著者
庄 建倉
出版者
統計数理研究所
雑誌
若手研究(スタートアップ)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、地震の発生時系列を例として、欠測事象がある場合の点過程に関する統計的推測手法を開発し、地震に関連したいくつかの経験則の性質を明らかにした。本研究は以下の成果生み出した。:1)統計モデルによる地震クラスタリングを生成することによって前震現象の経験則といわれているものが再現が出来た;2)本震と最大余震のマグニチュードの差に関するBath法則の理論的解釈を与えた;3)Neyman-Scott点過程の点配置データからクラスタの親点の推定する方法を与えた;4)一般に認知されていない方法や主観的要素を含む地震予測(ブラックボックス型予測法)に対する性能を実際の地震発生データに基づいて客観的に評価できるのギャンブリング評価法を考案した。
著者
竹中 千春 網谷 龍介 磯崎 典世 戸田 真紀子 田村 慶子 小川 有美 中田 瑞穂 津田 由美子 合場 敬子 森本 泉 小嶋 華津子 柄谷 利恵子 勝間 靖 浪岡 新太郎 中村 文子 河本 和子 木村 真希子 中村 唯 小倉 清子 サンギータ ラマ アニー ダンダヴァティ ウルバシ ブタリア パメラ フィリポーズ
出版者
立教大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

ジェンダー研究の提起した概念や理論を導入し、国際政治学・国際関係論の再構築をめざすプロジェクトである。グローバリゼーションの波を被る国家や社会、および「国際体制(International Regime)」の変動について、成熟社会・成長社会・危機社会における政治過程と政治現象の事例分析をもとに、現代世界における「ジェンダー・ダイナミクス(gender dynamics)」を分析した。
著者
倉田 のり 野々村 賢一
出版者
国立遺伝学研究所
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本研究ではまず、穀類共通のセントロメア配列として知られていたシークエンスをもとに、イネセントロメア局在復配列RCE1516をクローニングした。イネゲノムのファージライブラリーを作り、この配列を複数コピー持つゲノムクローンを選抜し、14kbにわたってその構造解析を行い、1.9kbを単位とする反復配列が存在することを見出した。これらの反復配列がすべての染色体のセントロメア部に存在することをin situ hybridizationで確かめた。さらに、もう一つのセントロメア反復配列RCS2を用いて第5染色体セントロメア領域に位置するYACクローンを選抜した。第5染色体のセントロメア領域に、14のYACクローンを整列化した4つのYACコンティグを形成し、この領域の構造解析を行った。この結果、この領域は1)それぞれがおよそ1Mbの長さを持つ3つのコンティグ(Contig I,II,III)と、1つのYACより成ること。2)セントロメア特異的高頻度反復配列RCS2はBamH1切断した13Kbと15Kbのフラグメントのみにあり、相互にかなり近い距離に存在していること。3)ほとんどのYACがRCE1のコピーを複数個保持しており、RCS2を2ブロックとも持つYACクローンを中心に、左右ほぼ均等にRCE1が分布している可能性が示唆されること。4)この領域には9個以上の遺伝子が存在すると考えられること。が明らかになった。次に、これらの中からセントロメアクローン候補を選び、イネ人工染色体の構築に取りかかった。まずイネ用染色体アームを構築するため、GFP遺伝子、イネテロメア等を挿入し、左右のアームベクターを作成した。これらのアームを用いてイネ人工染色体を構築するため、酵母細胞内での相同組換えを用いたセントロメアYACクローンへのアームの導入を、引き続き進行中である。
著者
倉石 英明 横山 明彦
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌. B, 電力・エネルギー部門誌 = The transactions of the Institute of Electrical Engineers of Japan. B, A publication of Power and Energy Society (ISSN:03854213)
巻号頁・発行日
vol.127, no.1, pp.28-40, 2007-01-01
被引用文献数
6 2

In order to keep power supply reliability at a certain level, electric power utilities have a certain amount of reserved capacity. When no generator outage or no unexpected large power demand occurs, however, the reserved capacity is regarded as surplus facility. To reduce the reserved capacity, some margin is reserved in tie lines between utilities. This margin is called Capacity Benefit Margin (CBM). In this study, a method of calculating optimal CBM in tie line under deregulated environment is described and two kind of optimal CBM are proposed. As a result, it is shown how the deregulation affects the optimal CBM by using numerical simulation for IEE Japan West 30 test system.
著者
鎌倉 やよい 深田 順子 米田 雅彦 熊澤 友紀
出版者
愛知県立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

脳卒中急性期には誤嚥性肺炎発症のリスクが高い。肺炎発症と唾液中分泌型免疫グロブリンA(sIgA)・炎症性サイトカイン(IL-6)・上皮成長因子(EGF)・口腔内細菌との関係を検討した。脳卒中患者14名(79.5±9.0歳)を対象に、非肺炎群6名、肺炎群8名に分類した。唾液を第5~13病日の隔日10・14・18時に採取し、ELISA法・real-time PCR法で測定して群間比較した。その結果、唾液中sIgA(唾液中sIgA濃度×唾液量)は肺炎群に有意に高かった(ANOVA ; p<0.01)。IL-6・EGFは群間比較では差を認めず、EGF濃度はsIgA濃度と相関を認めた(rs=0.574-0.900)。非肺炎群の2名に肺炎球菌の増加を認め、肺炎群では抗生物質が投与されて、肺炎球菌・常在細菌とも減退して(6名)、緑膿菌の増殖(4名)を認めた。
著者
内倉 信康
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.7, no.7, pp.741-746, 1961-07

A sixty-year old man was admitted with a chief co m plaint of asymptomatic hematuria. By cystoscopy a thumb-tip sized papillary tumor at the left ureteral orifice w as seen, and left kidney was not revealed by intravenous pyelogram, and that impossible to insert the ureteral catheter. Under th e diagnosis of tumor at the bladder, ureter, and kidney, a total left ureteronephrectomy with partial cyatectomy was performed. The post operative diagnosis was transitional cell carcinoma of the lower ureter. The primary ureteral cancer with bl a dder tumor was third in Japan.
著者
中野 龍平 播磨 真志 小倉 恵実 井上 真輔 久保 康隆 稲葉 昭次
出版者
園芸学会
雑誌
園芸学会雑誌 (ISSN:00137626)
巻号頁・発行日
vol.70, no.5, pp.581-585, 2001-09-15
参考文献数
23
被引用文献数
15 27

カキ'西条'果実の軟化に対するエチレンの関与を明らかにするとともに, 果実のエチレン生合成に及ぼすCTSD脱渋に相当するCO_2処理と貯蔵中の湿度条件の影響を調査した.'西条'果実を>95%CO_2で16時間処理した後, 温度20℃湿度40&acd;60%の条件下で貯蔵すると, 収穫後2日(CO_2処理後1日)よりエチレン生成が検出され, 収穫後5日より軟化果実が多発した.1-methylcyclopropene(MCP)によりエチレンの作用を阻害すると, この急激な軟化は完全に抑えられた.CO_2処理を行わずに, 果実を低湿度下(40&acd;60%)および高湿度下(>95%)で貯蔵すると, 低湿度下で貯蔵した果実では収穫後2日よりエチレン生成の誘導と急激な軟化が観察された.高湿度下で貯蔵した果実ではエチレン生成・軟化発生とも収穫後10日まで抑えられた.一方, CO_2処理果実では, 高湿度下で貯蔵した場合でも収穫後2日よりエチレン生成とそれに伴う急激な軟化がみられた.以上より, '西条'果実の収穫後の軟化には, 水ストレスおよび脱渋処理に伴うCO_2ストレスによって誘導されるエチレンが関与していることが示された.
著者
小倉 協三 小畑 充生 古山 種俊
出版者
東北大学
雑誌
試験研究(B)
巻号頁・発行日
1993

中等度好熱性細菌B.stearothermophilusのファルネシルニリン酸(FPP)合成酵素については 1.部位特異的変異の導入 2.耐熱性変異型FPP合成酵素の大腸菌内での大量産生 3.熱処理と2段階のクロマトグラフィーによる精製の系を確立した。この系を用いてプレニルトランスフェラーゼに特徴的な7つの保存領域ミ内のアノ酸について変異型酵素を作成し、それらの触媒機能の変化を精査し、新規なC-C結合形成反応の触媒機能獲得の有無を調べた。領域VIIに保存されているArg-295をValに置換した変異型酵素R295Vの酵素活性はほとんど変化しなかったが、非アリル性基質イソペンテニルニリン酸(IPP)に対するKm値が野生型のFPP合成酵素のそれの約1.5倍に増大した。同様の変化がC末端のHisをLeuに換えたH297Lでも認められた。この変化はプライマー基質をジメチルアリルニリン酸(DMAPP)にした場合さらに顕著になり、変異体のKm値は約3倍となった。さらにCys-289をPheに換えたC289Fでは10倍になった。領域VIに保存さているモチーフDDXXDのAspの変異体、D224A、D224E、D-2251、D228Aはいずれも触媒活性が激減したが、反応速度論的解析では、基質に対するKm値はIPP、GPPのいずれに対しても大きな変化はなかった。D288Aのみが例外で、IPPに対するKm値が野生型の10倍にもなった。領域VIの下流に保存されているLys-238の変異体酵素K238AおよびK238Rはいずれも触媒活性には大きな変化はなかったが、IPPに対するKm値がそれぞれ4.2倍5.1倍になった。これらの変異体酵素はいずれもIPPに対するKm値が増大しているのでホモアリル性の基質に対する特異性が特に変化している可能性がある。これらの変異体酵素の人工基質ホモログに対する基質特異性の精査は今後の課題である。
著者
山野 英嗣 尾崎 正明 稲賀 繁美 川島 智生 加藤 哲弘 河上 繁樹 中川 理 並木 誠士 廣田 孝 前田 富士男 増田 聡 藪 亨 新見 隆 出川 哲朗 中川 克志 松原 龍一 池田 祐子 小倉 実子 牧口 千夏 中尾 優衣 河本 信治
出版者
独立行政法人国立美術館京都国立近代美術館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、日本近代における建築、デザイン、工芸を対象としながらも、ジャンルを超え、そして国境を超えた動向について総合的に検証したものである。研究成果は、最終的に一冊の図書としてまとめた他、研究代表者が所属する美術館においても展覧会やシンポジウムを開催し、研究成果を広く発信した。東西の文化交流、そしてジャンル間を交差する表現への注目など、時宜を得たテーマとして、建築、デザインそして工芸の各領域において、新たな視点が提言されたと思われる。
著者
織谷 健司 金倉 譲 一井 倫子 齊藤 則充
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

Signal transducing adaptor protein-2 (STAP-2)は、シグナル伝達あるいは転写因子と結合するアダプター蛋白である。本研究において、生体内炎症反応を増強すること、アレルギー反応を抑制すること、BCR-ABL活性増強を介してケモカイン受容体発現を変化させること、メラノーマ細胞増殖に必須であること、抗原刺激後のT細胞免疫応答を正に制御すること、を見出した。本研究成果により、STAP-2阻害剤開発後の治療対象疾患が明らかになった。
著者
西嶋 剣一 大倉 一枝
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

血管新生因子PD-ECGFは、正常組織に比べ様々な固形腫瘍において高レベルで発現していることが知られている。本研究では、PD-ECGFの発現、すなわち血管新生をイメージングできるF-18標識放射性薬剤の開発を目的とした。PD-ECGFに親和性をもつF-18標識の合成検討において、新規TP阻害化合物を得ることに成功した。引き続き合成検討を重ねたが目的とする、標識前駆体およびF-18標識体を得ることはできなかった。しかしながら多くの合成実施例からF-18標識化合物を創製する上で、ウラシル誘導体の反応性に関する重要な知見を与えた。
著者
今井 孝成 飯倉 洋治
出版者
一般社団法人 日本アレルギー学会
雑誌
アレルギー (ISSN:00214884)
巻号頁・発行日
vol.52, no.10, pp.1006-1013, 2003
被引用文献数
33

目的 食物アレルギーの臨床は混乱している.これは詳細な病態生理が未だ不明であることはもちろん,その疫学データが少ない点も一因となっている.我々は今後の基礎研究,臨床診療に寄与することを目的とし,即時型食物アレルギーに関する全国疫学調査を行った.方法 国内100床以上で小児科を有する病院2689施設に対し,"何らかの食物摂取後60分以内に症状が出現し,かつ医療機関を受診したもの"を対象とし調査分析を行った.結果 回収率は60.4%で,該当症例のあった498施設の1420症例を対象として検討した。平均年齢は6.7歳±13.1 (平均±標準偏差)であった.頻度の多かった原因食品は鶏卵,乳製品,小麦であり,以下ソバ,魚類,果物類,エビが多かった.症状は原因食品摂取後24.2分±19.4(平均±標準偏差)で出現し,皮膚,呼吸器症状が多く見られた.結論 本結果を基に厚生労働省はアレルギー表示制度に関する省令を一部改正し,卵,乳,小麦,ソバ,落花生の表示を義務化した.
著者
菊森 幹人 西田 伊久男 西村 孝義 安平 公夫 中井 伸子 西口 保幸 岩倉 啓子 長沢 久充 鷲見 信好
出版者
日本毒性学会
雑誌
Journal of toxicological sciences (ISSN:03881350)
巻号頁・発行日
vol.20, pp.153-163, 1995-12-25
参考文献数
12
被引用文献数
9

Montirelinをマウス, ラットでは静脈内および筋肉内投与, イヌでは静脈内投与した後, 14日間の観察を行い, 単回投与毒性を検討した。1. LD_<50>値は, マウス静脈内投与で雌雄とも500mg/kg以上, ラット静脈内投与で雌雄とも200 mg/kg以上, マウス, ラットの筋肉内投与で雌雄とも20 mg/kg以上と推定された。また, イヌ静脈内投与で最小致死量は雌雄とも200 mg/kg以上であると推定された。2. 一般症状として, マウス静脈内投与では投与中〜投与後30分に振戦, 自発運動の減少が125 mg/kg以上の投与群で認められ, マウス筋肉内投与では投与後5分〜投与後2時間に振戦が5 mg/kg以上の投与群で認められた。ラット静脈内投与では投与中〜投与直後に振戦が50 mg/kg以上の投与群で,自発運動の減少, 失調性歩行が200 mg/kg投与群で認められ, ラット筋肉内投与では投与後5分〜投与後30分に振戦が5 mg/kg以上の投与群で, 流涎が20 mg/kg投与群で認められた。また, イヌ静脈内投与では投与中〜投与後6時間に興奮, かみつき, 発声, 散瞳, 流涎, 排尿, 排便, 舌なめずり, 嘔吐, 心拍数増加, パンティング, 体温上昇, 振戦および結膜充血が12.5mg/kg以上の投与群で認められた。3. 体重, 摂餌・摂水量の推移および病理学的検査では, 被験物質投与に起因したと思われる変化は認められなかった。(試験期間 : マウスi.v. ; 1985年9月17日〜1985年12月10日, マウスi.m. ; 1987年3月2日〜1987年8月31日, ラットi.v. ; 1985年9月17日〜1985年11月30日, ラットi.m. ; 1987年3月2日〜1987年8月31日, イヌi.v. ; 1985年12月10日〜1986年4月30日)