著者
許 雷 足達 嘉信
出版者
公益社団法人 空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会 論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
vol.45, no.275, pp.17-23, 2020-02-05 (Released:2021-02-05)
参考文献数
5

BIM の仕様 IFC が 2013 年に国際標準化され、IFC データの直接利用により、建築各分野における解析や計算は効率的に行われ、設計・施工・維持管理への応用が増えてきている。空調負荷計算や熱流体シミュレーション等の解析において、壁など建物要素の幾何形状と空間位置の把握は重要である。本研究では、IFC2x3 の仕様書に基づいて、IFC クラスのツリー構造、BIM データ連携の基礎である IfcProduct の 3 次元幾何形状情報表現の仕組みを紹介する。また、BIM ソフトウェアを用いて傾斜壁の実例を作成する。出力した IfcWall データより、IfcExtrudedAreaSolid クラスで定義したソリッドモデルの幾何形状・空間位置の計算手法を紹介する。
著者
依岡 輝幸
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.36, no.2, pp.45-52, 2009
著者
Hiroaki MARUYAMA Takaaki NIHEI Yasuyuki NISHIWAKI
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:13479555)
巻号頁・発行日
vol.78, no.5, pp.289-310, 2005-04-01 (Released:2008-12-25)
参考文献数
32
被引用文献数
3 4

The Brazilian Pantanal, the world's largest wetland holding abundant wildlife, has recently drawn profound concern about the development of the tourist industry. To provide significant proposals for ecotourism in the wetland, we believe that detailed data acquired by fieldwork is requisite, This study examines the regional bases that carry regional ecotourism, and attempts to present some proposals for ecotourism from the case of the north Pantanal. The results are shown as follows in order of regional scale. (1) In the water source of the Pantanal, Cerrado region, it is necessary to make efficient plans to control recent agricultural development, especially in soybean and cotton production. (2) On the wetland level, legally protected areas such as national parks and RPPN (Reserva Particular do Patrimônio Natural) should be extended. (3) On the municipal level, environmental subsidies are needed for disused goldmines, and for the maintenance of tourist infrastructures such as Transpantaneira and MT 370. (4) Modern hotels and eco-lodges need to provide ecotourism organized by local people, and to equip the facilities with adequate sewage facilities and garbage recycle plants to preserve the natural environment.
著者
福地 健治
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.55, no.3, pp.1378-1385, 2020-10-25 (Released:2020-10-25)
参考文献数
30

本研究はドイツ・ボン市におけるスイミング施設の全体計画をめぐる住民投票とプラーヌンクスツェレの新鮮な事例研究である。研究方法は現地での参与観察の手法を用いた。プラーヌンクスツェレは日本でも試されてはいるが、まだ現実的課題についての実践事例は少なく、実験段階であり、ドイツでの本事例を紹介することには意義があると考える。また本事例に着目したのは、ボン市初の住民投票であり、二度の住民投票を繰り返したのちにプラーヌンクスツェレが実施されるという経緯の特異性にある。政治的に複雑な地域課題への解決策として住民投票とプラーヌンクスツェレの現代的意義を考察し、将来の日本の自治体における課題解決の方法として示唆を与えたいと考える。
著者
伊藤 潔志
出版者
桃山学院大学
雑誌
桃山学院大学キリスト教論集 = St. Andrew's University Journal of Christian Studies (ISSN:0286973X)
巻号頁・発行日
no.51, pp.45-70, 2016-02-18

In Wittgenstein's diaries, manuscripts, and so on, he makes numerous references to religion. From this, we can see that Wittgenstein had a strong interest in religion, and that this interest continued consistently right from his `early phase' to his `late phase.' However, these are no more than fragmentary writings, and they do not go so far as to clearly indicate exactly what Wittgenstein's religious understanding was. In this paper, in order to pursue the essence of Wittgenstein's interest in religion, and to clarify the characteristics of his religious understanding, I focus on Tolstoy, who exerted a powerful influence on Wittgenstein. By considering Wittgenstein's religious understanding centered on the influence exerted by Tolstoy on him, we see that, for Wittgenstein, religion was truly an` issue of life.' Accordingly, Wittgenstein's religion can be called a `religion of life.'
著者
鈴木 健
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第23回 (2009)
巻号頁・発行日
pp.3E3NFC210, 2009 (Released:2018-07-30)

伝播投資貨幣(Propagational Investment Currency SYstem:PICSY)は、価値が伝播する貨幣システムである。売り手は現物出資の投資家となるため、すべてが投資の貨幣といってもよい。取引関係の行列から固有ベクトルを求め、その値を個々人が社会に与えた貢献度と解釈し、購買力を与える。Google PageRankの貨幣版ともいえるこのモデルについて紹介する。
著者
吉田 陽亮 生野 公貴 庄本 康治
出版者
Japanese Society for Electrophysical Agents in Physical Therapy
雑誌
物理療法科学 (ISSN:21889805)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.45-52, 2014 (Released:2022-09-03)
参考文献数
35

【目的】人工膝関節全置換術(TKA)後症例に対する感覚強度の神経筋電気刺激(NMES)の効果について予備的に検討した.【方法】対象はTKAを施行した症例16名とし,NMES群8名と非実施群8名に割り付けた.術後3週目より5日/週×2週間,感覚強度のNMESを大腿四頭筋へ実施した.評価は,最大膝伸展筋力(MVIC),下肢骨格筋量(LSMM),Timed Up and Go test(TUG),2分間歩行テスト(2MWT),Stair Climbing Test(SCT),Visual analogue scale(VAS),Japan Knee Osteoarthritis Measure (JKOM)を測定した.【結果】術後4週目のMVICと2MWT はNMES群で有意に改善し(p<0.05),術後8週目でも改善傾向を示した.【考察】感覚強度のNMESは筋力と歩行能力を改善させる可能性がある.
著者
守山 正樹 竹本 泰一郎 柏崎 浩 鈴木 継美 マリーナ ロバートM.
出版者
The Anthropological Society of Nippon
雑誌
人類學雜誌 (ISSN:00035505)
巻号頁・発行日
vol.93, no.1, pp.33-43, 1985 (Released:2008-02-26)
参考文献数
26
被引用文献数
1 1

初経発来への年齢,身長,体重の寄与を,1960-64年に出生の女子生徒275名で調査した。初経時の年齢,身長,体重の平均値はそれぞれ12.5 SD 0.89年,151.1 SD 5.7cm,42.3 SD5.8kg であった。初経時年齢と身長は有意な正の相関(r=0.406)を示し,「初経時年齢群別の平均身長は一定値をとる」とした松林(1932)の報告は支持されなかった。初経時年齢と体重の間には関連がないが (r=0.104),初経時の体重は身長よりもはるかに大きな変動を示し,「特定の体重,体構成への到達が引き金となって初経が起こる」とした Frisch と Revelle(1971)の仮説も支持されなかった。さらに,各暦年齢時での初経の有無(1/0)を被説明変数,身長•体重を説明変数として重回帰分析を行なったところ,体重のみが有意な寄与を示した。この結果より,初経発来にかかわる体格の閾値の存在が示唆された。
著者
サイエンスポータル編集部
出版者
国立研究開発法人 科学技術振興機構
雑誌
サイエンスウィンドウ (ISSN:18817807)
巻号頁・発行日
vol.16, no.4, pp.20231604, 2023-03-31 (Released:2023-03-31)

世の中には科学技術があふれ、日々の暮らしを豊かにし、また自然界のことを知る喜びを与えてくれています。その発展によって、未来がより明るいものとなるよう、私たちは願っています。 「Science Window(サイエンスウィンドウ)」は、一人でも多くの方にとって科学技術が少しでも身近になるよう、分かりやすく楽しい情報を発信するウェブマガジンです。 【特集】海を越えてきた研究者たち ふるさとを離れて日本に長く住み、独自の視点で成果を上げてきた研究者をクローズアップします。 異なる環境で研究してこそ深まることは、そこから日本人が学べることは、何でしょう。 【目次】 CHAPTER 01 仏教と暮らしの関わりから社会福祉を考える CHAPTER 02 人々を感染症から守るために世界的な視野を CHAPTER 03 柔らかいロボットで人と協働する社会を CHAPTER 04 環境・エネルギー問題に挑む冒険的なアプローチ CHAPTER 05 不思議に魅せられ、光触媒の多彩な可能性を追求 COLUMN 外国人を支える 日本の支援制度や窓口 ※高解像度のPDFファイルを提供しています。「Science Portal」のお問い合わせフォーム(https://form.jst.go.jp/enquetes/inquire)よりご連絡ください。
著者
佐々木 光俊
雑誌
千葉経済論叢 = The Chiba-Keizai ronso (ISSN:0915972X)
巻号頁・発行日
no.45, pp.29-64,

古代メソポタミアの代表的な物語の一つである「エタナ物語」を採り上げ、その背後にある<ワシの力>という観念の重要性に注目した。そして、この観念がシュメール文化の最初期から確認され、変容・変化を遂げながら新アッシリア時代の物語にまで引き継がれていることを、この物語の再読と他の物語との連関を探ることによって明らかにすることを試みた。この観念がもつ主権性との近縁性のために生じる他の諸神との競合として「アンズー物語」をとらえる。またニヌルタ神をワシの力や樹のイメージという「エタナ物語」の表象を通して、この神格の特性を捉えかえす。最後にもう一つの代表的な物語である「ギルガメシュ叙事詩」とこの物語にみられる共通性とその意味について検討した。
著者
神田 將志 日高 優一郎
出版者
日本マーケティング学会
雑誌
マーケティングジャーナル (ISSN:03897265)
巻号頁・発行日
vol.41, no.3, pp.105-114, 2022-01-07 (Released:2022-01-07)
参考文献数
9

本研究では,岡山県小田郡矢掛町におけるアルベルゴ・ディフーゾ(Albergo Diffuso,以下ADと表記)の発展プロセスを考察する。ADは,町の中に点在する空き家を一体化した宿として活用してエリア全体を活性化する試みである。人口減少が進む中で,地方活性化の手法として注目を集めており,日本では矢掛町が初めてADタウンに認定されている。本研究は,矢掛町の事例では,当初からADを念頭に活動を進めたわけでなく,活動がADとの邂逅を生み出したことを示す。当事者が,当座の「町ごとホテル」の名のもと,当地の伝統的な関係性を紐解きながらアクターを生成し,生成した各アクターが資源をやりくりして実践を積み重ねた結果,ADとの邂逅を生み出している。事業が「AD」と再定義されたことは,当事者たちの当地の魅力や活動対象エリアの認識に変化を生み出し,更なる可能性を呼び込んでいる。本研究は,矢掛町のAD認定に至る軌跡を辿り,その意義を考察する。
著者
河野 哲夫
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
テレビジョン (ISSN:18849644)
巻号頁・発行日
vol.14, no.11, pp.507-513, 1960-11-01 (Released:2011-03-14)
参考文献数
3

対流圏散乱によるテレビの遠距離伝送の要求に際し, 散乱波のような多重路伝播によって, テレビの広帯域情報をひずみなく伝送することが, 果してどの程度まで可能であろうか, という疑問が生ずる.この伝播様式の欠点の一つである非常に大きな伝送損失は, 将来大電力送信と低雑音受信の技術が発達すれば, ある程度補償される可能性は多いが, 伝送可能帯域幅を十分広くとれないという欠点は将来ともかなり厄介な問題として残されると思う.そこで本文では実験用の散乱回線について伝送可能帯域幅を測定した結果と, その改善対策について述べ, 一方この回線で行なったテレビ伝送の予備試験の概況を報告してある.
著者
曽我 昌史 山野井 貴浩 土屋 一彬 赤坂 宗光
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

急速な都市化や生活様式の変化に伴い、我々が自然と接する頻度は減少の一途を辿っている。こうした現代社会に蔓延する「自然離れ」は「経験の絶滅」と呼ばれ、保全生態学や公衆衛生など複数の学術分野で重要な問題として認識されつつある。本研究では、経験の絶滅の実態(発生・伝播プロセスや人と環境保全に与える負の影響)を全国規模で把握するとともに、将来求められる緩和策を提案することを目標とする。

4 0 0 0 OA 数論的

著者
阿部 知行
出版者
一般社団法人 日本数学会
雑誌
数学 (ISSN:0039470X)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.337-361, 2017-10-25 (Released:2019-10-26)
参考文献数
55
著者
山村 幸江
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.91-98, 2016-03-31 (Released:2016-06-23)
参考文献数
20
被引用文献数
1

ドライマウス患者の多くは高齢者で, 唾液腺の加齢に服薬と咀嚼機能低下等が複合して関与する. 亜鉛欠乏も味覚障害のみならず口内痛や唾液量減少にも関わる. ドライマウスへの対応としてガムをかむなどの唾液分泌を刺激する習慣付けは有用である. 歯科的治療も咀嚼機能保持および齲歯と歯周病の予防・治療のために重要である. 内服薬では M3 ムスカリン作動薬は唾液腺機能が残存する場合は有効だが, 唾液腺以外のムスカリン受容体も刺激するため副作用による服薬中断例が少なくない. 副作用軽減の工夫として服用量を徐々に増やす漸増法, 同容量を多数回に分ける分割投与, 水溶させた薬剤をうがいに用いるリンス法, 飲料に混合する服用法がある.