著者
藤戸 敏弘 藤原 洋志
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011-04-28

1.最小コスト木被覆問題・有向シュタイナー木問題・有向木被覆問題・b辺支配集合問題などのNP困難なグラフやネットワーク上での組合せ最適化問題に対し,新たに近似アルゴリズムを設計し,従来からの近似保証を改善した.2.侵入者と守衛の間で行われるグラフ護衛ゲームにおいて,最小の守衛数を求める問題に対し,従来手法を拡張し,侵入者が木上を移動する場合でもΘ(log n)倍以下で近似可能であることを示した.3.多状態スキーレンタル問題について,いかなるインスタンスに対し最適戦略をとっても,競合比はe/(e-1)より小さくできないことを示した.
著者
小原 洋 中井 信
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.59-67, 2004-02-05
被引用文献数
21

可給態リン酸は,定点調査実施期間において全国的に明瞭な増加を示した.地目別には,施設と茶園が非常に高いレベルにあり,水田と牧草地が低かった.土壌群別では,水田としての利用が多い土壌群と黒ボク土グループが低い含量を示し,樹園地や普通畑に多く使われている岩屑土,非黒ボク土グループの褐色森林土,赤色土,黄色土,褐色低地土,砂丘未熟土が高い含量を示した.地域的には,瀬戸内から中部地域で高い含量を示した.また,地域区分によると中部,東海地域が高い含量を示した.経年的には,地目別,土壌別,地域別などによる区分の多くで1巡目から3巡目までは明瞭な増加傾向が認められた.しかし,3巡目から4巡目には増加率が低いなど,減少傾向を示す区分が多く,水田を中心に可給態リン酸の増加傾向が鈍化していた.これには化成肥料のリン酸投入量にみられるようなリン酸施肥量の減少が貢献していた.改善目標値と比較すると,目標値以下の部分は水田や普通畑では改善されつつあるが,4巡目でもまだ2割程度は不足域にある.一方,目標値の適正域を超える地点は,水田・牧草地では少ないが,その他の地目では10〜78%程度とかなりの割合を占め,増加傾向にある.
著者
下田 吉之 高原 洋介 鳴海 大典 水野 稔
出版者
一般社団法人日本建築学会
雑誌
総合論文誌 (ISSN:13476548)
巻号頁・発行日
no.1, pp.93-99, 2003-02-20
参考文献数
7
被引用文献数
6

The energy flow that consists of inflow, conversion, consumption and discharge of energy is estimated for a central business district of Osaka City by summing up each building's energy flow. The estimated energy flow is evaluated from the viewpoint of environmental impacts such as heat island, global warming and local/global atmospheric environment. Changes of environmental impacts by various measures such as combined heat and power, energy saving of office equipments, insulation and river water source heat pump were also evaluated.
著者
川原 洋人
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-I, 情報・システム, I-コンピュータ (ISSN:09151915)
巻号頁・発行日
vol.78, no.7, pp.573-587, 1995-07-25
被引用文献数
2

コンピュータネットワークのルーティング方式の研究においては適応型ルーティングに比べ,固定ルーティング方式の研究は少ないが,実際のネットワークではその方法の簡易性から,固定ルーティングを用いているものが少なくない.固定ルーティングは,ノードやリンクの障害により,ルートが不通となったとき,他のルートに切り換える方法に問題がある.すなわち,多くの場合,固定ルーティングにおいては,パケットを送出するリンク(出方路と呼ぶ)が障害であることを検出したノードが,あらかじめ定められた優先順に従って,予備の出方路に切り換えることにより,ルートの切換えを行うが,ピンポン現象や,ループ現象などの誤ルーティングを起こすことがあり,完全ではない.本論文では,この問題を解決するために,ノード同士が情報を交換し,そのような現象の起こらないルート切換えを実現する分散アルゴリズムを与える.次に,障害が回復したときに,元のルートへ復元するアルゴリズムを与える.最後に,それらのアルゴリズムに基づく一連の操作が,複数同時に進行しても,誤ルーティングが起こらないことの証明を与える.
著者
相原 洋人 田中 信雄
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
Dynamics & Design Conference
巻号頁・発行日
vol.2007, pp."340-1"-"340-6", 2007-09-25

There have been a number of reports on active noise control (ANC). However, conventional ANC using a voice coil loudspeaker promises attenuation only at targeted local points. Then ANC using a parametric array loudspeaker as a control source is discussed. A parametric array loudspeaker exploits nonlinear interactions of finite amplitude ultrasounds in the air. Characteristics of a parametric array loudspeaker have already been reported by a number of researchers. However, there are few investigations of simulation or experimental result of ANC using a parametric array loudspeaker. This paper addresses control effect of feed forward ANC using a parametric speaker as a control source. The control effect is more than 20dB by ANC using a parametric array loudspeaker as a control source at 1000Hz. Distribution maps of sound pressure of ANC using a conventional speaker and a parametric speaker as a control source are shown by numerical analyses and experiments.
著者
齋藤 真木子 久保田 雅也 岩森 正男 榊原 洋一 市堰 浩 柳澤 正義
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1999

Zellweger症候群(ZS)をはじめとするペルオキシゾーム病ではペルオキシゾームが形成されないために様々な生化学的異常を呈するが、病態との関連は未だ解明されていない。病因遺伝子としてペルオキシゾーム形成に関わるPex遣伝子群が少なくとも13種同定されており、同じ遺伝子群の変異でも重症度の異なる病型-Infantile Refsum Disease(IRD), neonatal adrenoleukodystrophy(NALD)-が混在する。今回Pex2群に変異を有するZS, IRD患者由来線維芽細胞について脂質を抽出し正常対照線維芽細胞と組成を比較検討した。患者由来線維芽細胞ではa系列のガングリオシドの増加が著明であり、ガングリオシドGM3の増加や正常細胞に含まれないGM1やGDlaが免疫染色TLCによって検出された。また、モノクローナル抗体によるGM3組織免疫染色では患者由来細胞で細胞膜や細胞内に顆粒状にガングリオシドGM3が発現していた。これらの結果とこれまでPex2欠損CHO変異株Z65で解析した結果から、ペルオキシゾーム欠損が糖脂質代謝に影響を及ぼすことが明らかとなった。近年、糖脂質は細胞間情報伝達や細胞の増殖・分化誘導に関与することが知られており、ペルオキシゾーム欠損による糖脂質代謝変化と各臓器の形成障害との関連を明らかにすることが今後の課題である。
著者
西村 竜一 西原 洋平 鶴身玲典 李晃伸 猿渡 洋 鹿野 清宏
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告音声言語情報処理(SLP) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2003, no.14, pp.35-40, 2003-02-07
被引用文献数
6

生駒市北コミュニティセンターの音声情報案内システム「たけまるくん」を開発した.本システムでは,大語彙連続音声認識を利用した一問一答形式の音声対話により,同センターや生駒市に関する案内を行うことが可能である.実用化を目指した本システムは,2002年11月6日からセンター内に常設され,開館時は誰でも自由に愛嬌のあるエージェントとのコミュニケーションを楽しむことができる.また,システムの改良に必要な対話記録を実際の運用を通じて収集し,発話内容の書き起こし等のデータの整備もすすめている.本稿では,主に本システムの構成および発話音声データ収集の状況について報告する.また,成人による比較的クリーンな発話をテストセットにした本システムの評価実験を行い,84%の単語正解率と70%の応答正解率を確認した.We implemented a practical speech guidance system for public use. It is called ``Takemaru-kun'', and located daily at the entrance hall of Ikoma Community Center to inform visitors about the center and around Ikoma city via speech human-machine interface and funny animating agent of Takemaru. This system aims to promote a field test for robust speech recognition in practical environment, and to collect actual utterance data in the framework of human-machine speech dialogue. The system has been running everyday since November 6, and a large number of user utterances have been collected. Classification and transcription of the data is also undertaken. This paper reports the outline of this system and current status of the data collection. In a recognition experiment with extracted samples of adult voices, word accuracy of 84% and answer rate of 70% was obtained.
著者
大塚 紘雄 君和田 健二 上原 洋一
出版者
一般社団法人日本土壌肥料学会
雑誌
日本土壌肥料學雜誌 (ISSN:00290610)
巻号頁・発行日
vol.65, no.6, pp.629-636, 1994-12-05
被引用文献数
6

桜島噴火から噴出した新鮮火山灰に腐植の給源と思われるススキ,ササ,カシワの植物遺体を添加し,反応速度を高めるために加湿して培養し,腐植酸の生成過程を追跡した.さらに,腐植酸の生成に関して反応速度論的解析を試みた.結果を要約すると次のとおりである. 1)培養による植物遺体の色の変化は,新鮮火山灰・水添加区(新鮮火山灰+植物遺体+水)では,培養日数が増加するにしたがい,黄色から褐色,黒褐色へと変化した.植物遺体区(植物遺体+水)も黄色から,赤黄色を経て黒褐色に変化するが,その速度は新鮮火山灰水添加区より著しく遅かった.新鮮火山灰・水無添加区(新鮮火山灰区+植物遺体)では黒褐色にはならなかった. 2)新鮮火山灰・水添加区の色は,90℃,75℃,65℃の順に早く黒褐色に変化した. 3)90℃培養ススキの腐植酸の形態変化は,新鮮火山区では202日間でA型に達したが,植物遺体区(ススキ+水)ではB型にとどまった.75℃についても,同様なパターンがみられた. 4)ササの腐植酸への形態変化のパターンもススキの場合に類似し,培養の初期にΔlog K の大きな現象が起こった後に,RFの増加が始まった.しかし,カシワではΔlog K の現象変化が小さく,培養の初期からRFの増加が起こった.しかし,カシワにおいても,ススキ,ササと同様に,新鮮火山灰・水添加区ではA型の生成が早かった. 5)75℃培養区の微生物測定の結果,微生物の影響はほとんどないと判断した.したがって,ススキ,ササ,カシワの各植物遺体の腐植酸はすべて,(1)新鮮火山灰と水が存在する無菌的条件下で,培養温度が高いほど早くA型腐植酸を生成できること,(2)水が存在しないと,腐植酸の腐植化の程度は進行しないこと,(3)新鮮火山灰は腐植化の程度を進行させることが明らかとなった. 6)反応速度論的解析によって,ススキの新鮮火山灰区,35℃では約150年でRF80以上のA型腐植酸になることを推定した.ススキを有機物の給源とする土壌では,植物遺体中のA型腐植酸の基質量と反応速度が十分に大きく,活性化エネルギーはササよりも小さい.ススキはA型腐植酸が容易に生成できる条件を備えていることが明らかとなった.
著者
萩原 洋一 池田 論 中森 眞理雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション
巻号頁・発行日
vol.98, no.442, pp.57-64, 1998-12-04
被引用文献数
1 1

マージソートは時間計算量が0(n log n)(nはソートされるレコードの個数)であり高速であるが, 内部ソートとして実行する場合, 作業場所として大きさnの配列を要するのが欠点であるとされている.本論文では, 作業場所として数語だけを要するマージソートを提案する.新しいマージソートの時間計算量は0(n log^2 n)であり, 従来のアルゴリズムより悪いが, これは作業場所とのトレードオフの結果である.
著者
小澤 正直 神保 雅一 松原 洋 西村 治道 浜田 充 ブシェーミ フランチェスコ
出版者
名古屋大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2009-04-01

量子測定理論と量子集合論を軸に量子計算量理論と量子符号理論に新しい数学的方法を開発した.本研究代表者が確立した小澤の不等式と呼ばれる普遍的な不確定性原理の研究を発展させ,世界で初めて測定誤差と擾乱に関するハイゼンベルクの不等式の不成立を実験的に観測し,小澤の不等式の成立を確認した.また,量子計算の実現に伴う様々なモデルに対して,計算量,デコーヒーレンス,必要な物理的リソースなどを明らかにした.更に,誤差を回避するための新しい符号化法を開発した.これらの成果により,量子情報技術の開発,関連産業,文化などにも幅広いインパクトを与えた.
著者
安原 洋 小見山 高士 新本 春夫 布川 雅雄 重松 宏 久保 淑幸 畠山 卓弥 大城 秀巳
出版者
東京大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

再潅流障害における微小血管透過性の亢進と浮腫発生は局所の障害程度を推定するうえで重要なパラメータのひとつとなる.一方,四肢や腸などの重症虚血障害成立には微小循環下での組織の全血流量よりも血流の組織内分布がより大きな役割を演じていることが知られている.今回,われわれは再潅流障害の重症度を推定するパラメータとして,微小循環における浮腫発生部位の血流分布測定の有用性を実験的に検討した.微小循環モデルとしてはhamster cheek pouchを用い,生体顕微鏡下でpostcapillary venulesのアルブミン透過性を観察した.血管透過性は血管周囲に漏出した標識アルブミンの発する蛍光輝度で測定した.再潅流障害の発生はpostcapillary venules内腔における内皮細胞への好中球の付着をもって確認した.再潅流障害の発生が確認されたぶいでは透過性亢進血管が有意に不均一な分布をすることが観察され,生体顕微鏡を用いた微小循環の浮腫分布パターン解析が組織障害推定の有用なパラメータとなりうることが示唆された.
著者
藤原 洋志
出版者
豊橋技術科学大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究では効用関数の考え方を応用したオンライン最適化問題を考察する。ミクロ経済学では、次元の異なる量を組み合わせて効用関数が定義されている。しかし、アルゴリズムの性能評価尺度としてはほとんど使われてこなかった。我々は、制約条件として扱われていたものを目的関数に取り入れたり、性能評価尺度の期待値を目的関数としたりして問題再設定を行う。結果、一方向通貨交換問題に対しては、どのような効用関数の設定をするかに依存して最適戦略が大きく変わってくることを実証できた。また、オンライン・オフライン混合ジョブスケジューリング問題に対しては実用的かつ頑強なアルゴリズムが得られた。
著者
兵藤 友博 梶 雅範 岡本 正志 中村 邦光 松原 洋子 永田 英治 東 徹 杉山 滋郎 高橋 哲郎
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2000

本研究の目的は基本的に、2003年度から始まる、高等学校の理科教育への科学史の本格的導入にあたって、これまでの科学史の成果をどのようにしたら生かせるかにあるが、その研究成果報告書の概要は以下の通りである。第一に、科学史研究関連の文献・資料の調査・調達をおこなうと共に、科学史教育の意味について論じた先行研究の分析を行ない、それらの中から高等学校の理科教育に適用しうるタイトルをピックアップし整理した。第二に、高等学校の理科教育における科学史の導入、その教材化の望ましいあり方について検討すると共に、個別教材の位置づけを検討し、それらの構成のあり方、理科教育における科学史教育の目標などについて検討した、より具体的にいえば、科学的発見の歴史的道筋、科学的認識の継承・発展のあり方・科学法則・概念の形成の実際、科学実験・観測手段のあり様とその時代的制約、あるいは理論的考察や実験、観察に見られる手法、またそれらの理科学習への導入のあり方について、個別的かつ包括的な検討をおこなった。また、個別科学史教材に関わって、科学の方法の果たした役割、科学思想との関連などについて検討した。第三に、その上で、新科目「理科基礎」を含む高等学校の理科教育を射程に入れた科学史の教材化の開発研究をおこなった。具体的には、物理学史系、化学史系、生物学史系、天文学史。地学史系の個別科学史分野別にトピック項目を設定し、ケース・スタディ的にその具体化をおこなった。本研究プロジェクトが掲げた当初の目標を達成した。これらの成果について、最終的に冊子として印刷し、広くその成果を普及することにしている。
著者
清原 洋一
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育学会年会物理教育研究大会予稿集
巻号頁・発行日
no.24, pp.10-11, 2007-08-18

中央教育審議会の教育課程部会理科専門部会において,これからの理科教育の今後の改善の方向性について,審議が続けられてきた。以下は,平成18年8月11日の理科専門部会から教育課程部会への報告の概要である。その後,教育基本法,さらに学校教育法等の改正を受けての中央教育審議会教育課程部会等の動向を踏まえながら理科教育課程改善の方向性について話す予定である。