著者
桂 敏樹 古俣 理子 小倉 真衣 石川 信仁 星野 明子 志澤 美保 臼井 香苗
出版者
一般社団法人 日本農村医学会
雑誌
日本農村医学会雑誌 (ISSN:04682513)
巻号頁・発行日
vol.67, no.4, pp.457, 2018 (Released:2018-12-18)
参考文献数
32

本研究は,要介護状態でない地域在住高齢者を対象に,閉じこもり及び非閉じこもり高齢者におけるソーシャルキャピタル(SC)とフレイルとの関連を検証することを目的とした。 閉じこもり高齢者47名と,性別と年齢でマッチングした非閉じこもり高齢者47名を対象に,2016年7月~10月の期間で訪問調査測定を実施した。調査項目は身体的フレイル,精神的フレイル,社会的フレイル,ソーシャルキャピタルである。閉じこもり群におけるフレイルとソーシャルキャピタルの関連はχ2検定により分析した。 地域閉じこもり高齢者ではSCは精神的フレイルと有意な関連が認められた。一方地域非閉じこもり高齢者においてSCは全てのフレイルと有意な関連が認められた。 地域在住高齢者においてSCは包括的なフレイルと精神的フレイル出現の予防と関連している。一方地域閉じこもり高齢者では地域における抽出方法と精神的フレイル予防の介入方法開発が必要である。
著者
伊藤 秀朗 室岡 雅樹 矢野倉 伊織 野沢 峻一 岡田 慧 稲葉 雅幸
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
ロボティクス・メカトロニクス講演会講演概要集 2018 (ISSN:24243124)
巻号頁・発行日
pp.2A2-G12, 2018 (Released:2018-12-25)

In daily lives, it is necessary for robots to execute cooperative tasks with humans. Unlike tasks in factories, household chores don't have regular orders between each chore. The difficulty in such works is that the robot is expected to take adequate actions according to the human needs. In this paper, we proposed a system for executing cooperative tasks where robot motions are decided by imitating human motions, and the robot activates those motions according to the human aural instructions.
著者
石黒 浩 開 一夫 板倉 昭二 西尾 修一 宮下 敬宏 神田 崇之 中西 英之 中村 泰 吉川 雄一郎 松本 吉央
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、 人間に酷似した遠隔操作型アンドロイドのシステムを開発し、実験室実験と実環境における実証実験により、その効果を確かめた。特に、遠隔操作する操作者と、 アンドロイドと関わる訪問者の双方がアンドロイドシステムに適応できることを、認知科学的・脳科学的に確かめた。また、得られた知見を基に、人と親和的に関わることができる遠隔操作型アンドロイドのミニマルデザインを考案し、その効果を確かめた。
著者
笠倉 和巳
出版者
東京理科大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2016-04-22

2年目の29年度は、昨年度6種類(酢酸、酪酸、イソ酪酸、プロピオン酸、吉草酸、イソ吉草酸)の中からマスト細胞の活性化を抑制する短鎖脂肪酸として見出した吉草酸に焦点を当て、その作用機序の解明を目指した。吉草酸の作用経路としてGタンパク質受容体であるGPR109Aを介してマスト細胞に作用していることを昨年度明らかにした。GPR109Aはナイアシン(ビタミンB3)の受容体として同定された分子であり、免疫細胞においてナイアシンは、GPR109Aを介してエイコサノイドや抑制性のサイトカイン産生を促進し、抗炎症作用を示すことが報告されている。そこで、まず、①ナイアシンが吉草酸と同様にマスト細胞の活性化を抑制するか、また、②吉草酸のGPR109Aを介したマスト細胞の機能抑制にはエイコサノイド産生を介した間接的な作用があるかの検討をした。①吉草酸よりは効果は弱かったものの、ナイアシン添加によりマスト細胞の活性化が抑制された。また、ナイアシンの経口投与により全身性アナフィラキシーによる体温低下が緩和される傾向が見られた。②吉草酸およびナイアシンによるマスト細胞の活性化抑制にエイコサノイド産生が関与しているかをプロスタグランジンの合成に必要なシクロオキシゲナーゼ(COX)阻害剤であるアスピリンまたはインドメタシンを用いて検証した。COX阻害剤処理により、吉草酸およびナイアシンによる抑制効果が打ち消された。さらに、全身性アナフィラキシーの系にCOX阻害剤を投与することにより吉草酸およびナイアシン投与によりみられた体温低下の抑制が解消した。以上のことから、吉草酸はプロスタグランジン産生を介してマスト細胞の活性化を抑制していることが明らかになった。
著者
朝倉 利光
出版者
公益社団法人 応用物理学会
雑誌
応用物理 (ISSN:03698009)
巻号頁・発行日
vol.61, no.6, pp.556-568, 1992-06-10 (Released:2009-02-05)
参考文献数
14

エジソンの発明による蝋管式蓄音機が,前世紀末から今世紀初頭にかけて音声を記録するために使われ,その結果として多くの貴重な録音蝋管レコード資料が残されてきた.現在,この文化遺産としての蝋管レコード資料の保存方法や音声再生技術の確立などが重要課題となっている.ここでは, B. ピウスツキ,北里闌,加計正文が残した録音レコード資料に関係して,録音した3人の人物像,録音蝋管の意義,蝋管レコード,録音蝋管からの音声再生について紹介する.特に,レーザー利用による非接触型の光学式音声再生法について詳細に解説する.
著者
小池 拓矢 鈴木 祥平 高橋 環太郎 倉田 陽平
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2016年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.100082, 2016 (Released:2016-11-09)

1. はじめに スマートフォンの普及にともない、携帯端末で利用する、実空間と連動したさまざまなサービスが登場している。観光分野においては、位置情報を活用したサービスが観光客の行動に影響を与えるだけでなく、観光振興のツールとしても活用されている。そのなかでも本研究では、世界規模で行われている位置情報を利用したゲーム(以下、位置ゲーム)に着目した。 世界規模で行われている位置ゲームの例として、現実空間で宝探しを行う「ジオキャッシング」がある。ある参加者が設置した宝箱を他の参加者がスマートフォンやGPS受信機を片手に探し回るものであり、2016年7月現在、世界には約290万個の宝箱が存在している。また、Niantic Labsが開発・運営する「Ingress」は全世界規模で行われる陣取りゲームであり、この位置ゲームを介して企業のプロモーションや自治体の観光振興が行われている例もある。そして2016年7月、位置ゲームにAR(Augmented Reality: 拡張現実)と人気キャラクター「ポケモン」の要素を加えたアプリゲームである「Pokemon GO」が全世界で順次配信された。このゲームの最大の特徴はスマートフォンのカメラ越しの風景に、ポケモンがあたかも現実空間に存在するかのように出現することである。配信直後からPokemon GOで遊んでいる写真などがSNSに数多くアップされ、メディアでは社会現象として連日このゲームの話題が取り扱われた。 倉田(2012)はジオキャッシングやスタンプラリーのようなフィールドゲームを観光地が実施する意義について、以下の5点を挙げている。 地域の有する観光資源を認知してもらう機会が増える観光資源に付加価値を与えることができる観光客の再訪が期待できる滞在時間の増加が期待できる旅行者が地元の人と言葉を交わすきっかけを生み出せるかもしれない つまり、本来は目を向けられることもないスポットに人々を誘引する可能性を位置ゲームは含んでいる。本研究の目的は、Twitterの位置情報付きツイートをもとに、Pokemon GOの観光利用の可能性について基礎的な知見を得ることである。 2. 研究方法 Pokémon GOの配信がアメリカなどで始まった2016年7月6日以降、Twitterの投稿内容に「Pokemon GO」の文字列が含まれる位置情報付きツイートを、TwitterAPIを用いて収集した。そして、ツイートが行われた位置やその内容について整理し、分析を行った。日本では7月22日に配信が始まっており、「ポケモンGO」の文字列を含むツイートについても分析の対象とした。  3. 研究結果 日本でPokemon GOの配信が開始された7月22日(金)から24日(日)までに日本国内で投稿された位置情報付きツイートのうち、上記の条件を満たすものの分布に関する図を作成した。これによると、Pokemon GOに関するツイートの投稿地点は全国に広がって分布していることがわかった。
著者
ムハマド ロムジ 西野 順二 小高 知宏 小倉 久和
雑誌
全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.54, pp.291-292, 1997-03-12

本研究では遺伝的アルゴリズムを多目的関数の最適化問題に対して適用した。今回、対象とする間題は多目的線形ナップザック及び多目的非線形ナップザック問題である。複合的な目的関数を持つ多目的最適化問題では、優劣がはっきりしなかったり、優劣関係に矛盾が起こったりして、優劣の順序付けが簡単ではなくなる。多目的最適化問題の本質は複数の目的関数間でのトレードオフのバランスをいかにとるかという問題である。そこで、われわれはファジイアウトランキング法と呼ばれるゆるい順序関係を導入し、大まかに比敷するやり方を用いた。この手法は遺伝的アルゴリズムによる探索の各段階で、個体評価における多目的性を直接取り扱うことが可能になると考えられる。
著者
原田 契一 小倉 健介
出版者
日経BP社
雑誌
日経メディカル (ISSN:03851699)
巻号頁・発行日
no.420, pp.150-152, 2002-11

「当時は航空運賃が高く,日本から米国までの往復料金は,エコノミークラスでも大卒初任給の6カ月分もした。ごく一部の人しか海外に行けないため,日本国内で生きた英語が学べる米軍関連病院の人気は高かった。私が受験した年は横須賀,立川,座間の3病院合同で試験が行われたが,合格通知が届いた時は本当にうれしかった」。
著者
板倉 勝高
出版者
The Association of Japanese Geographers
雑誌
地理学評論 (ISSN:00167444)
巻号頁・発行日
vol.32, no.7, pp.351-364, 1959-07-01 (Released:2008-12-24)
参考文献数
11

The geographical distribution of Japanese chemical plants operated by the corporations whose capital stock is over 1, 000, 000, 000 can be summed up as follows from the viewpoint of added value indexes. The plants for productive goods falling under Group No. 1 such as fertilizer, sodium, and vinyl are spreading all over the country, whereas those for direct consumption goods such as medicine, paint, end pigment are mostly located in Tokyo and Osaka areas. During the initial period of development of the industries of Group No. 1, these city areas were within easy access to cheap village labour and coal fields and, what was more, they could supply surplus electric power at night to these industries, whose advantageous features, however, are no more available. Despite this, chemical interests in these city districts are still expanding their production facilities by addition of new plants and by enlar gement of existing ones. This phenomenon is due to close interdependence among chemical industries for the supply of raw materials. A large chemical company is characterized by the self-sustenance of materials, producing its whole requirements in its component plants, which is true especially in the recent petroleum chemical industry. They can be grouped into several classes according to holding companies, but interests owned by the private banking institutions in the city are by no means small in volume. Since the chemical industry has very small outside jobs and since its finished goods are mostly turned out from factories in city areas, its production activities have almost nothing to do with its neighbourhood, excepting the procurement of labour. Explanation of Tables and Figures. Table 1. (a) Geographical distribution of the nation's chemical plants shown by value added. (b) Geographical distribution of the operatives employed in the chemical plants in each prefecture shown by value added. Table 2. Chemical plant combination. Table 3. Chemical ;plant combination of Group No. 1. Fig. 1. Location of the nation's chemical plants. Fig. 2. Sketch showing interdependence among the chemical plants for materials. Fig. 3. Geographical distribntion of the petroleum chemical plant. Fig. 4. Structural sketch of a petroleum chemical plant.
著者
山下 一也 井山 ゆり 松本 亥智江 井上 千晶 松岡 文子 磯村 由美 飯塚 桃子 梶谷 みゆき 吾郷 美奈恵 齋藤 茂子 湯澤 雄一郎 片倉 賢紀 橋本 道男 加藤 節司 Kazuya YAMASITA Yuri IYAMA Ayako MATSUOKA Yumi ISOMURA Momoko IIZUKA Miyuki KAJITANI Minae AGO Sigeko SAITO Yoichiro FUKUZAWA Masanori KATAKURA Michio HASHIMOTO Setsuji KATO
雑誌
島根県立大学短期大学部出雲キャンパス研究紀要 (ISSN:18824382)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.25-30, 2007-12-10

高齢者の趣味の有無が認知機能と関連しているとの報告が多くなされている。今回、地域在住一般高齢者272名(平均年齢72.3歳)を対象に趣味の有無と認知機能の関連を検討した。趣味を有する群(186名)と無趣味群(86名)では、主観的幸福感、抑うつ程度、 日常生活動作には有意差は見られなかったが、認知機能においては、趣味を有する群では無趣味群に比して有意に高値であった。また、趣味を有する群では、無趣味群に比して、物事に好奇心があり、社交的な性格であった。認知症予防において、趣味を持つことを積極的に勧めることは重要と思われる。
著者
小倉 康嗣
出版者
日本オーラル・ヒストリー学会
雑誌
日本オーラル・ヒストリー研究 (ISSN:18823033)
巻号頁・発行日
no.7, pp.137-155, 2011-09-10

What kind of wisdom does the life story studies provide? And what kind of effects is made on human being and society by the life story studies? Further, what is the problem in practicing that? In this paper, I shall discuss these problems by considering actual case practices in my research production and the reader's reaction. First of all, the essential substance of the life story approach to holistic life is made clear. The second point is that the life story approach to the holistic life provides the ability to generate, which is developed between interviewee, interviewer/writer and reader. This is the "what" which the life story studies provide. The third point is that the social/sociological meaning of this ability to duplicate is to deepen and expand democracy, which constructs a new historical and social reality. In conclusion, I would argue that research expression is required in order to connect the "how" with the "what".
著者
脇本 博文 沖重 薫 畔上 幸司 大庭 景介 倉林 学 上原 裕規 瑞慶覧 貴子 小西 正則 志村 吏左 磯部 光章
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.39, no.3, pp.134-139, 2007

後天性QT延長症候群は種々の原因により発生するが,アルコール離脱により生じる後天性QT延長症候群(LQTS)の認識はうすく,同病態下における多形性心室頻拍(torsades de pointes;TdP)発生の報告も少ない.今回,われわれは失神を主訴としたアルコール離脱期のLQTSに伴うTdPを2例経験した.<BR>症例1:23歳,女性.20歳ころよりビール2L/日,焼酎1L/日の飲酒を繰り返し,アルコール性肝不全にて当院入院となった.失神発作を発症し心電図モニターにてTdPが確認された.基礎心疾患なし.QTc=0.753msecと著明に延長(入院時QTc=0.529msec)し,マグネシウム静注,イソプロテレノール持続投与にてTdPは減少,QTcも徐々に短縮した.<BR>症例2:50歳,男性.48歳ころより飲酒量が増え,日本酒1升/日の飲酒を続けていた.他院にてアルコール依存症と診断され禁酒を指示されたが,その後も不定期に飲酒を繰り返していた.失神発作を発症し救急車にて当院へ搬送された.心電図はQTc=659msecと著明に延長しTdPを繰り返していた.基礎心疾患なし.マグネシウムの静注後TdPは消失し,その後QTcは徐々に短縮した.<BR>2症例とも後日施行した心臓電気生理学検査(EPS),epinephrine負荷試験では有意な所見を認めなかった.
著者
池上 敦子 森田 隼史 山口 拓真 菊地 丞 中山 利宏 大倉 元宏
出版者
公益社団法人 日本オペレーションズ・リサーチ学会
雑誌
日本オペレーションズ・リサーチ学会和文論文誌 (ISSN:13498940)
巻号頁・発行日
vol.51, pp.1-24, 2008 (Released:2017-06-27)
参考文献数
41
被引用文献数
1 1

本研究では,運賃設定の異なる複数の鉄道会社を含む鉄道ネットワーク上の運賃計算を正確かつ高速に行えるネットワーク表現とアルゴリズムについて報告する.鉄道運賃は,利用者の乗車経路が明らかであるとき,多くの場合,その経路に含まれる各鉄道会社が定めた運賃を足し合わせることによって得られる.一方,利用者の乗車経路が明確でない場合,利用可能経路の中で最も安い経路を利用したとみなし,その運賃を採用することが一般的である.しかし,鉄道運賃は,基本的には「距離が長くなればなるほど高く」なるように設定されているものの,同じ距離でも,会社によって異なる料金が設定されていることや,乗車区間によって割引ルールや特別運賃が設定されていることなどから,物理的距離に基づくショーテストパスが最も安い経路になるわけではない.よって,与えられた2駅間の正しい運賃を計算するためには,その2駅間の可能経路の運賃をすべて,もしくは,その1部を列挙して比較判断する必要があることがこれまでにも報告されてきた.本研究では,物理的構造に基づくネットワーク上での経路探索を行う代わりに,ダイクストラ法が利用可能な運賃計算用ネットワークを構築し,ダイクストラ法と,少ないケースではあるがK-shortest paths問題用のアルゴリズムを利用することにより,複数社を含む鉄道ネットワーク運賃計算の大幅な高速化に成功した.