロメア近傍が集中して選ばれていることが判明していた。テロメアの重要性を探るため、本年度はまずテロメア末端を欠失した染色体でのセントロメア欠失を行った。その結果、テロメアを欠く細胞ではいかなる復帰生存株も生まれないことを見出した。テロメア構造は染色体再編成に必須なことが示唆された。また、ネオセントロメア形成後の遺伝子発現の変動を人為的発現誘導によって解析し、セントロメアの転写に対する柔軟性がさらに明確に示された。
著者
武田 徹
出版者
恵泉女学園大学
雑誌
恵泉女学園大学紀要 (ISSN:09159584)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.91-108, 2007-03

This article discusses how the idea of publicness has changed in the history of broadcasting in Japan. The Three Radio Wave Laws established in 1950 (Dempa Sampo): including the law defining the principle for regulation of broadcasting (Hoso Ho), the law regulating the use of radio waves (Dempa Ho) and the law establishing a commission to supervise its usage (Dempa Kanri Iinkai Setti Ho) were intended to terminate the government.controlled broadcasting system dictated under the war government, and to build a new public broadcasting system independent from any kind of governmental control. But, soon after the San Francisco Peace Treaty in 1951, the commission to supervise radio wave usage disappeared, and the decision.making capacity to allot the frequency waves moved back to the Ministry of Post and Telecommunications . This meant that the independence of the broadcasting system also disappeared, because the government regained its ability to rule the broadcasting system again by controlling the licensing of radio waves. In additon, recently, as the Internet has been covering our society, the citizen's `right to know' is fulfilled not only by mass.broadcasting, but also by search engines like Google. How should the broadcasting system maintain its position to be `public' under such circumstances ? This article discusses the possibilities of broadcasting to remain a `public' system by referring to John Rawls' "A Theory of Justice" and the idea of `liberal irony' by Richard Rorty.
著者
藤本 典幸 萩原 兼一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告データベースシステム(DBS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2005, no.68, pp.659-664, 2005-07-15

個人ユーザを対象に,数Mbps程度のインターネット回線1本とコモディティPC1台のみを用いて,ウェブページ上に掲載されているマルチメディアデータをキーワード検索するシステムの設計と実装,および評価結果について述べる.サポートされるデータ形式は,画像(JPEG GIF PNG),動画(MPEG FLASH RealMediaなど) 音声(MP3 wave MIDIなど) PDFファイルなど,HTMLのIMGタグ,Aタグ,OBJECTタグ,EMBEDタグで記述できるもの全てである.本システムはユーザがクエリーと収集時間を入力した後に,Google Web APIを用いて取得したウェブページ群を種ページとして,指定された時間の間,トピック主導型クローリングを行い,収集したHTMLのテキストベースの解析を行う(マルチメディアデータの内容解析は行わない).クローリングアルゴリズム,スコアリングアルゴリズムを工夫し,マルチスレッドプログラミングを行うことにより,本システムは,各ウェブサイトにかかる負荷を考慮しつつ,ユーザのクエリー入力後 30秒間で150ページ前後のウェブページをクローリング,解析し,300個程度のマルティメディアデータ(多くは画像)をスコア順に出力することができる.This paper describes the design, implementation, and evaluation of a novel Web multimedia search engine software. The hardware resources required by our engine are only one commodity personal computer (PC for short) and only one Internet connection with a few Mbps. For a given query and a given time interval,our engine retrieves Web pages relevant to the query during the time interval. Then, our engine analyzes the collected Web pages and finally enumerates multimedia data in the Web pages in the descending order of score for the query. We evaluated our engine on 2.4GHz Intel Pentium 4 PC with 512MB RAM and 16.66Mbps effective bandwidth to the Internet. Our experiments show that,due to our sophisticated Web crawling algorithm, multimedia data discard algorithm, and multimedia data scoring algorithm, our engine can typically select 273 multimedia data of 395 multimedia data in 206 Web pages in 33.92 seconds.
著者
石田 美紀
出版者
新潟大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、CGIと実写映像の融合を推進するがゆえに、21世紀初頭のスペクタクル映画をもっとも象徴するモーション・キャプチャーについて、以下を明らかにした。1・その歴史的起源が1880年代の前映画史的時代にあること。2・視覚性の優位として批判されるCGI表現が演出技法としても成立していること。3・従来映画の主流であると考えられてきた実写物語映画は動画の領域の一部でしかないこと。以上の結果から、物語叙述の中心である俳優身体がCGIを纏うことによって物語映画にもたらす変容について、さらなる考察が必要であることが判明した。
著者
鈴木 一成
出版者
愛知教育大学附属名古屋小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2008

1 校内・校外体育授業研究会の実施校内体育授業研究会(隔週開催)や校外体育授業研究会(10月と3月に開催)では,校内の体育科の教諭だけでなく,大学の先生や公立学校の現職の教諭も加え,健康関連体力の考え方や体力テストの活用法,授業と業前・業間の関連を図る方法を検討し,必要充足における体力の高め方の指導方法(主に授業づくり)について理解を深めることができた。2 1日50分運動しよう(戸外に出よう)の指導の展開(1) 運動したくなる環境づくり○ 各学級に「体育グッズ(大縄,ストップウォッチ,ノーパンクボール,スポンジボール,フリスビー)」を配布し,体育学習,業前・業間の運動遊びに活用した。○ ジャンピングボードや鉄棒の補助具を常時設置した。体育の授業と業前・業間との関連を図るようにした。これらを活用して運動遊びをする姿が見られた。(2) 運動したくなる仲間づくり○ 体育委員会主催のスポーツ集会(マラソン)や学年行事のスポーツ大会を開催し,学級の仲間やいっしょに運動する仲間と共に運動する姿が見られた。○ 全校に「なわとびカード」を配布した。目指す技を明確にして,めあてをもって運動ができるようにした。授業と業前・業間との関連を図った。また,技の教え合いにより,異学年の交流も生まれた。
著者
安藤司文
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告自然言語処理(NL)
巻号頁・発行日
vol.1995, no.52, pp.51-58, 1995-05-26

人間は,質問と応答,知識の獲得,物語の理解などの知的な活動を,頭の中にある概念構造を用いて行っている.人間の頭の中にある概念構造を記号化したものを普遍言語と名付け,その普遍言語をベースにして,日本語と英語の普遍的な言語構造と個別言語固有の言語構造を検討し,次の点を明らかにした.()日本語や英語などの自然言語の文はいづれも"?がある","?である","?をする"という3種類の基本単文(基本意味単位)で構成されている.()どのような複雑な意味を表現する文でもいくつかの単文が結合されたものである.()日本語や英語の単文の語順は,基本単文内での語順によって決定される.()多様に表現される文でも,意味が同じであれば,同じ意味構造を持っている.Human beings seem to evolve intellectual activities. such as questioning and answering. acquisition of knowledge. comprehension of stories, etc, utilizing conceptual structures in their human brains. If these intra-cerebral conceptual structures can be extracted as symbolized in some particular concrete ways. we designate them UNIVERSAL LANGUAGE. We have studied universal linguistic structures and individual linguistic structures as they are inherent in Japanese and English, based upon the UNIVERSAL LANGUAGE. This has bought about the results as follows: (1) Natural sentences in Japanese and English are composed of three kinds of primitive sentences (basic meaning units), that is, (縲鰀 ga aru), (縲鰀 de aru), (縲鰀 wo suru) (2) Sentences, which even express complicated meanings, are unifications of simple sentences. (3) The word order in simple sentences in Japanese and English has been determined by that of the primitive sentences. (4) Sentences, expressed in various ways with the same meaning inherent in them, have the same conceptual structures.
著者
岩井 冨美子
出版者
島根県立大学短期大学部
雑誌
島根女子短期大学紀要 (ISSN:02889226)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.54-61, 1968-03-01

V・ウルフの処女作「船出」には,彼女の心を示めるさまざまのテーマが散在している。死テーマは,その中でも最も明確な彼女の主題の一つである。これは,作品「船出」において,ウルフの死に関係があると考えられる重要な語句,文章をselectし,これらを大きく14の項目に分類したものである。ウルフの死を論ずるための材料の一部を得ようというのがこの研究の目的である。筆者の最初の意図は,もっと深層部における死テーマをさがしあてて分類するつもりであったが,作品を読んでいくうちに,このように,つたない分類に終ってしまった。これは,筆者の作品鑑賞力の乏しさに加えて,伝統的な形式によって書かれ,未だ本格的にその主題が滲透していないと考えられるこの作品自体にもその一因があるのではなかろうか。ともかく,かかる分類の最初の試みとして,きわめて不充分なものである。テキストは,Hogarth Press 1957年版を使用した。末尾の()内の数字は,上記テキストの頁数を表わす。代名詞のうち,特に必要と思われるものには,指示する対象物を代名詞の直後に指摘した。また,殆どのものを,筆者の独断により,一項目に属せしめたが,止むなく二項目にわたるものには,その旨明記した。テキスト中の引用詩の中には,ウルフの死テーマにきわめて関係深いと思われるものがあるが,これらについては分類を行なわなかった。