著者
伊藤信悟 伊野 文彦 萩原 兼一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌コンピューティングシステム(ACS) (ISSN:18827829)
巻号頁・発行日
vol.48, no.13, pp.235-246, 2007-08-15
被引用文献数
2

GPGPU (General-Purpose Computation on Graphics Processing Units) とは、GPU をグラフィクス処理の枠を越えて汎用問題に適用する試みのことである。本稿では、典型的な GPGPU 実装を対象として、GPU による高速化の見込みを予測するための性能モデルを提案する。提案モデルは、GPGPU 実装の多くがメモリ集中型の問題を対象として規則的にデータを参照する点に着目し、実装全体の性能を主記憶、ビデオメモリおよび GPU 内演算器間の各データパスの転送性能で表す。転送性能の各々は、GPGPU アプリケーションとは独立に計測できるバンド幅および遅延時間のみの簡単な組で表す。提案モデルを画像フィルタおよび LU 分解に適用し、3 世代にわたる GPU 上で評価した結果、誤差は最悪で 20%であった。GPU 内キャッシュの効果がさほど大きくない場合、誤差は 10%以内であることから、提案モデルは典型的な実装に対して GPU による高速化の見込みを見積もる際に有用であると考える。GPGPU stands for general-purpose computation on graphics processing units (GPUs), aiming at applying the GPU to general problems beyond graphics problems. This paper presents a performance model for typical GPGPU implementations, which is capable of predicting the possibility of the acceleration achievable by the GPU. Our model focuses on the fact that most of GPGPU implementations deal with memory-intensive problems and have regular access to data. Based on this fact, we represent the entire performance as the transfer performance of data paths connecting main memory, video memory, and processors inside the GPU. Each of the transfer performance here is simply represented by a combination of bandwidth and latency, which are independent of GPGPU applications. We applied the model to an image filter and LU decomposition to estimate their performance on three generations of GPUs. We found that the model has a 20% error at the worst case. We think that the model is useful for estimating the possibility of typical GPU-accelerated implementations, because the observed errors are less than 10% if GPU cache does not have significant effects on performance.
著者
辻 大和 伊藤 健彦
出版者
日本霊長類学会
雑誌
霊長類研究 Supplement 第30回日本霊長類学会大会
巻号頁・発行日
pp.37, 2014 (Released:2014-08-28)

霊長類の寒冷地への適応は、古くから多くの研究者の関心を集めてきた。しかしこれまでの研究の多くは、環境適応を行動特性の面だけから評価することが多く、それを生息地内部の食物量や物理的要因と関連付ける視点が欠けていた。本研究は、ニホンザル(Macaca fuscata)の寒冷地への適応メカニズムの解明を目指し、彼らの食性の空間パターンを説明する、生息地の生態学的特性の関係を明らかにすることを目的とした。文献データベースを用いて先行研究の文献を収集し、日本全国の13箇所から19群のニホンザルの食性データ(採食時間割合)を抽出した。同時に各調査地の緯度・経度・標高(地理的要因)および平均気温・年間降水量・年間降雪量・植生指数(NDVI)などの環境要因を収集した。GLMMによる解析の結果、地理的要因に関しては、ニホンザルは高緯度・高標高の調査地で葉や樹皮・冬芽の採食割合が高かった。また、高緯度の調査地で食物の多様性が高かった。このような空間パターンは、主に環境要因によって説明できた。すなわち、ニホンザルは平均気温が低く、降雪量が多く、年間降雪期間が長い調査地で樹皮・冬芽の採食割合が高く、果実の採食割合が低かった。NDVIが低い調査地でも果実の採食割合が低かった。そして気温が低い調査地、年間降雪期間が短い調査地で食物の多様性が高かった。本研究により、ニホンザルの生態適応は、生息地の食物環境に応じた採食行動の柔軟な変化によって達成されたことが示唆された。とくに、降雪の影響が強かったことから、ニホンザルの採食戦略を決定するうえで、冬の厳しさが重要な役割を果たしていると考えられた。
著者
田中 伸彦 伊藤 太一
出版者
東海大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

「里山」を「人里近くにあって人々の生活と結びついた山や森林」と定義した。その里山を、観光デスティネーション(D)としてとらえ、レジャー観の多様性を体系化し、科学的根拠に基づき計画的提言を行った。内容は1.観光Dとして里山を捉える意義、2.観光学におけるDマネジメントと資源/施設との関連、3.里山観光を巡る興味関心と施策の変遷に関する考察、4.Dとしての里山の地理評価法の開発、5.里山の自然公園管理から構成される。成果としては、市民の里山に関する興味関心の広がりを時系列的に明らかにし、里山観光Dの地理的集散状況の経年変化を定量化する指標を開発し、客観的な里山観光地評価を行うことを可能とした。
著者
鈴木 庄亮 ROBERTS R.E. LEE Eun Sul. ORLANDAR Phi 町山 幸輝 BLACK Thomas 小林 功 山中 英寿 BUJA Maximil SHERWOOD Gue 倉茂 達徳 土屋 純 BURKS T.F. 伊藤 漸 BUTLER Patri 中島 孝 石川 春律 SHERWOOD Gwendolyn BURKS F.thomas THOMAS Burks 森下 靖雄 ROBERTS R. E 鈴木 守 LEE Eun Sul 古屋 健 JUDITH Crave RONALD C. Me GUENDOLYN Sh 大野 絢子 GEORGE Stanc 城所 良明 近藤 洋一 PAUL Darling 三浦 光彦 村田 和彦
出版者
群馬大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1993

平成5年度に、医学教育全般、基礎医学、看護教育、大学院教育及び病院管理を中心に相互の調査研究を実施した。これをうけて平成6年度は臨床医学教育、臨床病理・検査医学、教育技法を中心に相互訪問し、資料作成提供、説明とヒアリング、見学と討論及びセミナー開催を行なった。(1)日本側大学: 群馬大学及びその医学部、生体調節研究所(前内分泌研究所)、及び医療短期大学部。研究分担者は各部局の長および医学部教務担当教授、内科、外科、臨床病理の教授。(2)相手校: 州立サキサス大学健康科学センターヒューストン校(H校と略す)およびその医学部、公衆衛生学部、看護学部、医療技術学部、及び生物医学大学院。研究分担者は教務担当副医学部長を代表として各部局の教務関係教官。(3)渡米した教官: 中島孝(医学部教務担当、病理学)、小林功(内科学、臨床検査医学、団長)、山中英寿(外科学)、及び倉茂達徳(医短、臨床病理学)の4教授。(4)訪日した教官: 教務担当副医学部長PMバトラ-女史(医、小児精神医学、団長)、Mブヤ(医、病理学主任教授兼医療技術学部教授教授)、PMオルランダー(内科学)、及びCTブラック(外科学)の4教官。(5)研究分担者会議を日米7回開催し、研究の概要説明、研究計画実施手順、資料収集、研究討論、などを行った。(6)前年度のサキサス大学訪日団の報告書の修正、入力、整理、翻訳を行い学内関係者に回覧し、意見を求めた。(7)渡米・訪日期日: それぞれ、6月6-13日と10月22-29日。(8)渡米団の活動: 前年度訪日したH校副学長、医学部長から歓迎の意を表された。目的とする卒前卒後の臨床医学教育訓練を中心テーマとして、予定されたプログラムにそって、資料提供、説明、見学、討論が行われた。すなわち、ヒューストン校の概要、医学部カリキュラム、医学部卒後教育、臨床病理学教育及び施設、学習資源センター、医学総合図書館、教育関連病院、学生相談システム、学生評価、教官採用評価昇進等について見学と討論が行われた。(9)訪日団の活動: 日本の医学教育及び群馬大学医学部における卒前卒後の医学教育訓練について、内科外科臨床教育を中心に各研究分担者が用意した資料にもとづいて説明し、討論した。附属病院内科外科外来病室及び臨床病理中央検査部で詳細な現地見学聴取討論をし、卒後臨床教育の観点から学外の大学関連病院および開業医2ヵ所を見学した。医学教育セミナーを開催し、H校の4教官がそれぞれの立場から具体的な医学教育の方法、内科診断学教育、一般外科の実習、臨床病理学の教育、問題解決型学習および標準患者による臨床実習の方法について説明と話題提供をした。(10)報告会と報告書: 渡米した4教授による調査研究の公開報告会を7月12日に開催し、報告書の提出を得た。今年度訪日した4教官の報告書入手中。(11)本事業の意義について: 双方の教官は、相互訪問し各自の医学教育システムを最大限わかってもらえるよう努めた。相互訪問で視察と討論を行うことにより相互の文化的背景にまで及ぶほど理解が深まった。とくに西欧社会はこれまでわざわざアジアを理解しようとすることは少なかったので、テキサス大学教官にとっては国際理解のいい機会になった。米教官の一人はこのような試みに研究費を出す日本政府は米政府より将来優位に立つかもしれないと述べた。(12)日本にない米医学教育システムの特色: 入学者選抜は約15倍の学士である志願者に対して1.5時間におよぶ面接口頭試問を含む、PhD教官による基礎科学と医師による臨床医学の接続がうまくいかない、カリでは行動科学・プライマリケアが重視されている、問題解決型学習が定着している、カリにゆとりがあり積極的な自己学習を期待している、標準患者による具体的で実際的な診断学教育が行われている、学生当たりの教官の数が5割程度多い、卒後医学教育が「医局」でなく一定のプログラムの下に行われ専門医等の資格に至るようになっている、臨床検査技師教育はより専門分化している、等である。
著者
三井 利仁 田島 文博 中村 健 伊藤 倫之 馬渕 博行
出版者
和歌山県立医科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

頸髄障害者(CSCI)は副腎髄質への交感神経支配が障害されているために運動時アドレナリン分泌が胸腰髄損傷者(LSCI)より抑制されている。今回の研究で、当初運動による上昇を予想していた酸化LDLがLSCIに比べCSCIで抑制されていた理由として、このアドレナリン分泌の低下が一因であると推察される。下部胸髄節交感神経障害があるLSCIには末梢性交感神経障害が存在すると考えられる。結果よりoxLDLがLSCIよりCSCIの方が抑制されていた理由は、このアドレナリン分泌の低下が原因であると推察する。酸化LDLの有意な増加がないことからは、この運動はたとえCSCIにおいても安全であることが示唆された。
著者
米浪 直子 尾関 百合子 伊藤 知子
出版者
京都女子大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

野菜類は細菌に汚染されていることが多く、水洗浄だけでは完全に取り除くことは難しいことが報告されている。食中毒を予防するためには、HACCPの考え方をできる限り取り入れ、各給食現場に応じた衛生管理を行うことが必要である。それゆえ、本研究では、(1)HACCPに基づいた野菜の調理作業工程と一般的な調理作業工程について、いくつかのポイントで細菌検査を行った。(2)酢の物の調理作業工程のモデル実験で、きゅうりの洗浄、加熱処理、食酢の添加による殺菌効果について検討を行った。(3)生野菜の細菌数に及ぼすマスタードドレッシングの効果について検討した。以上のことから中心温度75℃1分以上の加熱処理を重要管理点としたHACCPシステムに基づく衛生管理の重要性が確認された。
著者
伊藤 安 三浦 弘之 石田 義夫 加藤 光雄 安部 竜郎 宮崎 昌久
出版者
Japanese Society for Food Science and Technology
雑誌
日本食品工業学会誌 (ISSN:00290394)
巻号頁・発行日
vol.11, no.5, pp.191-194, 1964-05-15 (Released:2010-01-20)
参考文献数
7

肉質を軟化せしめる目的で,屠殺前の老廃ホルスタイン牛(体重約370kg)にパパインを静脈注射(1,500単位)し,屠殺解体後の肉質について対照区と比較したところ,官能試験の結果からは軟化効果のあることわかった。またその裏付けとして行なった理化学的分析の結果からも,パパイン注射が肉質に好ましい結果を与えることが明らかとなった。
著者
伊藤 英一 谷田 林人 神尾 裕治 梅垣 正広
出版者
長野大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

大学に障害学生が就学する割合は年々上昇している。聴覚障害の場合、講義において要約筆記やノートテイクを導入することで教員の音声情報を視覚化でき、ある程度の情報保障は可能となる。しかし、大学の講義では、教員は単に音声で解説することに留まらず、板書やスライドを利用しながら、さらにはそれぞれを連動させながら授業を展開している。そのため、聴覚障害のある学生は視覚化された音声情報に注視するだけでは情報が欠落してしまうため、必要に応じて注意喚起を促す必要がある。本研究では、注意喚起の必要な状況が発現した際、聴覚障害学生に対して注意を促す振動を呈示する無線通信システムを開発し、その必要性を実験により確認した。
著者
鷹野 誠 伊藤 政之 武谷 三恵 山下 潤 桑原 宏一郎
出版者
久留米大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2012-04-01

近年、徐脈性不整脈に罹患し人工ペースメーカー植え込み術を受ける患者数は増加の一途である。これは自動能をもつ洞房結節ペースメーカー細胞の変性・脱落が原因であり、再生心筋による治療の可能性が注目を集めている。そこで洞房結節のペースメーカー細胞に特異的に発現するHCN4という分子の遺伝子座にホタルの発光蛋白質を組み込んだ遺伝子改変マウスを作成した。このマウスではペースメーカー細胞をホタルのように光らせることができる。この光を手がかりに、ペースメーカー型の再生心筋細胞を簡便かつ定量的にスクリーニングする方法を開発することができた。
著者
伊藤 珠理
出版者
学習院大学哲学会
雑誌
哲学会誌 (ISSN:03886247)
巻号頁・発行日
no.38, pp.55-75, 2014-05
著者
伊藤 祥平 但馬 康宏 菊井 玄一郎
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
研究報告数理モデル化と問題解決(MPS) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2013, no.4, pp.1-3, 2013-12-04
被引用文献数
1

UEC コンピュータ大貧民大会ではモンテカルロ法を用いたクライアントが優勝している.そこでプレイアウト中の相手着手を実際の着手に近づけることでモンテカルロ法によるクライアントの強化を考える.本研究ではゲーム中の実際の相手着手を学習する方法としてナイーブベイズを用いる.これにより高速な相手のモデル化を行う.さらに、学習素性の工夫により精度の向上を行った.この結果,作成されたモデルの精度は過去の優勝クライアント snowl に対し,4 割程度の近似ができた.Monte-Carlo method is also useful for DAIHNMIN and the client using this method has won the UEC computer DAIHINMIN tournament. We try to accelerate the strength of Monte-Carlo method by making effective opponent models which are close to the real opponents' moves. Stronger opponent models, more effective playouts our client has. We use Naive Bayes as the learning method to modeling the opponents. This method is one of the fastest algorithm for learning and classification. In addition, its accuracy is enough to modeling the opponents. In this paper, we show two modeling by Naive Bayes. The first method is the simple modeling, and the second is improved the move data structure. The accuracy is approximately 40% by our improved method to model snowl which is the champion client in 2010.
著者
木暮 ミカ 植木 一範 伊藤 圭一
出版者
明倫短期大学
雑誌
明倫歯科保健技工学雑誌 (ISSN:13440373)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.15-20, 2002-03
被引用文献数
8

歯型彫刻実習において,学生が製作した実習作品の形態を客観的に評価することを目的に,非接触3次元デジタイザを用いて計測した3次元データからコンピュータ画像を作成し,これを応用した新しい指導方法を試みた.その結果,本指導方法は視覚的に削合の過不足部位が明確に表示されるため,言葉だけの指導では十分に理解し得なかった学生が容易に納得することができた.
著者
木股 文昭 伊藤 武男 田部井 隆雄 小川 康雄
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

2007年から頻繁に、インドネシアのスマトラ北部のアチェ州において、GPS観測とMT観測を実施し、2004年スマトラ超巨大地震の地震時の地殻変動と地震後の地殻変動、およびスマトラ断層周辺における地殻変動と比抵抗構造を検出・推定した。地震時の変動としてインド洋沿岸部で3mの南西方向への水平変動を、地震後の変動として同様に南西方向へ最大80cmに及ぶ水平変動と50cmに達する隆起を観測した。これらの変動から、2004年スマトラ地震の滑り分布を推定すると、主たる滑りが浅部ではプレート境界から上部に分岐した上部スラスト断層で発生していると推定された。これはニアス島において観測された1mに達する大きな隆起運動とよく一致する。また、地震後に観測された余効変動、とりわけアチェ州のインド洋沿岸で観測される隆起から、沿岸近くのプレート境界深部でafter slipが地震後に進行していると推定される。年間10cmを超える地殻変動のなかに、スマトラ断層の滑りに起因すると考える変動が見つかった。余効変動を簡単にモデル化で除去し断層での滑りを推定すると、アチェ州北部で深さ13kmあたりが固着し、浅部でクリープ運動が推定された。また断層周辺では低非抵抗域がMT観測から推定され、断層周辺で破壊が進行していることが明らかになった。
著者
杉浦 藤虎 伊藤 和晃
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

ロボカップへの参加は問題解決能力の育成や,高度な技術力の習得に効果が高いことが知られている。一方,世界大会はコミュニケーション力やプレゼンテーション力を高められる貴重な機会でもある。ロボカップで好成績を残すようになると,出前授業としてロボットのデモンストレーション依頼が増えてきた。しかし,ロボカップに参加する学生は社交的で派手な学生は少ない。そこで,校外において学生自ら開発したロボットを積極的にアピールする機会を提供し,リーダーシップの取れる人材育成の試みを行った。アンケート調査の結果,ロボカップ世界大会出場および出前授業の経験が学生自身の積極性に関する意識改革に大きく寄与したことが示された。
著者
櫻岡 萌 高橋 応明 齊藤 一幸 伊藤 公一 石川 典男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. A・P, アンテナ・伝播 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.475, pp.59-62, 2009-03-02

近年,RFID(Radio Frequency Identification)システムは,セキュリティ管理や物流管理など様々な分野で利用されている.その一つとして,個人認証が挙げられ,社員証や学生証などとしてカード型のタグが用いられている.本研究では,歯に貼付するタグを用いた個人認証システムを提案する.RFIDタグを歯に貼付して使用する場合,生体組織や水(唾液)の電気定数によりアンテナ諸特性が変化する.そこで本稿では,簡易なモデルとして歯に貼付したダイポールアンテナを使用した場合の特性を解析するために,FDTD(Finite Difference Time Domain:有限差分時間領域)法を用いて数値解析を行い,さらに,歯ファントムを用いてアンテナの放射パターンと入力特性の測定を行った.その結果,歯のある方向へは放射が少ないことを確認した.
著者
彭 國義 清水 誠二 TRYGGVASON Greater 小熊 靖之 西方 博紀 石﨑 賢至 岡田 邦宏 伊藤 隆之 和久井 彩香
出版者
日本大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

福島第一原発など廃炉に決まった原子炉の解体作業に水中構造物の切断工法が不可欠となるが,強力なアブレシブ・サスペンション・ジェット(以下,ASJ)を水中切断に用いた場合,スタンドオフ距離の増加に伴ってその加工能力が急激に衰えることが課題になっている。水中ASJ の性能向上を図るため,本研究では,通気鞘付きノズルを用いて気泡流被覆水中ASJの生成手法を確立し,流れの構造解析および水中切断実験によって通気鞘の寸法と通気流量等の使用条件を検討した。