著者
前川 佳遠理 大久保 由里 北岡 タマ子 田中 輝 ライデルマイヤ マーガレット フェルフーフェン ポール 戸塚 順子 内海 愛子 ランゲン ヨハン・ファン
出版者
国文学研究資料館
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2007

国内外の史料所蔵機関のウェブサイトやカタログの収集に加え訪問調査を行い、個人・全国の戦友会・団体の事務局に質問票を郵送し、アンケートの集計を行った。個人・戦友会・団体の活動履歴や所蔵資料を国際文書館評議会ICAの国際標準「団体,個人,家に関する記録史料オーソリティ・レコード:ISAAR (CPF) Ver.2」に準拠して作成し公開準備を行った。本課題を機に戦友会事務局資料を中心に寄贈が進み、順次公開の予定である。国外ではインドネシア及び在オランダを中心に東南アジアの戦中・戦後の資料所在情報を調査し、特に俘虜銘々票の原本や原爆被害者調査委員会の原本資料のデジタル化・データベース化を通じた共有化モデルのプロジェクトに発展した。
著者
浦久保 秀俊 黒田 真也 相原 威
出版者
日本シミュレーション学会
雑誌
シミュレーション (ISSN:02859947)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.4-12, 2006-03-15

Recent advance in neuroscience has revealed that neurons as information processors are not point nodes, but spatially distributed units, as represented by dendritic arborization. Computer simulation is very effective for analyzing the distributed properties of neurons; however, the implementation as computer programs is quite complicated. Here, we introduce the GENESIS and NEURON simulators, which have been developed for supporting such complex neuronal simulations. We firstly address the mathematical bases for modeling spatial properties of neurons, and then explain how the NEURON/GENESIS simulator handles the properties with sample programs. At last, we show the effectiveness of the simulators by introducing our computational researches about spike timing-dependent plasticity (STDP).
著者
伊藤 敬 高橋 謙 大久保 利晃
出版者
産業医科大学学会
雑誌
産業医科大学雑誌 (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.7-18, 1996-03-01

クロムメッキ作業従事者の健康影響についての調査はまだ十分になされていない。我々はクロムメッキ作業者の死因パターンの特徴を調べるために,東京都にあるメッキ工場の従業員1,193名を対象に16年間の追跡調査を行った。同集団をクロムメッキ作業者群(623名)と非クロムメッキ作業者群(567名)に分け,1976年10月から1992年12月まで追跡した。標準化死亡比(SMR)およびその95%信頼限界(95%CI)を統計学的評価に用いた。クロムメッキ作業従事者における慢性肝炎および肝硬変の死亡リスクについて統計学的に有意な上昇(SMR 2.34; 95%CI 1.17-4.19)と,肺がんのリスクの上昇傾向(SMR 1.18; 95%CI 0.99-3.04)が示された。非クロムメッキ作業従事者においては,死亡リスクに関する有意なリスクの上昇を認めたものは無かった。我々は,各疾患における死亡数が少ないことから,今後もさらなる追跡調査が必要であると結論した。
著者
渡辺 恒夫 小久保 秀之 高澤 健司 河野 貴美子
出版者
国際生命情報科学会
雑誌
Journal of International Society of Life Information Science (ISSN:13419226)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.106-111, 2008-03-01

自然の修復的効果を、皮膚伝導水準(SCL)と心拍(HR)という心理生理学的指標を用いて評価することを試みた。12名の大学生が2つの実験条件の双方に、心理生理学的計測の被験者として参加した。自然条件では被験者は10分間のストレス課題の後、自然環境AVをパソコン画面上で8分間視聴し、都市条件では同じ手続きで都市環境AVを視聴した。ストレス課題は70-80dBの騒音中でクレペリン検査を受けることであり、自然環境AVは無人の海岸風景の映写、都市環境AVは幹線道路の交通混雑の映写だった。両条件ともAV視聴中にSCLは低下を続け、条件の間に有意差は見られなかった。一方HRは都市環境AVで上昇し、自然環境AVでは低下し、両条件間で有意な差が認められた。SD法によるこれら環境刺激への心理的評価等に基づいて、自然環境刺激はリラックスを、都市環境刺激は退屈をもたらしたと解釈された.
著者
久保 純子
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論 Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.61, no.1, pp.25-48, 1988
被引用文献数
4

南関東の相模野台地・武蔵野台地に分布する谷の地形・地質を比較検討し,これらの谷の形成過程について考察した.<br> 相模野・武蔵野をはじめとする関東平野の台地には,台地上に厚い風成テフラをのせるものが多い.これらの台地では現在までの数万年の間,テフラの問けつ的な降下と,台地に流域をもつような小さい川の侵食・運搬作用が同時に進行していたと考えられる.このような堆積(テフラの降下)と侵食・運搬作用(谷の成長)の積分の結果が現在の相模野・武蔵野台地の谷地形であること,すなわち,礫層を堆積させた過去の大河川の名残川が降下テフラを流し去ることによって谷を形成したことを,相模野および武蔵野台地の各時代の面を「刻む」谷の地形・地質を比較することにより導き,谷の形成過程を説明した.
著者
久保 純子
出版者
学術雑誌目次速報データベース由来
雑誌
地理学評論. Ser. A (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.61, pp.25-48, 1988
被引用文献数
4

南関東の相模野台地・武蔵野台地に分布する谷の地形・地質を比較検討し,これらの谷の形成過程について考察した.<br> 相模野・武蔵野をはじめとする関東平野の台地には,台地上に厚い風成テフラをのせるものが多い.これらの台地では現在までの数万年の間,テフラの問けつ的な降下と,台地に流域をもつような小さい川の侵食・運搬作用が同時に進行していたと考えられる.このような堆積(テフラの降下)と侵食・運搬作用(谷の成長)の積分の結果が現在の相模野・武蔵野台地の谷地形であること,すなわち,礫層を堆積させた過去の大河川の名残川が降下テフラを流し去ることによって谷を形成したことを,相模野および武蔵野台地の各時代の面を「刻む」谷の地形・地質を比較することにより導き,谷の形成過程を説明した.
著者
林 悠太 久保 晃
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.143-146, 2010 (Released:2010-03-26)
参考文献数
4
被引用文献数
1 1

〔目的〕本研究の目的は,高齢入院患者の生活意欲とADL,体格との関連を明らかにすることである。〔対象〕対象者は,Functional Independent Measure(以下FIM)の食事項目が5点以上であった高齢入院症例71例(回復期リハ病棟:男12例,女24例,79.6±11.1歳 慢性期病棟:男10例,女25例,83.2±7.6歳)である。〔方法〕生活意欲はVitality Index scoreより求め,8点以上を高得点群,7点以下を低得点群の2群に分類し,FIMとBody Mass Index(以下BMI)を求めて分析した。〔結果〕その結果,回復期ではFIMすべての項目で群間に有意差が認められ,慢性期では運動項目の整容・トイレ動作・排泄項目とすべての認知項目,BMIに有意差が認められた。〔結語〕回復期ではADL能力全般が,慢性期では身だしなみや排泄といった人間としてごく当たり前の動作能力が,生活意欲と関連してくると考えられる。
著者
久保 倫子
出版者
筑波大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2009

1990年代後半以降の都心部におけるマンション供給の増加は,日本の住宅市場の大きな転換期にあることを示すものでもある.本研究は東京大都市圏でのフィールドワークを行い,東京大都市圏におけるマンション供給とマンション購入者の特徴を明らかし,以下の仮説を検証することを目的とした.1)1990年代後半以降にマンションを購入している世帯は,戸建住宅志向が主流であった時代の価値観とは異なる居住選好を有し,住宅を選択している.2)マンション供給者は,比較的早期から非標準世帯をターゲットに取り込む戦略をとってきたことで,所有住宅市場におけるマイノリティであった世帯を対象とする物件が増え,これらの世帯が重要な需要者となっている.3)各世帯によってマンション購入の意思決定過程は異なるものの,世帯特性によってその意思決定過程を説明しうる要因が存在している.これらの仮説を検証するため,千葉県千葉市美浜区の幕張ベイタウンおよび千葉県成田市の成田ニュータウンにおいて,居住者の居住地選択(特に,住宅購入に関する意思決定過程)やコミュニティ活動に関する調査を実施し,国内外の学会(日本地理学会,人文地理学会,The Association of American Geographers 2010 Annual Meeting等)において発表した。次に,マンション供給側の供給戦略に関しては,東京都心部における主要なマンション供給社に対するインタビュー調査および不動産データの分析によって,マンション供給戦略の変化を分析し,日本地理学会等で発表し議論を行った.
著者
伊理 正夫 今井 敏行 久保田 光一 室田 一雄 杉原 厚吉
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(B)
巻号頁・発行日
1988

本研究は,代表者伊理正夫が1983年に発案した高速自動微分法のためのソフトウェア試作と実際問題への応用を発展させ,実用技術として確立することを目的とした。本研究によって得られた成果をその目的に沿って述べると次のようになる。(1)プリプロセッサの改良:C++による処理系を試作し,既に製作してあったFORTRANによるものとともに改良を重ね,実験用ソフトウェアとしては一応の完成をみた。それらを移植し,種々の計算機上で高速自動微分法を利用可能にした。さらに,勾配の誤差も計算できるようにするなど改良を加えた。現在,サブル-チン等の副プログラムに対する処理,ベクトルプロセッサ向けの処理を導入すべく,処理系をさらに改良中である。(2)丸め誤差の推定の理論の厳密化,丸め誤差の推定値を積極的に利用する算法の開発・実験,実際的な問題への応用:理論的に従来の区間解析よりも優れていることを証明しただけでなく,応用時に問題になる計算グラフの作成方法の改良の必要性を指摘し,解決のためグラフの縮小法を開発した。実用面では,演算増幅器の直流解析などを例にした非線形方程式系解法への応用や,幾何的アルゴリズムを利用した地理的最適化問題に適用し,精度,速度,特に収束性を詳しく調べることを通じ,従来の方法に比べて高速自動微分法が有効であることを確認した。(3)高速自動微分法と数式処理システムとの融合:プリプロセッサが改良中であること,実用面での高速自動微分法の有効性の証明を精密に行なうのに時間と労力を費やしたため,この方面に関する研究は,完成しておらず,今後の課題として残された。上記の成果をふまえて,国際数理計画シンポジウム,京大数理解析研研究集会,情報処理学会研究会,SIAM Workshopなどでの発表,内外の研究者との交流を行い,本研究の成果が国際的に先導的地位にあることを確認した。
著者
久保 智之 馮 蘊澤 早田 輝洋
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

研究代表者の久保智之は、満洲語口語(中国新疆ウイグル自治区のシベ語と、同黒龍江省で話されている満洲語口語)について、特に音韻論的、形態論的な側面において、満洲語文語との異同を研究した(シベ語も満洲語口語と言ってよいが、ここでは黒龍江省の満洲語口語と区別するため、便宜的に黒龍江省の満洲語だけを「満洲語口語」と呼ぶ)。シベ語、満洲語口語とも、語幹と接辞の間の母音調和が消失している。シベ語はそれが、語幹と接辞の間の子音の調和にとってかわられている。シベ語は、/k/と/q/、/g/と/G/、/x/と/X/の対立をもっている(おそらく満洲語文語とおなじ)が、満洲語口語は、それらの対立を失なっているようである。満洲語口語は/r/と/l/の対立も失なっている。総じて、シベ語に比べて満洲語口語のほうが、満洲語文語との隔たりが大きいように思われる。研究分担者の早田輝洋は、『満文金瓶梅』の電子化テキストを使用し、満洲語文語の研究を進めた。満洲語文語の母音について考察を進め、5母音とするのが妥当であるという結論を得た。また、『満文金瓶梅訳注第十一回-第十五回』を公刊した。満文のローマ字転写及び訳注から成る。さらに、標準的でない語形を多く含む『大清全書』の電子化テキストを作成し、索引と共に公刊した。満洲語の音韻論的研究に裨益するところ大であろう。同じく研究分担者の馮蘊澤(平成11年度〜12年度に参加)は、早田の作成になる『金瓶梅』崇禎本のデータベースを用いて、文法形態素「得」に関わる統語現象の分析を進めた。現代語との比較対照も行なった。
著者
久保田 文次
出版者
孫文研究会
雑誌
孫文研究
巻号頁・発行日
no.47, pp.1-27, 2010-03
著者
森島 繁生 八木 康史 中村 哲 伊勢 史郎 向川 康博 槇原 靖 間下 以大 近藤 一晃 榎本 成悟 川本 真一 四倉 達夫 池田 雄介 前島 謙宣 久保 尋之
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会誌 (ISSN:09135693)
巻号頁・発行日
vol.94, no.3, pp.250-268, 2011-03-01

映像コンテンツの全く新しい実現形態として,観客自身が映画等の登場人物となり,時には友人や家族と一緒にこの作品を鑑賞することによって,自身がストーリーへ深く没入し,かつてない感動を覚えたり,時にはヒロイズムに浸ることを実現可能とする技術「ダイブイントゥザムービー」について本稿で解説する.この実現には,観客に全く負担をかけることなく本人そっくりの個性を有する登場人物を自動生成する技術と,自ら映像中のストーリーに参加しているという感覚を満足するためのキャラクタ合成のクオリティ,映像シーンの環境に没入していると錯覚させる高品質な映像・音響再現技術及びその収録技術が,観客の感動の強さを決定する重要な要素となる.2005年の愛・地球博にて実証実験を行った「フユーチャーキャスト」に端を発するこの技術は,ハードウェアの進歩と2007年にスタートした文部科学省の支援による科学技術振興調整費プロジェクトの実施によって,格段の進歩を遂げた.その結果,様々なバリエーションの観客の個性を全自動・短時間でストレスなくモデル化することが可能となり,また作品の中でリアルタイム合成されるキャラクタの顔と全身,声に各入の個性を忠実に反映することが可能となった.また,同時に役者が感じた音場・視点で1人称的にコンテンツへの没入感を体感することを可能にするシステムを同時に実現した.
著者
中田 秀基 竹房 あつ子 大久保 克彦 岸本 誠 工藤 知宏 田中 良夫 関口 智嗣
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告ハイパフォーマンスコンピューティング(HPC) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2006, no.20, pp.217-222, 2006-02-27
被引用文献数
2

グリッド上で複数の資源を同時に確保(コアロケーション)するには,各サイトにおける事前予約が不可欠である.現在計算資源の多くでは,プライオリティと First Come First Servedを組み合わせたスケジューリングポリシが用いられているが,このスケジューリングポリシと事前予約をどのように組み合わせるべきかに関しては,明らかになっていない.われわれは,この問題を検討する研究環境を整備することを目的とし,1) OpenPBSの亜種であるTORQUEのスケジューラモジュールを記述するためのAPIを整備し,2)これを用いて事前予約機能を持つスケジューラモジュールを実装した.さらにWSRFを用いた外部インターフェイスを実装し,Globus Toolkit Ver.4のGRAMと連動したグリッド環境での予約と実行を実現した.While advance reservation is an essential capability for co-allocating several resources on Grid environments, it is not obvious how it can be combined with priority-based First Come First Served scheduling, that is widely used as local scheduling policy today. To investigate this problem, we 1) developped Java API to implement scheduling modules for TORQUE, a variant of OpenPBS, 2) implemented a scheduler module that have advance reservation capability with the API. We also provide an external interface for the reservation capability based one WSRF. Using with job submission module from Globus toolkit 4, users can make reservation for resources and submit jobs over Grid.
著者
山路 稔 岡本 秀毅 久保園 芳博
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ベンゼン環同志が隣り合ってたくさん繋がった縮環化合物と呼ばれる分子は有機化学的の作成する事は大変手間と時間がかかる。本研究では、1)光を当てるだけで環縮環生成する反応機構を解明する、2)この反応機構を応用し、従来の有機合成では生成困難な多環芳香族化合物や窒素、酸素、イオウなどの原子を含む複素環芳香族化合物を新たに創成する、3) 作成した多環縮環化合物を電子・発光デバイスや超伝導材料としての可能性、について研究を行った。