著者
野崎 浩平 福井 淑郎 柴田 正義 田中 英光 松田 侑子 吉本 尚永 塚田 晃司
雑誌
情報処理学会研究報告グループウェアとネットワークサービス(GN)
巻号頁・発行日
vol.2007, no.6(2007-GN-062), pp.185-190, 2007-01-26

日本は,地理的,地質的,気候的な条件から自然災害が発生しやすい.そこで,携帯端末を用いた歩行者誘導システムを,災害時における住民の誘導に応用しようという研究がある.しかし,平常時とは異なり,災害発生時には複数の地点が通行できなくなる可能性がある.そのようなとき,適切な避難経路を再設定するためには,周辺の通行不可能な地点を把握することが必要である.本研究では,より迅速な情報収集を目指し,住民が携行する携帯端末を通じて,災害発生地点を目にした住民から直接の情報提供を受けるという手法を提案,この手法を用いた動的な避難誘導システムを提案した.
著者
福井 敬介 吉本 勲 黒田 勇二 北川 博之 伊藤 昌春
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科學會雜誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.51, no.2, pp.73-76, 1999
参考文献数
3

We reported a case of successful pregnancy after laparoscopic tubal anastomosis for reversal of sterilization. The operating procedure consisted of 3 main steps. Firstly, adhesiolysis surrounding the fallopian tube was performed. Secondly, normal mucosa of the tube was identified due to discharge of Methylene Blue, and the occluded portion was removed with scissors. Finally, end to end anastomosis of the mucosa was performed by 4 stitch suturing with 5-0 vicryl, placed at the 6, 9, 12 and 3 O'clock sites. The patient became pregnant 6 months after the laparoscopic operation, but was diagnosed with a left tubal pregnancy.
著者
吉本 早苗
出版者
日本基礎心理学会
雑誌
基礎心理学研究 (ISSN:02877651)
巻号頁・発行日
pp.36.1, (Released:2017-05-11)
参考文献数
74

Time-varying patterns such as flickering lights can cause discomfort and induce seizures in photosensitive observers. An understanding of the temporal characteristics of visual discomfort is therefore important from both scientific and practical viewpoints. The purpose of this paper is to review existing studies on the impact of temporal characteristics on discomfort. Two related factors have been suggested as predictors of discomfort caused by time-varying patterns: (1) excessive contrast energy at the medium temporal frequencies to which the visual system is generally most sensitive, and (2) temporal deviations from the natural (1/f) statistical characteristic. These effects mirror the visual discomfort caused by spatial patterns, in some ways but not all. The interaction between spatial and temporal parameters needs to be investigated to clarify the factors underlying visual discomfort.
著者
吉本 充宏 藤井 敏嗣 新堀 賢志 金野 慎 中田 節也 井口 正人
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
JpGU-AGU Joint Meeting 2017
巻号頁・発行日
2017-03-10

富士山周辺の市町村では、火山防災行政担当者は2〜3年で異動する。これらの担当者は、異動当初の数日の引き継ぎのみで、基礎的な知識等については、火山防災パンフレットや短時間の講演会を聴講するのみである。そのため、知識の伝達や対策の継続性がしばしば滞ることがある。これまでも研修会や図上訓練などを実施することにより、火山防災担当者のスキルを向上させる試みは数多く行われているが、効果が上がっていない場合も多い。図上訓練の効果を上げるには、さまざまな個々の火山や火山防災特有の知識を必要とするが、それらを簡単に提供できる仕組みもない。本研究では、行政担当者が、継続的に知識を取得し、共通課題を共有し、地元の火山噴火に的確に対応できる人材育成を目指した研修プログラムを構築することを目的とする。関係機関へのヒアリングを基に研修プログラム案を作成し、平成29年1月に試験的に研修会を実施した。プログラムの内容は火山噴火や災害の基礎知識、実際の噴火災害対応に関する知識、現行の富士山火山広域避難計画を学び、それらを振り返るための演習(図上訓練)で、実施時間は半日、他の業務と連携して行えるように富士山火山防災会議協議会山梨県コアグループ会議に合わせて開催した。研修会の運営はNPO法人火山防災機構に依頼し、研修会には、オブザーバーを含め50名が参加した。演習としては、「噴火警戒レベルに応じて実施する対策」と題してワールドカフェ形式の図上訓練を行い、最後に全体討論会として班毎の発表と講評、アンケートを実施した。 アンケートの結果、総じて定期的な火山防災研修を望む声が多く、年に1~2回程度実施し、2回の場合は担当者が新規に入れ替わる4月と秋頃に各1回程度、火山防災協議会開催時と同時期に行うのが望ましいとの情報が得られた。開催時間は演習100分程度を含め半日程度が望ましく、内容としては今回実施した内容に加えて「火山防災情報」や「住民等への広報」等の内容が必要とされる。運営面では、別途予算の確保は必要となるが、持続的に実施する場合においては担当者が変わらない民間事業者等の支援を受けることも有効だと考えられる。 本研究は、東京大学地震研究所と京都大学防災研究所の拠点間連携共同研究によって行われたものである。
著者
吉本 浩
出版者
日本鱗翅学会
雑誌
蝶と蛾 (ISSN:00240974)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.27-30, 1994-03-30

Nagadeba indecoralis Walker, [1866], is recorded from Japan for the first time based on a female specimen secured at Ishigaki-jima I., the Ryukyus. The male and female genitalia of this species are figured and described, and type specimens of N. indecoralis and N. ianthina Swinhoe, 1890, a junior synonym of indecoralis, are illustrated.
著者
藤根 久 遠藤 邦彦 鈴木 正章 吉本 充宏 鈴木 茂 中村 賢太郎 伊藤 茂 山形 秀樹 Lomtatidze Zaur 横田 彰宏 千葉 達朗 小杉 康
出版者
日本第四紀学会
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.55, no.6, pp.253-270, 2016-12-01 (Released:2017-01-12)
参考文献数
46
被引用文献数
3

有珠火山の南麓には善光寺岩屑なだれ堆積物(Zd)が多数の流れ山をなして分布する.Zdは従来,9kaから6kaに発生した有珠山外輪山の崩壊によるとされてきた.海岸の近くの岩屑なだれの流れ山に囲まれた標高約4.5mの低地においてボーリングコアを2本採取し,その層序,年代,堆積環境,植生変遷を検討した.両コアはほぼ岩相が同様で,標高+2~-6mにわたり連続的に泥炭層および有機質シルト・粘土層が見られた.AMS法による14C年代測定の結果,最下部の有機質シルト・粘土層から20calkaBP頃の年代が得られた.泥炭層下部には15calkaBP頃に濁川カルデラから飛来した濁川テフラ(Ng)が,泥炭層中部には駒ヶ岳から6.6calkaBPに飛来した駒ヶ岳gテフラ(Ko-g)が,同上部には白頭山苫小牧火山灰(B-Tm)などのテフラが認められた.コアの基底には洞爺火砕流堆積物(Toya(pfl))と同質の軽石に富む軽石質火山灰層が捉えられた.珪藻化石は,20~10calkaBPに湖沼~沼沢湿地が継続し,10calkaBP頃に沼沢湿地に移行し,以後0.4calkaBPまで継続したことを示し,先行研究で明らかにされている最終氷期から完新世にかけての北海道の植生変遷と矛盾しない.花粉化石は,20~15calkaBPに亜寒帯性針葉樹林が卓越し,15calkaBP頃からカバノキ属が増大する移行期を挟み,10calkaBP頃に温帯落葉広葉樹林へと推移したことを示した.以上から,2本のコアの泥炭層および有機質シルト・粘土層は,Zdの岩屑なだれで閉塞された凹地に形成された湖沼~沼沢湿地の堆積物で,岩屑なだれの発生は20calkaBPのLGM(最終氷期最寒冷期)の頃である可能性が極めて強い.また,有珠外輪山の活動は20calkaBPより以前に始まって山体を形成していたことになる.
著者
吉本 圭一 亀野 淳 稲永 由紀 塚原 修一 村澤 昌崇 椿 明美 藤墳 智一 江藤 智佐子 酒井 佳世 木村 拓也 志田 秀史 三好 登 川俣 美砂子 飯吉 弘子 濱中 義隆 新谷 康浩 伊藤 一統 松高 政 坂野 慎二 長谷川 祐介 沼口 博 内田 由理子 安部 恵美子 渡辺 達雄 永田 萬享 飯田 直弘 舘 昭 小方 直幸 伊藤 友子 立石 和子 有本 章 赤司 泰義 秋永 雄一 佐藤 弘毅 杉本 和弘 竹熊 尚夫 ジョイス 幸子 吉川 裕美子 菅野 国弘 TEICHER Ulrich LE MOUILLOUR Isabelle SCHOMBURG Harald 石 偉平
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2013-04-01

本研究は、ユニバーサル化した第三段階教育システムを対象とし、大学型・非大学型の教育プログラム単位での機能的分化と質保証のあり方を探究した。教育の目的・方法・統制の観点で、学術型とキャリア・職業型の教育を実証的に把握した。(1)共同IR型卒業生調査から学修成果の修得と活用、コンピテンシーの必要と修得という2つのベクトルがみられた。(2)非大学型教員調査の結果から機関の職業・地域志向性と個人の研究志向性との葛藤がみられた。(3)WILなどカリキュラム調査から教育高度化と内外ステークホルダー関与の方向性について、分野別の特徴を把握した。(4)国家学位資格枠組(NQF)から日本への示唆が得られた。
著者
中島 古史郎 吉本 国春
出版者
社団法人空気調和・衛生工学会
雑誌
空気調和・衛生工学会論文集 (ISSN:0385275X)
巻号頁・発行日
no.142, pp.39-46, 2009-01-05

雨水の有効利用を図るため、廃木材からのリサイクル資材である高品位炭を使用して、戸建住宅の雨樋で集めた雨水を浄化する研究を行った。1年3ヶ月もの間、高品位炭の交換をせず実験を継続した結果、1時間滞留によって、COD4.0〜0.5mg/Lの水質の雨水が、COD2.8〜0.5mg/L程度まで除去された。実用を想定して浄化装置を秋の1ヶ月間、冬から初夏までの5ヶ月間、そして夏の1ヶ月半、計3回停止した後再開させたが、浄化能力は継続して認められた。従って、貯留雨水は、高品位炭によって有機汚濁物質・細菌類等を実用上様々な利用が可能なレベルの水質まで浄化出来る事、また高品位炭によるCODの水質浄化機構は、吸着作用と微生物浄化作用の相乗効果である事が推察された。
著者
齋藤 嘉夫 西尾 謙三 吉本 則之 墻内 千尋
出版者
日本物理教育学会
雑誌
物理教育 (ISSN:03856992)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.187-192, 2003
被引用文献数
1

水滴発電器のメカニズムを理論的に明らかにした。水滴発電器を開発し,その理論を実証した。誘導電極の上にノズルがある場合の発電電圧は9kVを越えた。水滴浮遊の原因は誘導電極の電場による引力であることを実証した。それを避けるためにノズルを誘導電極の下に配置し,発電電圧を16kVまで上昇させることができた。水滴発電器の発電開始の原因が空気中のイオンであることが議論された。
著者
森下 志子 森下 一樹 森田 正治 宮崎 至恵 甲斐 悟 中原 雅美 渡利 一生 松崎 秀隆 吉本 龍司 村上 茂雄 千住 秀明 高橋 精一郎
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2004, pp.D1179-D1179, 2005

【はじめに】シャトルウォーキングテスト(SWT)は慢性呼吸不全患者(COPD)を対象に開発された運動負荷試験である。そのプロトコルは標準化されており,その結果から運動処方を具体的に行うことが可能であるという特徴がある。健常者に用いられる運動負荷試験として20mシャトルランニングテストがあるが,元来,スポーツ選手の全身持久力を評価するために開発されたため,最初のステージで,予測最大酸素摂取量が24.5 ml/kg/minと設定されており,運動負荷が大きいという問題点を抱えている。SWTはCOPDを対象に開発されたものであるため,プロトコルが緩やかであり,走行困難な者でも実施可能である。しかし,SWTでの運動負荷の予測式はCOPDを対象としたものであり,健常者には当てはまらない。そこで本研究では健常者を対象にSWT中の酸素摂取量を測定し,その結果から予測式を算出することを目的とした。<BR>【対象】長崎県I町在住で,町が主催する健康教室へ参加した整形外科的疾患のない25名を対象とした。年齢は26~78(平均54.17±17.76)歳,男性5名,女性20名であった。<BR>【方法】測定は,身長,体重,握力,SWT歩行距離および運動終了時の実測酸素摂取量(実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>)を実施した。SWTは標準プロトコルに従って測定し,酸素摂取量は携帯型呼気ガス分析装置(MetaMax2,CORTEX)を用い,ブレスバイブレス方式で記録した。呼気ガス分析より得られた実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>とSWT歩行距離の関係を検討するために単回帰分析を用いて予測式を作成した。<BR>【結果】実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>とSWT歩行距離との関係は,実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>=0.030×SWT歩行距離+7.397(R<SUP>2</SUP>=0.841、p<0.01)となり,高い相関関係が認められた。実測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>の予測式を作成する上で,年齢その他の要因の関与は認めなかった。SWTプロトコルにおいて,上記予測式を基にした各レベルの予測peakV(dot)O<SUB>2</SUB>は,レベル1では7.697~8.297ml/kg/min,レベル2では8.597~9.497 ml/kg/minとなり,最高レベルであるレベル12では34.097~37.997 ml/kg/minと算出された。<BR>【考察】上記予測式の結果をMETsに換算すると,レベル1~12は2.1METs~10.9METsとなる。これをトレッドミルでの運動負荷試験として広く利用されているBruceプロトコルと比較すると,最大のレベルは3~4段階程度に相当する。Bruceプロトコルは,運動強度の増加が段階ごとに2~3METsと比較的大きく,日常的にトレーニングを行っていないものでも3段階までは到達可能である。今回の結果により,SWTでの運動負荷は,日常的にトレーニングを行っていない健常者に対する最適な運動負荷量を設定できるものと考える。