著者
矢野 正晴 富田 純一
出版者
特定非営利活動法人 グローバルビジネスリサーチセンター
雑誌
赤門マネジメント・レビュー (ISSN:13485504)
巻号頁・発行日
vol.4, no.4, pp.153-166, 2005-04-25 (Released:2018-03-12)
参考文献数
18
被引用文献数
1

大学の研究者は、企業の従業員に比べると比較的多くの者が大学間を移動しているように思われる。そこで、大学の研究者がどのような原理でこのような移動行動をとるのか、および移動と研究業績との間にどんな関係があるのかを、我が国の経済学分野の研究者を例に分析した。その結果、よりよい明日を目指して、よりレベルが高いか、より研究環境の優れた大学への移動を意識して、発表率を上げようと努力している大学研究者の姿がうかがえた。
著者
Sei Harada Hideki Ohmomo Minako Matsumoto Mizuki Sata Miho Iida Aya Hirata Naoko Miyagawa Kazuyo Kuwabara Suzuka Kato Ryota Toki Shun Edagawa Daisuke Sugiyama Asako Sato Akiyoshi Hirayama Masahiro Sugimoto Tomoyoshi Soga Masaru Tomita Atsushi Shimizu Tomonori Okamura Toru Takebayashi
出版者
Japan Epidemiological Association
雑誌
Journal of Epidemiology (ISSN:09175040)
巻号頁・発行日
pp.JE20230170, (Released:2023-11-04)
参考文献数
33
被引用文献数
1

Background: Heated tobacco products (HTPs) have gained global popularity, but their health risks remain unclear. Therefore, the current study aimed to identify plasma metabolites associated with smoking and HTP use in a large Japanese population to improve health risk assessment.Methods: Metabolomics data from 9,922 baseline participants of the Tsuruoka Metabolomics Cohort Study (TMCS) were analyzed to determine the association between smoking habits and plasma metabolites. Moreover, alterations in smoking-related metabolites among HTP users were examined based on data obtained from 3,334 participants involved from April 2018 to June 2019 in a follow-up survey.Results: Our study revealed that cigarette smokers had metabolomics profiles distinct from never smokers, with 22 polar metabolites identified as candidate biomarkers for smoking. These biomarker profiles of HTP users were closer to those of cigarette smokers than those of never smokers. The concentration of glutamate was higher in cigarette smokers, and biomarkers involved in glutamate metabolism were also associated with cigarette smoking and HTP use. Network pathway analysis showed that smoking was associated with the glutamate pathway, which could lead to endothelial dysfunction and atherosclerosis of the vessels.Conclusions: Our study showed that the glutamate pathway is affected by habitual smoking. These changes in the glutamate pathway may partly explain the mechanism by which cigarette smoking causes cardiovascular disease. HTP use was also associated with glutamate metabolism, indicating that HTP use may contribute to the development of cardiovascular disease through mechanisms similar to those in cigarette use.
著者
大場 武
出版者
公益社団法人 日本化学会
雑誌
化学と教育 (ISSN:03862151)
巻号頁・発行日
vol.68, no.5, pp.204-207, 2020-05-20 (Released:2021-05-01)
参考文献数
8

水蒸気噴火は一般に小規模な噴火である場合が多いが,致命的な被害をもたらす可能性がある。水蒸気噴火の原因である熱水溜りから地表に漏れ出る火山ガスの化学組成変化をモニタリングすることにより,火山活動を評価することが可能になってきた。活動的火口湖における火山活動評価では,湖水の化学組成が有益な情報を与えることが示された。
著者
165号特集ワーキンググループ
出版者
公益社団法人 日本語教育学会
雑誌
日本語教育 (ISSN:03894037)
巻号頁・発行日
vol.165, pp.50-56, 2016 (Released:2018-12-26)
参考文献数
6

当報告は,1998年の長野オリンピックで行われた「一校一国運動」について,長野市教育委員会事務局の職員にインタビューを行ったものである。インタビューの結果,「一校一国運動」は現在も10校程度継続しており,継続の要因として,明確なテーマがあること,相互交流や組織的な位置づけができていることが挙げられた。また,活動を通して,言語間での相違点や共通点に気づきが見られたこと,多言語への意識が高まったことが挙げられた。
著者
中村 俊夫
出版者
一般社団法人日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集 2006年度日本地球化学会第53回年会講演要旨集
巻号頁・発行日
pp.225, 2006 (Released:2007-11-01)

環境中の14Cは、宇宙線により継続的に作られているが、1950年代の後半から60年代の前半にかけての大気圏内核実験により多量に作られた。この核実験起源14Cの濃度の経年変動は、樹木年輪などを用いて詳しく調べられている。また、核実験起源14Cは食物などを介して人体にも含まれている。こうした核実験起源14Cの濃度を犯罪の遺体などについて調べることで法医学的科学捜査に利用する例を紹介する。遺体の毛髪、歯、骨から死亡年の推定法を議論する。
著者
高田 仁
出版者
研究・イノベーション学会
雑誌
研究 技術 計画 (ISSN:09147020)
巻号頁・発行日
vol.35, no.3, pp.305-315, 2020-12-16 (Released:2020-12-26)
参考文献数
23

This paper focuses on the relationship between "Pasteur-type" researchers and their startup companies. Through the case study analysis, author found that "Pasteur-type" researchers acquired the sense of value in consideration of use through their career. In addition to the fact that the venture was a familiar and realistic option for researchers, they created an environment in which they didn't need to be deeply involved in management of startups. Furthermore, it was observed as a common characteristic among all the researchers that they had an emphasis on basic research and clearly drew a line in the division of roles with startups. These results suggest that establishing a university-startup may be a suitable option to keep the basic research environment and to promote innovation based on the scientific achievement.
著者
永見 邦篤 中野 昭一
出版者
The Japanese Society of Physical Fitness and Sports Medicine
雑誌
体力科学 (ISSN:0039906X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.2, pp.112-121, 1979-06-01 (Released:2010-09-30)
参考文献数
22
被引用文献数
1

本研究は, ヒトの動作にみられる筋弛緩現象のうち, 拮抗筋の収縮によって主働筋活動を抑制する場合 (PR) と, 収縮している筋のみを弛緩させる (AR) , いわゆる脱力時にみられるものの2つの弛緩動作について, 筋弛緩時間を指標として, その遅速を生じる要因, ならびに生理的意義を検討したものである。動作は, 左右の上肢とも前腕部を回内および回外位とし, 肘関節を90°に固定して, 最大屈腕力の10, 30, 50%の筋力を発揮した後, 筋弛緩を行う方法であった。また, 筋力発揮条件は, 低周波発生装置によってブラウン管面上に示された鋸歯状波および矩形波に追随させる場合と, 検者の合図に従わせるものの3つである。筋電図は, 上腕二頭筋と上腕三頭筋から表面誘導法によって記録した。筋弛緩時間は, 実験装置の一部に取りつけた高感度の歪計で張力減少時を決定し, この時点と上腕二頭筋の棘波状放電の消失時点との差から計測した。その結果1) 筋弛緩時間は, ARよりPRの方が速かった。いずれの動作でも負荷の増加に従って, その時間は遅延した。また, 1例を除いて, 左右, 回内回外位それぞれで有意差が認められなかった。筋力発揮条件による差異は, ARの場合にみられ, 矩形波に追随したときにおいて速くなる傾向を示した。2) 被検者間で比較すると, ARで弛緩時間の速いものは, 弛緩動作後, いずれの筋放電も完全に消失していた。遅いものでは, 微弱な放電が続く傾向にあった。PRの場合, 上腕二頭筋放電の消失から上腕二頭筋放電の開始までの時間の短いものほど, 筋弛緩時間が速い成績を示した。3) AR, PRともに弛緩動作時に, 張力が一過性に増加する現象が認められた。この張力増加の勾配は, 負荷の増加に従って大きくなり, また, PRにおいて大であった。被検者間でみると, 筋弛緩時間の遅いものほど, この勾配が大きくなる傾向にあった。以上の結果から, ARの筋弛緩時間の遅速は, PRに比べて, より上位の中枢に想定される抑制系の疎通ならびに活動の強弱を反映するものと推察された。そして, 拮抗筋の性質およびその活動に関連する神経系の抑制作用に強く依存するPRとは, その抑制機構を異にすることも示唆された。
著者
河合 忠
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.102, no.12, pp.3080-3087, 2013-12-10 (Released:2014-12-10)
参考文献数
7
被引用文献数
1

保健・医療における臨床検査の役割が増大しており,ほとんどの臨床検査は医療機関検査部または臨床検査センター(登録衛生検査所)において,主治医の関与なしに独立に行われている.臨床検査室の信頼性を高め,対外的にも公示の必要性が高まっていることから国際標準化機構ISO 15189国際規格に基づく第三者認定機関による認定が世界的に広まりつつある.さらに,国際試験所認定協力機構による認定機関同士の相互承認協定も進んでいる.
著者
大林 真也
出版者
数理社会学会
雑誌
理論と方法 (ISSN:09131442)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.1-11, 2015 (Released:2016-07-10)
参考文献数
22

受賞論文では,成員の入れ替えのある流動的な集団において,どのようなメカニズムで助け合いが維持されるのか,というテーマを扱った.具体的には,コミュニティ・ユニオン(個人加盟型労働組合)で行われている助け合いを対象として,このテーマに取り組んだ.方法は経験的調査と数理的研究を組み合わせた分析的物語(analytic narrative)と呼ばれる方法を用いた.まず聞き取りと観察に基づいた経験的調査を行い,次に数理モデルを用いて分析を行い,対象となる助け合いのメカニズムに言及した.受賞論文の意義は,(1)現代的な課題である流動的な社会関係を対象として,協力が達成されるメカニズムに言及したこと,および(2)経験的調査と数理的分析を組合せることにより,社会現象に即した数理モデルを作成し,具体的な社会現象の説明を行ったことにあると考えられる.本稿では,後者の方法論に関して,その重要性を論じ,数理社会学および社会学全体に対して持つ意義を整理する.
著者
太田 玲子 範 瑀軒 網谷 英樹 飯塚 拓巳 山田 夏鈴 加藤 陽佳 石栗 広志 深瀬 真由美 村木 靖 西村 秀一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.96, no.2, pp.34-38, 2022-03-20 (Released:2022-03-29)
参考文献数
14

手指消毒薬の開封後の使用期間は施設により異なるが,開封から半年と定める所が多い.しかし,アルコール製剤の開封後の殺菌効果については明確な指標はなく,情報も少ない.我々はその根拠となるデータを得るために当院の医療現場で実際に6カ月間使用され残ったゲル状アルコール製剤(ゲル状製剤)を回収し,そのまま室温で保存した後(開封直後から開封後34カ月,残量60から350 mL),その主成分であるエタノール濃度をガスクロマトグラフィー法で測定した.その結果,経過時間,残量に関わらずエタノール濃度はすべて開封直後と同等であった.この結果を検証するためにStaphylococcus aureusとPseudomonas aeruginosaを用いて各製剤の殺菌能を測定し,開封直後の製剤と比較検討した.殺菌能測定ではゲル状製剤の対照剤として液状製剤についても測定した.方法は製剤と菌液を30秒と5分間反応させた後に生菌数を求め,精製水を用いた対照実験に対する減少率とlog10 reduction(対数減少値)で評価した.その結果,殺菌能も経過時間,残量に関わらずすべて開封直後と同等で,エタノール濃度と同様な結果であった.今回の検討でゲル状製剤は開封後半年,あるいはそれ以上経過しても開封直後と同等のエタノール濃度とS. aureusとP. aeruginosaに対する殺菌能を保持している可能性が示唆された.
著者
稲富 雄一郎
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.1-7, 2018 (Released:2018-06-26)
参考文献数
14

【要旨】神経心理学的所見と画像検査上の病巣とが、既知の対応関係と照合して一致しない5例の症候-病巣不一致例を提示した。症例1は超皮質性感覚失語で発症したが、脳梗塞は左後大脳動脈閉塞による左側頭葉内側面のみに限局していた。SPECTではさらに側頭-頭頂-後頭葉境界領域に集積低下を認め、同領域のmisery perfusionによる症候と考えられた。症例2、左内包後脚梗塞により右片麻痺を来した。入院後に呼称障害、失書も発覚したが、病歴を再聴取し以前からの神経症候であり、認知症の併存が考えられた。症例3、流暢性失語を来したが、MRIでは新規病変を認めず、SPECTでは左側頭葉に集積増加を認めた。1年後にも同様のエピソードを右大脳に来した。前回の病巣は萎縮しており、いずれも不完全脳梗塞と考えられた。症例4、右大脳半球を焦点とする部分てんかん発作の重積状態により、連合型視覚性失認を呈したと考えられた。症例5、コルサコフ症候群で発症した。MRIでは新病巣はなかったが、門脈内血栓が確認され肝性脳症と診断された。症例6、Wernicke失語と考えられたが、梗塞は右上小脳動脈領域と中脳右傍正中部に認めた。SPECTでは左側頭葉から頭頂葉に集積低下を認めた。対側大脳半球への遠隔効果の可能性が考えられた。症候-病巣不一致症例では、 1. 他の症候で説明できないか、 2. 非梗塞化虚血領域が潜在してないか、 3. 遠隔効果で機能低下が生じてないか、 4. 別の疾患が潜在していないかの問いに答えた上で、はじめて5. 未発見の症候-病巣対応ではないかを議論する。
著者
河見 誠
出版者
日本法哲学会
雑誌
法哲学年報 (ISSN:03872890)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.14-26, 2008 (Released:2021-03-31)

Thomas Aquinas is said to be not only the greatest medieval philosopher, but also the first modern figure. He put autonomic reason and the human being at the starting point of understanding being and belief. However, his attempt was persistently a compilation of ancient and medieval thoughts, therefore his concepts of autonomy of reason and humanity, which seemed quite modern and yet were quite different from those of the modern era onwards. I will focus on these differences and search into what the modern era cuts off from the medieval concept of reason and the image of human beings compiled by Thomas. Through this inquiry, we will uncover the points which we should reconsider modern legal thought. According to Thomas, autonomy of reason means that reason can grasp being and essence by its own power. However, reason presupposes them both when it works. Truth in speculative reason is conformity of intellect and thing. Moreover, truth in practical reason is conformity of intellect and right appetite, that is, will. Being and reason are not in a one-way, linear relation, but in a two-way, circular relation. From being to reason, reason to will, will to being. From the perspective of such a circular development, the character or position of the human being would be as follows : “incompleteness,” “just a part of being order,” “having a role in realization of being” (from possibility to reality), “trial and error in the process of human activity.” The modern era requires law and legal thought as normative support for breaking the connec tive ring of being, reason, and will. If such modern efforts bring about the opposite human character or position, that is, “human unrestrainedness,” “lack of holistic perspective in under standing being,” “loss of objective purpose,” “arbitrary action and perception,” and such character or position causes a huge distortion to humanity, society and nature, law and legal thought should enter the process of connecting the circular ring. This is what Thomas Aquinas’ philosophy would suggest.
著者
梅野 哲義
出版者
久留米大学
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1995

成長・発達前の新生児の声帯を電子顕微鏡下に観察し,その超微構造を学会で講演し論文として発表してきた。本年度の研究実績の概要は,1.電顕的に新生児声帯の模様部は線維成分に比べて基質が豊富であった。また線維成分に関しては,膠原線維は比較的発達していたが,弾性線維は未熟であった。線維芽細胞は成人に比べて多かったが,膠原線維や弾性線維をほとんど産出していなかった。声帯靱帯はまだ形成されておらず声帯の層構造は認めなかった。振動体として新生児の声帯をみると,弾性線維は非常に未熟であり弾性が低く,声帯振動にとって有利な構造ではないと言えた。2.新生児声帯の前端と後端には黄斑がすでに形成されており,その大きさは成人の黄斑とほぼ等しかった。新生児の声帯黄斑は線維芽細胞,膠原線維,弾性線維,基質からなっていた。線維芽細胞の密度は成人に比べて大きかった。新生児の声帯黄斑では線維芽細胞が膠原線維と弾性線維の産生をすでに盛んに行っていた。出生後の声帯振動が黄斑の線維芽細胞をさらに活性化し,成長とともに声帯靱帯を形成し,声帯の層構造が完成することが予想された。新生児の声帯黄斑は声帯靱帯などの声帯の線維組織の成長・発達にとって重要な構造物といえた。以上のような新生児声帯の超微構造が本研究で新たに解明された。現在,研究結果の一部は論文として掲載された。残りの研究結果は現在投稿準備中である。またさらに新生児声帯の超微構造の研究を進めている。
著者
鈴木 渉 齋藤 玲
出版者
宮城教育大学
雑誌
宮城教育大学紀要 = Bulletin of Miyagi University of Education (ISSN:13461621)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.223-230, 2016-01-29

本稿の目的は,まず,第二言語習得研究(Second Language Acquisition Research),特に,第二言語学習におげるアウトプット(話すことや書くこと)の役割に関する研究について概観し,次いで,認知心理学の観点から,それらの研究の課題や今後の方向性について展望することである。本稿で取り上げる認知心理学における知見とは,記憶検索(memory retrieval)の現象のひとつとしての検索経験(retrieval practice)の効巣である。本稿では,検索経験の効果に関する近年の研究成果に基づいて,第二言語学習におけるアウトプット研究のこれからの展開の可能性を示したい。
著者
川崎 薫 大橋 瑞生 谷口 守
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画論文集 (ISSN:09160647)
巻号頁・発行日
vol.53, no.3, pp.1080-1086, 2018-10-25 (Released:2018-10-25)
参考文献数
42
被引用文献数
5 1

人口予測において各自治体が用いている「コーホート要因法」は現在の人口変化の構造をなぞる方法で,いわば「既定路線としての運命」を示すものである.プランニングにおいては,この運命をより良い方向に変えていくための政策や努力が求められる.どんな政策や努力が有効かを知るには,単に実際の人口増減を見るだけでは不十分で,この運命をどれだけ変えたかを見ることが必要である.本研究ではコーホート要因法による推計人口と実人口の差をこの運命変革分として抽出し,それがどのような理由で生じたのかを統計的に解析することでこの課題に答えた.全国の市町村を対象とした分析の結果,社会基盤整備や大規模災害の影響が有意に効いていることが示された.また早くから地域おこしの取り組みをおこなった自治体で正の効果が出ていることも示された.