著者
王 俊義 藍 洲 表 昌佑 サム チンシャン ベイカス トンジュール 高 菁 ラハマン アジイズル 船田 龍平 児島 史秀 原田 博司 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.445, pp.437-442, 2009-02-25

本稿では広帯域ミリ波無線通信システムである60GHz WPAN(wireless personal area network)におけるビームフォーミングを実現するため,ビームコードブックの基礎設計と性能評価を行っている.提案コードブックは,広帯域通信システムにおいて異なる周波数の波長の違いに起因するビームの変移を軽減するために設計され,振幅を変化させず4種類のフェーズシフト(0,90,180,270度)のみで構成され,特に60GHz帯無線通信システムにおいて電力損失を最小化しながら高速,高性能のデータ通信を可能にする.また提案したコードブックはアンテナ構成と独立しているため,単一アンテナ素子,セクタアンテナ,スイッチドアンテナ,および1次元,2次元などの線形アンテナ配列に対応している.本稿では60GHz WPANのような広帯域無線通信システムに対応できるビームコードブックの設計方式を明らかにしている.
著者
加藤 修
出版者
養賢堂
雑誌
農業および園芸 (ISSN:03695247)
巻号頁・発行日
vol.83, no.11, pp.1189-1197, 2008-11

短果枝を主体とした栽培の是非。側枝更新の功罪。今日、千葉県では、'幸水'は最も心血が注がれて栽培が行われている品種と切言できる。生産農家はすべてこの品種を中心に生産体制を整え、すべて最優先で管理を遂行している。せん定では花芽を樹冠内にまんべんなく配置するために側枝更新を頻繁に行ない、同時に翌年度に備えて新たな予備枝の設置に余念がない。大果生産が強く求められているので、開花前には花芽摘除(休眠期に開花数の制限を目的として花芽を基部を残して手でかいて除去する方法、一方で、短果枝群の短果枝などに対してせん定鋏を用いて基部ごと除去するのを花芽整理と呼び、両者を区別した)や摘らいが行われている。開花後は摘果を真っ先に行って果実肥大を促すとともに樹勢の低下を防ぐ管理がなされている。同時に、予備枝育成にも力を入れる。さらに、黒星病などの病害虫の発生に常に気を使う。裏を返せば、'幸水'はこうした生産農家の努力により生産が支えられている。見方を変えれば、果実が小さく収量が低いわりには栽培管理に最も注意が払われ、かつ多くの人員と労働力が投下されていると言える。
著者
加藤 修雄
出版者
大阪大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2006

14-3-3タンパク質は、真核細胞生物に普遍的に高い保存性を持って存在し、Ser/Thr kinaseが関与する細胞内信号伝達経路上にあって、標的タンパク(200種以上)とリン酸化依存的に会合体を形成することで信号伝達を制御している。本課題においては、この14-3-3タンパク質複合体にさらに会合し、機能モデュレータとして働くジテルペン配糖体・コチレニン(CN)およびフシコクシン(FC)類を用いて信号伝達系を解析・制御することを主たる目的にした。CNおよびFCは、いずれも14-3-3たんぱく質とリン酸化たんぱく質(H^+-ATPase)の会合状態を安定化することで強い植物ホルモン様活性を示すことが知られているが、動物細胞に対する活性は異なり、前者のみがヒト前骨髄性白血病細胞(HL-60)に対して分化誘導活性を示す。この活性の相違が、14-3-3たんぱく質とその共通認識配列であるRSXpSXPとの会合状態に対するCNとFCの効果の相違に起因すると考え、等温滴定熱量(ITC)測定によって評価した。14-3-3たんぱく質とRSHpSVPの2者会合体に対してCN/FCを滴下し、ITC測定を行ったところ、CNは3者会合体を形成することで2者会合体を安定化するが、FCはさらなる会合体を形成しないことが明らかになった。この結果をdocking studyによって考察した結果、FCの12位水酸基が3者会合体形成を阻害していることが予想された。以上を踏まえ、12-デオキシFC誘導体を合成し、HL-60に対する分化誘導活性を評価したところ、予想通りCNに匹敵する分化誘導活性が認められ、12位水酸基の有無が活性発現に決定的な要因となっていることを明らかにした。
著者
加藤 修三 荘司 洋三 原田 博司 安藤 真 池田 秀人 大石 泰之 川崎 研一 高橋 和晃 豊田 一彦 中瀬 博之 丸橋 建一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.106, no.555, pp.175-178, 2007-02-28
参考文献数
8
被引用文献数
5

本予稿は現在IEEE802.15.3cで標準化が進んでいるミリ波通信システム(WPAN,最低2Gbps及びオプションとして3Gbps以上の伝送)の開発・標準化状況を述べる.標準化のサブコミッティはシステム要求条件,選択条件,使用モデル,伝播路モデルの最終版を本年1月でおこなわれたロンドン会議でまとめ,コール・フォー・プロポーザ/レ(CFP)及びコール・フォー・インテンション(CFI)を発出した.前者は5月7日,後者は3月1日が締め切りである.現在,PHYシミュレーションに選定された使用モデルはビデオ伝送とキオスク型ファイル転送の2つであり,ともにポイント-ポイント通信である.現在までに議論されているエアーインタフェースはシングル・キャリア及びOFDM方式であり,その選定は7月から始まる予定.
著者
酒井 茂 熊本 悦明 恒川 琢司 広瀬 崇興 田端 重男 郷路 勉 猪野毛 健男 井川 欣市 田付 二郎 辺見 泉 丹田 均 加藤 修爾 吉尾 弘 生垣 舜二 上野 了 毛利 和弘 出口 浩一
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.32, no.11, pp.1747-1761, 1986-11

札幌市における淋菌感染症120例について,症例の疫学的検討を行なうとともに,NFLXの淋菌感染症に対する基礎的,臨床的検討を行った.年齢分布は男女とも20代前半にピークを認めた.感染源は男子では10代はガールフレンド,pick-upなどの素人が70.6%を占め,女子では配偶者が50%,患者自身が特殊浴場従業女子であるものが50%であった.NFLXのN. gonorrhoeaeに対するMIC分布は,0.025 μg/mlにピークをもち,0.0125~3.13 μg/mlに分布した.penicillinase producing Neisseria gonorrhoeae (PPNG)は症例より分離したN. gonorrhoeae 104株中21株(20.2%)であったが,これらのNFLXに対するMICは18株(85.7%)が0.1 μg/ml以下に,3株(14.3%)が1.56~3.13 μg/mlに分布した.NFLX 200 mg経口投与後の血清中濃度は投与2時間後に平均0.72 μg/mlとピークに達し,尿道分泌中濃度は投与1時間後に平均0.5 μg/mlとピークに達した.NFLX 600 mg, 7日間経口投与による淋菌感染症に対する治療成績は,男子尿道炎における有効率が3日間投与で97.4%,7日間投与で93.1%であり,女子子宮頸管炎における有効率は3日間,7日間投与とも100%であり,本剤は淋菌感染症と対する化学療法剤として高い有効性が認められた.淋菌感染症におけるChlamydia trachomatid (C. trachomatis)感染の合併は,男子尿道炎で32.7%,女子子宮頸管炎で20%であり,これらの症例においてはNFLXによる治療後も陰性例よりも分泌物の残存率が高く,引き続きC. trachomatisに対する化学療法が必要と考えられた.NFLX投与による副作用は全く認められず,NFLXは安全に投与できる薬剤と考えられたWe studied the basic and clinical effects of norfloxacin (NFLX) in 120 patients with gonococcal infections (110 men with urethritis and 10 women with cervicitis)--all residents at Sapporo City; and epidemiologically analyzed the sources of their infections. The male patients were between 16 and 67 years old and the female patients were between 20 and 61 years old, with a peak in the early 20s both for sexes. 70.6% of the male patients in their 10s were infected from their girl friends or so-called pick-up friends and 50% of the female patients from their husbands. The other half of the female were workers serving at so-called special massage parlors. The minimum inhibitory concentration (MIC) of NFLX against N. gonorrhoeae distributed was 0.0125 approximately 3.13 micrograms/ml, with a peak at 0.025 micrograms/ml. NFLX inhibited 93.3% of the clinical strains of this species at less than 0.1 microgram/ml and 96.2% at less than 1 microgram/ml, where the inoculation was 10(6) CFU/ml. Twenty one (20.2%) of the 104 N. gonorrhoeae strains were penicillinase-producing one (PPNG). NFLX inhibited 18 of these PPNG (85.7%) at less than 0.1 microgram/ml and the other 3 strains at 1.56 approximately 3.13 micrograms/ml. Oral administration of 200 mg NFLX showed the average peak serum level of 0.72 micrograms/microliter in 2 hours and the average peak level in the urethral secretions of 0.5 micrograms/ml in one hour. These two concentrations of NFLX covered 95.2% of the MIC distribution against N. gonorrhoeae. The clinical efficacy of 600 mg NFLX (peros) was 97.4 and 93.1% for a 3-and 7-day treatment for male urethritis; and 100% for both 3-and 7-day treatment for female cervicitis. Complicated urethritis with C. trachomatis was noticed in 32.7% of the male urethritis and in 20% of the female cervicitis cases. Urethral secretions among about half of these patients were observed even after treatment with NFLX. As a subsequent treatment, another effective chemotherapeutic is required against C. trachomatis. No adverse reactions were detected with NFLX. All the above results demonstrate that NFLX is a highly effective and safe chemotherapeutic agent for treatment of gonorrhoea.
著者
溝口 匡人 関 和彦 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.93, no.255, pp.63-69, 1993-09-30
被引用文献数
6

TDMA通信において携帯機の高機能化をはかるため、バースト毎に周波数切替可能な周波数シンセサイザを低消費電力にて実現する一方法として交互開ループ動作型周波数シンセサイザを提案し、ホールド時の周波数誤差特性について理論的および実験的に解析を行った。提案回路は制御電圧保持回路を備えた2つのVCOに対し1つのPLL回路で交互に周波数設定を行うため、従来のピンポン動作型周波数シンセサイザに比べ30%の消費電力低減が可能である。解析結果から理論式は実験値と良く一致し、さらに、ディジタルコードレス電話システムにおいてフレーム誤り率の劣化を1%以下とするにはホールド回路のサンプル時間を5μs以上とすればよいことを明らかにした。
著者
加藤 修
出版者
千葉大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

この研究では、地域活性化ワークショップを大学の授業として取り入れ、学生に継続的な活動環境を確保することで、主体的に思考する機会と実践経験量を増やすことができた。それにより彼らは自己理解と他者理解、技術能力の向上とともに高い問題意識を持つように変化した。さらに2年目からの商店街との恊働による実践的課題との対峙、多世代間との交流によって、多角的思考力を身につけた。大学と地域の連携のあり方についても、両者にとってリアルな知識・文化・情報の接触領域として、街なかの「スタジオ」を創設し、その運営を継続している。
著者
原 耕平 河野 茂 門田 淳一 朝野 和典 平潟 洋一 前崎 繁文 中富 昌夫 浅井 貞宏 水兼 隆介 奥野 一裕 福島 喜代康 伊藤 直美 井上 祐一 小池 隆夫 大西 勝憲 大道 光秀 山田 玄 平賀 洋明 渡辺 彰 貫和 敏博 武内 健一 新妻 一直 柳瀬 賢次 友池 仁暢 中村 秀範 加藤 修一 佐田 誠 池田 英樹 板坂 美代子 荒川 正昭 和田 光一 原口 通比古 星野 重幸 五十嵐 謙一 嶋津 芳典 近 幸吉 瀬賀 弘行 関根 理 鈴木 康稔 青木 信樹 滝沢 敬夫 兼村 俊範 竹村 尚志 長尾 光修 濱島 吉男 坂本 芳雄 坂田 憲史 豊田 丈夫 大角 光彦 小林 宏行 河合 伸 酒寄 享 杉浦 宏詩 押谷 浩 島田 馨 佐野 靖之 荒井 康男 北條 貴子 小川 忠平 柴 孝也 吉田 正樹 岡田 和久 佐藤 哲夫 古田島 太 林 泉 宍戸 春美 松本 文夫 桜井 磐 小田切 繁樹 鈴木 周雄 綿貫 祐司 高橋 健一 吉池 保博 山本 俊幸 鈴木 幹三 下方 薫 川端 原 長谷川 好規 齋藤 英彦 酒井 秀造 西脇 敬祐 山本 雅史 小笠原 智彦 岩田 全充 斉藤 博 三木 文雄 成田 亘啓 三笠 桂一 二木 芳人 河端 聡 松島 敏春 副島 林造 澤江 義郎 高木 宏治 大泉 耕太郎 木下 正治 光武 良幸 川原 正士 竹田 圭介 永正 毅 宇都宮 嘉明 秋山 盛登司 真崎 宏則 渡辺 浩 那須 勝 橋本 敦郎 後藤 純 河野 宏 松倉 茂 平谷 一人 松本 亮 斎藤 厚 健山 正男 新里 敬 伊志嶺 朝彦 上地 博之 比嘉 太 仲本 敦 我謝 道弘 中島 光好
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.45, no.11, pp.901-922, 1997-11-25
参考文献数
20
被引用文献数
19
著者
加藤 修三 中瀬 博之 沢田 浩和 佐藤 勝善 原田 博司
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.108, no.188, pp.217-222, 2008-08-20
被引用文献数
5

本論文は現在IEEEにて進められているミリ波(60GHz)システムの標準化(IEEE802.15.3c)のアップデートするとともに、その超高速性(マルチGbps)を生かしたミリ波システムの新しい応用,Super Digital Home及びSuper Infbrmation Portalを提案する。これらは来るべき"次世代移動通信システム"の核の一つとなるであろう。

1 0 0 0 OA FBWからCCVへ

著者
加藤 修
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会誌 (ISSN:00214663)
巻号頁・発行日
vol.25, no.279, pp.162-166, 1977-04-05 (Released:2009-05-25)
参考文献数
10
著者
小六 幹夫 丹田 均 加藤 修爾 大西 茂樹 中嶋 久雄 南部 明民 新田 俊一 赤樫 圭吾 佐藤 嘉一 半澤 辰夫
出版者
泌尿器科紀要刊行会
雑誌
泌尿器科紀要 (ISSN:00181994)
巻号頁・発行日
vol.48, no.6, pp.333-336, 2002-06

男性性感染症(STD)患者248例のアンケート調査結果について検討した.感染源は約70%の症例が友人やPick up(いわゆるナンパ)など,金銭の授受を伴わない相手であった.症状出現までに性交渉をもった相手の数は2.8人で,症状出現前のピンポン感染により一般のの人々にSTDが拡大している可能性が考えられた.STDに罹患したことをパートナーに伝えると回答した比率は,59.4%で高い比率では無かった.過去1年間の性交相手は平均5.8人で,若年層ほど高い傾向にあった.コンドーム装着率は12.4%(92/234)ときわめて低かった.Oral sexの頻度は82.0%(192/234)と高率であった.以上から,若年層において,広いsexual networkを形成し,無防備な性交が行われていることが考えられたIn Japan, there has been a rapid increase in recent years in the incidence of sexually transmitted diseases (STD), particularly in teenagers and people in their twenties. To determine the factors causing this increase in STD, we carried out a questionnaire survey on the sexual behavior of Japanese males. The subjects were 248 male patients who were treated at our outpatient clinic. The results of the survey showed that 1) about 70% of the male patients were infected through sexual intercourse with partners who were not paid for such services; 2) the average number of partners in the past year was 5.8, and the average number of partners was highest for the teenage group and decreased with age; 3) only 29 (12.4%) of the 234 males used condoms; and 4) 192 (82.0%) of the 234 males received oral sex. The results of the survey suggest that a large "sexual network" has been formed among young Japanese people and that a large percentage of young Japanese people are engaged in unprotected sex.
著者
林 真樹 北出 崇 渡辺 昌俊 宮 和行 加藤 修 本間 光一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム
巻号頁・発行日
vol.97, no.134, pp.25-30, 1997-06-24
被引用文献数
11

筆者らは次世代移動通信システム(FPLMTS)に向けてW-CDMA/TDD方式に基づくシステムを提案し, 計算機シミュレーションおよび実験装置による特性評価を行ってきた. W-CDMA/TDDシステムでは, 上下回線の伝搬路の可逆性を活かして, 基地局における送受信スペースダイバーシチやオープンループ制御での送信電力制御を容易に実現することができる. 今回, 提案システムの新たな実験評価装置を開発しフェージングシミュレータを用いた室内実験を行い, 送信電力制御誤差, 平均BERはシミュレーション結果とよく一致することを確認した. 最大ドップラー周波数200[Hz]程度まで, 送受信スペースダイバーシチ, およびオープンループ送信電力制御が有効に機能し, 等2波レイリーフェージング環境下で平均Eb/No=3〜4[dB]で平均BER=10^<-3>を実現することを確認し, 提案システムの実用性を実証した.
著者
船田 龍平 Baykas Tuncer Sum Chin-Sean Wang Junyi Lei Ming Rahman Azizur 木村 亮太 西口 嘉紀 荘司 洋三 原田 博司 加藤 修三
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. RCS, 無線通信システム (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.518, pp.103-108, 2008-02-27
被引用文献数
1

マルチギガビット伝送を可能とする60GHz帯のミリ波PANシステムにおける主要なアプリケーションの一つとして,HDMI伝送等の数Gbpsの帯域を必要とするビデオストリーミングが有望視されている.このような高速かつ高品位な通信を行うためのフレーム設計においては,従来の無線LANのようなフレーム設計とは異なる手法が要求される.本稿では,高速且つ高品位な通信に適したミリ波WPAN用のフレームの設計手法を提案する.提案手法により,プリアンブル,ヘッダの誤りに起因したブロックノイズ,もしくはストリーミングの瞬断という問題に対処するため,60GHz帯WPANに求められる諸要件を考慮しつつ,プリアンブル,及びフレームヘッダをペイロードと同程度の簡易なアーキテクチャで,且つペイロード以上の良好な特性を有するように設計が行われる.また提案手法を用いて構築されたBeaconing・Signaling用の制御フレームと,データ通信用のフレームのフレーム構成にっいて述べ,特性評価を行うことにより提案フレーム構成の妥当性を確認している.
著者
牛込 三和子 笠井 秀子 松下 祥子 輪湖 史子 加藤 修一 川村 佐和子 長谷川 美津子 徳山 祥子 江澤 和江
出版者
(財)東京都医学研究機構
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

〔目的・方法〕近年、医療保険制度の改訂など在宅療養支援体制の拡充により、在宅看護対象者に人工呼吸器装着や酸素療法などを必要とする高度の呼吸障害を有する人々が増加している。慢性・進行性の呼吸障害を有する神経・筋疾患在宅療養者における呼吸障害の進行を非侵襲的測定方法によって把握し、換気療法など適切な医療処置の導入やその安全な実胞における看護活動での使用の有用性について検討した。対象は進行性筋ジストロフィ13例(デュシャンヌ型10例、福山型3例)、筋萎縮性側索硬化症10例で、病状進行にそって、長期的に経過を追って資料を収集、神経難病専門看護婦、神経専門医と討論し考察した。〔結果・考察〕1.呼吸障害の早期把握には、進行性筋ジストロフィにおいては、呼吸障害出現前からバイタルサイン、自覚症状観察に加えて換気量計(レスピロメトリ)を用いた1回換気量(TV)および努力換気量(MAX VC)測定、呼吸障害兆候出現が予測される時期からはPCF(peak cough flow)による咳嗽力評価、経皮血中酸素飽和度(パルスオキシメトリ)の夜間睡眠中終夜測定、経皮血中二酸化炭素分圧測定を定期的に行うことが有用である。筋萎縮性側索硬化症においては、病初期から自覚症状の観察と換気量計によるTV、MAX VC、呼吸障害初期徴候出現時期から夜間睡眠中終夜の経皮血中酸素飽和度(パルスオキシメトリ)および経皮血中二酸化炭素分圧の測定を定則的に行うことが有用である。在宅人工呼吸療法導入期看護プロトコールの基礎資料として提示した。2.人工換気補助療法実施者においては、さらなる呼吸障害の進行に伴う換気補助方法変更の判断指標として、経皮動脈血酸素飽和度および経皮血中二酸化炭素分圧測定を定期的に行うことが有用である。3.在宅看護では、測定結果を解釈し、診療計画や看護計画に反映するうえで、ケアチーム各員の相互共働と時間的余裕を見込んだ活動が不可欠である。また、療養者のセルフマネジメント能力を高めることへの支援が重要であり、今後の課題として取り組んでいる。
著者
木所 英昭 安木 茂 志村 健 加藤 修
出版者
水産総合研究センター
雑誌
水産総合研究センター研究報告 (ISSN:13469894)
巻号頁・発行日
no.14, pp.1-6, 2005-03 (Released:2011-03-05)

日本海で漁獲されるマアジTrachurus japonicusの多くは東シナ海で生まれ、対馬海峡を通って日本海に来遊する。本研究はその移入経路を明らかにする目的で行った。調査は、加入前のマアジの分布、および対馬暖流との関係を調べるために3隻の調査船によって中層トロールネットを用いて2002年5月下旬~6月上旬に実施した。中層トロール試験では、実施した48回の曳網中、42回の曳網(最大474個体、平均38.2個体)でマアジを採集した。各調査点で採集したマアジの平均尾叉長は28.3~54.2mm(平均40.2mm)であり、これまでの飼育個体の成長記録を基に4月から5月上旬に生まれたと判断した。沿岸分枝流域で加入前のマアジを多く採集したが、沖合分枝流域ではほとんど採集できなかった。この結果は多くのマアジは加入前に対馬暖流の沿岸分枝から日本海に来遊することを示している。