著者
小島 浩之
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究 (ISSN:03860507)
巻号頁・発行日
vol.110, pp.2024, 2018-11-30 (Released:2018-12-27)

本稿は大学図書館が教員と連携して,外部研究費をコンテンツ公開のために活用できる方策を考えるものである。これは直接的な資金獲得の方策ではないが,大学図書館のコンテンツを研究者に利用させることで公開・利用のための利便性を向上できるという意味において,直接の資金獲得を前提としたコンテンツ整備と同等以上の効果を上げ得る。本稿では,様々な助成金制度全体の概要の説明,大学図書館が直接獲得できる外部資金の種類とその限界,実例に即した教員と大学図書館の連携方法について順に論じる。
著者
須藤 雄気 小島 慧一
出版者
一般社団法人 日本生物物理学会
雑誌
生物物理 (ISSN:05824052)
巻号頁・発行日
vol.60, no.4, pp.209-214, 2020 (Released:2020-07-29)
参考文献数
30
被引用文献数
1 1

One of the major topics in biophysics and physicobiology is to understand and utilize biological functions using various techniques. Rhodopsin is a photoreactive membrane-embedded protein that uses a retinal pigment (vitamin-A aldehyde) as a chromophore. By taking advantages of its photoreactivity, structure-function relationship of rhodopsins has been widely investigated with a variety of methods. Of note, recent rhodopsin research provided unexpected information regarding (i) wide distribution in various organisms, (ii) rich functional diversity and (iii) great potential for optogenetics. Here we review these three topics with future directions.
著者
小島 雪子
雑誌
宮城教育大学紀要
巻号頁・発行日
no.55, pp.394-404, 2021-01-29

『万葉集』においては、わずか一例のみであった「よもぎ」の用例が、十世紀半ば頃になって、和歌や日記、物語の中に散見されるようになり、その後、詠まれるべき草、語られるべき景物となっていく。その理由の一つとして、その時期までに、中国文学に認められる「蓬」に触れたこと、それらに学んで日本においても「蓬」を用いて漢詩文を作ったことを挙げることができる。中国古典文学の言葉の世界、平安初期の日本の漢詩文、さらに、かなで書かれた和歌、日記、物語へと、何が学ばれ、どのような展開をみせているかを考えてゆくために、本稿では、平安初期までの漢詩文における「蓬」が、どのように表現されているかを明らかにし、それらと中国文学との関わりについて検討する。
著者
大山 太 吉村 晶子 嶋田 淳子 小島 善和 杉田 学
出版者
一般社団法人 地域安全学会
雑誌
地域安全学会論文集 (ISSN:13452088)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.23-31, 2014-03-20 (Released:2017-08-02)
参考文献数
24
被引用文献数
1

In this paper, we discuss a communication system for disaster relief medical teams. Usually, Japanese medical teams are not equipped with communication systems specialized for disaster operations. They can only rely on common-use mobile and landline phones during disaster events. However, public lines are reported to be out of function in disaster areas during the past major disasters. We conducted experiments to evaluate communication means that can holdmedical communication links during disasters, using the new Japanese two-way communication radio system,“Digital Convenience Radio: DCR”. Our results suggested that DCR can support medical activity at sites ofdevastating disasters.
著者
小島 良輝
出版者
東京大学大学院新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
巻号頁・発行日
2011-03-24

報告番号: ; 学位授与年月日: 2011-03-24 ; 学位の種別: 修士 ; 学位の種類: 修士(環境学) ; 学位記番号: 修創域第4012号 ; 研究科・専攻: 新領域創成科学研究科環境学研究系社会文化環境学専攻
著者
森中 房枝 浮中 菜々子 小島 摩文
出版者
鹿児島純心女子大学看護栄養学部
雑誌
鹿児島純心女子大学看護栄養学部紀要 = Bulletin of Faculty of Nursing and Nutrition, Kagoshima Immaculate Heart University (ISSN:13484303)
巻号頁・発行日
vol.19, pp.57-64, 2015

鹿児島では法事菓子の主役として高麗餅を使用することが多い。「これがし」とか「これもち」と呼び,小豆餡と米の粉をこね合わせた蒸し菓子である。高麗餅が鹿児島に伝わったのは,慶長3年(1598年)朝鮮の役により,豊臣秀吉の命を受けて出兵した島津義弘が,李朝の陶工たちを南原(ナモン)から捕虜として連れ帰った折に一緒に伝えたとされている。鹿児島県鹿屋市笠之原地域では,この高麗餅を「シロ」と呼び,地域の玉山宮では祭事や行事の際に高麗餅「シロ」を奉納し"餅返し"の儀式を行っていた。同様に薩摩焼窯元日置市東市来町美山でも,高麗餅を作っていたという記録が残されている。鹿児島における高麗餅の歴史・文化を探る目的で調査を行った。本研究では,鹿屋市笠之原地域玉山宮に伝わる口伝を,宮司を務めていた川元家が書き留めた記録を元に川元アキエ氏が「シロ」を再現しており,聞き取り調査を行った。さらに薩摩焼14代陶工沈壽官氏に聞き取り調査,沈壽官氏所蔵「玉山宮由来記」等を参考に高麗餅の由来や歴史的背景を探り,「シロ」との比較を試みた。韓国の伝統菓子「パッシルトッ」と鹿屋市笠之原の玉山宮に代々伝えられてきた高麗餅「シロ」を再現して比較してみると,類似性が多く美山の記録も同様であった。南原から連れてこられた陶工たちは串木野の島平に上陸後,東市来町美山に移り住み,一部は時を経て笠之原に移住している。笠之原には陶土が少なく陶芸文化は廃れたが,望郷の為に「玉山宮」を建立し,高麗餅を作って"餅返し"儀式を伝えたと推察される。
著者
小島 祥美
出版者
国際ボランティア学会
雑誌
ボランティア学研究 (ISSN:13459511)
巻号頁・発行日
no.11, pp.21-33, 2011-12-28

本稿は、日本社会の水面下で深刻化しつつある学齢超過者の学習権というグローバルな課題について、就学支援という形で支えるローカルの実践事例から、ボランティアの意義を考察したものである。未だ日本に居住する外国人の初等教育が保障される仕組みは構築されていない。そのため、学齢(日本の義務教育年限)期であるにもかからず、学校に通ってない不就学の子どもが実在する。こうした背景により、学齢期に不就学であった外国人住民は学齢を超過した時には義務教育未修了者となるものの、社会から「見えない」存在であるがために、日本社会では学齢を超過した外国人の学習権という課題が置き去りにされてきた。そのなかで、外国人が多く暮らす地域では、ボランティアが中心となり、学齢を超過した義務教育未修了の外国人住民の就学支援を行っている。画一的な思考ではなくグローバルとローカルの複眼的思考を持ったボランティアの尽力は、学齢超過者の「日本で生活していく中で高校進学して学力を向上したい」「美容師になりたい」などの夢の具現化に大きく寄与している。
著者
緒方 広明 殷 成久 毛利 考佑 大井 京 島田 敬士 大久保 文哉 山田 政寛 小島 健太郎
出版者
教育システム情報学会
雑誌
教育システム情報学会誌 (ISSN:13414135)
巻号頁・発行日
vol.33, no.2, pp.58-66, 2016-04-01 (Released:2016-05-07)
参考文献数
18
被引用文献数
1

Educational Big Data (EBD) and Learning Analytics (LA) have being attracted enormous attention in recent years. Data collection process is the first step of EBD and LA. Based on the data source, data collection can be classified into two categories: manual data collection, and automatic data collection. This paper describes two educational systems: SCROLL (System for Capturing, Reusing, Reminding Of Learning Logs) as manual data collection and, M2B (Moodle, Mahara, Booklooper) as automatic data collection.
著者
小島 荘明 (1992) 小島 莊明 NOYA Oscar NOYA Belkisy 古田 隆久 松本 直樹 北 潔
出版者
東京大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1991

芽殖孤虫は、無制限ともみえる自己増殖を行ない、人体に寄生した場合最終的には全身諸臓器を侵して宿主を死に至らしめる寄生虫であるが、その生活史や感染経路については未だ明らかでない。そこで、この寄生虫の自然界における宿主を見出すべく、ヴェネズエラにおいて、トカゲ・カエル・フクロネズミなど水辺において捕獲した小動物の寄生虫について検索した。その結果、芽殖孤虫は発見できなかったが、これらの動物から、新種と思われる糸状虫1種、Taenia属条虫3種を見出したほか、回虫類、鞭虫、蟯虫、鉤頭虫などを得た。さらに、感染宿主の免疫応答や免疫変調、感染に対する感受性や病理学的変化の差異について検討するため、各種の純系マウスを用いて感染実験を行なった。虫体を1虫ないし1/3から1/7まで切断し、マウス腹腔内に注入し、経時的に血球算定と抗体産生について検討するとともに、虫体の増殖と病理組織学的反応について検討した。その結果、IgE抗体の産出については、C57BL/6において最も早く感染後18日目から検出され、かつ7週目に最も高いPCA抗体価(1:160)が得られた。虫体の増殖や感染動物の病理学的反応は必ずしも一定せず、また注入した虫体の大きさにも関係なく、早い場合には感染後3週目に腹水の貯留が顕著となり、死亡する個体も出現したが、奇妙なことには、それらから得られた虫体を同系統のマウスに継代しても、同様に激し状を起こすことなく6カ月以上経過する例も存在した。腹水貯留例について剖検すると、腹水は血性、膿性はリンパ性で激しい腹膜炎が起きており、肝表面に白色苔状の付着物が認められ、辺縁部は鈍となり、肝脾の腫脹が認められた。虫体は注入時より成長し、複雑に分岐したり、分裂増殖して個体数が増加していた。断端組織構造は、D.erinaceiのプレロセルコイドに類似していた。