著者
久保 愛三 清野 慧
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. C編 (ISSN:03875024)
巻号頁・発行日
vol.46, no.401, pp.86-98, 1980-01-25
被引用文献数
5

はすば歯車の正面ならびに歯すじ方向歯形誤差が歯車振動をひきおこす程度の歯のこわさ変動をも考慮して評価する近似的方法を示し,中凸形正面歯形がはすば歯車においても平歯車の場合と同様に最も害の少ない,あるいはその大きさを適当に選ぶならば歯形修整の効果のある歯形形状であること,全かみあい率あるいはねじれ角が大きくなると正面歯形形状にかかわらず歯車振動の起振力が著しく小さくなることなどを明らかにした.
著者
渡邉 正義 今林 慎一郎 小久保 尚
出版者
国立大学法人横浜国立大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

イオン液体はイオンのみからなる液体であり、不揮発性、熱安定性、不燃性、高イオン伝導性などの特徴を有するため、水、有機溶媒に続く第三の溶媒として認められつつある。本研究では、「イオン液体の自己解離性を表すパラメータ」を評価する方法を確立し、これをイオン液体の「イオニシティー」と定義した。イオン液体の性質はこのイオニシティーと密接に相関し、この値が高いイオン液体は上記のような典型的イオン液体としての性質を示すことを見出した。またイオンニシティーの評価に基づき、新しい材料やデバイスのための新型溶媒・電解質として設計された機能性イオン液体を開発した。
著者
久保 智康
出版者
京都国立博物館
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1996

本研究では、16世紀から19世紀に至る各時期の建築遺構に付属している飾金具の調査を行った。調査を行った主な箇所は次の通りである。仙台/東照宮本殿、日光/東照宮・輪王寺大猷院霊廟、富士吉田/浅間神社本殿、高山/東照宮、滋賀/都久夫須麻神社・勧学院・長浜山車、伊賀上野/天神祭楼車、京都/高台寺霊屋・二条城二の丸御殿・西本願寺・北野天満宮本殿・曼殊院書院・桂離宮御殿及び御茶屋群・修学院離宮中御茶屋客殿・角屋、出雲/日御碕神社。また関連調査として、各地の中・近世遺跡出土飾金具、博物館収蔵の工芸品付属金具なども対象に加えた。調査にあたっては、やむを得ない場合を除いて金具全点を観察対象とし、技法上から見て建物の建立当初の型式を抽出した。そして各遺構の当初型式の技法と意匠性について、築造年代に沿って検討を行い、以下のような変遷を確認するに至った。16世紀後半:シンプルな形状で、単純な鍍金もしくは墨差しが基調。彫金は強いタッチで、細部にこだわらず、ダイナミックな意匠表現を行う。16世紀末〜17世紀初:意匠を凝らした大型釘隠の登場。鍍金と墨差しの組合わせが基調。金具の装飾性が急速に増してくる。17世紀前半:加飾密度の高まり。技巧の細密化と平準化。彫金のタッチは急速に弱くなる。鍍金・墨差しに加えて七宝により色彩表現が豊かになる。17世紀後半:金具形状に具体的な器物や文字など様々な意匠が表される。七宝の色種も増えて、効果的な装飾性が試みられる。ただし技巧的には後退の途を辿りだす。18世紀:揚屋の角屋など特徴的な建物では意匠の新規性は続くが、多くは形式化が進む。18世紀末〜19世紀前半:大味な技巧ながら、立体的な意匠表現が全盛を迎える。
著者
大久保 修平 長沢 工 平賀 士郎 田島 広一 萩原 幸男
出版者
東京大学
雑誌
東京大學地震研究所彙報 (ISSN:00408972)
巻号頁・発行日
vol.67, no.3, pp.325-359, 1992
被引用文献数
3

We carried out gravity measurements around the Kozu-Matsuda fault (KMF), Kanto, Japan. Improved Bouguer anomaly data confirm the existence of a low-angle dipping slab beneath the Ashigara Plain and suggest a thrusting fault motion on it. It is very likely that the Ashigara Plain is a sedimentary basin with Oiso Hill as an accretional prism.国府津-松田断層の周辺で288点の重力測定を実施した.同断層近傍ですでに重力値の得られている測定点をあわせて約3000点での高密度重力測定から,より精確なブーゲー異常図を作成した.得られたブーゲー異常データと3次元密度構造のモデル計算の比較から,国府津-松田断層が逆断層であることが推定された.また,足柄平野が相模湾に連なる堆績盆地であることも確かめられた.さらにフィリピン海プレートのもぐりこみにともなう低角逆断層のメガスラストが足柄平野直下に認められた.フィリピン海プレートの裂け目として想定される,相模湾断裂/西相模湾断裂については,それを積極的に支持する証拠は見つからなかった.
著者
久保 文武
出版者
奈良大学史学会
雑誌
奈良史学 (ISSN:02894874)
巻号頁・発行日
vol.6号, pp.29-51, 1988-12

徳川秀忠の息女和子が元和六年(一六二〇)六月十八日、後水尾天皇の女御として入内したが、武家側よりの入内は約四百年前平清盛の女徳子(建礼門院)入内以来のことで、この件が決して円滑にはこばなかったことは周知の事実として、江戸初期の朝幕関係を物語る格好の史料とされている。そして、後水尾天皇の再三にわたる拒絶とも解せられる譲位の意志を醜意させた、最後の詰めの段階での画策、奔走は幕府側では京都所司代板倉勝重と一外様大名の藤堂高虎であった。しかも、事の紛糾後はむしろ高虎の奔走が中心的役割を果したといえる。和子入内に至る経緯については、徳川家の正史ともいえる「徳川実紀」も何らふれず、元和六年五月八日の和子江戸出発より、六月十八日の入内当日の記事のみが華々しく記述されているのみである。和子入内は家康の遠望と秀忠の政略によるものであるが、詰めの段階での紛糾の解決についてはほとんど記述された論稿がない。ことに武家側の史料を根拠にした論稿は全くなかったともいえる。昭和五一年度の京都大学文学部研究紀要16号に、朝尾直弘氏が京大国史研究室蔵の「元和六年案紙」をもとにの発表せられたのが唯一のものといえる。同論稿は元和六年案紙を武家側当事者の有力な根本史料として、公家側の日記類に匹敵する価値ある史料として、史料考証をまじえながら、従来、明らかにされていなかった重要事実を説述している。本稿ではこの朝尾教授の学恩を蒙りつつ、畿内の数ある有力な親藩・譜代の大名を差しおいて、何故、一外様大名の藤堂高虎がこの難しい交渉の任に選ばれたかの疑問を追求してみることにする。
著者
久保木 功
出版者
静岡理工科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2004

工業用純チタンC.P.Tiおよび冷間加工が可能なβrich(α+β)チタン合金SP700に,種々の条件で一方向ねじり加工および繰返しねじり戻し加工を施した試験片を製作した.これらの試験片に室温および高温引張試験,硬さ試験,表面粗さ測定および組織観察を行い,次の知見を得た.まず,工業用純チタンC.P.Tiでは;(1)繰返しねじり戻し加工により,正方形断面を持つ板材試験片でもねじり加工後の稜線が比較的直線的であり,それほど大きな外観形状の変化は見られず,原形回復できることがわかった.(2)繰返しねじり戻し加工ではねじり加工が進行しても,それほど表面粗さに大きな変化はなく,一方向ねじり加工より表面粗さを小さくすることができる.(3)繰返しねじり戻し加工とその後の再結晶焼鈍により,中心から外周に向かって結晶粒が徐々に微細化し,硬さが増加していく傾斜組織が形成されることがわかった.(4)一方向ねじり加工や繰返しねじり戻し加工を行うことで引張強さは増大する.このとき一方向ねじりより,ねじり戻し加工したほうがねじり量(比ねじり角)が大きくでき,引張強さは大きくなる.(5)高温引張試験では,変形温度923Kにおいて繰返しねじり戻し加工材のほうが冷間圧延材よりひずみ速度感受性指数m値が大きくなる(m=0.28).これに対応して,ねじり戻し加工材の全伸びは冷間圧延材よりいずれのひずみ速度でも10〜20%程度大きい.次に,チタン令金SP700では;(6)繰返しねじり戻し加工を行っても,硬さは大きく変わらなかった.しかし,引張強さは焼鈍材に比べ大きくなった.このときねじり戻し加工した試験片の表層部と中心部の結晶組織は外周方向に伸張していた.
著者
武井 和人 三村 晃功 矢野 環 末柄 豊 小川 剛生 久保木 秀夫
出版者
埼玉大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2003

(1)以下の機関・個人に所蔵される十市遠忠・実暁自筆古典籍の実地調査・写真撮影を行った。財団法人前田育徳会尊経閣文庫蔵自筆詠草類(再調査)東京大学史料編纂所蔵『一人三臣詠鈔』(天文8年遠忠書写奥書本ノ転写本)国文学研究資料館蔵遠忠関連典籍マイクロフィルム(陽明文庫蔵『五社百首』他)(2)報告書に翻刻を収載する予定の資料を選定し、担当者を決め、翻字作業に入った。新たに翻刻する資料として、以下の典籍を定めた。財団法人前田育徳会尊経閣文庫蔵『千首和歌』『三百六十首和歌』『五十番自歌合』他島原図書館松平文庫蔵『百五十番自歌合』(3)以下の遠忠自筆、および、鳥養流の能書家である鳥飼宗慶自筆短冊資料を蒐集した。鳥飼宗慶自筆短冊(京都・思文閣書店より購入)十市遠忠自筆短冊(軸装、京都・思文閣書店より購入)遠忠、及び鳥養流諸家の書蹟鑑定に際し、基礎的な資料として活用した。(4)下記の如き研究会を開催した。【第1回研究会】平成17年8月19日・於:埼玉大学八重洲ステーションカレッジ武井・石澤一志・高橋育子「<遠忠自筆資料>の筆蹟について」末柄豊「文亀四年二月九条尚経亭月次和歌会懐紙について」井上宗雄「勅撰作者部類の編者藤原盛徳(元盛法師)について」(5)本研究の概要・経緯を、日本歴史学会の依頼により、武井が『日本歴史』(第692号、2006・1)に報告した。
著者
斎藤 貴之 台坂 博 出田 誠 岡本 崇 小久保 英一郎 和田 桂一 富阪 幸治 牧野 淳一郎 吉田 直紀
出版者
日本流体力学会
雑誌
日本流体力学会年会講演論文集 (ISSN:13428004)
巻号頁・発行日
vol.2006, 2006-09-05

In this paper, we introduce Project "Origin of the Milkyway". This project aims at reliable modeling of the formation history of our Galaxy (i.e., the Milkyway), as a typical spiral galaxy, with the mass resolution 2-3 orders of magnitude higher than what has been achieved so far. In order to achieve such state-of-the-art simulations, we construct two beowulf type PC-clusters with GRAPE-6A/7, and we develop a new N-body/SPH code for parallel computing.
著者
和田 桂一 小久保 英一郎 富阪幸治 台坂 博 斎藤 貴之 牧野淳一郎 吉田 直紀
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理 (ISSN:04478053)
巻号頁・発行日
vol.45, no.12, pp.1225-1228, 2004-12-15

大規模理論天文シミュレーションによる「天の川創成プロジェクト」とその背景にある銀河形成の問題について紹介します。プロジェクトでは、詳細な理論モデル、計算手法と高速の専用並列計算機を組み合わせ、宇宙初期から現在まで、銀河の形成・進化過程を高精度でシミュレーションすることにより、(1) 我々の銀河系=天の川の3次元構造とその形成過程、および(2)銀河の形態の起源、を初めて明らかにすることを目指しています。第I 期計画では、次世代専用超並列計算機GRAPE-DRと高速ホスト計算機、高速ネットワークを組み合わせた計算能力1ペタフロップスの「天の川数値解析装置」を国立天文台内に構築し、現状の最大規模のシミュレーションの100倍規模のシミュレーションを行います。 これにより銀河形成問題にブレークスルーをもたらすことができるはずです。
著者
中村 修一 河野 博之 松延 彰友 久保田 浩三 庄野 庸雄 冨永 和宏 牧 憲司 椎葉 俊司 小野 堅太郎 岡部 幸子 森本 泰宏
出版者
九州歯科学会
雑誌
九州歯科学会雑誌 (ISSN:03686833)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.178-186, 2004
参考文献数
13

The aim of this study was to elucidate the significance and problems of Kyushu Dental College Hospital as a key hospital for neighborhood dental offices. We sent out questionnaires to 322 dentists in neighboring dental offices. Within 2 weeks, we received the questionnaires by mail, and analyzed them. A total of 128 questionnaires were returned (response rate, 40%). Of the respondents, 89% had attended dental-related lectures within the previous year. A total of 95% of respondents had at least one patient a year for whom they could not carry out the care alone. The majority of these patients received care related to oral surgery, and 67% of these patients were transported to Kyushu Dental College Hospital. The major reason for choosing Kyushu Dental College Hospital was that the dentists working there had good skills and also had personal communication with the referring dentists. Systematic improvement and skill preparedness in all departments, and in particular, oral surgery, and establishment of personal communication between our hospital's dentists and dentists in neighborhood dental offices should lead to success for our hospital and for neighborhood dental offices.
著者
子安 潤 久保田 貢
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学教育実践総合センター紀要 (ISSN:13442597)
巻号頁・発行日
vol.3, pp.9-16, 2000-03-29

1950年代末より積極的に展開された「主権者教育論」は,その初期の頃,「国家の一員」におしとどめようとする教育内容が,「国家の教育権」のもとに強制されようとしていたことに抗し,「国民」を「主権者」と位置付け,次代の主権者を育てようと提起した点で,意義は大きい。しかし,「国民」に限定した点や,子ども自身が権利行使主体としてどのような行動ができ,あるいはその行動能力を育むのか,といった考察が乏しかった点など,問題点も残されていた。
著者
久保 満佐子 島野 光司 崎尾 均 大野 啓一
出版者
一般社団法人日本森林学会
雑誌
日本林學會誌 (ISSN:0021485X)
巻号頁・発行日
vol.82, no.4, pp.349-354, 2000-11-16
参考文献数
19
被引用文献数
7

渓畔林においてカツラの発生サイトおよび実生の定着条件を, 共存種であるシオジ, サワグルミと比較して明らかにした。カツラは砂礫地やリターのあるところでは発生せず, 主に鉱質土壌が露出しているところで発生していた。この原因として, カツラは種子や実生のサイズが小さいため, 砂礫やリターに埋もれてしまうこと, 砂礫地では乾湿の差が土壌面に比べ大きいことが考えられた。一方, シオジ, サワグルミは砂礫地であっても, またリターがあっても発生したが, これは両種の種子サイズが大型なため, 砂礫地やリターの堆積した立地でも地上に子葉を展開できること, 十分な長さの根を伸ばせることが原因と考えられた。1年生以上の実生の定着サイトで相対照度を比較した結果, カツラはサワグルミと同様, 15〜20%程度の相対照度が必要なのに対し, シオジは5〜10%でも生存できた。ただし, 土の露出した明るいサイトに多く発生するカツラの実生は, 大雨のときなどに土ごと流されることが多いため, 共存種のシオジやサワグルミに比べ実生による更新が困難なことが予想された。
著者
久保田 実 鰭崎 有 柄木 良友 稲田 ルミ子 信貴 豊一郎
出版者
東京大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1988

本研究は、絶対温度0.01K以下までの低温を容易に室温から数時間で作り出し、また急速に室温まで戻すことができる、しかも必要とあれば長時日に及ぶ連続運転が可能な"運搬が容易にできる新しい型式の希釈冷凍機"を試作開発するものである。第2年度末までに、開発の第1段階である'室温に ^3He回路のみを持つ ^3He JーT希釈冷凍機'で32mKを安定に作ることに成功し、第2段階の' ^3Heを室温部のポンプや圧縮機を使わずに循環する低温 ^3He回路の開発'をスタ-トさせた。今年度はこれを更に推進するために(1)4.2K〜30Kで働く活性炭吸着ポンプー圧縮機の試作とその基本特性の測定、(2)低温 ^3He加圧回路に欠かせない低温バルブの試作と、性能試験を行い、所期の目的の100μmole/s程度の循環を可能とする条件を見いだした。この結果は1990年4月の低温工学国際会議ICEC13(北京)、および低温物理学国際会議LTー19(1990年8月Brighton)に於て発表した。しかしながら複数の低温バルブと複数の吸着ポンプとを組み合わせて低温 ^3He回路を自動運転するには未だ至っていない。我々は低温バルブにはインコネル製の"Cーリング"と呼ばれるシ-ルを用いているが繰り返し使用するバルブの閉りと信頼性を改善するために"Cーリング"の表面をみずからインジュウムメッキして使用している。信頼性の向上にはシ-ル面の工作精度も問題でありその試験に長時間を要する。一方分溜室の温度を下げ冷凍機の性能向上を計るために吸着ポンプも3*10ー2mb程度の圧力まで十分機能する必要がある。ポンプ内のコンダクタンスの改善が望まれる。これらの問題点を解決して総括報告が1年以内にできるものと考えている。
著者
久保 純哉 井上 富雄 三瀬 敏朗 新屋敷 泰史 橋本 正明 片峯 恵一 鵜林 尚靖 中谷 多哉子
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. KBSE, 知能ソフトウェア工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.326, pp.1-6, 2008-11-20

組込みソフトウェアの開発においては,システムの障害などを処理する非正常系が,開発規模の約7割を占めている.筆者らが既に提案している組込みソフトウェアの非正常系分析手法において,HAZOP(Hazard and Operability Study)のガイドワードは重要な役割を持っている.しかし,ガイドワードの体系は,未整理である.そこで,本稿は,要求された品質とその品質を実現するための機能の関係を示すQFD(Quality Function Deployment)と,ガイドワードの関係を考察する.
著者
松本 淳 遠藤 伸彦 林 泰一 加藤 内藏進 久保田 尚之 財城 真寿美 富田 智彦 川村 隆一 浅沼 順 安成 哲三 村田 文絵 増田 耕一
出版者
首都大学東京
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

1950年代以前のアジアモンスーン諸国における紙媒体気象データをデジタル化したデータセットを作成し,20世紀全体でのアジアモンスーンと台風の活動や経路の長期変動を解析した。その結果,日本の冬季モンスーンが弱まり,冬の期間が短くなる傾向や,フィリピンで夏の雨季の開始時期が近年遅くなる傾向,東南アジアで降雨強度が強まる傾向,台風発生数の数十年周期変動,台風の低緯度地方での経路の長期的北上傾向等が見出された。
著者
大鍋 寿一 田内 雅規 久保 純一
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
福祉工学シンポジウム講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2003, no.3, pp.229-232, 2003-11-07

第26回RESNA国際会議は米国アトランタにおいて6月19日から6月23日まで開催された。本国際会議でアメリカ政府の福祉政策責任者であるDr. Margaret J Gianniniがアメリカの福祉政策に関して基調講演された。その中で新自由イニシアティブ"New Freedom Initiative"の紹介, 福祉工学, アクセシビリテイ, ユニバーサルデザインの必要性を強調された。本会議で紹介された車いす装備サービス・マニュピュレータ(Manuas), 遠隔操作介護ロボット, 仮想現実感ロボット/可視手術機器, シート, クッションなど移動福祉機器ならびに, 視覚障害及び聴覚障害など感覚系障害に関する企業や機関からの出展について報告する。
著者
前迫 孝徳 片山 滋友 山内 裕平 菅井 勝雄 久保 和彦 横尾 能範 木原 俊行 水越 敏行
出版者
大阪大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

本研究の目的は、教育現場で利用可能なセンサーインタフェースを開発し、ハイパーメディア上で統合させることにあった。まず、国産のパーソナルコンピュータが現場で扱い易いセンサーインタフェースを有していないことから、パラレルポートを利用してデジタル入出力とアナログ入力を行う汎用のセンサーインタフェースを開発した。次に、センサーのアナログデータを電圧・周波数交換して、微弱電波や赤外線で伝送する無線方式のセンサーインタフェースを開発した。パソコンへはシリアルポートを通してデータを転送する。さらに、これらのセンサーインタフェースを利用する授業実践を行う中で改善を加えた。一方、環境や身体情報り測定が重要な意味を有するようになってきたことを考慮し、簡単な3次元地震センサー学習状況の把握に役立つ心拍呼吸性変動測定装置を開発した。さらに、インターネットの普及の中で重要性が増したHTMLを対象とすることで、センサー情報のハイパーメディアへの統合を実現する基礎研究を行った。すなわち現場校で気象等の授業を行う際、各種の情報や他地域との比較が望まれたことから、センサーの測定結果を扱う分散データベースと、Java及びJavaスクリプトを利用しインターネットを介して情報交換を行うハイパーメディアシステムの試験運用を行った。このように本研究では、ハードウェアとして、測定対象が卓上から屋内、そして屋外の測定へと拡大しつつある状況に対応可能なセンサーやインタフェースの開発と、ソフトウェアとして、インターネット上のWWWサーバを基本要素とする分散データベース上でリアルタイム測定データを扱う統合したハイパーメディアシステムを実現する基礎が確立できたと考える。今後もシステム運用を継続する中で改善等の活動を行う予定である。