著者
原田 朋佳 山野 希 北尾 陸将 横山 大輔 増田 泰之 足立 厚子 嶋倉 邦嘉 千貫 祐子
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.132, no.10, pp.2339-2350, 2022-09-20 (Released:2022-09-20)
参考文献数
21

獣肉アレルギー患者10例を対象に抗原検索を行い臨床的特徴をまとめた.方法:問診にて病歴,ペット飼育歴やマダニ咬傷歴,居住地を含む患者背景,臨床症状を確認し,プリックテストおよび抗原特異的IgE検査,ウエスタンブロット法による血清学的解析を行った.結果:10例中7例はgalactose-α-1, 3-galactoseによる獣肉アレルギー,2例はハムスターまたはネコ被毛に感作されたpork-cat syndrome,1例はコラーゲンを原因抗原とし,獣肉のみならず鶏や魚にも反応した稀な症例であった.
著者
商業興信所 編
出版者
商業興信所
巻号頁・発行日
vol.第47回(昭和14年), 1939
著者
山﨑 勝也 関野 とも子 古木 忍
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.350-362, 2014-09-30 (Released:2015-10-01)
参考文献数
32
被引用文献数
1

失語症者の聴覚的文理解に影響を及ぼす因子を明らかにするため, 聴覚的文理解検査である標準失語症検査の「口頭命令に従う (以下, 口頭命令検査) 」を例に取り, この検査を遂行する上で必要となる能力の検討を行った。実験的検査を 4 種設定し, 口頭命令検査文に含まれる内容語の理解がすべて可能である失語症者と健常者, 各々10 名を対象として実施した。その結果, 1. 従来より重要視されている auditory pointing span は口頭命令検査成績と相関しないこと, 2.単語を一定以上の速度で連続して正しく処理する能力 (「聴覚性連続的単語処理能」と呼ぶ) が口頭命令検査成績と高い相関を認めること, 3. 口頭命令検査では, 「で」を除き, 助詞解読能力はほぼ必要としないことが明らかとなった。以上より聴覚的文理解障害への訓練として, 聴覚性連続的単語処理能の改善という観点からの働きかけが重要である可能性が示唆された。
著者
北畠 拓也 河西 奈緒 土肥 真人
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.1089-1094, 2014-10-25 (Released:2014-10-25)
参考文献数
24

オーストラリアNSW州では、ホームレスの人々の「公共空間にいる権利」を保障するプロトコルが存在し、行政機関が部門横断的にこれに批准している。これは、2000年のシドニー五輪を契機に締結され、現在でも存続している。本研究では、このプロトコルの成立過程とともに、現在の、特にシドニー市周辺における現場レベルでの運用実態を明らかにすることを目的とする。文献調査および現地での行政機関、NGOへのインタビュー調査から、プロトコルの成立過程およびシドニー五輪における働き、現在の現場レベルでのホームレス支援団体・公共空間管理団体両者にとってのプロトコルの効果と影響が明らかとなり、ホームレス政策においてホームレスの人々の「公共空間にいる権利」を認めることの意義が見出された。
著者
大井 瞳 中島 俊 宮崎 友里 井上 真里 堀越 勝
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
pp.20-027, (Released:2021-06-17)
参考文献数
35

国連サミットで掲げられた持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals: SDGs)の保健分野においてはあらゆる年齢のすべての人々の健康的な生活を確保し、福祉を促進することが目標に掲げられている。SDGsで重視されている「誰一人取り残さない」という点においては、遠隔での認知行動療法(Cognitive Behavior Therapy: CBT)が有効な手段となりうる。遠隔CBTは、感染症の拡大、セラピストの不足といった理由で対面のCBTを受けることが困難な場合にもCBTの提供が可能となる手段である。一方で、遠隔CBTが主流となることによって、心理療法提供の適用から外れてしまう人、すなわち、取り残される人が生じるおそれがある。本稿では、遠隔CBTの適用が難しいケースとその支援について、(1)デジタルデバイド、(2)クライエントの病態や障害、(3)緊急対応、の3点から述べた。遠隔CBTの役割と限界を認識したうえで、「誰一人取り残さない」よう心理的援助を提供することの重要性が示唆された。
著者
河村 葉子 辻 郁子 杉田 たき子 山田 隆
出版者
Japanese Society for Food Hygiene and Safety
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.170-177_1, 1997-06-05 (Released:2009-12-11)
参考文献数
11
被引用文献数
2 4

ステンレス製器具及び食器からの鉄, クロム, ニッケル, 鉛及びカドミウムの溶出について検討を行った. 溶出した鉄, クロム, ニッケルにおいては, 溶出溶媒では水<4%酢酸<0.5%クエン酸, 溶出条件では室温24時間<60℃30分間<95℃30分間<沸騰2時間の順に, 溶出量が多くなった. 市販及び使用中の器具及び食器について, 4%酢酸で60℃又は95℃30分間の溶出試験を行ったところ, 新品では鉄50~1,110ppb, クロム5~28ppbの溶出が認められたが, 使用中の製品では検出頻度, 検出値ともに低く, 繰り返しの使用により溶出量が低下するものと考えられた. また, 鉛は使用中の製品1検体から検出されたが, 25ppbと微量であった. 一方, カドミウム及びニッケルはいずれの製品からも検出されなかった.
著者
大原 國章
出版者
日本皮膚悪性腫瘍学会
雑誌
Skin Cancer (ISSN:09153535)
巻号頁・発行日
vol.15, no.3, pp.217-230, 2000-12-25 (Released:2010-08-05)

When you try to take persuative and representative pictures of the patients, you must be aware both of the mechanics of the cameras and how to make use of them. Included are, micro (macro) lenses, flash, magnification, focusing, filters, films, depth, view axis, positioning of the patients, framing and the reason of failure. [Skin Cancer (Japan) 2000; 15: 217-230]

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著者
権藤震二 著
出版者
東京法学社
巻号頁・発行日
1896
著者
木須 伊織
出版者
一般社団法人 日本臓器保存生物医学会
雑誌
Organ Biology (ISSN:13405152)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.35-40, 2018 (Released:2018-03-14)
参考文献数
13

Uterus transplantation (UTx) has become an alternative to gestational surrogacy and adoption for women with uterine factor infertility. Brännström et al. achieved the first human delivery after UTx in 2014 and to date a total of 8 babies have been born after UTx from living donors. This outcome attracted much attention worldwide and many countries have recently prepared for UTx. However, this procedure has many medical, ethical and social issues that require discussion prior to clinical application. Moreover, UTx is still in the experimental stage overseas and the safety and efficacy remain unclear despite several clinical applications. Despite the many issues to be resolved, this new organ transplantation technology will provide new hope for women with uterine factor infertility and further development of the technology is important for future reproductive and transplant medicine.
著者
高木 祐介 和久利 久 小野寺 昇 小野 ミツ
出版者
一般社団法人日本衛生学会
雑誌
日本衛生学雑誌 (ISSN:00215082)
巻号頁・発行日
vol.66, no.4, pp.704-710, 2011 (Released:2011-10-12)
参考文献数
39

Objectives: There are several recommendations on the prevention of hypothermia during snow shoveling. However, there seemed to be insufficient evidence supporting these recommendations because they are not based on data from actual snow shoveling research. The purpose of this study was to investigate changes in brain temperature (tympanic temperature) and visceral temperature (rectal temperature) during snow shoveling among healthy young males. Methods: Eight healthy young males (age, 23.6 ± 2.4 years; weight, 69.7 ± 6.1 kg; height, 172.8 ± 7.3 cm) performed snow shoveling with an ordinary-size shovel for 15 min at their own pace in a rural snowfall area in December, 2009. Rectal temperature (Tre) and tympanic temperature (Tty) were measured 5 times (at rest, 5th (Ex5), 10th (Ex10), and 15th (Ex15) minute of snow shoveling; and 5th (Rec5) minute of recovery phase). The room temperature was 18.6 ± 0.7°C and the atmospheric temperature was 3.8 ± 2.6°C. Results: Tre continued to increase from at rest to Ex15. Tre at Ex15 (37.7 ± 0.3°C) was significantly higher (p < 0.05) than that at rest (37.2 ± 0.3°C). Tty at rest (36.7 ± 0.2°C) and Tty at Ex5 (36.6 ± 0.3°C) decreased significantly (p < 0.05) at Ex10 (36.2 ± 0.6°C). A significant negative correlation between changes in Tre and Tty were observed during snow shoveling (r = -0.49, p < 0.05). Conclusion: Discrepancy between changes in brain temperature (tympanic temperature) and visceral temperature (rectal temperature) should be taken into consideration in the prevention of disease development during snow shoveling in a cold environment.
著者
伊藤 操子
出版者
特定非営利活動法人 緑地雑草科学研究所
雑誌
草と緑 (ISSN:21858977)
巻号頁・発行日
vol.6, pp.32-39, 2014 (Released:2017-06-09)
参考文献数
21
被引用文献数
1

セイバンモロコシ(ジョンソングラス)は地中海原産の大型イネ科多年草で,熱帯から温帯までの広い気候範囲に分布し,世界中の農耕地,非農耕地で強害雑草となっている.日本では外来雑草として,関東以西に多く発生し,とくに九州の中・北部では河川や道路沿い等に大群落を形成しているが,東北地方での存在も報告されている.輸入飼料への種子の混入が確認されており,畜産団地あるいは上流に畜産施設があるところで発生が多く観察される.河川敷や道路沿いに大発生が目立つので,種子が水に流されたり交通の風圧で飛散して拡散することが推察される.根茎断片も繁殖体となる.本草のバイオマスは生体重で15~25t/haとクズやセイタカアワダチソウよりもかなり多く,刈草の焼却・運搬のコストや環境負荷も無視できない.花粉症の原因になることも知られており,純群落を形成するので生態系の他生物への影響も甚大と予想される.このように日本の都市・市街地における重要雑草であるにもかかわらず,日本における拡散実態や生活史等に関する情報は乏しく,環境省の「要注意外来植物」リスト44種にも入っていない(2014年現在).したがって,本稿では生育・繁殖特性や遺伝的多様性等も紹介しているが,それは主に国外の報告をもとにしたものである.
著者
寺本 信嗣
出版者
一般社団法人 日本呼吸ケア・リハビリテーション学会
雑誌
日本呼吸ケア・リハビリテーション学会誌 (ISSN:18817319)
巻号頁・発行日
vol.22, no.2, pp.231-235, 2012-10-31 (Released:2016-04-25)
参考文献数
13

経口摂取困難な高齢者や誤嚥性肺炎を繰り返す高齢者に対する,栄養摂取は重要な課題である.このような高齢者では,経口摂取を一時的に中止し,経管や経静脈的な栄養管理が必要になる.この際,経皮内視鏡的胃瘻増設術percutaneous endoscopic gastrostomy(PEG)は,重要な選択肢の一つである.しかし,PEGは優れた栄養療法であるが,不顕性誤嚥に対する十分な予防策ではない.脳梗塞後の患者で早期に栄養介入を行うことは予後を改善するが,PEGを選択することで肺炎が減るわけではない.したがって,PEGによる栄養療法を導入する場合,平行して肺炎予防策を講じる必要があり,食事を摂っていなくとも,口腔ケア,嚥下リハビリテーションを行い,胃腸の蠕動運動の改善,胃食道逆流の予防などを行うことが大切である.
著者
今村 美代子
出版者
一般社団法人 日本助産学会
雑誌
日本助産学会誌 (ISSN:09176357)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.49-60, 2012 (Released:2012-08-31)
参考文献数
28
被引用文献数
3 2

目 的 死産または新生児死亡により子どもを亡くした父親が,妻の妊娠中から現在までにどのような体験をしてきたのかという語りを記述し,それを通して父親をより深く理解し,求められるケアの示唆を得ることである。対象と方法 死産または新生児死亡で子どもを亡くした6名の父親を対象に半構成的面接を行い,現象学的研究方法を参考に質的記述的に分析した。結 果 父親の体験は,以下の7つに分類された。1. 予期せぬ死に衝撃を受ける:子どもを突然に失ったという,驚きや混乱からもたらされた精神的衝撃,そして,その後に引き続く無力感,空虚感であった。2. 自分の悲しみをこらえ妻の心身を案じる:自分の悲しみよりも先に,心も身体も傷つけられたであろう妻の立場を気遣っていた。3. 辛さを隠し父親·夫としての役割を果たす:自分の辛さを押し隠し,子どもを送り出す為の諸々の手続きを引き受け,父親と夫の両方の役割を果たしていた。4. 社会に傷つけられながら生活を続ける:男性の備え持つ特性により,悲しみは内に抱え込まれたまま表出されず,更に子どもの死を嘆き悲しむことを認めない社会に傷つけられていた。5. 子どもの死因を知りたいと望む:子どもの死に対して何らかの意味付けを行い,死を受容してゆくきっかけとしていた。6. 父親として在り続ける:子どもが誕生する以前からその存在を愛しみ,子どもを亡くした後も父親として在ることに変わりなかった。7. 人間的な成長を遂げる:父親達は悲しみを抱えながらも「自分自身の力で乗り越えた」,死生観が変容した,人生観が変容した,自分の体験を他者に生かして「共有」したいと願った。結 論 死産·新生児死亡によって子どもを亡くした父親は,予期せぬ我が子の死に大きな衝撃を受け,悲しみを押し隠しながらも父親と夫の役割を果たしていた。表面化されない悲しみは社会からも見過ごされ,時に父親自身も気付き得ないほどであったが,亡き子どもの存在を忘れることはなく,父親として在り続けることで人間的な成長を遂げていた。
著者
濱西 伸治 青木 良浩 和田 仁
出版者
宮城工業高等専門学校
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

まず,ヒトから計測可能な三種類の聴覚由来の生体反応を剣道の練習前後で測定した.その結果,DPOAEレベルは剣道の練習前後では有意な変化は見られなかった一方で,剣道の練習は,感覚細胞よりも脳の中枢により大きな影響を及ぼしていることが示唆された.また,FEM解析ソフトを用いて,面の打突部に打撃を与えたときの応力分布を解析した.その結果,打撃によって耳部よりも,頭頂部でのダメージが大きくなることが示唆された.