著者
大平 充宣
出版者
鹿屋体育大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1993

3週齢のWistar系雄ラットをコントロール、beta-GPA(beta-guanidinopropionicacid)、及びクレアチンの3群に分け、それぞれ粉末飼料、1%濃度でbeta-GPA又はクレアチンを混入した餌をpair feedingした。約9週間の飼育後、各実験を実施した。その結果、特別なトレーニングは実施せず、しかも、安静時のアデノシン・3・リン酸(ATP)及びクレアチンリン酸(PCr)含有は低下したにもかかわらず、beta-GPA投与により水泳及びトレッドミル走運動の持久力が改善された。しかし、トレッドミル走で測つた最大酸素摂取量(VO_2max)は、他群と変わらなかった。もともと持久性の高いヒラメ筋では変わらなかったが、速筋である長指伸筋の持久性は大きく向上した。しかも、収縮及び弛緩時間が延長し、遅筋化が顕著であった。筋の解糖系酵素活性は正常以下であったが、ミトコンドリア酵素活性は顕著に高まっていた。筋線維タイプも遅筋化していた。しかし、血中ヘモグロビン濃度などはむしろ低い傾向があり、しかも心容積は有意に小さいにもかかわらず、持久力が向上したのは、このように筋の有酸素性代謝能の改善や遅筋化に大きく影響されていることが示唆される。筋中グリコーゲン含有量の増加も認められたが、運動及び食餌療法によりグリコーゲンレベルを一定にしても、持久性は変わらず、グリコーゲン量の影響ではないこともわかった。VO_2maxが変わらなかったのは、心容積の縮小などにより示されるように、心拍出量や酵素運搬能の改善が起きなかったためであると思われる。クレアチンの長期投与は、運動能力には顕著な影響を及ぼさなかったが、筋の速筋化、ミトコンドリア酵素活性の抑制、グリコーゲン量の低下などが起き、beta-GPA投与とほぼ逆の効果が得られた。
著者
田原 豊
出版者
千葉県立生浜高等学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2011

○研究目的本研究は30年以上に渡る試行錯誤により独自に開発してきたニワトリ胚連続観察用人工容器の作成方法や、無菌状態でない教室でも十分授業展開ができる実験方法と観察方法の改善。さらに授業活用可能な視聴覚教材のハイビジョン化も進めることを目的にした。○研究方法人工容器の改善、調整と実験方法の確定のため、簡単に作成可能な人工容器の新たな模索と千葉県立生浜高校生物受講者を対象に授業実践研究を実施した。観察記録映像のハイビジョン化は主に実体顕微鏡レベルと肉眼レベルの映像をハイビジョンデジタルビデオカメラとデジタルカメラ等で記録した。○研究成果授業用の人工容器は観察しやすく、さらに身近な材料で安価に作成可能な人工容器に改善できた。高校生が授業中に自分たちで人工容器を作成することが可能になった。さらに、不可能とされてきた保温前に食用有精卵を割卵し卵殻外へ出して人工容器に移し保温観察を開始することの実用化に成功した。従来、保温50時間前後で割卵しなければならなかった事による授業計画上の制約から解放されるだけでなく、いったん保温された卵が割卵後に冷えないように一連の作業を急がなければならなかった点からも開放され、授業展開が大幅に改善された。人工容器の改善や実践研究中に記録されたハイビジョン映像は授業実践中にも一部活用し効果を実感できた。授業活用が十分可能な映像であることを確認した。今回の研究では人工容器内で誕生直前までの連続観察がより手軽に可能になったが、授業中にヒヨコを誕生させる事は出来なかった。胚の連続観察と誕生を共に保障できる方法の確立をめざし今後も研究を続けたい。
著者
三木 健司
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2020-04-24

成層圏(上空30km)において、花粉や微生物のような生物粒子がどのような形でどのように存在しているのか、また、どの程度の量存在しているのかを調べることで、地上生物や人間社会に対して持っている影響を調べる。
著者
川俣 太
出版者
琉球大学
雑誌
研究活動スタート支援
巻号頁・発行日
2020-09-11

本研究は最先端のゲノム解析により、膵癌で数多検出される癌の突然変異から治療対象となる遺伝子変異を同定し、その分子機構を解明する研究である。特に、門脈系浸潤を伴う切除可能境界(borderline resectable: BR) 膵癌に対する治療に関しては、ゲノム解析を取り入れることで、術前治療を含む最適な治療戦略を構築できる可能性がある。具体的には、膵癌の再発形式(局所・遠隔転移)の違いが原発巣の遺伝子変異により異なることが解明されれば、局所再発が高いと予想される症例では術前化学放射線療法(CRT)を、遠隔転移の可能性が高い症例では化学療法の期間を長くすることで膵癌の長期予後を改善できる可能性がある。
著者
片山 直樹
出版者
国立研究開発法人農業・食品産業技術総合研究機構
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

全国各地の野鳥の会から公表されている支部報を用いて、探鳥会記録の電子データ化を進めた。観察された種のリストおよび調査努力量としての観察人数のデータを可能な限り記録した。入力作業は、8割ほど完成したものの、いまだ継続中である。来年度には解析に着手したい。一方、モニタリングサイトサイト1000の鳥類データを用いた解析は、着実に進行した。森林草原サイトと里地サイトの両方のデータをもとに、調査手法が統一されている2009-2020年の個体数データを用いて、個体数トレンドを推定した。推定にはTRIM(Trends and Indice for Monitoring data)を用いて、合計300個体以上が観察された47種を対象として、トレンドを推定した。そして、推定された種ごとの年変化率を目的変数し、各種の生活史形質を説明変数としたPGLS(phylogenetic generalized least squares)を行うことで、種ごとの増減の違いを説明する要因を調べた、その結果、種ごとの年変化率を最もよく説明したのは「生息地グループ」であった。具体的には、森林性グループ(21種)では個体数トレンドが安定していた一方で、里山性グループ(19種)と開放地性グループ(7種)では、平均して年1%以上のペースで個体数が減少していることが示唆された。さらに、調査地選択のバイアスが与える影響も調べた。特に里地サイトでは、何らかの里山保全活動が行われているサイトが多い。そこで保全活動を行っているサイト・行っていないサイトで里山性グループの個体数トレンドを比較した。その結果、保全活動を行うサイトでは個体数トレンドが安定している一方、行っていないサイトでは平均して年2%以上のペースで個体数が減少していることが示唆された。現在、論文執筆中である。
著者
蔵 研也 松葉 敬文 佐藤 淳
出版者
岐阜聖徳学園大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2009

昨年度から、ホルモンや神経伝達物質と、経済行動との関係を調査している。本年度のプロジェクトとして、女子短大生80人程度を被験者として、彼らにグルコースを経口投与することで、テストステロン濃度を意図的に下げ、それによってリスク行動が変化するかを確かめた。テストステロン濃度の高さは、女性においてリスク選考を高めているという報告があるためである。その結果、被験者の唾液中のテストステロン濃度は有意に下がったものの、その濃度とリスク選好には相関は見られなかった。しかし、これは30分程度の間隔をおいて計測したものでしかないため、テストステロン濃度の変化が神経作用を十分に発現するには、あまりに短時間だったと考えられる。また36名の大学院生集団を被験者として、経済行動の質問票に答えてもらうと同時に、その唾液によってテストステロンを、血液採取によって、トリプトファン体内濃度の代理変数として血中セロトニンを計測した。これによってセロトニンと主要な経済行動の分析を行った。これまでにセロトニンの高さは、時間選好に影響しており、より持久的になるという報告がなされてきた。しかし我々の実験では、これは確認できなかった。血中のセロトニン濃度と、リスク選好、時間選好、独裁者ゲームの分配、美人投票ゲームの予想、など主要な経済行動の変数との関係はまったく見いだせなかった。しかし唯一、独裁者ゲームのペアの相手に、金銭分配権を譲るという行為は、高いセロトニンと相関していた。あるいはこれは、精神的な安定の度合いが、対人的な配慮となって現れているのかもしれない。
著者
西村 直道
出版者
静岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2020-04-01

腸内細菌叢の多様性低下を発端とする細菌叢の撹乱(dysbiosis)は、さまざまな疾病発症に関与しているため、細菌叢の多様性を高く保持することが重要である。しかし、高多様性を駆動する因子は不明なままである。腸内細菌の多くはビタミンB12やその類縁体(以下、B12/類縁体)を必要とするが、大部分の細菌種は合成能がないため、一部の細菌が合成するB12/類縁体に依存する。したがって、これらを大腸に安定供給することが細菌叢の高多様性を維持すると考えられる。本研究では、高多様性細菌叢を維持するB12/類縁体組成を見出し、その組成を実現する細菌種とこの細菌種を増やす食事因子を特定する。
著者
野田 浩司 齋藤 隆之 高橋 光成 中森 健之 稲田 知大
出版者
東京大学
雑誌
国際共同研究加速基金(国際共同研究強化(B))
巻号頁・発行日
2020-10-27

大口径の大気チェレンコフ望遠鏡を用いた観測により、高エネルギーガンマ線で見える宇宙の極限現象、特に突発天体と暗黒物質の理解を進める。本研究では、現在稼働中のMAGIC望遠鏡に加え、次世代計画チェレンコフ望遠鏡アレイ(CTA)の大口径望遠鏡1号基を用い、また同望遠鏡2~4号基の設置・調整を行う。現行の望遠鏡によって明らかになった様々な宇宙現象の理解を更に深め、CTAによる研究へと継続・発展させていく。 MAGIC・CTAともにスペイン・ラパルマ島で進行中の国際共同実験であるため、観測地現地や欧州各国にある関連研究所に直接赴いて研究を進め、今後同分野でリーダーシップを発揮していく。
著者
仙石 学 松本 充豊 井上 睦 馬場 香織 油本 真理 磯崎 典世 横田 正顕 出岡 直也 小森 宏美 中田 瑞穂 上谷 直克
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2020-04-01

本研究課題「政党政治の変動と社会政策の変容の連関:新興民主主義国の比較」は、世界金融危機の発生以後の新興民主主義国(主に東欧・南欧・ラテンアメリカ・東アジア)における社会政策・福祉枠組みの変容について、危機後の政治経済状況の変化に起因する「政党政治の変動」を軸に検討していくことを目的とする。特に世界金融危機の後に生じた既存政党の弱体化とポピュリスト系を中心とする新興政党の台頭が、危機以前に存在していた社会政策や福祉のあり方をどのように変革させたかという点に注目し、各国ごとの政党政治と制度変容の展開を検討すると同時に、これを体系的な形で比較分析を行うことを進めることとする。
著者
是澤 紀子
出版者
日本女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、神社本殿の細部装飾が発展してゆく時期にあたる中世後期から近世に焦点をあてて、これまでに刊行された文化財修理工事報告書や修理現場で公開された情報から新たに得られた建築の変遷の情報を包括的に分析し、(1)造営に関与した各地の工匠別にみる神社本殿の特性と本殿背後の境内整備および敷地内移築との関係、(2)春日大社旧社殿にみる神社本殿の特性と河川等に基づく立地および境内環境との関係、を考察することで、工匠の移動と神社本殿の移動(移築)の実態を捉え、その流通に支えられた神社の再生の手法を明らかにするものである。
著者
山形 孝志 敦賀 貴之 植松 良公 生藤 昌子
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2021-04-01

本研究課題では、炭素排出権取引市場や炭素税など炭素価格付加政策の排出削減効果と経済活動への影響を、統計・理論、両面からの分析を行う。具体的には、新たな高次元動学パネルデータ統計分析手法を開発し(研究課題1)、世界炭素排出量と経済の国際動学的関係を実証分析する。そして炭素価格付加政策の効果とマクロ経済に与える影響を、上記統計手法(研究課題2)ならびにマクロ経済理論(研究課題3)から分析する。さらに2020年以降の排出削減の国際的枠組みである「パリ協定」に科学的根拠を与えたIPCCの気温上昇予測値が多数の外部研究結果に基づきどのように導かれたかを、新たな統計的手法よって明らかにする(研究課題4)。
著者
片岡 大右
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究は、(A)近代社会における批判の諸機能を理論的・歴史的に再検討するとともに、(B)そこでのロマン主義というモーメントの重みを見定め、かつ(C)こうした経験との関係で日本的近代の問いがいかに生きられてきたのかを考究することで、全体として、(D)「文学的なもの」の近代社会における身分規定の変容を、19世紀初頭以降の西欧という時空を相対化しつつ再把握することを目的とする。
著者
渡邊 克巳 廣瀬 通孝
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2017-04-01

近年の多感覚情報提示技術の進歩により、クロスモーダル知覚の研究は新たな局面を迎えつつある。特にクロスモーダル相互作用とその体験によって、感覚や知覚が変化するのみならず、より高次の身体知覚や情動などにも変化が起こり、その結果として行動や意思決定にも変化が現れることが明らかになってきた。本研究では、認知心理学におけるダイナミックな意思決定過程のモデルと行動変容の知見に、五感情報処理技術・VR(ヴァーチャルリアリティ)の分野の先端技術を応用することで、身体・認知能力を変化させるクロスモーダル人間拡張技術につながる知見の蓄積と高度化・体系化を行うことを大きな目的として研究進めている。2019年度(および2020への繰越案件)では、様々なVR環境におけるクロスモーダル知覚の変化を、特に身体感覚の変化、身体所有感の変化、さらにそのような変化にともなう感情の変化などに関する研究をすすめた。また行為主体感に関する研究に関しても、行為主体感が外界の知覚に及ぼす影響を調べる研究を行った。2018年度の研究は既に、査読付き論文として複数公刊したとともに、学会での発表も積極的に行った。
著者
廣瀬 通孝
出版者
東京大学
雑誌
挑戦的研究(萌芽)
巻号頁・発行日
2017-06-30

物体と触れる指の姿勢に補正を加えた映像を提示することで,視触覚間相互作用を誘発し,実際に触っている物とは異なる触力覚を提示できる.一方で,強い擬似触力覚提示を狙って深部感覚と視覚のズレを大きくすると身体所有感の喪失がおき,擬似触力覚提示効果の喪失が起こる.この解決のために本研究では,指先などの物体と身体が接触する身体パーツの姿勢だけでなく,全身の身体姿勢の見えに適切な補正を加えることで,複雑な触力覚提示装置を用いることなく自由空間で任意の身体部位へ擬似触力覚提示が可能な新規手法を提案した.この手法を実際に構築し,基礎評価と応用評価を通じて,その性能や適用限界を明らかにした.
著者
安谷 元伸
出版者
滋賀大学
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2016

本研究では、抽象的な概念である思考を具体化し整理することで深い学びを促す教材の開発を目指した。特に、生徒たちの思考という行為を学習を通して段階的に深められるものとして捉え、思考ツールなどによって段階的な思考を可視化ができる可能性に着目した。そして、段階的に階層化された思考を具体的に表現する一連の活動を学習の中で継続していくことで、学びを深めていく「ディープラーニング」を充実させることができると考え、その実現のための学習展開及び、学習教材の開発と研究に取り組んだ。既に、先行研究において意見や学習の成果を「思考ツール」によって可視化する事業実践を進めてきた。そこで、これまで活用していたイメージマップ、分解の木、ステップチャート、プラスマイナスシート、ピラミッドストラクチャーなどの「思考ツール」の機能を再検討して、利用する場面を模索した。また、利用する際には、得られた情報や結果の重みや順位、有用性の度合いの判断等の意識づけを通して階層化を明確にする授業展開を進め、階層的思考を可視化する手法と活動を定着させた。研究を進める過程で「ディープラーニング」と「深い学び」の概念を整理して明示することができた。また、継続的に階層化した思考の可視化に取り組むことで、生徒が思考に対する意味の理解をメタ認知的に把握する姿勢が見られるようになった。そして、思考の拡散、細分化、分類に取り組めるようになったことで、得られた成果を活用する姿勢も生徒に意識づけることができた。結果、生徒間で意見交流の活発化が見られた。これら教材活用の方略や実践の内容等の研究成果は、複数の学会で発表することで貴重な見識を賜る機会を得た。それらをまとめた成果や課題は研究紀要等で報告を行った。また、校内の研究会の機会を活用して教員間で情報共有を進め、次年度以降の様々な実践における素地として活用されるよう成果物のデータ化を進めた。
著者
千葉 聡 平野 尚浩 森井 悠太 Prozorova Larisa 鈴木 崇規
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

小笠原諸島の陸貝化石の年代測定から、最終氷期以降、カタマイマイなどが形態的、生態的に区別のできるタイプに分化したことが示された。琉球列島の喜界島などでも同時代の化石を解析した結果、同じような変化のパターンは見られず、小笠原での急速な分化は、その放散と関係していると考えられる。一方、本土と琉球列島の近縁現生種について、系統推定とニッチ利用を調べた結果、いずれにも形態とニッチ利用の関係が示すパターンに共通性が認められたが、急速な放散はカタマイマイに限られた。島では競争によるニッチ分化が放散の要因と考えられるのに対し、本土の種分化では地理的隔離の他は、捕食-被食の効果が認められた。
著者
山中 明
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

チョウ成虫の翅や脚に存在する毛状鱗粉が季節的な可塑性を示すかどうかを検討するため、毛状鱗粉に及ぼす幼虫および蛹期の日長と温度の影響を調べた。短日成虫の翅あるいは脚の毛状鱗粉の本数は、長日成虫のものより非常に多かった。一方、低温条件下に曝された成虫の毛状鱗粉の平均長は、高温条件下のものより長かった。翅や脚の毛状鱗粉形成に関与するホルモン(おそらく夏型ホルモン:SMPH)が蛹の脳内に存在するかを検討するため、3種のチョウの短日蛹に投与した。いずれの種においても翅や脚の毛状鱗粉数の減少が認められた。これら結果は、夏型ホルモンが毛状鱗粉形成に関与することを示唆するものである。
著者
上野 博史
出版者
東京大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2019-04-01

本研究では分子機械の改造・創成を実現する新規進化分子工学的スクリーニング技術の開発を行う。そのため1DNA隔離、タンパク質発現・精製、機能評価、DNA回収という進化分子工学的スクリーニングプロセスの全てをマイクロチャンバーデバイス内で実現する技術を開発する。これまでの研究から精製以外のプロセスのデバイス実装は完了している。そこで本研究では微小ドロップレット内でのタンパク質精製プロセスを組み込んだスクリーニング技術を確立する。さらに確立したスクリーニング技術を分子機械であるF1-ATPaseのスクリーニングへと拡張させ、分子機械の改造や新規機能の創成への適応を目指す。
著者
山崎 和美
出版者
横浜市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2017-04-01

本科研では、ガージャール朝(1796~1925)末期~パフラヴィー朝期(1925~1979)初頭の近代イラン、特にイラン立憲革命(1905~11)と第一次世界大戦(1914~18)を経た1910~1920年代の女性教育推進を訴える女性運動について、現在に至るまでの社会の変容も考慮に入れつつ考察した。『結婚と離婚』『イランの歴史を知るための50章(仮)』『教養の中東イスラーム近現代史(仮)』『(アカデミー外国語映画賞受賞イラン映画)セールスマン(公式プログラム)』『大学事典』の執筆、日本中東学会公開講演会、イラン大使館や川崎市民アカデミーなどでの講演、科研に関わる研究会での報告を行った。
著者
飯田 忠 大野 栄三郎 石川 卓哉 川嶋 啓揮 藤城 光弘
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2021-04-01

膵がんに代表される難治がんは免疫チェックポイント阻害剤(以下ICI)に対して抵抗性であり、その原因としてCAFが重要な役割を担っている。近年の研究によりCAFを促進性から抑制性にリプログラム(CAF初期化)させることで抵抗性が改善される可能性が示唆されているがその有効性に関しては明らかとなっていない。我々はMeflinを指標とすることでCAF初期化薬の候補薬を既に同定しており、本研究ではこれらの薬剤とICIとの併用効果を検証し、間質をターゲットとした革新的新規治療法の確立を目指す。