著者
吉田 邦彦
出版者
日本私法学会
雑誌
私法 (ISSN:03873315)
巻号頁・発行日
vol.1986, no.48, pp.193-201, 1986-08-30 (Released:2012-02-07)
著者
稲垣 優 田辺 俊介 吉田 亮介 有木 則文 常光 洋輔 大塚 眞哉 三好 和也 大崎 俊英 淵本 定儀 湯村 正仁 堀 圭介 友田 純
出版者
一般社団法人 日本肝臓学会
雑誌
肝臓 (ISSN:04514203)
巻号頁・発行日
vol.46, no.11, pp.653-657, 2005 (Released:2006-11-24)
参考文献数
9
被引用文献数
2 2

患者は67歳女性. 主訴は呼吸困難. C型肝硬変症にて当院内科にて治療中, 胸腹水貯留にて入院. 胸水に対し胸腔ドレーンを挿入したが, 1.5l/dayの胸水を認め, ドレーンクランプにて呼吸困難を生じ, 胸水コントロールのため, 当科紹介となった. Child-Pugh score9点Bであった. CTにて右胸腔内に著明な胸水貯留を認め, 肺実質は虚脱していたが, 腹水は少量であった. 以上より, 胸腔静脈シャントの手術を行った. 手術は腹腔静脈シャント用のDenver shuntシステムを用いた. 術後経過は当初300回/dayでポンプを押していたが, 胸水の改善が見られず, 回数を増やすと共に胸水穿刺を適時行うことにより, 胸腔内で肺の再膨張が見られるようになり, 患者の呼吸状態も改善し, 現在ポンプのみにて平衡状態が保たれている. 末期肝硬変患者で腹水が少量で, 難治性胸水を認める症例では積極的に胸腔静脈シャントを留置することにより, 患者の状態が改善できると考えられた.
著者
木村 優輝 木宮 隆 吉田 周平 伊藤 瑞姫 保科 由智恵 西川 正純
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
pp.NSKKK-D-23-00005, (Released:2023-06-14)

食用ウニ類は外観から生殖巣重量や生殖巣指数を予測することが困難である.本研究では,青果物の内部品質の非破壊評価に広く用いられている透過方式の近赤外分光装置を用いて,キタムラサキウニ(Strongylocentrotus nudus)の生殖巣重量および生殖巣指数の評価手法の開発を試みた.試料は,2021年および2022年に宮城県石巻市または女川町で水揚げされたキタムラサキウニ216個体を用いた.得られた近赤外吸収スペクトルを主成分分析で解析したところ,2次微分処理を行ったスペクトルの第1主成分の寄与率は90 %であり,そのローディングベクトルでは,主に脂質の吸収帯である930 nm付近に負のピークが観察された.また,Partial Least Squares回帰分析を行った結果,2次微分スペクトルを用いた生殖巣重量の検量モデルの評価結果は,因子数4,相関係数0.78,標準誤差4.4 gであった.同様に生殖巣指数では,因子数4,相関係数0.76,標準誤差4.6 g/100 gであった.これらの結果から,生殖巣重量および生殖巣指数を非破壊・非接触的に評価できることが示唆され,これは生殖巣の脂質が検知されることによるものと考えられた.本手法を用いた非破壊評価システムの構築により,天然については身入りの良好な個体を出荷し,身入りの悪い個体は海に放流あるいは養殖に向ける等,新たな判断基準として活用することができる.
著者
村宮 悠介 氏原 温 大路 樹生 吉田 英一
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.126, no.7, pp.355-363, 2020-07-15 (Released:2020-10-15)
参考文献数
40
被引用文献数
1 1

愛知県知多半島の南部には,前期中新世の深海底に堆積した師崎層群が広く分布している.師崎層群は,古くから地質構造および化石群集に関する調査・研究が行われてきた.とくに,師崎層群から産出する深海性の化石群集は,極めて保存状態が良いことで知られており,師崎層群は過去の深海性生物群集を垣間見ることができる重要な地層である.これらの化石群集については,現在も研究が進行中である.また近年には,師崎層群から大小の球状炭酸塩コンクリーションの産出と記載が報告され,深海堆積物中での急速な球状炭酸塩コンクリーションの形成に関する新たな知見が得られつつある.本巡検では,師崎層群から産出する球状炭酸塩コンクリーションおよび化石群集について,形成プロセスや産状などを紹介する.
著者
村宮 悠介 吉田 英一 山本 鋼志 南 雅代
出版者
一般社団法人 日本地質学会
雑誌
地質学雑誌 (ISSN:00167630)
巻号頁・発行日
vol.123, no.11, pp.939-952, 2017-11-15 (Released:2018-02-23)
参考文献数
28
被引用文献数
4 4

球状炭酸塩コンクリーションは,世界各地の様々な地質時代の海成層から普遍的に産するが,その形成過程はいまだ完全には理解されていない.本研究では,愛知県知多半島の先端部に分布する中新統師崎層群下部豊浜累層中にみられる長径約1.5mの巨大ドロマイト質コンクリーションについて,その形成過程を明らかにすることを目的に,堆積学的および地球化学的な種々の観察・分析を行った.その結果,埋没深度数百mに達するまでのごく初期続成過程においてメートルサイズの巨大なコンクリーションが形成することが示された.その形成時間は数十年と見積もられ,これまで考えられていた巨大炭酸塩コンクリーションの形成速度よりもはるかに速いものである.
著者
武永 美津子 平井 愛山 寺野 隆 田村 泰 北川 晴雄 吉田 尚
出版者
一般社団法人 日本動脈硬化学会
雑誌
動脈硬化 (ISSN:03862682)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.825-829, 1985-10-01 (Released:2011-09-21)
参考文献数
15
被引用文献数
1

Arachidonic acid (AA) is well known to be metabolized to thromboxane (TX) A2, 12-hydroxyheptadecatrienoic acid (HHT) and 12-hydroxyeicosatetraenoic acid (12-HETE) in platelets. Prostaglandin endoperoxides and TXA2 are known to be potent aggregating agents. On the otherr hand, the labile 12-lipoxygenase metabolite, 12-hydroperoxyeicosatetraenoic acid (12-HPETE) has been reported to have a rather anti-aggregating action.It has been reported that eicosapentaenoic acid (EPA) has a potent inhibitory effect on platelet aggregation. TXA3 produced from EPA is nonaggregating agent. Although major metabolites of EPA in platelets is said to be those of 12-lipoxygenase pathway, the effect of them has not been clearly elucidated yet. So, we examined the effect of 12-lipoxygenase metabolites of EPA on platelet function and compared them with those of AA.Both of the labile 12-lipoxygenase metabolites, 12-HPETE and 12-hydroperoxyeicosapentaenoic acid (12-HPEPE) suppressed dose-dependently platelet aggregation and release of 5-hydroxytryptamine (5-HT) induced by collagen and AA, while 12-HETE and 12-hydroxyeicosapentaenoic acid (12-HEPE) had no such effects. The inhibitory effects of these 12-hydroperoxy compounds on platelet aggregation and release reaction seem to be almost equipotent. However, 5- and 15-hydroperoxy isomers were less potent in inhibiting aggregation.These results may indicate that 12-HPETE and 12-HPEPE have a potent anti-aggregatory activity and may play a role in regulating platelet aggregability.
著者
新村 直子 田島 敬之 齋藤 義信 於 タオ 吉田 奈都子 阿部 由紀子 新井 康通 小熊 祐子
出版者
日本運動疫学会
雑誌
運動疫学研究 (ISSN:13475827)
巻号頁・発行日
pp.2205, (Released:2023-04-21)

目的:85–89歳の地域在住高齢者の座位行動を客観的に評価し,テレビ視聴時間を含む関連要因について多面的に検討する。 方法:The Kawasaki Aging and Wellbeing Project(KAWP)のベースライン(2017–18年)調査の参加者1,026名に連続7日間の加速度計装着を依頼し,有効データ914名(女性473名)の座位行動を客観的に評価した。重回帰分析を男女別に行い,座位行動との関連要因を3領域(身体状況,社会経済状況,生活習慣)の24因子と年齢,計25因子から検討した。 結果:総座位時間・装着時間に占める座位時間の割合は男性1日平均(標準偏差)9.4(1.9)時間・67%,女性8.6(1.8)時間・59%と男性が女性より長く座っており,30分以上継続する座位時間の割合も女性より高かった。重回帰分析により座位行動と関連が認められた要因は,関連が強い順に,男性ではテレビ視聴時間・BMI(正),家事時間・園芸スコア・運動時間・歩行速度・握力・ADL(負),女性ではBMI・テレビ視聴時間(正),家事時間・睡眠時間・運動時間・ADL・外出スコア(負)であった。 結論:80歳台後半の地域在住高齢者の座位行動にはテレビ視聴以外に,BMI・歩行速度・握力・ADLなどの身体状況要因,家事・園芸・運動・睡眠・外出などの生活習慣要因が多面的に関連していた。
著者
細見 亮太 新井 博文 安永 亜花里 矢萩 大嗣 安武 俊一 吉田 宗弘 福永 健治
出版者
日本健康医学会
雑誌
日本健康医学会雑誌 (ISSN:13430025)
巻号頁・発行日
vol.30, no.1, pp.76-82, 2021-04-30 (Released:2021-08-01)
参考文献数
22

北海道北見市常呂町で生産されているニンニク‘北海道在来’(ピンクニンニク)の生理機能の一つとしてアテローム性動脈硬化症抑制効果を動物実験により評価した。4週齢雄性アポリポプロテインE(ApoE)欠損マウスに高脂肪餌料(HF),HF餌料にさらにコレステロールを添加した高コレステロール餌料(HC),HC餌料にピンクニンニク粉末を5%(w/w)添加したニンニク餌料(HC-G)をそれぞれ自由摂取で与えた。飼育13週間後,常法により解剖を行い,血清および心臓を採取した。また解剖前に各マウスの1日分の糞を採取した。血清および糞の脂質濃度の分析,加えて心臓大動脈弁の脂肪沈着をOil Red O染色で評価した。HC-G群はHC群と比べ,血清総コレステロール濃度の低下,大動脈弁の脂肪沈着の抑制,糞への中性ステロール排泄量の増加が見られた。HC-G群では盲腸重量および1日に排泄される糞重量が増加したことから,ピンクニンニク粉末に含まれる食物繊維の作用により糞への中性ステロール排泄量が増加したと考えられる。これらの結果から,ピンクニンニクの摂取は,血清脂質の改善によって,アテローム性動脈硬化症の進行を抑制することが示唆された。
著者
藤田 裕嗣 吉田 剛 高橋 清吾 鈴木 康之 宇根 寛 牛垣 雄矢 安藤 哲郎 深瀬 浩三 宮里 修 上島 智史 堀 健彦 仁木 宏 山元 貴継 塚本 章宏
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

歴史地理学研究で取り上げられた地図・絵図資料の中には地震・水害など、災害に関わる古地図も多数含まれるが、現在の地図情報には反映されておらず、実際の対策に活かされてきたとは言い難い。そこで本研究課題は、地域中心として機能し続けた城下町に特に注目し、全国各地に残る過去の古地図情報をGISデータ化し、それらをデジタル地図情報に反映させて、防災・災害復興に向けた歴史災害情報をデータベース化し、情報発信することで各地の防災・災害復興への寄与を目指す。2022年度の高校教育「地理総合」必修化も念頭に置き、中等教育に貢献できる歴史災害GISコンテンツの提供も視野に入れる。
著者
寺本 渉 吉田 和博 日高 聡太 浅井 暢子 行場 次朗 坂本 修一 岩谷 幸雄 鈴木 陽一
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第8回大会
巻号頁・発行日
pp.37, 2010 (Released:2010-09-01)

背景的・空間的な「場」の本物らしさに関係する臨場感はよく取り上げられるが、場面の印象にとって重要な前景的要素(対象や事象など)の本物らしさを表す感性については検討されていない。本研究では,この前景的要素の本物らしさに対応する感性を「迫真性」と定義し,臨場感との比較を通じて,その時空間特性を検討した。まず,「鹿威し」がある庭園風景を素材とし、その提示視野角と背景音の音圧レベルを操作した。その結果、臨場感は視野角も音圧も大きいほど高まるが,迫真性は視野角が中程度,背景音が実物と同じ場合に最も高くなることがわかった。次に,鹿威しの打叩映像と打叩音の時間ずれを操作した結果,臨場感は音が映像に先行しても高く維持されるのに対し,迫真性は音が映像に対して遅れても維持された。以上の結果は,臨場感と迫真性は異なる時空間情報によって創出される独立した感性であることを示唆する。
著者
内田 晴久 吉田 加奈 菅 幹雄
出版者
一般社団法人 水素エネルギー協会
雑誌
水素エネルギーシステム (ISSN:13416995)
巻号頁・発行日
vol.23, no.1, pp.29-34, 1998 (Released:2022-07-21)

As an example of estimating the environmental impact of hydrogen energy system, we calculated the emission of CO2 at hydrogen production and at transportation through gas pipelines. The emission was estimated using environmental I/O table. The CO2 emission depend strongly on the kind of primary energy. For the energy transportation, less emission was obtained in case of long distance transportation using tubes inadequate diameters than electric power transportation for the same amount of energy.
著者
石橋 みゆき 吉田 千文 雨宮 有子 木暮 みどり 樋口 キエ子
出版者
日本保健医療福祉連携教育学会
雑誌
日本保健医療福祉連携教育学会学術誌・保健医療福祉連携 (ISSN:18836380)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.19-28, 2017 (Released:2019-09-26)
参考文献数
17

【目的】退院支援過程における退院調整看護師(以下DCN)とソーシャルワーカー(以下SW)が用いる,それぞれの職種に特有な専門性を反映した技術の性質や特徴を明らかとする。 【方法】同一施設で働くDCNとSW5組10名を対象に退院支援実践について半構造化面接を実施し,その内容を質的帰納的に分析した。 【結果】DCNとSWの退院支援の意図は共通であっても,家族支援,目標設定や課題のアセスメント,他職種との協働,院内の退院支援の質向上への働きかけ等において,用いる技術に専門性を反映した特徴や性質の違いが見られた。DCNは,療養者の予測される状態を自らアセスメントして他職種にその内容を確認し,SWは療養者の現在のニーズを多職種との連携・調整を行う中で把握するという特徴が明らかとなった。 【結論】退院支援過程におけるDCNとSWが用いる技術の性質や特徴は「支援対象の捉え方」と「多職種との関り方」を中心に専門性が反映されることが明らかとなった。
著者
津田 悠人 吉田 郁政 中瀬 仁
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集 (ISSN:24366021)
巻号頁・発行日
vol.79, no.5, pp.22-00159, 2023 (Released:2023-05-20)
参考文献数
18

被害想定には大きな不確定性があり確定的に評価することは困難であるため,確率論的リスク評価が有効である.本研究では,落石対策のリスク評価に基づいた防護工の最適配置の意思決定のための支援手法の提案及びモデル地点の費用便益分析の例を示した.リスクは限界状態超過確率と影響度の積で定義した.実規模斜面落石実験より得られた到達位匿を対象に質点系解析による落石挙動の再現解析を実施し入力パラメタを決定し,落石の道路到達時のエネルギーに基づいた確率論的危険度評価を行った.防護工の初期建設費の総和に対する予算制約を設け,トータルコスト最小化に基づいた最適配置を示した.最後に,費用便益分析を行い,トータルコストが最小となる防護工の最適配置を示すだけではなく,予算制約内でリスク削減量を最大にする対策案を提示した.
著者
吉田敦彦著
出版者
みすず書房
巻号頁・発行日
1979