著者
吉川 慎一 金 泰正 吉田 哲也 米瀬 淳二 泉谷 敏文 福井 巌 石川 雄一
出版者
社団法人日本泌尿器科学会
雑誌
日本泌尿器科學會雜誌 (ISSN:00215287)
巻号頁・発行日
vol.89, no.9, pp.788-791, 1998-09-20
被引用文献数
2

症例は44歳,男性.尿閉を主訴に某院に入院.CTにて膀胱内に突出する前立腺部腫瘤が経尿道的生検にて移行上皮癌(TCC)と判明し紹介された.初診時,陰茎は半勃起状態,全周性に弾性硬で自発痛と高度な圧痛を伴いpriapismと診断した.陰茎海綿体針生検を施行し,前立腺移行上皮癌T4N0M1(陰茎転移)と診断した.4者併用化学療法(IFEP療法)を2コース施行し,平成9年1月30日膀胱全摘術・陰茎全摘術及び回腸導管造設術を施行した.病理学的には前立腺浸潤と陰茎海綿体及び右閉鎖リンパ節転移を伴う膀胱原発の移行上皮癌で,前立腺の腫大は主に腺性過形成によるもので異型性過形成を伴っていた.
著者
吉田 直人 中山 実 清水 康敬
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ET, 教育工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.99, no.713, pp.23-30, 2000-03-17
被引用文献数
2

文章表現による理解の違いを調べるために, 様々な表現の文章を提示し, 内容に関する問題に解答させた.その際の正答率と解答時間によって, 表現による違いを比較した.その結果, 内容表現が一つである文は, 複数の内容を含む文より, 解答時間が有意に短いことを明らかにした.また, 接続助詞「が」を逆接の意味で用いた場合は, 文章前半部の正答率が後半部よりも有意に低いことを示した.また, 誤解を避けるためや, 内容の切れ目だけでなく, 接続詞のあとや, 息の切れ目などにも読点を使用した方が, 理解しやすいことを明らかにした.この結果をもとに, 効果的な文章表現を支援するためのツールを開発した.主観評価により, ツールが文章改善に有用であることを明らかにした.
著者
冨岡 公子 熊谷 信二 小坂 博 吉田 仁 田淵 武夫 小坂 淳子 新井 康友
出版者
公益社団法人日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.48, no.2, pp.49-55, 2006-03-20
被引用文献数
9

特別養護老人ホームにおける介護機器導入の現状に関する調査報告-大阪府内の新設施設の訪問調査から-:冨岡公子ほか.大阪府立公衆衛生研究所生活衛生課-要介護者そして介護労働者の数は,年々増加している.2000年4月から,介護保険法が施行された.介護機器については,介護保険法が施行されてから,社会的に注目されるようになったが,介護機器の導入状況については把握されていない.そこで,介護施設における介護機器の現状を把握するために,現場調査と聞き取り調査を行った.対象は,2002年4月以降に開設された大阪府内の特別養護老人ホーム10施設である.調査対象施設は,平均入所者数79人,平均介護度3.52,平均介護職員数28.3人であった.介護機器に関しては,すべての施設で何らかの入浴装置が導入されていた.入浴装置の種類は,順送式が9施設,バスチェア型が8施設であった.バスチェア型は,機械浴槽に入るタイプが6施設,一般浴槽に入るタイプが6施設であった.その一方で,すべての施設において,「移乗は人の手で行うもの」という方針であり,リフト,移乗器,回転盤の移乗用介護機器は導入されていなかった.排泄介助については,オムツ交換では作業場となる,ベッドの高さ調節が実践出来ていなかった.日本の標準型車椅子はアームレストが固定式であり,トイレ介助では,車椅子と便座間の移乗の障壁となっていた.すべての施設で,介護の基本は人の手で行うもの,という方針であり,特に,移乗に関するリスク認識が弱かった.介護負担軽減のための介護機器導入という話はほとんど聞かれなかった.これらより,介護負担軽減や介護労働者の健康を守るという視点にたった,介護に対する意識改革が必要と考えられる.
著者
須賀 賢一郎 内山 健志 坂本 輝雄 吉田 秀児 村松 恭太郎 渡邊 章 澁井 武夫 田中 潤一 中野 洋子 高野 伸夫
出版者
Japanese Cleft Palate Association
雑誌
日本口蓋裂学会雑誌 (ISSN:03865185)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.320-325, 2009-10-30
被引用文献数
1

顎間骨が位置異常を示す両側唇顎口蓋裂術後患者に対して,唇側からの顎間骨の骨切りと顎裂部の骨移植を同時に行う顎間骨整位術の有用性を本学会雑誌の21巻2号に報告した。しかし,この到達法は,顎間骨部への血行の考慮と骨切り操作の点において検討の余地があることが判明した。そこで,1996年4月から2009年3月までの13年間に,同様の症状を呈した17名の両側唇顎(口蓋)裂術後患者に対し,口蓋側から顎間骨への到達と骨切りを行なったところ,以下の結論を得た。<br>1.全症例とも本到達法と骨切りは安全かつ容易に行えた。<br>2.切歯歯根尖より充分距離をおいた顎間骨の骨切りが可能であった。<br>3.顎間骨移動時の骨干渉部の削合も頭部の後屈で容易に行えた。<br>4.以上のことから,顎間骨整位術を施行する場合,顎間骨部への到達と骨切りは口蓋側から行うべきであることを推奨する。
著者
吉田 叡禮
出版者
河原書店
雑誌
茶道雑誌 (ISSN:02890062)
巻号頁・発行日
vol.76, no.12, pp.142-155, 2012-12
著者
吉田 光男 乾 孝司 山本 幹雄
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2009-DBS-149, no.20, pp.1-8, 2009-11-13

近年のブログの普及により,ブログのコンテンツを利用するサービスや研究が盛んになってきている.ブログのコンテンツは,ポストと呼ばれるブログの書き手によるコンテンツと,コメントと呼ばれるブログの読者によるコンテンツに大分する事ができる.ブログのコンテンツを利用する場合は,それらが別々に抽出できている事が望ましい.本論文では,ブログ記事集合を用いる事により,ポストとコメントを自動的に分離抽出する手法を提案する.本手法は,ポストはブログ記事集合全てのブログ記事に出現するが,コメントはいずれかのブログ記事にしか出現しないというアイデアが基になっている.また,本手法のアルゴリズムを実装したソフトウェアを用いて実験を行い,日本語ブログサイトに対しての有効性を示す.
著者
吉田 順五
出版者
北海道大学低温科学研究所
雑誌
低温科學. 物理篇 (ISSN:04393538)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.97-110, 1960-12-10
著者
平田 雅之 柳澤 琢史 松下 光次郎 Shayne Morris 神谷 之康 鈴木 隆文 吉田 毅 佐藤 文博 齋藤 洋一 貴島 晴彦 後藤 哲 影山 悠 川人 光男 吉峰 俊樹
出版者
日本脳神経外科コングレス
雑誌
脳神経外科ジャーナル (ISSN:0917950X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.7, pp.541-549, 2012-07-20

ブレイン・マシン・インターフェース(BMI)は脳信号から運動意図・内容を読み取って外部機器を制御する技術である.われわれは脳表電極を用いたBMIにより,筋萎縮性側索硬化症等の重症身体障害者に対する機能再建を目指して研究開発を行っている.これまでにγ帯域活動を用いた連続的な解読制御手法により,ロボットアームのリアルタイム制御システムを開発し,脳表電極留置患者による物体の把握・把握解除に成功した.感染リスク回避のためにはワイヤレス体内埋込化が必須であり,ワイヤレス埋込装置のプロトタイプを開発した.今後は,重症の筋萎縮性側索硬化症を対象として,有線・ワイヤレス埋込の2段階での臨床試験を経て実用化を目指す.
著者
竹内 貞男 喜納 淳 細谷 昌之 吉田 治郎 石沢 賢二
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.36, no.3, pp.p363-375, 1992-11

日本南極地域観測隊は, これまで4種類の雪上車を使って調査活動を続けてきた。それらの雪上車は用途別に内陸氷床上用と沿岸・海氷上調査用の2つに分類できる。内陸用の雪上車はこれまでSM50S型中型雪上車を使用してきたが, 「南極氷床ドーム深層掘削計画」も提言されるなど, 調査区域が年々内陸奥地に広がり, より低温性能のよい大型雪上車の開発が要望されていた。そのため, 国立極地研究所設営専門委員会に雪上車設計作業委員会を設置して, 現有のSM50Sの技術的課題を分析し, この結果を基に新型雪上車の開発を実施した。この雪上車は国内での試験走行の後, 1991年に南極に搬入され, 1992年の冬期には南極氷床で走行し, ほぼ予想された性能を発揮した。
著者
佐藤 義久 吉田 尚嗣 田辺 幸典 藤田 秀紀
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. B編 (ISSN:03875016)
巻号頁・発行日
vol.72, no.717, pp.1335-1341, 2006-05-25
被引用文献数
2

It is necessary to use the low temperature thermal energy around 100 degress C from a viewpoint of global warming prevention. Even if a shape memory alloy is bent in normal temperature, when it is heated, it has the character which returns to the original straight form. Using this character of a shape memory alloy, unused thermal energy will be able to transform into rotation energy. A shape memory alloy belt is hung on a high temperature wheel and a low-temperature wheel. On this simple pulley type shape memory alloy engine, a shape memory alloy belt is heated with a high temperature wheel, it occurs a moment when returning to the original straight form, the moment kicks a high temperature wheel by the principle of action reaction, and torque is generated. We solved this torque generating mechanism. We proposed the theory which can design the output power of the simple pulley type shape memory alloy engine. Furthermore, the validity of this theory was verified by experiment.
著者
紫加田 知幸 櫻田 清成 城本 祐助 生地 暢 吉田 誠 大和田 紘一
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.34-45, 2010 (Released:2010-05-13)
参考文献数
42
被引用文献数
20 29

室内において,八代海における主要な植物プランクトンの異なる水温,塩分および光強度条件下における増殖特性を調べ,現場において各種の動態とそれらの環境条件との関係を調査した。水温および塩分に対する増殖応答特性は種によって異なっていたが,増殖のために要求する光強度はいずれの種でも大差なく,ほとんどの供試生物の増殖速度は 80 μmol m-2 s-1 で飽和した。現場における季節的な種変遷パターンは水温および塩分の変化と,短期的な動態は水中光の強度の変化と同調していた。
著者
吉田 栄夫
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.31, no.3, pp.186-205, 1987-11

第27次南極地域観測隊は, 吉田栄夫隊長以下50名(うち内藤靖彦越冬隊長以下35名が越冬隊)で編成され, これに南極輸送問題調査会議の村山南極本部委員をはじめ, 運輸省船舶技術研究所, 海上保安庁からの調査者4名が夏期間同行した。1985年11月14日東京湾を出港した「しらせ」は, オーストラリアのフリマントル港に寄港中, エンダービーランド沖で40日余りにわたって厚い密群氷のため行動の自由を失った, オーストラリアがチャーターした観測船「ネラ・ダン」救出の命令を受け, 航路や観測の一部を変更して直行し, 12月14日氷からの解放に成功, 16日その任務を完了した。この後ブライド湾沖に12月10日に到着, 約110tの物資輸送, あすか観測拠点の発電棟建設, ブライド湾でのバイオマス観測などを行い, 8名のセールロンダーネ地学調査隊を残して, 「しらせ」は12月31日昭和基地へ向かい, 1986年1月4日昭和基地に到着し, 約760tの物資輸送, 鉄骨2階建て作業工作棟ほかの建設作業, 航空機の搬入と短期間の運航, 野外調査などを実施した。2月7日, 昭和基地近傍を離れて再びブライド湾に向かった「しらせ」は, リュツォ・ホルム湾の厚い密群氷帯の突破に2日間の苦闘を強いられたが, 2月11日ブライド湾に到着し, 第26次越冬隊の内陸調査隊, 第27次夏隊のセールロンダーネ調査隊を, 11日, 12日に収容し, その後係留ブイ揚収ほかのブライド湾バイオマス観測, グンネルスバンク, リュツォ・ホルム湾沖などの氷縁付近から北上航路での海洋観測などを天候の許す限り実施しつつ, ポートルイス, シンガポールを経て, 4月20日東京港に帰港した。
著者
吉田 ゆり 若本 純子
雑誌
鹿児島純心女子大学大学院人間科学研究科紀要
巻号頁・発行日
vol.7, pp.51-65, 2012-03-31

発達障害への注目の一方では,発達障害の安易な診断や評価が懸念されている。本稿では、診断基準,診断補助ツール,構造化面接尺度の現状を概観し, 自閉症スペクトラムが疑われる場合のアセスメントでの活用の課題を明らかにし,心理発達アセスメントに特化した構造化面接ツール開発のための予備的研究を行った。
著者
若本 純子 吉田 ゆり 古野 愛 徳永 惇子
雑誌
鹿児島純心女子大学大学院人間科学研究科紀要
巻号頁・発行日
vol.7, pp.37-50, 2012-03-31

本稿では,著者らがチームで支援を行った高機能広汎性発達障害が疑われる不登校の中学生女子の事例をもとに,発達障害のプラクシスについて考察した。不登校を主訴に支援を開始した本例は,プレイセラピーでの特異な様相から,発達障害の可能性が浮上した。そこで,再度アセスメントを実施したところ,高機能広汎性発達障害の疑いが濃厚であると判断された。そこで,本例の本態障害に基づく困難をターゲットとするSSTへと支援を移行させた。また,高校受験が近づく中,英語と数学の学習支援を加え,チームによる多角的支援として継続した。その結果,本例は無事希望高校への進学を決め,支援は終結に至った。本例の経過から,発達障害に対する的確なアセスメントの必要性,そして中学生特有の発達課題を理解した上で多角的な支援を行う重要性が示唆された。
著者
高橋 晴雄 高野 篤 畑地 憲輔 吉田 晴郎 海江田 哲 安達 朝幸 塚崎 尚紀
出版者
THE JAPAN OTOLOGICAL SOCIETY
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.171-175, 2004

Pharyngeal orifice of the eustachian tube was ligated in 6 patients, 8 ears withintractable patulous eustachian tube. While the eustachian tube orifice was observed by an endoscope inserted through the contralateral nostril, the orifice was ligated transnasally and/or transorally using instruments usually used in the endoscopic nasal surgery. Now 1 to 6 months after the surgery, the outcome was excellent (both symptoms and sonotubometry were normalized) in 3 ears, good (either symptoms or sonotubometry was improved) in 3 ears, and unchanged in the remaining 2 ears. In one of the ears with an outcome of unchanged, the ligation was found to be spontaneously released soon after surgery, but the symptom was improved after the second operation 2.5months after the first operation. Temporary otitis media with effusion was seen in one ear, and mild inflammation around the ligated site also in one ear, but no other serious complication has been observed. Although further improvement in the surgical procedure and further discussion about its longterm outcome should be required, this procedure appeared to be one of the therapeutic options for intractable patulous eustachian tube.