著者
三上 俊治 橋元 良明 箕浦 康子 吉井 博明 八ッ橋 武明 柏倉 康夫 遠藤 薫
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究では、多チャンネル状況における地域情報メディアの利用実態を探るために、鳥取県米子市において、中海ケーブルテレビの視聴可能地域をエリアとして、テレビ、新聞、多チャンネルケーブルテレビ、インターネットの利用状況、地域情報の情報源、地域住民の情報発信手段としてのケーブルテレビの役割について、テレビ局での聞き取り調査、パブリックアクセスチャンネル(PAC)参加者へのグループインタビュー、米子市民へのアンケート調査を実施した。具体的には、米子市在住の20〜69歳男女819名を対象とする社会調査を実施した他、携帯電話、携帯メール利用者計約10名を対象として、特定の1週間の通話内容とメール内容を記録してもらい、これを起こしたスクリプトを使って会話分析を行った。社会調査の結果、次のような知見が得られた。(1)テレビとインターネットに関する利用と満足の構造は類似しており、ある程度の相互代替性、補完性がみられる。(2)ケーブルテレビの加入動機は、多チャンネル化と専門チャンネル視聴が大きく、多チャンネル化ニーズが強いことを示している。(3)中海テレビの地域チャンネルは比較的よくみられており、なかでも災害情報、選挙速報、お祭りなどのイベント情報へのニーズが高いことがわかった。(4)パブリックアクセスチャンネルの視聴率は低いが、ケーブルテレビの番組取材を受けた経験のある人が多く、これがケーブルテレビの地域的機能に貢献していることがわかった。携帯メールの会話内容を分析した結果、感情表現として絵文字や特殊記号が多用されていること、全体として文章が簡潔で短く、くだけた会話調であること、移動しながら、きわめて短時間に多くのメッセージが交換されていることなどの特徴が再確認された他、音声通話との使い分けの実態などが明らかになった。
著者
西岡 利晃 大倉 良司
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

変動圧、特にパルス状加圧を用いた建物外皮の気密性測定法開発のため以下の理論的および実験的研究を行った。理論的には、容器の質量保存の式に、空気の状態方程式を適用して、隙間特性値をパラメータとした容器の圧力変動の式を導いた。この式は非線形微分方程式となり、一般解は求まらず、容器内で空気の発生が無い場合で圧力減衰過程は解析的に解けることを示した。圧力減衰の測定値を解析解に適用することによって、パラメータである隙間特性値を同定する計算法を導いた。実験的には、気密容器と流量測定装置を制作し、面積形状の判明した隙間を対象に定圧法と変圧法(圧力減衰過程)により気密性=隙間特性値を測定した。変圧法では、送風機で給気し一定圧力差を形成してから送風を停止してその後の圧力の減衰過程を用いる方法と、高圧空気ボンベから一気に空気を放出し放出停止後のそれを利用する方法を行った。測定した隙間特性値を相当隙間面積に換算し、実際の隙間面積と比較した。定圧法は、隙間面積の広い範囲で実際の隙間面積とよく一致したが、変圧法(減衰過程)では、隙間面積が大きくなると一致しなくなり、隙間面積の大きさにかかわらずほぼ一定値になる。変圧法(減衰過程)では、気密性が悪くなるとすなわち隙間面積の大きさがある一定値より大きくなると、圧力減衰が急激になり、正確な数値近似が困難になると思われる。高圧空気ボンベの放出を用いるパルス法(パルス状加圧を用いる方法)は、送風機や送風用のダクトが不要で、建物外皮に特別な養生を施さずに行える利点がある。実在建物の気密性能を評価する優れた方法であるが、気密性の高い建物すなわち一定以上の気密性のあるそれにしか適用できない。隙間面積を小さくしたパルス実験で、適用限界を求めた。
著者
武田 綾 鈴木 健二 白倉 克之
出版者
一般社団法人日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.42, no.8, pp.513-519, 2002-08-01
被引用文献数
3

アルコール依存症を合併した摂食障害(合併群)の転帰について摂食障害単独群(単独群)との比較研究である.1990〜1998年に受診した30歳以下で半構造化面接のできた摂食障害患者130名に対し,2000年10〜12月にアンケートと電話で追跡調査を行った.対象者のうち102名(78%)が回答し,平均追跡期間は4.6年であった.2つの群は初診時において,初診年齢,パーソナリティ障害,AN-Rの割合,結婚・離婚経験など多くの点で違いがあった.調査時点で合併群は非常に高い死亡率(25%)があり,離婚経験は38%,問題飲酒も42%がもっており,症状消失とED-NOSが半数を占めた単独群と比較して,合併群の長期転帰は非常に悪かった.両群に共通した転帰良好因子は嘔吐が少ないことであった.
著者
赤倉 貴子 東本 崇仁 古田 壮宏
出版者
東京理科大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究の目的は、非同期型eテスティングシステムにおいて、受験している時間全てにおいて個人認証を行うことができる方法論を開発することであった。テスト受験中、問題を読んでいる時間はディスプレイ方向(カメラ方向)を見てと考えられるため、この時間は顔認証を行い、解答を書いている時間は筆記認証をする方法論を提案した。筆記認証については、文字をパーツに分解することにより、少ない登録文字で多種多様な文字の認証ができる方法論を開発した。また、顔認証は、テスト問題が次の問題に移動した直後が最も精度が高いこと、さらに頬杖をついたりするため、顔認証は目より上で行うことが適切であることを実験的に確認できた。
著者
鈴木 隆介 八戸 昭一 田中 幸哉 松岡 憲知 松倉 公憲 砂村 継夫
出版者
中央大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

本研究の目的は,2001年8月23〜28日に日本で開催されるIAG第5回国際地形学会議における「岩石制約論シンポジウム」の基調報告の内容および討論課題を設定し,報告者の選定ならびに同シンポジウムに直結する野外巡検候補地の選定のための企画調査である.その成果を以下に要約する.1) 文献調査「地形形成過程における岩石物性の役割」を定量的に研究した成果を,世界の主要な学術雑誌,国際会議報告書および既刊書などについて,計254編の文献を収集・整理した.その結果, 「岩石制約論シンポジウム」の討論課題としては,総論,各論および岩石物性測定法の三部に大別し,総論では岩石制約論の根本課題の総括,各論では河川侵食過程,海岸侵食過程,マスムーブメント,氷河・周氷河過程,斜面発達,岩盤風化のそれぞれに関連する岩石制約の実例の総括,そして岩石物性測定法では野外測定法と室内測定法の諸問題,をそれぞれ主題および副題とすることとした.各部門と副題のオーガナイザーとしては本研究組織の全員が分担し,外国人では1999年末までの予備登録者の中から選定し,個別折衝して,最終的には2001年1月までに決定することとした.2) 野外巡検の企画日本で岩石制約論的観点からの研究成果が累積している北海道豊富町付近,福島県東部海岸,秩父盆地,千葉県各地,三浦半島,宮崎県南東部について,各地区ごとに本研究組織の研究者が現況を確認した.その結果,野外巡検地としては房総地域(4日間)と北海道豊富地域(5日間)の2地域とし,第5回国際地形学会議のFirst Circularに掲載・発送した.3) Proceedings刊行の企画「岩石制約論シンポジウム」の成果をまとめて英文単行本として出版することとした.
著者
研 攻一 坂倉 久美子 トギ コウイチ サカクラ クミコ Togi Kohichi Sakakura Kumiko
出版者
羽陽学園短期大学
雑誌
羽陽学園短期大学紀要 (ISSN:02873656)
巻号頁・発行日
vol.8, no.3, pp.387-399, 2009-02

介護支援専門員の立場から、家族の人間関係、特に長男の妻と姑である利用者の関係が長期的に続いた結果、在宅介護が十分行えない事例について検討した。その結果、次のような問題点が得られた。(1)Aの長男が結婚した当初から、嫁いびり(長男の嫁の教育)による確執が継続した結果、長男夫婦がAの在宅介護の責任を果たさない状況ができ、これが介護サービスを十分に機能させられない条件となっている。(2)Aの頑固な性格や金に執着する価値観などが、長男の嫁との位置関係が逆転しても、維持されていることで、状況の変化を改善することができない。(3)Aの心身の状態変化では、せん妄などは見られるが、徐々に悪くなる方向に進まない。これはAの年齢が若いからであろう。(4)ケアプラン内で、「他者と触れ合いたい」課題目標については改善がなされていない。
著者
南後 守 大倉 一郎 住 斉 野澤 康則 垣谷 俊明 長村 利彦
出版者
名古屋工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2001

本計画の目標は、光合成での光エネルギー変換系でのタンパク質複合体の連動したシステムの構造とその機能について基礎的な研究を行うために広範囲の研究者と意見交換を行うことである。そして、社会的に要請の強いこの分野の研究に対して貴重な情報を提供することである。この分野の研究の進展が目覚ましく、したがって、基礎的な研究情報の交換を継続して行い、さらに、共同研究へと発展させることが必要である。本計画では、光合成での光エネルギー変換システムでの基礎的な研究に焦点を絞り、つぎの3点について研究情報の交換を行う。1)アンテナタンパク質複合体の動的構造と機能の関係、2)光エネルギー変換系での色素の構造と機能との関係 3)光エネルギー変換機能をもつデバイスの開発。講演会を年間5回開催して情報交換を行った。講演会では光合成、光エネルギー変換、タンパク質複合体および色素の構造と機能、核酸、分子モーターのキーワードで互いの最先端の仕事内容を発表していただいた。この研究会に参加していただた方はそれぞれの分野でのスペシアリストなので講演会で情報交換を行うことが本研究の企画を進めることになった。ここで、主な研究費として、会議費、国内旅費、それに伴う消耗費が必要となった。また、必要に応じて研究会のメンバー以外の方に講演、事務処理などの手伝いを依頼した。ここで、謝金が必要となった。さらに、外国人研究者(Prof, Scheer(独)およびProf, Cogdell(英))に来日していただいて臨時セミナーで講演してもらった。ここで、この分野の先導的な欧州の第一線の研究者と交流をもつために外国旅費が必要となった。
著者
岩倉 成志
出版者
芝浦工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

潜在クラスモデルを用いてアプリオリに選択行動モデルをセグメンテーションするための方法論を研究した.この方法は期待するパラメータ範囲の初期値を外生的に与えて, EMアルゴリズムによって各セグメントの尤度を最大化するモデルである.観光地の選択行動や列車選択の際の内装色彩の評価,地方部の交通機関選択行動のデータを取得し,提案したモデルの可能性や今後の課題を明らかにした.
著者
前野 誉 金田 茂 鎌倉 昭浩 高井 峰生
雑誌
マルチメディア通信と分散処理ワークショップ2011論文集
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.111-112, 2011-09-28

システム性能をユーザレベルのサービス品質として評価するためには,ユーザの効用を定量化することが重要である.また,ユーザの通信行動や移動,心理といったユーザの行動自体を適切にモデル化することが求められる.本稿では,統合シミュレーションフレームワーク Scenargie 上に新規開発したユーザ行動モデルについて述べる.開発したモデルは,Scenargie のマルチエージェントシミュレーション機能を用いて実現した.本デモンストレーションでは,周囲のユーザの密度など周辺環境に応じてユーザの行動が変化する様子をシミュレーションする.
著者
倉田 啓明 白川 究 中島 冶 村上 孝一
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:02850192)
巻号頁・発行日
vol.17, no.2, pp.537-540, 1993-04-01 (Released:2007-12-03)
参考文献数
5
被引用文献数
1 1

For miniaturization of magnetic devices, it is necessary to increase the operating frequency. We have studied thin-film micro-inductors to realize a high operating frequency and reduce the iron loss. In this paper, we propose a thin-film micro-transformer with high operating frequency achieved by application of a multilayered magnetic film to the core. The magnetic core is made of amorphous CoFeSiB monolayer film or a CoFeSiB/SiO2 multilayered film. The induced magnetic anisotropy is controlled so that the exciting direction of the coil is along the hard axis. The total thickness of the magnetic layer is 3μm and the size of the core is 0.6 mm × 2.3 mm. The experimental transformers show that a multilayered core is useful for improving the transmission loss of transformers at high operating frequency. A thin-film transformer whose transmission loss is 2.7 dB from 100 MHz to 250 MHz has been developed. This value is smaller than the 5.3 dB of the monolayer core.
著者
松村 嘉之 大倉 和博
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 : 日本知能情報ファジィ学会誌 : journal of Japan Society for Fuzzy Theory and Intelligent Informatics (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.20, no.6, pp.972-980, 2008-12-15

本稿ではセル生産における自律分散的な作業現場において,作業者が持つ作業機械に関する情報について作業者機械評価表を用いて簡便に抽出することを試みる.そして,作業現場がフラットな組織に近く,リーダーが存在しない場合に,PM理論に基づく一定のリーダーシップを持つインフォーマル・リーダーを選出し,ナレッジ・マネジメントを促進する簡潔な方策を提案する.そして,実際のクリーニング工場のセル生産現場において,PM理論に基づくインフォーマル・リーダーを中心にして作業者から作業機械情報を抽出し,それに基づくナレッジ・マネジメントによって作業時間を短縮することによって,心理的見地に基づく情報共有の有用性を実証した.
著者
矢嶌 裕義 高倉 伸有 高山 美歩 政岡 ゆり 本間 生夫 川瀬 明子 KAPTCHUK Ted J. JIAN Kong
出版者
東京有明医療大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

脳梗塞などにより筋緊張(常に生じている持続的な弱い筋収縮)が病的に強い場合に、電気刺激を与えてその緊張を緩めることを目的としたリハビリテーションを行うことがある。本研究では、指先に振動を与えて不随意的に指を屈曲させることができる反射を用いて強い筋緊張を生じさせ、これと同時に電気刺激を与えて筋緊張が緩む時の脳活動を、脳波を用いて観察した。その結果、電気刺激を与えた場合には、この反射によって起こる脳内の神経活動のエリアが一部に限定されるとともに、筋緊張緩和に関連すると言われる前頭前野背外側部の神経活動が先行して高まることがわかり、電気刺激による筋緊張の緩和の脳内メカニズムの一端が確認された。
著者
中村 健二 木村 幸四郎 一ノ倉 理
出版者
公益社団法人日本磁気学会
雑誌
日本応用磁気学会誌 (ISSN:18804004)
巻号頁・発行日
vol.28, no.4, pp.602-606, 2004-04-01
被引用文献数
6

A switched reluctance motor (SRM) has such desirable features as simple construction, high reliability, and low cost. The SRM has not, however, been put into wide application because of large torque ripple and acoustic noise. In addition, quantitative analysis and optimum design of the SRM have not been fully clarified. In a previous paper, we proposed a simple magnetic circuit model of an SRM based on its configuration. We calculated such dynamic characteristics of the SRM as excitation voltage, winding current, and flux in each part of the motor. In this model, however, reluctances of the stator and rotor cores are approximnated by a linear function. In order to improve the calculation accuracy, we have to consider nonlinear characteristics of the core material. Furthermore, local saturation occurring at stator and rotor pole-tips and leakage fluxes from the stator pole must be considered. In this paper, we examine a nonlinear magnetic circuit model of the SRM considering the local saturation at the pole-tips and the leakage fluxes.
著者
藤倉 克則 小島 茂明 藤原 義弘 橋本 惇 奥谷 喬司
出版者
日本貝類学会
雑誌
貝類学雑誌Venus : the Japanese journal of malacology (ISSN:00423580)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.103-121, 2000-06-30
被引用文献数
11

海洋科学技術センター(JAMSTEC)が運用する深海調査システム(有人潜水調査船, 無人探査機, 深海曳航式カメラ)を用いて, 日本周辺の深海化学合成生物群集におけるオトヒメハマグリ科二枚貝の採集及び生息環境の観察を行い, 6種について新たな分布域を発見した。シマイシロウリガイは, 相模湾の初島沖と沖ノ山堆の冷水湧出域と沖縄トラフ伊平屋海嶺の熱水噴出域に分布していることが知られていたが, 沖縄トラフの北部伊平屋海嶺からも新たに発見された。テンリュウシロウリガイは, これまで知られている南海トラフ天竜海底谷の冷水湧出域に加え, 南海トラフ第三天竜海底谷からも発見された。ナンカイシロウリガイは, 南海トラフ竜洋海底谷の冷水湧出域に分布していることが知られていたが, 沖縄トラフ北部伊平屋海嶺の熱水噴出域にも新たに発見された。ニヨリシロウリガイは, これまで知られている南海トラフのユキエ海嶺や東海スラストの冷水湧出域に加え, 琉球海溝(南西諸島海溝)付近の喜界島沖の冷水湧出域から死殻が採集された。エンセイシロウリガイは, これまで知られている沖縄トラフ南奄西海丘に加え, 南海トラフ第二天竜海底谷の冷水湧出域に生息し, さらに南海トラフの室戸海丘と足摺海丘, 琉球海溝付近の黒島海丘から死殻が採集された。ノチールシロウリガイは, 天竜海底谷に加え, 南海トラフの第一南室戸海丘の冷水湧出域から新たに発見された。また, これまで日本周辺の深海化学合成生物群集から出現しているオトヒメハマグリ科に属するシロウリガイ属およびオトヒメハマグリ属二枚貝の地理的分布・鉛直分布をまとめた。そして, 日本周辺ではシロウリガイ属二枚貝の分布は, 熱水噴出や冷水湧出といった化学合成生物群集のタイプの違いや地理的な距離に左右されず, 同じ水深レベルには同じ種が出現する傾向が認められた。
著者
葛西 真記子 大倉 江里奈
出版者
鳴門教育大学
雑誌
鳴門教育大学研究紀要 (ISSN:18807194)
巻号頁・発行日
vol.29, pp.184-198, 2014-03-14

We used a longitudinal design to study the changes in participants' empathy level during their clinical psychology graduate school. We used the multi−dimensional empathy scale, four emotion description tasks, the self−introspection scale, and two questions requiring written responses, which focused on participants' experiences of supervision. A total of 87 clinical psychology graduate students completed these scales four times during their training years. Results showed that students with a higher caseload, aged older than 30, had higher in the "empathic interests" subscale. The level of empathy and emotional awareness, however, did not change significantly during the period. First−year clinical psychology students scored higher on self −introspection than second−year students. Students with a higher caseload also scored higher on self−introspection than those with a lower caseload. The written responses showed that there is a flow of change, which begins when participants write up the case summary ; followed by thinking back to their own reactions, respective situations, and contexts ; adopting an objective perspective, and understanding issues relating to the case ; these lead to the tasks that are undertaken in the following session. Furthermore, based on their supervision experiences, participants gain new perspectives, comparing these with their own views, subsequently expanding their way of understanding.
著者
張 炯寛 小野 満 金 泰鍾 蔡 錦順 津嶋 良典 新倉 昌浩 見上 彪
出版者
社団法人日本獣医学会
雑誌
The journal of veterinary medical science (ISSN:09167250)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.1057-1066, 1996-11-25
被引用文献数
6

マレック病ウイルス(MDV)血清2型(MDV2)相同糖蛋白I(gI homolog)のORFは, 355アミノ酸残基をコードし得る1065塩基からなり, MDV血清1型(MDV1)と血清3型(七面鳥ヘルペスウイルス: HVT)とはアミノ酸配列において各々49%, 36%の相同性が認められた. また予測されるN-linkの糖鎖付加部位並びにシグナル配列や膜貫通部位が存在し, 膜糖蛋白の性状を有していた. 転写産物解析により, このORFの翻訳開始コードンの上流56-147 bpで転写される3.5 kb mRNAがMDV2 gI homologの特異転写産物として同定された. MDV2(HPRS24株)感染鶏由来の抗血清を用いた免疫沈降解析によりMDV2 gI homologを発現するリコンビナントバキュロウイルス(rAcMDV2gI)の蛋白発現を検討したところ, rAcMDV2gI感染Sf9細胞では45-43 kDaの特異バンドが検出された. またツニカマイシン処理により糖鎖付加阻止試験を行ったところ, MDV2gI homologの前駆体蛋白と見られる35 kDaのバンドが検出された. これらの発現蛋白はホモのみならずヘテロの血清型MDV(GA株, SB-1株, FC126株)感染鶏由来の抗血清によっても認識されたことから, 型間共通のエピトープの存在並びに3血清型によるMDV感染細胞でのgIの発現が示唆された.
著者
米倉 裕希子 山口 創生
出版者
関西福祉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究は知的障害者のスティグマに関する海外や国内の文献及び知的障害福祉に従事する職員対象の大規模調査を基に、スティグマティゼーション是正のため肯定的態度や共感性を高めるプログラムを作成した。文献から知識と情緒的教材に加えディスカッションすることが肯定的態度の要因になることがわかった。また大規模調査では資格の有無、統合教育の経験、研修の受講が影響することが明らかになった。そこで「知識・情報」「対処方法」「サポート」を柱としたプログラムを実施し、前後及び未実施群と比較した。研修の効果は明らかではなかったが、肯定的態度や共感性は上昇し3か月後も低下しなかった。学校教育や職員研修での活用が期待できる。
著者
尾崎 まみこ 佐倉 緑 尾崎 浩一 尾崎 浩一
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

クロオオアリの全ゲノム解析と、触角(嗅覚器)の遺伝子発現解析を、カースト別に網羅的に行ない、完成度の高い嗅覚受容体遺伝子のカタログを取得した。また、バイオインフォマティクス解析により、社会行動を保証する巣仲間識別機構の中心的働きを担う、100~130個の嗅覚受容神経をもつ炭化水素感覚子で発現する121種の嗅覚受容体遺伝子とCSP遺伝子を特定、その進化的分岐点を推定し、これらの嗅覚受容体遺伝子群が社会性を持つアリ類で爆発的に進化したことを証明した。これらの嗅覚受容体遺伝子群は、女王と働きアリ(共に雌)で、発現しているが、結婚飛行時以外に巣外に出ることのない雄アリには発現していないことを確認した。