著者
渡辺 徹 稲田 厚 三浦 克己 吉田 暁 田中 敏春
出版者
一般社団法人 日本臨床救急医学会
雑誌
日本臨床救急医学会雑誌 (ISSN:13450581)
巻号頁・発行日
vol.21, no.3, pp.523-527, 2018-06-30 (Released:2018-06-30)
参考文献数
6

急性左心不全による心原性肺水腫に対して救急隊員が実施可能な処置は,酸素投与とバッグバルブマスク(BVM)による補助呼吸である。今回,病院前救護においてBVMを用いて1名が両手でマスクを顔面に保持密着させ,もう1名がバッグを圧迫し換気を行う二人法補助呼吸によりSpO2値の改善を認めた疾患例を経験した。心原性肺水腫では呼気終末の気道内圧を高めることで低酸素血症を改善させることができるため,近年医療機関ではNPPVが実施されるようになっている。BVMのマスクを顔面に確実に密着させることができる二人法補助呼吸は,適切に実施すればNPPVに近い効果が期待できる。また,起坐呼吸や不穏状態の傷病者にも有効な換気が可能になる。病院前救護で呼吸困難感を訴え急性左心不全が疑われる例において,高流量酸素投与でもSpO2値が改善しない場合,呼吸原性心停止への移行を予防するためにBVMを用いた二人法補助呼吸を考慮してよいと思われる。
著者
前澤 仁志 松橋 眞生 吉田 和也 澤本 伸克 美馬 達哉 長峯 隆 別所 和久 福山 秀直
出版者
認知神経科学会
雑誌
認知神経科学 (ISSN:13444298)
巻号頁・発行日
vol.11, no.3+4, pp.258-267, 2009 (Released:2011-06-30)
参考文献数
14

脳磁図は非侵襲的にヒトの脳活動を捉える技術であるが、磁性を帯びた金属がアーチファクトとなり計測を妨げることがある。本研究では18種類の歯科用金属の組成の違いが脳磁図計測へ与える影響、磁気共鳴画像装置(MRI)による高磁場の影響、さらにハンディタイプの消磁器の効果を検証した。それぞれの金属材料を(1)未処理、(2)消磁器による消磁後、(3)MRIによる磁場印加後、(4)再度の消磁後の4つの状態で磁場計測した。各材料を往復運動させた時の磁場を全頭型脳磁図計で計測し1分間の平均パワーを求めた。対照として材料のない状態での状態の磁場を1分間、10回ずつ記録し、平均値+標準偏差の5倍をアーチファクトの判定基準値とした。主成分が強磁性体の8種類のうち状態1から4で基準値以上であった材料は、それぞれ6、5、8、7種類であった。強磁性体でない10種類では、それぞれ1、0、4、2種類であり、状態1での1種類も基準値を6.2%上回るのみであった。以上より、1.強磁性体でない材料では脳磁図計測に大きな影響を及ぼさない可能性が高いこと、2.強磁性体であっても脳磁図計測に支障をきたさない材料も存在すること、3.MRI検査による磁場の印加では磁性体の性質に関わらず材料が磁化する可能性が高いことが示された。この結果は様々な歯科用金属を装着する被験者の脳磁図計測の際に役立つ。
著者
岡本 高宏 吉田 有策
出版者
日本臨床外科学会
雑誌
日本臨床外科学会雑誌 (ISSN:13452843)
巻号頁・発行日
vol.82, no.1, pp.14-25, 2021 (Released:2021-07-31)
参考文献数
46

副腎,後腹膜,縦隔に生じた腫瘍はホルモンを産生している場合がある.ホルモン産生腫瘍であることを的確に診断されずに手術を受ける患者は,手術中そして術後に大きな危険にさらされる懸念がある.担当医は,こうした稀な疾患があることを認識し,周術期の安全に努めなければならない.副腎皮質および髄質から分泌されるホルモンを測定して過剰産生の有無を評価するが,皮質系ホルモンではACTHやレニンとのバランスから診断することが肝要である.また,副腎以外の部位(後腹膜,縦隔等)に生じた腫瘍でもノルアドレナリンを過剰産生することがある.カテコールアミン産生腫瘍に対してはα遮断薬投与による周到な術前準備が必要である.コルチゾール産生腫瘍では健側副腎の機能回復までの相当な期間,グルココルチコイドの補充を要する.アルドステロン過剰症では負荷試験で診断を確定したのち,副腎静脈サンプリングにて病変部位診断を行う.
著者
吉田 翔太郎
出版者
一般社団法人 日本教育学会
雑誌
教育学研究 (ISSN:03873161)
巻号頁・発行日
vol.89, no.4, pp.683-691, 2022 (Released:2023-04-25)
参考文献数
18

本稿は、アメリカ女子高等教育の拡大及びジェンダー・バランシングに関する議論を概観し、それが抱える「障壁」を考察した。1980年代には「逆ジェンダーギャップ」現象が起きたが、2000年代初頭に女子の割合が頭打ちとなったため、新たな「女性差別」として女子学生数の調整が行われているという議論が起きた。しかし、能力・業績のみに基づく選考という代替案には、反人種アファーマティブ・アクション派の主張と軌を一にするという「障壁」が存在する。
著者
吉田 正己 手塚 正
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.177-181, 1989 (Released:2010-08-25)
参考文献数
6
被引用文献数
1

水痘・帯状疱疹患者40例を対象として, ウイルス特異抗原の検出とウイルスの分離を試み, 両方法のウイルス学的診断法としての有用性を比較検討した。ウイルス特異抗原の検出率は95%で, ウイルスの分離率は70%であった。塗抹標本でのウイルス特異抗原の検出は迅速かつ簡便であり, 検出率も高いことから, 水痘・帯状疱疹におけるウイルス学的診断法として臨床的に非常に有用な方法と考える。
著者
吉田 弘
出版者
一般社団法人 電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会 通信ソサイエティマガジン (ISSN:21860661)
巻号頁・発行日
vol.15, no.4, pp.262-270, 2022 (Released:2022-03-01)
参考文献数
35
被引用文献数
1

水中無線技術の歴史は古く,音波による測深技術や潜水艦の長波通信は,1900 年代前半に既に利用されていた.世界においては現在も積極的に石油・ガス産業や防衛・軍事産業で水中無線技術が多用されているが,我が国では,海洋産業の衰退もあり,市場の縮小とともに技術者も減ってきている.しかしながら,我が国は世界で6 番目の広さの海洋面積(領海+排他的経済水域)を有する国であり,そこには多くの資源があり,また,国家としても海洋立国をうたっている.国内の海洋市場が縮小しているならば,市場を創るという行動をするべきだ.また,普段,空気を媒質として研究を進めている多くの研究者にとって,液体導電性媒質の海水は非常に面白い研究ターゲットである.市場形成を迎える前に,基礎研究を進め,いつでも応用が利くようにしておくべきだ.本稿では水中無線技術の総論として,研究内容だけでなく,心構えや市場性,将来性について紹介する.
著者
児玉 秀治 佐貫 直子 酒井 美紀子 山川 智一 宮本 翔子 藤井 稚奈 秦 いづみ 北山 智美 今出 雅博 吉田 正道
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.111-116, 2023 (Released:2023-04-19)
参考文献数
9

症例は73歳女性.肺扁平上皮がん(cT3N3M0-Stage IIIC)に対し当科治療中.2022年6月より肺がん進行に伴い後腹膜リンパ節転移による腰背部痛が増強した.疼痛以外に両下肢浮腫による体動困難もあり7月8日に緊急入院し,後腹膜リンパ節転移に対して放射線治療(30 Gy/10 fr)を行った.タペンタドール200 mg/日で疼痛管理を行っていたが入院中にフェンタニル貼付剤1200 µg/日へ変更し腰背部痛は軽減した.また浮腫の原因疾患を鑑別し,理学所見・検査所見や病歴から,後腹膜リンパ節転移に関連したリンパ浮腫と診断した.入院31日目に浮腫は改善し,ベッド周囲のADLが向上し一時退院可能となった.リンパ節転移に関連したリンパ浮腫の治療方法は確立されておらず,放射線治療の有効性が報告されている.リンパ浮腫の診断に至るまでに他の病態を鑑別し,放射線治療によりリンパ浮腫が改善した1例を報告する.
著者
鈴木 統大 梶原 敦 宇佐美 智乃 中島 陽子 山宮 知 紺田 健一 下間 祐 打越 学 栗原 利和 吉田 仁
出版者
一般財団法人 日本消化器病学会
雑誌
日本消化器病学会雑誌 (ISSN:04466586)
巻号頁・発行日
vol.116, no.7, pp.576-582, 2019-07-10 (Released:2019-07-10)
参考文献数
22

65歳男性,腎前性急性腎障害で入院歴あり.頻回の下痢と食欲不振があり,腎機能の増悪,低ナトリウム血症のため入院.大腸内視鏡検査で直腸に粘液分泌をともなう亜全周性の絨毛腺腫を認めた.絨毛腺腫による電解質喪失症候群(Electrolyte Depletion syndrome;EDS)と診断,腹会陰式直腸切除術を施行.病理組織学的に癌は認められず絨毛/管状腺腫と診断され,国内報告ではまれな症例であり報告する.
著者
河野 哲 木方 一貴 吉田 隆一
出版者
一般社団法人 日本歯内療法学会
雑誌
日本歯内療法学会雑誌 (ISSN:13478672)
巻号頁・発行日
vol.43, no.2, pp.76-81, 2022 (Released:2022-06-15)
参考文献数
30

抄 録:Infection Controlの主幹が根管拡大形成である一方,根管の形態は非常に複雑であり,根管拡大形成のみでは根管内のInfection Controlを十分に達成することができない.根管洗浄はこの機械的清掃の限界を補うため,物理的な洗浄作用のみならず,薬剤の化学的作用を応用した重要な操作である. 本総説では根管洗浄の歴史や意義とともに,2003年および2018年に実施した日本に29校ある歯科大学・歯学部が実際の臨床で行われている根管洗浄に関するアンケート調査の比較により,根管洗浄の実態について論説する.
著者
飯島 伸一 石塚 亮介 吉田 征夫 曽禰 元隆
出版者
The Institute of Electrical Engineers of Japan
雑誌
電気学会論文誌D(産業応用部門誌) (ISSN:09136339)
巻号頁・発行日
vol.122, no.6, pp.640-645, 2002-06-01 (Released:2008-12-19)
参考文献数
3

The high reliable timer is required in a synchronous measurement and in a distributed processing that uses the network computers. The precision of it is expressed with the stability of the frequency. The easiness of embedding, the low cost and down sizing are requested to the timer that is required in these various fields in addition to its precision. In this paper we propose a technique that realizes a high precision timer, which enables the synchronization in a many point with the low cost and with the small size. The proposed technique adopts a general PI control of VCO (Voltage Controlled Oscillator) based on GPS (Global Posi-tioning System). Also the controller of the timer that was developed is realized by software by using a DSP (Digital Signal Processor). The frequency stability that was obtained by the timer that was developed was 2.3×10-13
著者
吉田 達矢
出版者
名古屋学院大学総合研究所
雑誌
名古屋学院大学論集 言語・文化篇 = THE NAGOYA GAKUIN DAIGAKU RONSHU; Journal of Nagoya Gakuin University; LANGUAGE and CULTURE (ISSN:1344364X)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.81-99, 2023-03-31

本稿では,オスマン帝国史において「改革の時代」とされる19世紀前半における地方軍政官の人事に着目し,オスマン帝国中央政府の地方社会に対する統治方針の一端について考察した。考察対象の場所は現在のギリシア北部に存在していたヤンヤ県とし,考察対象の時期は18世紀末よりヤンヤ県を中心に中央政府から半ば自立した勢力として広大な領域を支配したアルバニア人豪族テペデレンリ・アリー・パシャの討伐が始まった1820年から,ヤンヤ県にタンズィマート改革が導入され,ヤンヤ州が新たに設立された1846年前後までとした。当該時期に就任したヤンヤ県軍政官各自の履歴,選出・離任理由などについて考察した結果,ギリシア独立戦争やアルバニア人豪族の統御などの問題に対処するため,1830年代前半まではアルバニア人豪族の任用,有力政治家の親子2代にわたる長期の統治がみられ,「第二のテペデレンリ・アリー・パシャ」が出現する可能性があったことなどを指摘した。
著者
熊谷 信二 田井中 秀嗣 宮島 啓子 宮野 直子 小坂 淳子 田淵 武夫 赤阪 進 小坂 博 吉田 仁 冨岡 公子 織田 肇
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.131-138, 2005 (Released:2006-01-05)
参考文献数
32
被引用文献数
18 10

高齢者介護施設の介護労働者における腰部負担を評価するために,30秒スナップリーディング法を用いて,6名の介護労働者の作業内容および作業姿勢を調査した.また,傾斜角モニターを用いて,上体傾斜角の調査も行った.作業内容については,「入浴・洗面関連」が勤務時間の22.5%,「食事関連」が21.1%を占めていた.「排泄介助」「移動・移乗介助」および「シーツ交換」はそれぞれ9.3%,8.7%および8.3%であった.介助作業を合計すると43.7%であった.作業姿勢については,「立位」が勤務時間の36.1%,「前傾」が29.5%を占めていた.腰部負担のある3姿勢(「前傾」「しゃがみ」「膝つき」)を合計すると39.0%を占めていた.上体傾斜角が20度以上の時間帯は45.7%に及んでいた.「入浴関連」「シーツ交換」および「排泄介助」における腰部負担姿勢はそれぞれ68.3%,58.2%および49.6%を占めており,これらの作業は腰部への負担がかなり大きいものと考えられた.
著者
岡田 和也 中島 公洋 荒巻 政憲 岩男 裕二郎 吉田 隆典 御手洗 義信 金 良一 小林 迪夫
出版者
Japan Surgical Association
雑誌
日本臨床外科医学会雑誌 (ISSN:03869776)
巻号頁・発行日
vol.54, no.11, pp.2749-2753, 1993-11-25 (Released:2009-01-22)
参考文献数
14

腫瘍径5cm以下の肝細胞癌切除68例中,多結節型13例を対象に,多中心性発生の有無や, Stage分類,治癒度分類について検討した.肉眼的進行程度は単発55例でStage I, II, IIIが10例, 24例, 21例であるのに対し,多結節型ではStage II, III, IV-Aが1例, 6例, 6例であった.また治癒度は単発例で絶対的治癒切除 (AC) 6例,相対的治癒切除 (RC) 37例,相対的非治癒切除 (RNC) 12例であるのに対し,多結節型ではRC 3例, RNC 10例であった.一方,多結節型13例中10例が多中心性発生と考えられ,その5生率は54%であった.これに対して単発例の5生率は全体で36%, Stage I, II, IIIで80%, 52%, 15%, AC, RC, RNCで100%, 43%, 22%であった.したがって多結節型肝癌は単発例に比べStageが進行したRNC症例が多いが,多中心性発生の場合には切除により比較的良好な予後が得られており,今後,多中心性発生の可能性を考慮したStage分類や治癒度分類の検討が必要と考えられた.
著者
靏巻 峰夫 藤川 滉大 中島 大雅 岡崎 祐介 佐藤 克己 吉田 綾子 森田 弘昭
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集G(環境) (ISSN:21856648)
巻号頁・発行日
vol.76, no.6, pp.II_333-II_342, 2020 (Released:2021-03-08)
参考文献数
22

人口減少下に入った我が国では,公共サービスの量と質の維持が,今後,問題となると考えられる.下水道,ごみ処理分野でも同様な状況であり,早急な対策が必要である.下水道直投型ディスポーザー(以下,「DP」)の導入は,可燃ごみの減量化と取り扱いに難がある厨芥類の除外によってごみ処理での効率化が期待できる.一方で,下水道に投入された厨芥類によって下水処理への水質負荷の増大による負の側面がある.本研究ではDP排水の管路内での水質模擬実験のデータに基づき下水処理施設に到達する水質負荷の変化を予測し,その結果を反映した温室効果ガス(以下,「GHG」)排出量予測によって下水処理,可燃ごみ処理の影響を検討した.結果として,DP排水による下水処理での増加に比較して可燃ごみ減量による削減が大きく,直投型DPの導入はGHG排出量削減に寄与することを明らかにした.
著者
吉田 一穂
出版者
桃山学院大学総合研究所
雑誌
人間文化研究 = Journal of Humanities Research,St.Andrew's University (ISSN:21889031)
巻号頁・発行日
vol.18, pp.73-102, 2023-02-23

Charles Dickens (1812-70) and Catherine, his wife, sailed from Liverpool on 4 January on board the steamship Britannia. For comfort during their absence of six months, they took with them Catherine’s maid, the ever-reliable Anne Brown, and a delightful sketch of the children by Maclise which was given pride of place in their room wherever they stayed. After a wretched voyage during which they were all extremely seasick, they arrived in Boston to a tumultuous welcome. People lined the streets whenever he went out; they cheered him at the theatre, deluged him with messages of congratulation; they besieged the hotel. In Boston, Dickens formed warm friendships with a number of prominent Bostonians. Among them were the city’s mayor, Jonathan Chapman, several Harvard Professors, and the poet Henry Wadsworth Longfellow (1807-82). Dickens was fascinated by not only the Bostonians but also the city. He mentions University of Harvard as one of the sources of charm of Boston. The Perkins Institution and Massachusetts Asylum for the Blind made a deep impression on him. Dickens explains the institution by the description of Samuel Gridley Howe (1801-76), who is an philanthropist, an abolitionist, and a pioneer of measures to deal with blind and intellectually disabled person. The account which has been published by Dr. Howe, describes the rapid mental growth and improvement of Laura Bridgeman. Dickens’s impression about Boston seems to have a relationship to charity. At south Boston, several charitable institutions were clustered together. One of them, was the State Hospital for the insane; admirably conducted on those enlightened principles of conciliation and kindness. Dickens also mentions the transcendentalists, the group influenced by Thomas Carlyle (1795-1881), his friend. Transcendentalism is a philosophical movement that developed in the late 1820s and 1830s in the eastern United States. Transcendentalism emphasizes subjective intuition over objective empiricism. Dickens seems to feel an affinity with the transcendentalists. In Lowell he discovered that the factory girls were not ashamed to produce their own magazine, to subscribe to a circulating library, to play the piano. It was what Dickens had thought of the United States with hope and admiration. However, Dickens increasingly began to feel that everything had been pulled down. The first rifts appeared when he referred publicly to the Question of International Copyright. He, and indeed many other English writers, felt bitterly about this. He seems to avoid referring to it strongly. In New York, Dickens points out the filth and the wretchedness of the Five Points. In Philadelphia, he thinks that the system of the prison called Eastern Penitentiary is rigid, strict, and hopeless solitary confinement. In Washington, the two odious practices of chewing tobacco and expectorating displeased him. In Baltimore, he felt ashamed of slavery. What has to be noticed that Dickens appreciates the great Temperance Convention led by Theobald Mathew and the neighborly love by the Unitarian church, while he does not like the ascetism of the shakers of the Shaker Village although he recognizes their sincerity and fairness of trade. From the perspective of the memoires of the cities, Dickens reveals not only the good sides but also the bad sides of the cities and shows the nature of ideal cities and ideal Christianity.
著者
濱田 孝治 吉田 司 岡村 寛 原 武史 鈴木 輝明
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集B2(海岸工学) (ISSN:18842399)
巻号頁・発行日
vol.75, no.2, pp.I_1129-I_1134, 2019 (Released:2019-10-17)
参考文献数
23

浮魚類群集(イワシ類)は内湾における主要な漁獲対象種であり,自然的,人為的な環境変動に伴う漁獲量の変動や漁場形成の変化は大きな関心事である.本研究では機械学習の一つであるGradient Boostingを用いて内湾の浮魚群集の分布量を推定する統計モデルを構築し,伊勢・三河湾のカタクチイワシ漁獲量の時空間的分布の推定を行った.モデルは標本漁船による実測結果をよく再現した.
著者
藤野 真 吉田 英明
出版者
社団法人 日本写真学会
雑誌
日本写真学会誌 (ISSN:03695662)
巻号頁・発行日
vol.64, no.6, pp.361-366, 2001-12-25 (Released:2011-08-11)
参考文献数
2
被引用文献数
1

本報告は2001年度写真学会サマーセミナーにて行われた公開実験の結果を報告するものである。この公開実験では, サマーセミナーの参加者を被験者として, デジタル写真と銀塩写真の識別ならびに嗜好を主観評価した。本実験条件下では, 銀塩写真とデジタル写真の識別は特段の困難を伴うものではなかった。また銀塩写真よりもデジタル写真が嗜好される傾向にあった。識別に際してはノイズの量が重視されるが, 嗜好に際しては色再現が重視される傾向が認められた。