著者
山田 和政 山田 恵 塩中 雅博 坂野 裕洋 梶原 史恵 松田 輝 植松 光俊
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.20, no.2, pp.103-106, 2005 (Released:2005-07-27)
参考文献数
9
被引用文献数
1 1

本研究の目的は,閉眼および開眼片足立ち測定,Multi-Directional Reach Testの3評価結果における転倒群と非転倒群の比較,転倒回数との関連性および3評価結果間の相関について調べ,高齢者の転倒要因とされるバランス能力をどのような視点から捉えるべきか検討した。結果,いずれの評価結果においても転倒群が有意に少ない値を示し,また,転倒回数が多い者ほど値が少なかった。転倒群では,各評価結果間すべてにおいて有意な相関が認められた。以上より,転倒要因として圧中心保持能力と圧中心偏移能力の両方の視点からバランス能力を捉える必要のあることが示唆された。
著者
遠藤 康夫 加倉井 和久 山田 和芳 笠谷 光男 神木 正史 小松原 武美 鈴木 孝 高木 滋
出版者
東北大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1989

高温超伝導を示す銅酸化物及びこれらの物質と同じ結晶構造を示す同型異物質の主として磁性を中心に物性と結晶構造の相関を研究した。1.銅酸化物では超伝導発現と銅イオンの持つスピンの二次元的な反強磁性磁気相関との因果関係を徹底して調らべた。最も大事な收穫はキャリアーが正孔である場合は酸素サイドに広がったキャリアーのスピンの影響で磁気相関が滋常に大きく変化し、反強磁性的な磁気相関も壊されるのに対し、電子的キャリアーの場合では反強磁気性相関が残ることが実験的に証明された。これは電子相関と磁性との密接な関係を論ずる基礎となる。2.キャリアーの濃度が増えると、磁気相関距離が短くなり、電子相関の強さとキャリアー濃度及び反強磁性相互作用の間の対応がついた。3.超伝導発現と磁気相関の関係については、全く同じ結晶を使って、酸化の度合いを制御して超伝導転移を変化させることに成功し、その結果として反強磁性相関及びスピンの揺らぎが超伝導の発現と密接にからんでいることを見つけた。4.同形のNi酸化物で、酸化度の違いによって微妙に反強磁性構造が変化することを見つけた。この時は結晶構造も微妙に変化することも見つけている。その他にもUを含むアクチナイド化合物の電子相関の強い物質について、超伝導反強磁性電子相関の3つの因果関係を含む関係を含む研究に着手した。この研究には、1K以下の極低温で中性子散乱が必要なために希釈冷凍機の調整を行なって、測定実験が可能なところにこぎつけた。
著者
米田 雅裕 泉 利雄 鈴木 奈央 内藤 徹 山田 和彦 岡田 一三 岩元 知之 桝尾 陽介 小島 寛 阿南 壽 廣藤 卓雄
出版者
特定非営利活動法人日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.52, no.2, pp.168-175, 2009-04-30
参考文献数
24
被引用文献数
2

歯科医療では観血処置の頻度が高く,注射針や鋭利な器具の使用により針刺し・切創の危険もある.血液媒介感染の危険のある針刺し・切創等を効果的に防止するためには,施設における現状把握とその対策の評価を行う必要がある.今回,福岡歯科大学医科歯科総合病院の感染制御チーム(ICT)が中心となって,本院の針刺し・切創等の事故状況を分析し,さらに改善策を検討してその効果を確認した.平成14年から平成19年に本院で提出された感染事故報告書を基に集計を行った.6年間で計80件の針刺し・切創が報告され,月別では11月,曜日別では火曜日,時間帯では午前11時台に多く発生していることが明らかになった.事故に関連した器材では注射針が最も多く,縫合針,スケーラーチップ・バー類がこれに続いた.受傷者の職種別割合では医師・歯科医師が最も多く,臨床実習に参加している短期大学学生,歯学部学生がこれに続いた.事故時の作業内容では片づけ中が最も多かったが,これは実習生が片づけに参加していることも原因の一つだと考えられる.これらの現状を踏まえ,本学では医療安全に関するマニュアルの整備を行い,針刺し・切創防止のための講義や講演会を実施している.さらに平成17年からは注射針の取り扱いを職員に限定し,実習生の注射針の取り扱いを禁止した.その結果,平成18年から平成19年にかけて針刺し・切創が減少し,特に短期大学学生による事故が減少した.一方,事故が発生しても未報告のケースもあると考えられるので,今後は,事故が発生したときには迅速な報告を促す必要があると思われる.また,ヒューマンエラーはゼロにできないことから安全装置の開発や導入も必要であると考えられる.
著者
奥恒行 山田和彦編集
出版者
南江堂
巻号頁・発行日
2014
著者
佐原 寿史 山田 和彦 長嶋 比呂志 伊達 洋至 清水 章
出版者
鹿児島大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

ブタをドナーとする異種移植は、ドナー臓器不足に対する有力な解決策となる。腎臓や心臓では2か月超える異種臓器の生着が得られる一方、異種肺移植の生着は数時間から数日に留まる。本研究では、ブタ肺をヒト血液で灌流するex-vivoモデルやカニクイザルへ同所性左肺移植を行うモデルによって、GalT-KOブタ肺が超急性期の肺機能不全を回避しうること、ドナーへの一酸化炭素投与による血管内皮保護効果を介して、術後微小血管障害軽減が得られた。しかし異種移植肺は術後3日以内に血栓性微小血管障害による機能不全を呈したことから、長期効果を得るためには新たな遺伝子改変ブタを用いた治療方針の開発が望まれる結果となった。
著者
高橋 一公 伊達 隆文 山田 和俊 飯田 弘忠
出版者
The Society of Synthetic Organic Chemistry, Japan
雑誌
有機合成化学協会誌 (ISSN:00379980)
巻号頁・発行日
vol.29, no.3, pp.293-297, 1971
被引用文献数
1

A prolonged treatment of <I>p</I>-nitrotoluene and benzaldehyde with a sodium-hexamethylphosphoric triamide (HMPA) -benzene mixture was found to give 1-phenyl-2- (4-nitrophenyl) -ethan-1-ol (1) selectively. It was also found that the yield of (1) is sensitively affected by various factors, such as the temperature, the concentration of HMPA, and the reaction time. It may be concluded from the correlation of the yield of (1) and the conversion ratio of <I>p</I>-nitrotoluene that the formation of (1) results from the nucleophilic attack of the <I>p</I>-nitrobenzyl anion, derived from <I>p</I>-nitrotoluene, on the carbonyl carbon of benzaldehyde.
著者
濱田 初幸 前田 明 小山田 和行
出版者
鹿屋体育大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2012-04-01

柔道の前回り受身の補助機能付上衣「初転君」を用いた指導は、前回り受身の際の圧力分布パターンが、熟練型パターンに近づき滑らかな回転動作を習得することができた。さらに内省報告による理解のしやすさからも、従来の柔道衣による指導よりも即時的効果が高まることが明らかとなった。このことから、「初転君」は指導用教材として有効であることが検証された。柔道を専門としない体育教員が受身を指導する際の効果的な教材として有効であることも示唆された。
著者
山田 和男 神庭 重信 大西 公夫 水島 広子 長尾 博司 梅山 千香代 寺師 睦宗 浅井 昌弘
出版者
社団法人日本東洋医学会
雑誌
日本東洋醫學雜誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.47, no.4, pp.603-607, 1997-01-20
被引用文献数
1 1

発病または急性増悪により入院し, 4〜12週間のハロペリドールを中心とした抗精神病薬の治療により活動期症状が改善し, 精神症状が安定した後に抗精神病薬の投与量が最低2週間以上固定された精神分裂病圏の患者10名に対し, 黄連解毒湯を4週間追加投与した。黄連解毒湯の追加投与直前, 投与終了時, 投与終了4週後にそれぞれBrief Psychiatric Rating Scale (BPRS)を用いて症状評価を行なった結果, BPRS総得点は, 黄連解毒湯の追加投与直前と比較して投与終了時, 投与終了4週後ともに有意に減少した。症状別では, 「罪業感」, 「抑うつ気分」, 「疑惑(被害妄想)」, 「興奮」に有意な改善がみられた。さらに, 血中ハロペリドール濃度には変化がみられなかったことより, 精神症状の改善がハロペリドールの血中濃度の変化によるものではないということが示唆された。また, 副作用はみられなかった。
著者
山田 和祐 角田 哲 篠木 邦彦 梅津 康生 遠藤 義隆 阿部 洋子 川村 仁 丸茂 一郎 藤田 靖 林 進武 猪狩 俊郎 飯塚 芳夫 越後 成志
出版者
東北大学
雑誌
東北大学歯学雑誌 (ISSN:02873915)
巻号頁・発行日
vol.2, no.2, pp.133-144, 1983-12-25
被引用文献数
1

昭和50年11月1日から, 昭和58年8月31日までの最近8年間に, 本学第一口腔外科を受診した歯科治療時の偶発症患者460名について, 臨床的検討を行なった。偶発症の症例は, 口腔外科治療時の偶発症, 保存治療時の偶発症に分類し, さらに症例を細別して検討を行なった。偶発症患者460名のうち, 男性は207名で, 女性は253名であった。偶発症別で最も多いのは, 歯根破折による抜歯中断で, 偶発症患者総数の28.5%であった。年齢別では, 20代, 30代に集中してみられ, 両者あわせて266名で, 偶発症患者総数の57,8%であった。発症より当科来院までの期間別では, 当日より3日目までの来院が170名で, 偶発症患者総数の40.0%であった。
著者
廣藤 卓雄 米田 雅裕 内藤 徹 武内 哲二 山田 和彦 鈴木 奈央 松葉 健一 吉兼 透
出版者
福岡歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

高齢者肺炎の多くは誤嚥性と言われ、予防には口腔ケアが効果的とされている。施設における誤嚥性肺炎の発症につき、その頻度、介護度との関係、発症の時期を検討し、口腔ケアとの関係や、口腔内細菌の誤嚥性肺炎への関与の一部を明らかにした。また、同様の方法を用いて、高齢者・障害者の方に多く認められる口臭との関連性についても心理的、生活習慣的側面を踏まえて細菌学的に解析した。
著者
豊川 好司 山田 和明 高安 一郎 坪松 戒三
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産学会報 (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.49, no.8, pp.572-577, 1978

しょ糖10%液浸漬稲わら,またはハスクマシンにより磨砕した稲わらを,それぞれメン羊に自由摂食させ,稲わら乾物摂取量を高めた場合の第一胃内滞留時間と消化管内充満度を測定して,稲わらの低い摂取量の原因が何であるかを明らかにしようとした.供試メン羊は前報1)の2頭に1頭をかえた3頭であるが,基礎飼料も前報1)と同一のふすまを同量与え,飼養条件も同じであった.試験区は,原料稲わらを5cm前後に細切した対照区に対し,処理区は同稲わらをしょ糖10%液浸漬したしょ糖区,および同稲わらを機械的に圧縮磨砕した磨砕区である.その結果,(1) 稲わら乾物摂取量は対照区まりもしょ糖区28%,磨砕区18%高かった.またW0.75当たり全乾物摂取量は,しょ糖区が16%,磨砕区が11%多かった.(2) ふすまを含めた全飼料の消化率は,磨砕区では粗繊維が他2区より,セルロースが対照区よりも有意(P<0.05)に高く,しょ糖はNFEが他2区より,乾物と可消化エネルギーが対照区よりも有意(P<0.05)に高かった.(3) 全飼料の消化量の差は,繊維成分の有意差は認められなかったが,しょ糖区のNFE,可消化エネルギーおよび乾物は前記同様有意差を示した.(4) 稲わらの反芻胃内滞留時間は,対照区と磨砕区とがほとんど同じ程度であったが,しょ糖区がやや長かった.(5) 全消化管内充満度は,対照区よりもしょ糖区16%,磨砕区10%高かったが有意差はなかつた.(6) 以上のように対照区の第一胃内滞留時間が磨砕区と大差ないのに,全消化管内充満度が最も低く差があることは,対照区稲わらの摂食抑制が,稲わらの反芻胃内滞留に起因しないことを示した.
著者
明田川 正人 高田 孝次 野呂 昌良 小林 慶子 山田 和敏 竹島 信人 李 鍾斗 中山 義則
出版者
公益社団法人精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.65, no.1, pp.121-125, 1999-01-05
被引用文献数
1 2

This paper describes a suppression of the thermal drift error and an extension of a measurement range to micrometers in the comparative length measurement using a regular crystalline lattice as a reference scale and a dual tunneling unit scanning microscope (DTU-STM) as a detector. A thermo-stabilized cell, in which the DTU-STM can be set, was developed to reduce the temperature fluctuation to less than 0.05 K. In order to assess the thermo-stabilized cell, direct length comparison between the certified scanning electron microscope (SEM) standard grating with a average pitch of 240 nm and highly oriented pyrolytic graphite (HOPG) Iattice spacing, which is 0.246 nm, was performed using the DTU-STM, whose main body is made from Super-Invar. Images of the grating and the HOPG were simultaneously obtained in the range of 1um. To shorten the measurement time and thus reduce the thermal drift error, the lengths of I um for the two samples were measured along the fast scanning axis. A new ultra-low thermally drifted DTU-STM, whose body is fabricated from ultra-low linear expansion glass, was also developed to extend a measurement range to micrometers in the comparative length measurement. Long atomic image of HOPG crystal over a 5-um-long region along the fast scanning axis was obtained using the new DTU-STM in the thermo-stabilized cell. The experimental results show the possibility of the comparative length measurement in micrometers range with sub-nanometer resolution using the HOPG crystal and the DTU-STMs.
著者
岡島 いづみ 山田 和男 菅田 孟 佐古 猛
出版者
The Society of Chemical Engineers, Japan
雑誌
化学工学論文集 (ISSN:0386216X)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.553-558, 2002-09-20
被引用文献数
3 39

亜臨界から超臨界領域の水を用いてエポキシ樹脂の分解を行った.その結果,350–380℃,25MPaの条件で樹脂は完全に分解し,約90%がフェノールやイソプロピルフェノールなどの単環フェノール類や,比較的分子量の小さな生成物である水+メタノール可溶分として回収された.一方,380℃における熱分解では分子量の大きな残渣やTHF可溶分が生成物の約半分を占めていることから,反応場に水が存在することで樹脂の炭化が抑制され,低分子化が進行することを確認した.また超臨界メタノールを用いた場合には,エポキシ樹脂の分解は起こるものの,同様の条件の超臨界水分解に比べて軽質化はあまり進まなかった.当該技術の応用の一例として,エポキシ樹脂をマトリクス樹脂として使用した炭素繊維強化プラスチック(CFRP)の分解・炭素繊維の回収を試みたところ,380℃,25MPaの超臨界水を用いると樹脂分は低分子化して炭素繊維からはがれ,付着物のない炭素繊維を回収することができた.
著者
山田 和代
出版者
滋賀大学附属図書館
雑誌
図書館だより
巻号頁・発行日
no.35, pp.6-6, 2012-04