著者
山口 裕文 佐合 隆一 伊藤 一幸 榎本 敬 種坂 英次 秋本 正博 副島 顕子 大野 朋子
出版者
大阪府立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

耕地雑草あるいは侵入植物として生物多様性に影響を及ぼす恐れのあるヒエ属植物(イネ科)について、ユーラシア、北南米、アフリカ、オセアニア地域において海外踏査を行い生態的特性と形態的多様性の実態を調査し、植物標本館における調査と併せて、地域ごとに多様性の実態をまとめた。一年生種は原生地および侵入地とも稲作や畑地の雑草として、国際移動した多年生種は侵入種として水辺や湿地の生物多様性に影響すると推定される。
著者
園山 繁樹 秋元 久美江 伊藤 ミサイ
出版者
日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.107-115, 1989-12-28
被引用文献数
1

幼稚園において2年6ヵ月にわたりメインストリーミングの保育を受けた1名の自閉性障害男児について、特に発話の出現過程と社会的相互作用の変化を検討した。入園当初はほとんど無発話であったが徐々に模倣的な発話が増え、卒園時には3〜4語連語の発話が可能となった。社会的相互作用においても、当初は身体的な接触を拒否していたが徐々にかかわりが増え、卒園時にはことばによる自発的なかかわりが可能となった。これらの変化をもたらした要因として、教師や健常児との人間関係の形成と拡大を図ることが考えられた。発話は社会的なものであり、その出現と発展のためにはまず第一に幼稚園における様々な場面と活動を通して教師との人間関係を確立し、その後に発話を引き出すための手法を適用すべきであることを指摘した。
著者
大野 早苗 伊藤 成康 神楽岡 優昌 茶野 努 東郷 賢
出版者
武蔵大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究プロジェクトの第一の目的「国際商品価格の決定要因及び変動特性の分析」では、世界的な流動性増大を背景に商品市場への投機資金の流入が急増した2000年代以降、商品価格に対する流動性要因の影響が拡大し、また商品価格と株価との相関が上昇などの結果が確認された。また、本研究プロジェクトの第二の目的「資源保有国に対する海外資本流入の形態とその決定要因」に関して、資源価格の上昇はFDIよりもむしろ短期資金流入を促進させたり、為替変動が投機的資金流入を促し「資源の呪い」問題を悪化させる可能性が示唆された。
著者
伊藤 潤 小栗 宏次
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.110, no.421, pp.153-158, 2011-02-14

近年,我が国の交通事故死亡者数は減少傾向にあるが,依然高い水準にある.死亡事故発生の大きな要因の一つとしてドライバの居眠り運転が考えられる.これを防止するため,居眠り運転検知に関する研究はこれまでに様々な方法が検討されてきた.このとき,ドライバの呼吸情報については,居眠り運転検知の特徴量として利用されることはあったが,これまでに詳しく報告された例はない.そこで,本研究ではドライバの眠気の変化と呼吸間隔の関係について,ドライビングシミュレータを用いた実験よりその相関を評価した.この結果,眠気の進行と呼吸間隔の変化に相関関係が見られただけでなく,呼吸間隔を意図的にコントロールすることによって,眠気の進行を遅延させる効果が示唆されたので報告する.
著者
中村 由美子 宗村 弥生 内城 絵美 伊藤 耕嗣 杉本 晃子 鳴井 ひろみ 吹田 夕起子 澁谷 泰秀 浜端 賢次 杉本 晃子 権 美子
出版者
青森県立保健大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

本研究では,病気の家族メンバーがいる家族へのケアを支援するために,項目反応理論を用いた家族機能尺度の有用性について検討することを目的とした。病気の家族メンバーには、がん患者や介護の必要な高齢者を含んでいた。有効回答を得られたのは195名(男性52名,女性142名)であった。構造方程式モデリング手法(共分散構造分析)を用いてモデルを構築した結果,"家族機能"と"QOL"という2つの構成概念が直接影響を及ぼすことが示された。また,項目を洗練化するために,合計19項目からなる尺度を項目反応理論(IRT)によって分析した。項目反応理論を用いた分析は,項目の洗練化だけではなく家族機能モデルの開発にも有用であった。
著者
前田 吉昭 森吉 仁志 伊藤 雄二 藤原 耕二
出版者
慶応義塾大学
雑誌
萌芽的研究
巻号頁・発行日
1997

1997年から1998年にかけては,次の研究テーマを主題に行なった.(1) 4次元空間のYang-Mills gradient flowと3次元空間のYang-Mills-Higgs gradient flowの研究.(2) 変形量子化問題と非可環幾何学(3) 無限次元空間における無限次元リー群の作用によるオービットの幾何学的性質(1)については,4次元コンパクト多様体のYang-Mills qradient flowについて,チャーン数に近い初期データを与えることでその滑らかな解が大域的に存在することを示した.また,3次元空間のYang-Mills-Higgs qradient flowについては,その弱大域解の存在を与えられることがわかった.(2)については,特に接触多様体の変形量子化問題とそのレダクションの方法について研究を行なった.(3)についてはコンパクト多様体のリーマン計量の空間に作用する微分同型群(無限次元リー群)のオービットに対する平均曲率の定式化とその応用について研究を行なった.これらの研究は萌芽研究として申請した,非可換微分幾何学の構築において基礎となる成果をあげることができた.そして,その成果はこの2年間の間に行なわれた,国内の研究集会,国際研究集会で発表や討議を行ない,これから先に非可換微分幾何学の展開に向けて,大きな成果をあげた.さらなる成果は,近い将来に出版される予定である.
著者
伊藤 壽一 中川 隆之 平海 晴一 山本 典生 坂本 達則 小島 憲 田浦 晶子 北尻 真一郎
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

本研究によって内耳発生に重要な因子が内耳再生医療に有用であることを発見した。細胞増殖制御因子p27Kip1を生後マウス蝸牛で抑制すると、増殖能がないとされていた生後哺乳類の蝸牛支持細胞が増殖した。HGFやEP4アゴニストが内耳障害の予防や治療に有用であることを発見し、そのメカニズムを解明した。Notchシグナルが、内耳内の細胞運命決定だけでなく感覚上皮前駆細胞の分化タイミングの制御や維持を担うことを発見した。
著者
伊藤 昭彦
出版者
北里大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

最近、酵素処理によりIgA腎症の糖鎖不全IgA1を検出する方法が開発され用いられている。そこで、我々は血清タンパクからシアル酸を取り除くために酸処理を行った。これを用いると、血清での異常IgA1の感度がおよそ100倍に上昇した。扁桃では異常IgA1の割合が多く、血清中のaIgAの供給源になっている可能性があると考えられる。シアル酸の除去が反応性を上げるのではなく、異常IgAの複合体が異常IgAの感度上昇に最も関わっていると考えられる。
著者
平田 恵子 島村 保洋 鈴木 敬子 貞升 友紀 伊藤 弘一
出版者
[日本食品衛生学会]
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.46, no.6, pp.263-269, 2005-12-25
参考文献数
9
被引用文献数
3

食品添加物酵素処理ステビアの成分分析法を開発した.分析条件を設定するため,まずグルコアミラーゼを用いて付加糖の加水分解条件を検討したところ,反応温度および時間は55℃,3時間,グルコアミラーゼ量は反応溶液10mL中250 Uが適切な条件であった.C18カートリッジカラムによる固相抽出法で試料から多糖類などの除去を行い,さらに加水分解して得られた配糖体および遊離糖をC18カートリッジカラムで分離し,それぞれの含有量をHPLCにより測定した.本法により,3試料を分析したところ付加糖としてグルコースが検出され,その含有量は25~42% であり,未反応配糖体含有量を除いた配糖体総含有量は35.7~52.5% であった.両含有量を合計した酵素処理ステビア成分含量は77.5~80.4% で,回収率(C18カートリッジカラム処理後の試料量を100としたとき)はすべて85% 以上であった.また,糖量に係数(×0.9)を乗じさらに乾燥物換算して得られた成分含量値は,すべての試料で80.0% 以上であり,日本食品添加物協会の規格値を満たした.
著者
伊藤 博路
出版者
信州大学
雑誌
信州大学法学論集 (ISSN:13471198)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.231-246, 2006-12-22

最高裁平成16年8月25日第三小法廷決定,上告棄却,刑集58巻6号515頁,判時1873号167頁,判タ1163号166頁掲載
著者
塚本 昌克 近藤 敏之 伊藤 宏司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. MBE, MEとバイオサイバネティックス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.577, pp.41-44, 2006-01-20
被引用文献数
3

パターン識別を用いた筋電義手は, 高い動作識別精度を実現しているが, EMGは実際の運動より100msec程早く観測されるので, データ長を100msec未満にしなければ高い識別率の代わりに義手の動作遅れを発生させてしまう. 本研究ではこの問題を取り上げ, 動作遅れのない義手実現を目指し, 前腕部に装着した複数対の電極から計測される筋活動開始時におけるEMGの立ち上がり部分を用いてニュールネットワークによる動作識別と義手制御のシステムを提案する.
著者
横内 陽子 橋本 伸哉 伊藤 伸哉 大木 淳之
出版者
独立行政法人国立環境研究所
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

海洋から大気中に放出されるハロカーボンについてグローバルな大気観測および北西太平洋と南北インド洋における海水中ハロカーボン連続観測によってそれらの分布と変動を明らかにした。また、植物プランクトンの培養実験により、ハロカーボンがクリプト藻やラン藻の培養後期(減少期)に生成されることを示し、さらに、海産性微細藻類の生物学的なヨウ化メチルの生成機構がハライドイオン・チオールメチルトランスフェラーゼ(HTMT)反応に起因することを明らかにすると共に遺伝子の単離にも成功した。
著者
伊藤 一
出版者
小樽商科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

バイヤーの歴史的形成過程を考察すると、機能分割の流れが読み取れる。つまり、権限分散化と専門職的性格である。元来、購買と販売は同一人物が行い売れ行き状況が購買に反映していた。しかし販売時点のセルフサービス化と総合小売商業として取り扱い品目の増大にともない、バイヤー業務が独立した形態を有することになる。販売面を担当するスーパーバイザーと購買面を担当するバイヤーに2分割されていく。その後,バイヤー業務が煩雑になり、本来持っていた商品開発の役割が失われるにしたがって、通常の再購買、修正購買と新規購買の業務を分割し前二者を担当する、ディストリビューターと後者を担当するバイヤーとの3分割制度へ移行している企業が見られる。また企業間での戦略の違いが組織形態を変化させている。現状小売業は以下の2つのタイプに別れると想定される。まずイトーヨーカ堂(IY型)がとる購買戦略は、新規商品開発・発掘戦略であり、これに対応して上記のような3分割の機能分割型的組織を採用している。これに対してダイエーなどほとんどの小売企業が採用している購買部門がほとんどの関連機能を包括するタイプで、総合的組織がある。購買に関する戦略、規模、権限、機能と組織に関して比較考察し、類型化を行った購買戦略では、イトーヨーカ堂は、消費者のニーズを重視し、高品質商品をバイイングする点に戦略を資源を傾注している。つまり新規商品を探索することにバイヤー業務を傾注させている。そこで商品開発型購買と表現できる。これに対してダイエー、その他の多くの大手小売企業は、価格を重視し、仕入先から安い価格条件で商品を仕入れる努力に資源を傾注している。したがって、取引条件重視型購買と表現できる。