著者
Isihara Makoto
出版者
岐阜聖徳学園大学
雑誌
聖徳学園女子短期大学紀要 (ISSN:03875067)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.175-188, 1979-03-31

原子や分子-の励起エネルギーを求める簡便法として提案された電子-出札ポテンシャル法が,分極伝播関数に対するファインマン-ダイソン流の摂動論によって分析される。そして,その方法の持つ近似の構造が,明確にされ,主な結論として,以下が,得られる。i)電子-正孔ポテンシャル法は,特定の定子励起に対しては,明らかにルーターンのハートリー-フォック法や藤永の正孔ポテンシャル法の拡張となっているが,得られる基底については,改良とも拡張とも見做せない。ii)電子-正孔ポテンシャル法は,比較的大きな分子や非対称の分子に応用されたとき,最も成功しそうである。iii)電子-正孔ポテンシャル法において得られる基底を利用して,その結果を越えることは,簡便さを損いがちで,ほとんど期待できないが,「単純化された」乱雑位相近似的な方法を工夫する余地が,少しはあると思われる。
著者
中村 圭介 前浦 穂高
出版者
東京大学
雑誌
社會科學研究 (ISSN:03873307)
巻号頁・発行日
vol.56, no.1, pp.113-136, 2004-11-12

地方公務員(非現業)の労働基本権は制約されている.まず争議権は否認されている.団体交渉権は認められているものの,交渉事項は労働条件などに限られており,また団体協約を締結することは認められていない.しかし,法解釈によれば,組織,政策など管理運営事項について,当局側が任意に労働組合と意見交換を行い,それによって得られる情報を行政の円滑な運営に役立てることはさしつかえないとされている.本稿ではある県と市で生じた組織再編-農業改良普及センターの再編統廃合とワンストップサービス実現のためのグループ制の導入-をめぐる労使協議の実態を探った.主要な発見は次の点である.第1に,労働組合はいずれのケースでも,関係職場の組合員の声を吸い上げ,当局側と協議を行っている.第2に,労働組合のスタンスは建設的である.農業改良普及センターの事例では,自らの普段の仕事を冷静にみつめなおし,独自の組合案を作成し,グループ制導入の事例では,それによる組織機構の歪み,非効率を指摘している.第3に,こうした労働組合の真しな意見を当局側が聞き入れるかどうかが労使協議の成果を左右する.組織再編は組合の意見を聞き入れ当初案を修正した県では成功し,そうすることのなかった市では失敗に終わっている.
著者
松田 芳郎
出版者
社団法人情報科学技術協会
雑誌
ドクメンテーション研究 (ISSN:00125180)
巻号頁・発行日
vol.33, no.11, pp.549-554, 1983-11-01

1983年7月11日から22日まで,フィリッピン・ケソン市で,ユネスコがフィリッピン大学図書館学研究所と共催した「アジア・太平洋地域の社会科学における情報源・情報システム・情報サービスに関するセミナー」の大要を紹介し,そこでのユネスコ等への勧告と示唆12項目と現在の日本のおかれている状況とこれからの方策についての若干の提言を示した。
著者
師 茂樹
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.95, pp.65-70, 2007-09-27

コンピュータにおける文字の扱いにおいては、「文字とは何か」という議論を避けることはできない。従来、制御文字やフォントとして符号化されてきた、書記において顕在化するものの、結果的には文字にならない部分は、「文字とは何か」を考える上で重要であると思われる。本発表では、マンガ論におけるキャラクター論も参照しつつ、文字の見えない部分について検討することで、今後の文字論に必要な材料を提示したい。In the context of character information processing, we cannot avoid the discussion of "what the character is." It would be important for it to examine invisible side of the character encoded as control characters, fonts or so, which comes up to the surface during writing but will be invisible at last. This paper aims to investigate the invisible parts of the character, also referring to a character theory of Manga (comic) studies.
著者
近藤
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.238, pp.1248-1249, 1901-12-26
著者
小笠原 直人 佐藤 究 布川 博士 白鳥 則郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告マルチメディア通信と分散処理(DPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.88, pp.1-6, 2000-09-22

近年,電話,FAX等の現実世界でのコミュニケーションメディアに加え,インターネットの普及により,電子メール,メッセージングサービス,VoIP等の様々なコミュニケーションサービスが新たに誕生し,多数のメディアを利用することが出来るようになって来ている.しかし,ユーザはこれらを効率的に使い分けるためにはユーザはそれぞれのメディアに関する情報や相手ユーザの情報を意識しなければならない.この傾向は将来新しいメディアが誕生し,コミュニケーション環境がより大きなものとなっていくにつれ,さらに顕著になっていくことが予想される.本研究では,これらの問題を解決するためにコミュニケーションに係わる様々な情報をユーザに代わり管理,交換するエージェントMIA(Media Integration Agent)を提案する.このMIAによるコミュニケーション環境により,ユーザはメディアに依存する固有アドレスや相手ユーザの情報を意識せずに,コミュニケーションメディアを効果的に利用することができる.By spread of Internet, we become to use several of communication such as email, ICQ, VoIP etc. But as become convenient to user must be aware of variety of information regarding the media and partner use, user. The forecast is that this problem grows larger and larger as new media are brought in the expanding communications network. In this research, we suggest an agent MIA (Media Integration Agent) that manages the information instead of user. The MIA is an agent that obtains situation of user, and dynamically exchanges addresses and tendency of using medias. By use of this, user can choose better communication media. Accordingly seamless communication environment that user doesn't have to be aware of various information is formed.
著者
村井
出版者
公益社団法人日本薬学会
雑誌
藥學雜誌 (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
no.158, 1895-04-26
著者
杉沢 精一 浜松 茂喜 菊池 浩平 国重 和俊
出版者
社団法人日本鉄鋼協会
雑誌
鐵と鋼 : 日本鐡鋼協會々誌 (ISSN:00211575)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.1256-1262, 1982-07-01

Manufacturing factors and properties of hot rolled 60 kgf/mm^2 class dual phase (DP) steels by two producing methods, which were suitable for mass production, were discussed. (1) As rolled extra low temperature coiling method developed using three step cooling pattern, called as "Inline controlled quenching (ICQ) method" was suitable for massproduction of DP steel with low alloying component (1.5%Mn and low Si content less than 0.15%). It was important for stabilization of mechanical properties to control the temperature and period of the second air cooling stage between water cooling stages according to variation of chemical composition. (2) The continuous annealing (CA) method as the heat-treated type process was fit for the case that low yield ratio was especially required. (3) As the result of investigation about formability, bake hardenability and weldability, it was proved that the hole expansion ratio of DP steel was remarkably improved with inclusion shape control by calcium-addition, bake hardenability of ICQ-DP steel was larger than the CA steel due to higher solute nitrogen content, and that weldability was excellent except flash-butt welding for auto wheel rim. (4) DP steels were successfully appliable to auto wheel disc and most parts made of hot rolled mild steels and their applications have been useful for weight reduction.
著者
窪田 歩 片岸 一起 浅見 徹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会ソサイエティ大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.1996, no.2, 1996-09-18

携帯型コンピュータの高性能化に伴い,普段オフィスで使用している端末を外出先でも使用するといったコンピュータの利用形態も一般化してきている.この際,IPアドレスの変更やファイアウォールの存在などのために,外出先からでは普段利用しているネットワークヘの透過的なアクセスが出来ないことが問題となっている.外部でインターネットにダイヤルアップで接続した場合,端末のIPアドレスが接続の度毎に変わるので,ファイアウォールにおいて適切なフィルタの設定を行うことが困難である上,IPアドレスやドメイン名などによりアクセス制限がかけられているネットワーク資源の利用もできなくなる.本稿では,ダイヤルアップでインターネットに接続した端末からの社内ネットワークヘの透過的なアクセスを実現するためにMobile-IPを利用する事を考え,インターネットサービスプロバイダ(ISP)との連携によりファイアウォールの設定を動的に変更し,Mobile-IPによるトラヒックに必要な最小限度の許可を与える機構を提案する.
著者
野上 素一
出版者
イタリア学会
雑誌
イタリア学会誌 (ISSN:03872947)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-6, 1966-01-20

Lo scopo dell' A.in questo articolo e illustrare il vasto interesse per gli studi danteschi in Giappone della epoca Meji-Taisho e la loro importanza nello sviluppo della cultura giapponese. Dante ha riscosso grande popolarita in Giappone alla fine di ottocento e Dante trovo i suoi fedeli nei circoli letterati di Tokyo, Kyoto e Sendai e piu tardi in quelli accademici dell' Universita di Kyoto. La Divina Commedia e Vita Nova divennero i libri favoriti di questa ristretta ma scelta accolta. I due celebri dantisti di questa epoca erano Kanzo Uchimura e Heisaburo Yamakawa, il primo ha studiato Dante nella Universta di Amherst tra 1884 e 1888 tornando in Giappone fece numerose conferenze su Dante, il secondo ha studiato Dante nella Universita di California tra 1904 e 1913 tornando in Giappone ha tradotto Inferno nel 1914 Purgatorio nel 1917 e Paradiso nel 1922. Questa epoca corrisponde al periodo in cui gli studi danteschi negli Stati Uniti si difusero dalla Nuova Inghilterra ad altre parti del paese, percio non solamemte Uchimura che si trovava nella Nuova Inghilterra ma anche Yamakawa che si trovava in California hanno subito una forte influenza della tendenza americana negli studi danteschi ; cioe grande interesse per il lato estetico e meno interesse per il lato teologico filosofico di Dante. Questa tendenza fu trasportata da questi due pionieri giapponesi dantisti in Giappone. Ma nel principio della epoca Taisho precisamente nel 1920, Prof.Jiro Abe comincio a indagare il lato teologico filosofico del Dante ma con metodo erroneo cioe con la filosofia di Nietzse, percio Prof.Yoshihiko Yoshimitsu, un teologo cattolico accuso di cio ma tacque presto con la sua improvvisa morte. Col declinare dell' interesse per Dante tra il pubblico, lo studio delle sue opere guadagno d' intensita e profondita nei circoli eruditi della Universita di Kyoto e nelle istituzioni culturali di tutto il paese.
著者
大谷 博俊
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.235-242, 2002-07-31

本研究では知的障害養護学校の高等部の生徒を対象として行われたボランティア体験学習の授業について、授業批評・生徒の学習活動に対する批評・批評者の学習活動に対する社会的妥当性の評価の3点(以下、3つの視点)から分析を試みた。その結果、ボランティアセンターでのテレホンカードの整理は、本研究の対象生徒の活動内容・活動場所として適切であることが3つの視点から明らかにされた。さらに分析対象の授業の改善に3つの視点が影響を与えたことが明らかにされた。
著者
茶木 修一 清末 悌之 中濱 清志 秦泉寺 浩史 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. OIS, オフィスインフォメーションシステム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.156, pp.55-60, 2008-07-17

日本市場におけるキーテレホンシステム、所謂ビジネスホンは1969年に製品化され、以後、1980年代前半の電子化、1980年代後半のディジタル化などを経て現在に至っている。本稿では、ビジネスホンのマルチライン機能をCSCW(Computer Supported Cooperative Work)の観点からとらえ、音声を中心としたオフィスワーカ間のコラボレーションサービスを、今後求められてくると想定されるIPプロトコルのネットワーク上に構築する場合に、どのような管理対象に対してどのような管理方法を用いるべきかについて考察する。多様なサービスを柔軟に構築することができるフレームワークをめざす。
著者
茶木修一 清末 悌之 中濱 清志 秦泉寺浩史 阿部 匡伸
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告デジタルドキュメント(DD) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2008, no.70, pp.55-60, 2008-07-17

日本市場におけるキーテレホンシステム、所謂ビジネスホンは 1969 年に製品化され、以後、 1980 年代前半の電子化、1980 年代後半のディジタル化などを経て現在に至っている。本稿では、ピジネスホンのマルチライン機能を CSCW (Computer Supported Cooperative Work) の観点からとらえ、音声を中心としたオフィスワーカ間のコラボレーションサービスを今後求められてくると想定される IP プロトコルのネットワーク上に構築する場合に、どのような管理対象に対してどのような管理方法を用いるべきかについて考察する。多様なサーピズを柔軟に構築することができるフレームワークをめざす。A key telephone system and a so-called business phone in a Japanese market are commercialized in 1969, and have arrived through the computerization in the first half of the 1980's and the digitalization in the latter half of the 1980's. In this paper, it is considered what kind of method of management to base when constructing it on the network of the IP protocol assumed to use the multi-line functions of the key telephone system from the viewpoint of CSCW (Computer Supported Cooperative Work), and for the collaboration service between office workers that centers on the voice to be going to be requested in the future. We aim at the framework that can flexibly construct various services.
著者
前田 又兵衛
出版者
一般社団法人日本品質管理学会
雑誌
品質 (ISSN:03868230)
巻号頁・発行日
vol.34, no.4, 2004-10-15
著者
松本 充司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.161-166, 1995-02-25
被引用文献数
3

近年,各種情報システムのディジタル化,これに伴うネットワークの進化,端末装置のダウンサイジングにより,パーソナル移動通信環境においてもユーザが利用できる端末の小型軽量化,高機能化が行われている.特に,移動環境では相手が話中や不在の場合にも有効な携帯情報端末が注目されている.ここでは,パーソナル通信の担い手である携帯情報端末に焦点を当て,その端末の位置付け,動向および構成技術並びに既存ネットワークへの展開方法について述べた.
著者
松縄 学 川上 恵一郎 久武 純一 鈴木 順子 中牧 剛 日野 研一郎 友安 茂
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.44, no.10, pp.1010-1014, 2003 (Released:2009-07-28)
参考文献数
14
被引用文献数
2

症例は21歳,男性。原因不明の急性肝炎で入院した。安静で徐々に肝障害は改善したが,入院約2カ月後より再度肝機能の悪化,高熱がみられ,汎血球減少が進行した。血清のTNFα, IFNγ, IL-6, M-CSFが高値で,骨髄に血球貪食像を伴い,血球貪食症候群類似の病態を示した。プレドニゾロン,γグロブリン,G-CSFの投与後,解熱し,肝障害も徐々に軽快したが,汎血球減少は改善しなかった。その後の骨髄検査で血球貪食細胞が残存していたが著明な低形成を示し,肝炎後再生不良性貧血と診断した。ATG, シクロスポリン,G-CSFによる免疫抑制療法を行い,造血能の回復がみられた。骨髄中のリンパ球のCD4/CD8比は改善し,TNFαやINFγなどのサイトカインも減少した。血球貪食症候群様の病態に伴う活性化T細胞およびINFγ, TNFαの増加が肝炎後再生不良性貧血の発症に関与したと考えられた。
著者
奥谷 喬司 橋本 惇 三浦 知之
出版者
日本貝類学会
雑誌
Venus : journal of the Malacological Society of Japan (ISSN:13482955)
巻号頁・発行日
vol.62, no.3, pp.91-96, 2004-01-31
被引用文献数
1

鹿児島湾の水深100m前後の海底には,古来から漁業者が「たぎり」と呼ぶ噴気孔がある。その周辺には有鬢動物の1種サツマハオリムシの大群集の存在が知られているが,それに伴って出現するキヌタレガイ科の1種を研究した結果,Solemya(Solemya)に属する新種と考えられるので記載する。Solemya(Solemya) tagiri n. sp.タギリキヌタレガイ(新種・新称)殻長2cm前後,外見は他のキヌタレガイ類と似ていて,細長い亜方形,殻頂はほとんど聳えず,後位7/9付近。漆塗り様の殻皮の色はややうすく,放射状彫刻に沿って細い赤褐色の色帯がある。靱帯は後位,外からは見えず後背縁と靱帯受との間にある。後背縁は僅かに持ち上がる。内部に支柱はない。消化管を欠き,鰓は著しく大きい。鹿児島湾の水深76〜116mの「たぎり」付近。備考:日本産の小型種,アサヒキヌタレは明らかな外靱帯があり(Acharax),またキヌタレガイでは靱帯は内在し(Petrasma),靱帯受にひだがある点で異なる。東太平洋のSolemya reideiはやや大きく(6cm)で,内面に靱帯葉と弾帯受に支柱を持つ点で区別される。