著者
後藤 元信 佐々木 満 桑原 穣 キタイン アルマンド 神田 英輝
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

超臨界流体中あるいは常圧から超臨界領域の圧力でのガス・超臨界流体と液体界面での放電プラズマを利用した物質変換プロセスとして各種色素の反応、アラニン等のアミノ酸などの反応を検討したところ、プラズマにより重合反応を中心に化学反応が誘起されることを見出した。プラズマの発光強度の測定から、発光強度と反応の関係および反応機構を明らかにした。金属への超臨界流体中でのレーザーアブレーションにより生成するナノ粒子やクレーターの圧力依存性が極めて大きく、臨界圧力近傍で粒子生成が促進されることが分かり、プラズマの発光強度との関係を明らかにした。また、水熱電解による物質変換プロセスが構築できた。
著者
佐々木 健太 長野 伸一 長 健太 川村 隆浩
出版者
人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 (ISSN:13479881)
巻号頁・発行日
vol.25, 2011

近年,ライフストリームと呼ばれるWebデータ(Twitter,ブログなど)が注目を浴びている.ところが,これらにはユーザが実際に体験した出来事以外に,単なる事実や感想なども多く含まれる.そこで,本研究ではライフストリームから,ユーザが主体的に行った行動に関する情報のみを抽出する手法を提案する.そして,Wikipedia上のデータとの比較による手法評価について述べる.
著者
岡田 信弘 高見 勝利 浅野 善治 只野 雅人 笹田 栄司 武蔵 勝宏 常本 照樹 佐々木 雅寿 加藤 一彦 稲 正樹 木下 和朗 新井 誠 齊藤 正彰
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

衆議院と参議院の多数派が異なる、いわゆる「ねじれ国会」が出現した結果、日本の国会における立法活動は混迷状態に陥った。本共同研究は、この混迷状態の制度的・政治的要因を探りつつ、そうした状態を解消・克服するための方策を従来の二院制に関する憲法学的研究とは異なった視角からの分析を通して明らかにすることを試みた。具体的には、従来の類型論的・解釈論的研究に加えて、統治構造論を視野に入れた実証的な比較立法過程論的研究を実施した。
著者
佐々木 恒男
出版者
日本大学
雑誌
産業経営研究 (ISSN:02874539)
巻号頁・発行日
vol.23, pp.1-9, 2001-03

バブルがはじけて10年,日本経済は未だに立ち直れないでいる.不良債権の償却は一向に進まず,企業倒産は相変わらず多く,失業率も高止まりでのままで,個人消費は冷え込んだままである.中高年の再就職はいうに及ばず,大高中の新卒の就職はいずれも振るわず,国民の間には将来に対する一種の諦めと無力感がみなぎっている.それにもかかわらず,政治は能転気なもので,コップのなかの権力闘争に明け暮れている.株式相場と為替相場だけは正直なもので,日本の政治と経済にすっかり愛想づかしをして,それらは続落の一途を辿っている.この先,日本経済は一体どうなるのだろうか.このような状況のなかで,声高に主張され続けてきたのが市場主義という新しいビジネス・ルールである.人為的な規制を撤廃して,すべてを市場の選択に委ねるというアメリカ流のビジネス・ルールがまるで魔法の杖であるかのように喧伝され,長引く不況に困り果てた日本の経営者がなりふり構わずこれに飛び付いている.市場主義というアメリカン・スタンダードがグローバル・スタンダードと勘違いした日本の経営者は,先人が営々として築きあげてきた信頼取引という日本のビジネス・ルールをいとも簡単に投げ捨てている.それは単にビジネス・ルールの変更だけに終わらず,日本社会全体の価値や文化の変容をも意味している.景気はいずれ変動する.好機が来ればいずれ反転し,破局があればいつか再生する.その時,不慣れな市場主義原理に振り回されてリスクを乗り切った積もりの日本の経営者は,会社不信,会社嫌い,人間不信に凝り固まり,未来に希望が持てず束の間の享楽に生きる大勢の老若男女のリベンジに仰天し,信頼という企業資産の喪失の重大さに愕然とするだろう.
著者
岡田 信弘 高見 勝利 小早川 光郎 林 知更 常本 照樹 佐々木 雅寿 前田 英昭 岡田 信弘
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

1 夏季研究集会における諸報告とその成果の公表(1)2002年8月19日(月)〜21日(水)の日程で、研究分担者と本共同研究への協力を依頼した部外の実務家が北海道大学に参集し、研究会が開催された。部外の実務家からの報告として、橘幸信氏(衆議院憲法調査会事務局)「『実践的立法学』の構築に向けて-法律(案)のつくり方・つくられ方-」と山岡規雄氏(国立国会図書館憲法室)「憲法調査会の活動」とがあった。なお、山岡氏の報告を補完するものとして、橘氏による追加報告(「衆議院憲法調査会の活動」)がなされた。これらの報告をめぐる活発な討論を通して、一方で、「立法過程」の現場体験に基づいた「立法事実」に関する新たな知見が得られるとともに、他方で、現在進行中の「憲法改正」に関わる議会内部の動きを正確に理解することができた。(2)研究分担者からは、岡田信弘「改正内閣法に対する評価」、常本照樹「アイヌ新法の実施状況」、佐々木雅寿「司法制度改革の推進体制」、小野善康「国旗・国歌法制定後の学牧の状況」、高見勝利「政治腐敗と政治倫理-英米独仏等の国会議員の政治倫理に関する制度」の各報告があり、分担者間で意見交換がなされた。(3)以上に概観した夏季研究集会の成果の一部は既に公表もしくは近々公表予定であるが、それらを含む研究分担者の研究成果を、本共同研究グループが従来行ってきたように、1冊の著書にまとめるべく作業を進めている。2 その他の研究会活動2002年10月29日(火)にジャック・ロベール氏(元フランス憲法院裁判官)、12月20日(金)に孝忠延夫氏(関西大学教授)を招いて、ヨーロッパとアジアにおける最近の立法動向についての報告を受けた。
著者
羽藤 英二 朝倉 康夫 山本 俊行 森川 高行 河野 浩之 倉内 慎也 張 峻屹 高見 淳史 井料 隆雅 佐々木 邦明 井上 亮
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

プローブ技術を援用したデータフュージョン理論による総合的行動調査の高度化に向けて、1)行動文脈の自動識別アルゴリズムの開発、2)プローブデータを基本とした交通調査・管制システムの開発、3)これらを組み込んだモビリティサービスの実装研究を行ってきた。時系列に同一個人の行動データの蓄積が可能なプローブ技術を用いた総合的行動調査の可能性を示すと同時に、様々な交通施策評価や交通管制の効率化に向けたプローブ技術とデータフュージョン理論の可能性を明らかにすることができた。特にセンサー情報を利用した行動判別アルゴリズムでSVMにAdaboostアルゴリズムを組み合わせることで、大幅な精度向上が可能になり、加速度センサーを有するスマートフォンによって95%以上の確率で交通行動の自動収集判別を可能にすることに成功した.こうした技術とPT調査を組み合わせた総合的な調査プラットフォームを構成することで,従前のワンショット型の交通調査からAlltheyear型の交通調査への移行と,総合的調査技術を用いた交通計画の可能性を示した.
著者
小林 芳規 佐々木 勇 沼本 克明 月本 雅幸 鈴木 恵 原 卓志 山本 真吾 西村 浩子 佐藤 利行 山本 秀人 青木 毅 来田 隆
出版者
広島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

醍醐寺蔵宋版一切経6,104帖の悉皆調査により,角筆の書き入れを調べ,古代東アジアにおける言語文化の交流と影響関係を考察する目的の本研究は,2007~2009年に5回の現地調査を行い,書誌事項と共に角筆の有無を調べ,4,453帖に角筆による漢字と諸符号の書き入れを見出した。その精査は第二次調査を期している。又,東大寺図書館の調査で,唐代写経に角筆の梵唄譜とヲコト点様の単点・複点を発見し,新羅写経に角筆の新羅語の真仮名等と符号を発見して,解読を進めている。
著者
佐々木 和彦 植松 康
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会技術報告集 (ISSN:13419463)
巻号頁・発行日
vol.5, no.9, pp.61-64, 1999
参考文献数
4
被引用文献数
4

This paper discusses the characteristics of the wind damage to residential houses caused by Typhoon 9119 in Akita and Aomori Prefectures, based on the results of a damage investigation. It is found that the damage strongly depends on the framework and construction method of roofs. Furthermore, the results of a multivariate regression analysis indicate that the damage ratio for an area is related to the local topography as well as to the number of households in the area.
著者
佐々木 成人 岡 美恵子
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

ネコをパネルに向かって立たせ、パネル中央に投射した光点を注視させた状態から、光点を視野周辺に向かってステップ状、ramp-hold状に移動させ追跡させた。移動刺激に対して、ネコはまず頭を60-150msの潜時でゆっくり動かす。この時眼球はVORで逆方向に動き、視線は空間内で固定される。次にサッケードとそれに続く速い頭の運動が起こり、視線はターゲットを捕らえる。移動刺激からステップ刺激に変えると指向運動の潜時の著明な延長と頭の運動速度の低下が起こることから、両者により誘発される指向運動は異なり、前者を位置誘導型指向運動、後者を速度誘導型指向運動と呼ぶことにした。各々は更に2つのサブタイプに分かれた。速度誘導型指向運動は光点の移動速度からその到達位置を予測して、光点が移動中に動き始め、視線と光点がほぼ同時にターゲットに到達する予測指向運動と、光点の速度と位置情報の両者を手がかりにして光点がターゲットに到達してから指向する速度・位置誘導型指向運動に分かれた。ネコの姿勢を強制的に変えることにより、サブタイプ間の相互の移行は可能であることが分かった。ステップ刺激では予測指向運動を行っていたネコは短潜時または長潜時の位置誘発型に移行したが、速度・位置誘導型指向運動からは長潜時の位置誘導型指向運動に移行した。短潜時の位置誘発型指向運動は上丘、長潜時の指向運動は大脳皮質を介していると考えた。光点をゆっくりと動かすと、ネコはこれを滑らかな軌跡を描いて追跡する(head pursuit)。これは速度誘導型指向運動の経路を用いて発現していることが強く示唆された。
著者
佐々木 成人 岡 美恵子
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
特定領域研究(A)
巻号頁・発行日
1999

ネコをパネルに向かって立たせ、パネル中央に投射した光点を注視させた状態から、光点を視野周辺に向かってスッテプ状、ramp-hold状に移動させ追跡させた。移動刺激に対して、ネコはまず頭を60ー150msの潜時でゆっくり動かし、この時眼球はVORで逆方向に動き、視線は空間内で固定される。次にサッケドとそれに続く速い頭の運動が起り、視線はターゲットを捕らえる。移動刺激からスッテプ刺激に変えると指向運動の潜時の著明な延長と頭の運動速度の低下が起ることから、ステップと移動刺激により誘発される指向運動は異なることが分かり、前者を位置誘導型志向運動、後者を速度誘導型指向運動と呼ぶことにした。更に速度誘導型指向運動は光点の移動速度からその到達位置を予測して、光点が移動中に動き始め、視線と光点がほぼ同時にターゲットに到達する予測指向運動と、光点の速度と位置情報の両者を手がかりにして光点がターゲットに到達してから指向する速度・位置誘導型指向運動に別れた。両者は以下の点でも異なった。頭の速度の刺激速度依存性は予測指向運動では見られたが、速度・位置誘導型ではほとんどなかった。光点を移動中に短時間消すと、後者ではではターゲットに正確に到達できたが、前者はできなくなった。ステップ刺激では予測志向運動を行っていたネコは短潜時または長潜時の位置誘発型に移行したが、速度・位置誘導型指向運動からは長潜時の位置誘導型指向運動に移行した。脳幹網様体には、頸の指向運動と関係して2種類のニューロン、phasic sustained neuron(PSN)とphasic neuron(PN)、がある。PNは指向運動のサブタイプとはあまり関係せず発火したが、PSNは速度誘導型指向運動と良く一致した。この結果は上位中枢がPSNを選択的に制御することにより異なるサブタイプの指向運動を発現していることを示唆した。
著者
佐々木 大輔 松谷 宏紀 竹 康宏 小野 友己 西山 幸徳 黒田 忠広 天野 英晴
雑誌
先進的計算基盤システムシンポジウム論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.399-406, 2011-05-18

誘導結合によるチップ間ワイヤレス接続技術は,製造後にチップを重ねて実装することで,三次元積層が可能であり,その高い柔軟性と転送性能が注目されている.この三次元転送技術を有効に利用するためには,積層されたチップのコア間で容易にデータを転送を行う方式を確立する必要がある.本論文では,ワイヤレス誘導結合を用いてチップ間でコミュニケーションを行う手法として,垂直バブルフローを利用したリング型 NoC を提案し,仮想チャネルを用いたリング型 NoC,および,垂直バス方式と比較する.さらに,これらの通信方式を搭載したプロトタイプチップを実装し,それぞれの手法による性能,および,面積の違いを測定する.シミュレーションによる評価の結果,プロトタイプチップは 200MHz で動作し,誘導結合部分は 4GHz 超のクロック伝送によるダブルデータレート伝送を実現,平均消費電力は最大は 33.8mW となった.垂直バブルフローおよび仮想チャネルを用いたリング型 NoC は,垂直バス方式と比べ高いスループット性能を実現した.さらに,垂直バブルフローは既存の仮想チャネルを用いる方式よりも面積性能比で優れることが分かった.
著者
白岩 孝行 的場 澄人 山縣 耕太郎 杉山 慎 飯塚 芳徳 YOSHIKAWA Kenji 佐々木 央岳 福田 武博 對馬 あかね
出版者
総合地球環境学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2007

北部北太平で知られている気候レジームシフトと生物基礎生産量変動との関係について調べるために、アラスカ山脈オーロラピーク近傍に発達する氷河において氷コアを採取し、鉄濃度の分析を行った。その結果、10年間の平均鉄沈着量は8.8mg m^<-2>・yr^<-1>で、2001年2002年は、それぞれ、29、19mg m^<-2>・yr^<-1>だった。30m深の海洋表面混合層への鉄の供給は、10年間の平均値では、植物プランクトンを増殖させるほどの影響がないが、2001年、2002年の大規模黄砂時には影響を与えうることが推測された。
著者
安積 徹 佐々木 陽一 喜多村 昇 山内 清語
出版者
国際教養大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

以前安積は、モリブデンの六角クラスターの三重項状態からの燐光の温度変化を解析し、燐光は、三重項状態がスピン軌道相互作用によって分裂した3つのスピン副準位からの発光の重ね合わせによるものと解釈した。その後、モリブデンクラスターと同じ電子数で同じ対称性のレニウムクラスターについてGreyらによって報告されたが、彼らは、スピン副準位を考えず、温度変化の原因を振動励起状態からの発光の寄与と結論した。一方、北海道大学の喜多村らは、スピン副準位の寄与を考えたが、安積のモリブデンクラスターと異なり、4つのスピン副準位が関与していると結論した。電子数も対称性も同じである2種類のクラスターでどうして発光機構がそれほど異なるのかを解明するために、本研究では、モリブデンクラスターとレニウムクラスターを総合的に理論、実験の両面から再検討を行った。実験は、モリブデンクラスターについては、カウンターイオンの異なる2種類のクラスターを、また、レニウムクラスターについては、配位子の異なる2種類のクラスターを、結晶状態およびPMMAポリマー溶液状態で燐光の温度変化を詳細に観測した。その結果、すべてのモリブデンおよびレニウムクラスターについて、燐光は主として3つのスピン副準位からの発光の重ね合わせであることが明らかになった。更に、測定温度を極低温の3Kまで拡張した測定により、2番目のスピン副準位についてJahn-Teller効果による対称性の低下が起こり、それに伴ったエネルギーレベルの分裂が観測された。理論面では、従来のd電子のみを考慮する二重群論に基づく理論が、この種のクラスターに広く適用できることが明らかとなった。
著者
石川 透 佐藤 道生 佐々木 孝浩 寺澤 行忠
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

平成20・21・22年度の3年度に渡り、ニューヨーク公共図書館スペンサーコレクションでの調査研究を行った。その際、反町茂雄氏『ニューヨーク公立図書館スペンサーコレクション蔵日本絵入本及絵本目録』(昭和53年、弘文荘刊、以下、「反町目録」と略称する)を使用し、それが刊行された時点での全貌を把握した上で、研究代表者と連携研究者の4人が、それぞれの専門分野の担当となり、実際の調査の中心となった。その分担は、石川透が物語・説話関係、佐々木孝浩が歌仙関係、寺澤行忠が和歌関係、佐藤道生が漢籍関係ということになった。反町目録に掲載されている作品数は相当数に及び、内容も様々である。それぞれの作品を4人の担当者で分け、下調べをした上で、スペンサーコレクションにおいて、調査・撮影を行うのである。この調査過程において、「反町目録」に掲載されていない収蔵品の存在も明らかになり、より多くの所蔵本を調査することができたのである。この研究の報告会としては、在米のコレクションについての報告会を兼ねた、奈良絵本・絵巻国際会議を、平成20年度にはワシントン・フリア美術館においてワシントン大会を、平成22年度にはニューヨーク・メトロポリタン美術館においてニューヨーク大会を開催した。本来ならば、ニューヨーク公共図書館で開催できればよかったのであるが、残念ながらニューヨーク公共図書館には、コレクションの内容を検討するスタッフが存在せず、最も近い施設でスタッフの存在するメトロポリタン美術館やフリア美術館を使用したのである。これらの集会については、別途紹介予定であるが、盛会の内に、有意義に終えることができた。
著者
吉本 敦 庄司 功 尾張 敏章 加茂 憲一 二宮 嘉行 木島 真志 庄司 功 加茂 憲一 尾張 敏章 柳原 宏和 二宮 嘉行 佐々木 ノピア 木島 真志
出版者
統計数理研究所
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2010-04-01

1992年の生物多様性条約採択以降、生態系保全政策のグローバルな影響への関心が高まっている。このような保全政策はある地域の政策が他の地域の生産活動に及ぼす影響を考慮しながら、地域レベルの生態系サービス(多次元的な財)の生産調整を行う必要がある。その結果、地域的あるいは国際的に効果的・効率的かつ実行可能な保全政策を展開することが可能となる。本研究では、トルコ、韓国、日本を中心に、森林資源から供与される多次元的な財の中で、特に生息地供与機能、侵略的外来種防止機能、美的景観供与機能を特定するモデルを開発し、森林資源・生態系管理に対する時空間最適化モデルの構築により、それら機能を定量的に明らかにした。
著者
鈴木 誠一 佐々木 厚 吉村 正久 佐々木 あかり 金浜 耕基
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.115-120, 2003-06-15
参考文献数
4

シンテッポウユリを種子親,ヒメサユリを花粉親として育成されたユリの新品種'杜の乙女','杜の精','杜のロマン'の半促成栽培〜超促成栽培の可能性を検討した.これら3品種は,普通栽培では5〜6月に開花する.初めに,新りん茎をプランターに植え付けて自然低温に遭遇させた後,11月1日〜3月1日に加温を開始すると,'杜の乙女'は2月24日〜5月3日,'杜の精'は3月14日〜5月6日,'杜のロマン'は4月1日〜5月10日に開花した.次いで,9月3日に新りん茎を掘り上げて5℃または13℃で4〜8週間低温処理を行ってから温室内に植え付けたところ,'杜の乙女'は12月23日〜1月17日,'杜の精'は1月6日〜1月21日,'杜のロマン'は1月25日〜2月15日に開花した.さらに,新りん茎を7月8〜28日に掘り上げて5℃または13℃で6週間低温処理を行ってから温室内に植え付けたところ,'杜の乙女'は10月16日〜11月11日,'杜の精'は10月17日〜11月15日,'杜のロマン'は11月5日〜12月1日に開花した.
著者
佐々木 智大
出版者
東京工業大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2008

1995年兵庫県南部地震では,多数のRC橋脚に甚大な被害が生じたことから,あのような被害が生じた原因の究明,破壊メカニズムおよび現在の基準で設計されたRC橋脚の耐震性を明らかにするため,2007年に1体の,2008年に2体の,2009年に1体のRC橋脚の加震実験が(独)防災科学技術研究所が有する世界最大の震動台実験施設E-Defenseを用いて行われた.4体のうち2体は兵庫県南部地震で甚大な被害を受けた,1970年代の基準で設計された高さ7.5m,直径1.8mのRC橋脚(C1-1およびC1-2橋脚)であり,CH橋脚は橋脚基部での曲げ破壊を,C1-2橋脚は軸方向鉄筋が柱中央部で途中定着されており,橋脚中央部でのせん断破壊を想定した橋脚である.また,残り2体のうち1体は現在の基準で設計された高さ7,5m,直径2mのRC橋脚(C1-5橋脚)であり,最後の1体はポリプロピレン繊維補強セメント系複合材料(PFRCC)を橋脚基部に用いた次世代型RC橋脚(C1-6橋脚)である.本年度はこれらの実験結果を詳細の解析をすするとともに,C1-5およびC1-6橋脚の縮小模型の地震動を模擬した載荷実験を行い,寸法効果の評価を行った.また,C1-6橋脚に生じた軸方向鉄筋の抜け出し量を解析することにより,新材料を用いた場合の軸方向鉄筋の抜け出しの影響を評価した.この結果により,これまでの縮小模型実験の結果に基づき実橋脚の破壊特性を評価するために必要なデータを収集するとともに,PFRCCを用いたRC橋脚によって,構造物の耐震性を大きく向土させることが可能になると期待される.