著者
重松 幹二 大賀 祥治 正本 博士 三島 健一 亀井 一郎
出版者
福岡大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

菌糸体から水可溶性のβ-グルカンを抽出するために、マキネッタ抽出器の適用を検討した。その結果、漢方薬として用いられるブクリョウや各種食用キノコから効率良くβ-グルカンを抽出することができた。また、カンゾウからグリチルリチン酸、オウレンやオウバクからベルベリン、樹木樹皮からタンニンを抽出することもできた。これら抽出液の活性は高く、特にブナシメジからのβ-グルカンは高い抗腫瘍活性を有していた。
著者
立本 圭吾 久 育男 出島 健司 西山 康之 任 書嘉 増田 有加里
出版者
Japan Otological Society
雑誌
Otology Japan (ISSN:09172025)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.54-59, 1995-03-30 (Released:2011-06-17)
参考文献数
19

A 60-year-old male suffered from left temporalgia and developed mastoiditis. A jugular foramen syndrome (cranial nerve IX, X and XII deficit) that occurred in spite of mastoidectomy was improved by means of dissection of petrosal part.One month later. at the contra-lateral side of the jugular foramen syndrome, Gradenigo syndrome originated from mastoiditis occurred. Mastoidectomy resulted in improvement of clinical symptoms.Five months after the surgery, the patient developed left superior orbital fissure syndrome (cranial nerve II, III and V palsy) with thickening of the dura mater which was demonstrated by Gd-DTPA MRI.Corticosteroid therapy was effective except for blindness.These clinical findings of cranial nerve palsies were suspected to be associated with the migrating disseminated multiple cranial neuropathy.
著者
山田 政寛 岡本 剛 島田 敬士 木村 拓也 大久保 文哉 小島 健太郎 緒方 広明
出版者
九州大学基幹教育院
雑誌
基幹教育紀要 = Bulletin of kikan education (ISSN:21892571)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.61-72, 2016

Higher educational organizations are required to improve educational quality recently in order to faster active life-long learners, and take several educational methods for that purpose such as the establishment of learning support out of class settings for active learning. Portfolio, in particular, e-portfolio is one of the helpful tools to promote the reflecting and planning of learner's learning outcome, which play an important role in the promotion of active learning. £-portfolio allows learner to store, manage, access, and maintain their learning outcome using electric devices, on the other hand, it has the functional limitations such as handwriting and annotations. However, the difference of learner's perceived effects on their learning is under the discussion, due to the lack of the findings about comparative research between e-portfolio types. This research aims to investigate the differences of the learner's perceived effects on their learning with between paper-based and e-portfolios. The findings reveal that paper-based portfolio was more effective than e-portfolio, in terms of the instructor's presence and the perceived ease of the access to the feedback from instructors. The perceived effects of e-portfolio in terms of the management and access ware superior to that of paper-based portfolio.
著者
君島 健夫 小澤 秀夫
出版者
神奈川工科大学
雑誌
神奈川工科大学研究報告.B,理工学編 (ISSN:21882878)
巻号頁・発行日
no.41, pp.5-6, 2017-03-20

SDS-PAGE is essential for protein experiment in many laboratories. SDS-PAGE gel is constituted by separating and stacking gels. For the preparation of SDS-PAGE gel, the reagent mixture of separating gel is added between glass plates and then, usually, water is overlaid. After the polymerization of the separating gel, the water was removed and the reagent mixture of stacking gel is added. It was suggested from this study that the overlaid water was not essential for the preparation of SDS-PAGE gel.
著者
松尾 宇泰 相島 健助
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

現代科学・工学では,微分方程式の数値計算に基づくシミュレーションが必須であるが,扱う問題が飛躍的に大規模化する一方,ムーアの法則の終焉により,並列(高性能) 計算のみに頼った性能向上は以前ほど望めなくなっている.本研究は,この状況を本質的に打開するために,数値解析学における最先端の2大トレンド,「構造保存数値解法:方程式の数理構造を活用することで物理的に適切な数値解を保証する手法」,および「モデル縮減法:大規模方程式を低次元近似することで数理的に計算量を削減する手法」を組み合わせ,数理的手法により,物理的に正しい数値シミュレーションを高速に行う,新しい数値計算法の枠組を創出することを目指す.平成29年度は,まず非線形シュレディンガー方程式に対してSymplecticモデル縮減法を適用し,良好に動作することを確かめた.またカーン・ヒリヤド方程式など散逸型の方程式に対して,最新の(非構造保存的)モデル縮減法をいくつか実装し,それらの有効性をある程度確認した上で,構造保存的でないモデル減ではこれらの方程式のモデル縮減に限界があることを初めて明らかにした.以上の成果は,「構造保存的モデル縮減」という考え方がモデル縮減においては必須であり,その方向の研究が望まれることを改めて示すものである.また動的モード分解法について検証し,その新しい拡張を与えた.さらに,一般線形系に対するある種の乱択アルゴリズムについて,初めて理論的収束証明を与えた.
著者
本岡 拓哉 土屋 衛治郎 松尾 忠直 中島 健太
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2017年度日本地理学会春季学術大会
巻号頁・発行日
pp.100184, 2017 (Released:2017-05-03)

1.はじめに フィールドワークは、地理学や文化人類学をはじめとした様々な学問分野の研究手法となっており、教育手法としてのアクティブラーニングにおいても多用されている。地域に入り込み、地域に根差した調査を行い、地域のリアルな記述を目指し、さらには、地域に潜む有益な知識・知見を取り出す活動といえる。文部科学省(2014)高等学校学習指導要領解説には「地理的な見方」として「諸事情を位置や空間的な広がりとのかかわりで地理的事象として見出すこと」とある。その教育手法として重視されるフィールドワークにおいて、教員からフィールドのどこをどのようにみればよいのかという見方の伝達や、学生それぞれの見方を推進するといった教育がなされているともいえる。 これまでのフィールドにおける「地理的な見方」の教育手法として、現場実習的な伝達や学習者自身での気づき・獲得が多かった。一方、記録を用いた教育実践はあまりみられなかった。先人の「地理的な見方」を直接的に記録し、後進への財産として残し活用することは、文化をデジタルデータとして記録し保存、活用しようとするデジタルアーカイブにも通じるだろう。   2.アクションカメラを用いた「地理的な見方」の記録 フィールドワークに関して記録方法とされるものは多々あるが、大別すると、フィールドそのものをありのまま残そうとする「素材」の記録(例えば、画像や動画記録)と、テーマや問いに即しフィールドワークの全体的結果をまとめ、他の調査内容とも合わせて説明が加えられた「解説・論」の記録(例えば巡検報告や論文)に分けられると考える。この中から「地理的な見方」が残せる記録方法は、フィールドのどこに注目するかという「素材」性と、その素材に対する解釈や説明など「解説」性の両面が保持されているものではないだろうか。小林(2012)は「そもそも地域研究とは、フィールド(地域)をどうみるか、フィールドをどう捉えるかが基本となる」と述べた。フィールドのどこを見て、どう解釈するかという記録が「地理的な見方」に近づく可能性が高い。本研究では調査者の視点と発話をアクションカメラを用いた動画記録として取得した。   3.アクションカメラ動画の効果検証 アクションカメラPanasonic HX-A1HとHX-A500とヘッドマウントオプションにより利用者の視線動画撮影を行った。テスト撮影を重ねたところ、アクションカメラの動画には閲覧者にとって学習する価値ある情報が入り、地理的見方学習に活用できる可能性が示された(土屋ほか、2016)。 本研究では、アクションカメラを用いた動画と、ハンディビデオカメラを用いてフィールドワークの様子を引き気味に撮影した動画を比較し、アクションカメラが「地理的な見方」記録につながるか検証した。フィールドワークは大学近隣の植生調査を教員役(主調査者)と学生役(主調査者に指導を受けながら調査)の2名でアクションカメラを装着し実施した(図2)。ハンディカメラは両名の背後から広角で撮影した。 それぞれのカメラの動画を、上記の2名とハンディカメラ撮影者2名が閲覧し、各動画の印象と差について意見を表1のようにまとめてもらった。アクションカメラを用いると、よりフィールドにいる当人の説明活動を追跡できることや、地図などフィールドにおける資料やツールの利用方法など把握できる可能性が明らかになった。一方で、デメリットとして、そもそもどのような活動をしているのかという文脈情報は把握しづらく、引きカメラなどとの掛け合わせの利用の必要性も明らかになった。
著者
田島 健次
出版者
THE SOCIRETY OF RUBBER SCIENCE AND TECHNOLOGYY, JAPAN
雑誌
日本ゴム協会誌 (ISSN:0029022X)
巻号頁・発行日
vol.85, no.12, pp.406-411, 2012 (Released:2013-08-02)
参考文献数
14
被引用文献数
1

Cellulose is the most abundant biopolymer in nature and is utilized in a wide variety of industries. Although plants produce the most cellulose, some animals and bacteria also produce cellulose. Acetobacter (=Gluconacetobacter), which is a Gram-negative bacterium, produces cellulose called bacterial cellulose (BC) from glucose on the surface of a culture medium. Even in plants, there is little knowledge concerning the mechanisms of cellulose biosynthesis. Due to its ease of handling, Acetobacter xylinum (A. xylinum) has been studied as a model organism of cellulose production. BC has exceptional physicochemical properties, such as ultrafine reticulated structure, high crystallinity, high tensile strength, high hydrophilicity, moldability during formation, and biocompatibility, although its chemical structure is the same as those of the cellulose produced by plants and algae. These remarkable characteristics are of interest for the development and manufacture of a wide range of materials, such as food matrices, dietary fiber, acoustic membranes, special biomaterials. In this article, I introduce cellulose synthesis by bacteria (features and applications) and the synthetic mechanism of BC.
著者
宮島 健人 木島 竜吾
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.21, no.1, pp.131-140, 2016-03-31 (Released:2017-02-01)

The latency is a fundamental and important value in the specification of HMD. However, the HMDs of the state of the art equipped with the latency compensation, the notion of the simple lag is not enough to describe the dynamical characteristic of them. The purpose of this study is to evaluate the average latency as the equivalent simple lag and the accuracy of compensation by the experiment. Further, the dynamical distortion caused by the lag compensation is also evaluated.Oculus Rift DK2 is chosen as the target HMD of this evaluation. The average latency was approximately 26 ms without lag compensation, and it was about 1 ms with both of the Prediction and the Timewarp.
著者
山本 希 三浦 哲 市來 雅啓 青山 裕 筒井 智樹 江本 賢太郎 平原 聡 中山 貴史 鳥本 達矢 大湊 隆雄 渡邉 篤志 安藤 美和子 前田 裕太 松島 健 中元 真美 宮町 凛太郎 大倉 敬宏 吉川 慎 宮町 宏樹 柳澤 宏彰 長門 信也
出版者
日本地球惑星科学連合
雑誌
日本地球惑星科学連合2016年大会
巻号頁・発行日
2016-03-10

蔵王山は,東北日本弧中央部に位置し宮城県と山形県にまたがる第四紀火山であり,現在の蔵王山の火山活動の中心となる中央蔵王においては,火口湖・御釜周辺での火山泥流を伴う水蒸気噴火など多くの噴火記録が残されている.一方,蔵王山直下では,2011年東北地方太平洋沖地震以後,深部低周波地震の活発化や浅部における長周期地震や火山性微動の発生が認められ,今後の活動に注視が必要であると考えられる.そのため,地震波速度構造や減衰域分布といった将来の火山活動推移予測につながる基礎情報を得るために,「災害の軽減に貢献するための地震火山観測研究計画」の一環として,人工地震を用いた構造探査実験を実施した.本人工地震探査は,全国の大学・気象庁あわせて9機関から21名が参加して2015年10月に行われ,2箇所のダイナマイト地中発破 (薬量200kgおよび300kg) によって生じた地震波を132点の臨時観測点 (2Hz地震計・500Hzサンプリング記録) および定常観測点において観測した.測線は,屈折法解析による火山体構造の基礎データの取得およびファン・シューティング法的解析による御釜周辺の地下熱水系の解明を目指し,配置設定を行った.また、地中発破に加え、砕石場における発破も活用し、表面波解析による浅部構造推定の精度向上も目指した.得られた発破記録から,解析の第一段階として,初動到達時刻を手動検測して得られた走時曲線のtime term法解析を行った結果,P波速度5.2~5.5 km/sの基盤が地表下約0.5kmの浅部にまで存在することが明らかとなった.また,本人工地震探査時および2014年に予備観測として行った直線状アレイを用いた表面波の分散性解析の結果も,ごく浅部まで高速度の基盤が存在することを示し,これらの結果は調和的である.一方,ファン状に配置した観測点における発破記録の初動部および後続相のエネルギーを発破点からの方位角毎に求め,御釜・噴気地帯を通過する前後の振幅比から波線に沿った減衰を推定した結果,御釜やや北東の深さ約1km前後に減衰の大きな領域が存在することが示された.中央蔵王においては,これまで主に地質学的手法により山体構造の議論が行われてきており,標高1100m以上の地点においても基盤露出が見られることなどから表層構造が薄い可能性が示唆されてきたが,本人工地震探査の結果はこの地質断面構造とも整合的である.一方で,得られた速度構造は,これまで蔵王山の火山性地震の震源決定に用いられてきた一次元速度構造よりも有意に高速度であり,今後震源分布の再検討が必要である.また,御釜やや北東の噴気地帯直下の減衰域は,長周期地震の震源領域や全磁力繰り返し観測から推定される熱消磁域とほぼ一致し,破砕帯およびそこに介在する熱水等の流体の存在を示唆する.今後のさらなる解析により,震源推定の高精度化など,火山活動および地下流体系の理解向上が期待される.
著者
平居 貴生 髙木 三千代 中島 健一 井上 誠
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.139, no.6, pp.861-866, 2019-06-01 (Released:2019-06-01)
参考文献数
35
被引用文献数
1

Brown adipose tissue is a critical regulator of metabolic health, and contributes to thermogenesis by uncoupling oxidative phosphorylation through the action of mitochondrial uncoupling protein 1 (Ucp1). Recent studies have shown that cold exposure and the stimulation of β3-adrenergic receptors induce the development of brown cell-like “beige” adipocytes in white adipose tissue. Brown and/or beige adipocyte-mediated thermogenesis suppresses high-fat diet-associated obesity. Therefore, the development of brown/beige adipocytes may prevent obesity and metabolic diseases. In the present study, we elucidated whether naturally occurring compounds contribute to regulating the cellular differentiation of brown/beige adipocytes. We screened for the up-regulated expression of Ucp1 during beige adipogenesis using extracts of crude herbal drugs frequently used in Kampo prescriptions (therapeutic drugs in Japanese traditional medicine). This screening revealed that the extract prepared from Citri Unshiu Pericarpium [the peel of Citrus unshiu (Swingle) Marcov.] increased the expression of Ucp1 in beige adipocytes. We also focused on the function of clock genes in regulating brown/beige adipogenesis. Therefore, another aim of the present study was to evaluate naturally occurring compounds that regulate brain and muscle Arnt-like 1 (Bmal1) gene expression. In this review, we focus on naturally occurring compounds that affect regulatory processes in brown/beige adipogenesis, and discuss better preventive strategies for the management of obesity and other metabolic disorders.
著者
藤原 靖宏 中辻 真 塩川 浩昭 三島 健 鬼塚 真
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会論文誌 (ISSN:13460714)
巻号頁・発行日
vol.30, no.2, pp.473-478, 2015-03-01 (Released:2015-02-03)
参考文献数
6

In AI communities, many applications utilize PageRank. To obtain high PageRank score nodes, the original approach iteratively computes the PageRank score of each node until convergence from the whole graph. If the graph is large, this approach is infeasible due to its high computational cost. The goal of this study is to find top-k PageRank score nodes efficiently for a given graph without sacrificing accuracy. Our solution, F-Rank, is based on two ideas: (1) It iteratively estimates lower/upper bounds of PageRank scores, and (2) It constructs subgraphs in each iteration by pruning unnecessary nodes and edges to identify top-k nodes. Experiments show that F-Rank finds top-k nodes much faster than the original approach.
著者
菊池 慶之 手島 健治
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.2012, 2012

<b>1</b><b>.はじめに<br></b>オフィスビルの取壊と建替を空間的に扱った研究は非常に少ない.これは,オフィスビルの取壊に関して公表されているデータが非常に少ないことや,オフィスビルの耐用年数は長く,取壊自体が少なかったことに起因するものと考えられる.しかし東京においては,大型オフィスビルの大量供給と企業のオフィススペース再編の動きを背景に,2003年頃から老朽化した狭小なオフィスビルの取壊と建替の動きが顕在化してきた.このようなオフィスビルの取壊と建替は,CBDをより高密で集約された業務地域に再編成する可能性がある.そこで本稿では東京都心3区におけるオフィスビルの取壊と取壊後の建替動向を検討し,オフィスビル建替の空間的特徴を明らかにする. 分析にあたっては,日本不動産研究所が実施している全国オフィスビル調査の詳細資料を用いる.全国オフィスビル調査では,2006年から全国のオフィスビルストックに関するデータを公表し,取壊ビルについても集計結果を公表している.調査対象は建物用途が主に事務所機能のビルであり,東京都心3区においては床面積5,000㎡以上のすべてのオフィスビルについて,毎年12月末時点の状況が分かる.このうち本稿では,オフィスストックの全数を把握できる2004年から2010年にかけての取壊を分析対象とした.<br><b>2</b><b>.オフィスビルの取壊<br></b>東京都心3区においては,2004年~2010年にかけて182棟(257万㎡)の取壊があり,2003年末時点のオフィスビルの11.2%(床面積:8.3%)にあたる.取壊オフィスビルの平均築後年数は38年となっている.区別にみると千代田区55棟(123万㎡),中央区66棟(66万㎡),港区61棟(68万㎡)となる.2003年末時点のオフィス床面積に対する取壊比率を町丁別にみると,JR山手線沿線などの利便性に優れたエリアで高くなる傾向にある.<br><b>3</b><b>.オフィスビルの建替<br></b>取壊後の建替の動向を見ると,取壊182棟のうち167棟は建替が完了しているか計画・建設中で建替後の用途が判明している.建替後の用途はオフィスが138棟(83%)と最も多く,続いて住宅が15棟(9%),商業店舗9棟(5%)の順となる.建替後の用途を区別にみると,千代田区では92%がオフィスであるのに対して,中央区,港区では2割強がオフィス以外に用途転換されている.<br><b>4</b><b>.おわりに<br></b>東日本大震災を受けて,オフィスビルの耐震性が改めて注目されているほか,省エネ性能やエネルギー効率などの環境対応も重視されつつあることから,今後性能の劣る築古ビルの取壊が増えていくことが予想される.一方で,立地に劣るオフィスビルでは取壊後の用途転換が進む傾向にあり,東京都心3区では業務地域の再編成が進行しつつあるものと言えよう.
著者
渋野 拓郎 竹内 直子 橋本 博明 具島 健二
出版者
広島大学生物生産学部
雑誌
生物生産学研究 (ISSN:1341691X)
巻号頁・発行日
vol.37, pp.17-21, 1998-12

魚食性魚類に餌として利用されている魚類の分類群とその大きさを明かにするために、南日本の口永良部島の磯において肉食性魚類の消化管内容物を調査した。調査対象種14科31種723個体中、アオヤガラ Fistularia petimba、ワヌケトラギス Parapercis cephalopunctata、アカエソSynodus ulae、ギンガメアジ Caranx sexfasciatus などの14科31種156個体によって合計339個体の魚類が捕食されていた。この中で、表層性のキビナゴ Spratelloides gracilis が最も多く利用されていた。また、口永良部島の磯においては、体長19.0mmから55.0mm、体高4.0mmから8.0mmの魚類に対する捕食圧が高いことが明らかになった。The gut contents of piscivorous fishes (14 families, 31 species, 723 specimens) collected at the reefs of Kuchierabu-jima, southern Japan, were examined to determine the composition and size of their fish prey. One hundred fifty six of predators in 31 species and 14 families, including Fistularia petimba, Parapercis cephalopunctata, Synodus ulae, Caranx seafasciatus, fed on 339 items of prey. Piscivorous fishes at the reefs ate mainly the pelagic fish, Spratelloides gracilis. The feeding pressure was particularly high in fishes with body length 19.0-55.0 mm and body depth 4.0-8.0 mm at these reefs,
著者
丸山 勝久 島 健一
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.41, no.6, pp.1777-1790, 2000-06-15
参考文献数
24

オブジェクト指向ソフトウェア開発において,フレームワークを再構成することは,その再利用性をより高くする効果を持つ.しかしながら,再構成操作は手動で行うには複雑である.本論文では,過去のアプリケーション開発時のメソッドの変更履歴に基づく重み付き依存グラフを用いて,フレームワークを自動的に再構成する手法を提案する.本再構成手法では,継承によりクラスを再利用した際,メソッド内部に存在する依存関係が保存あるいは破壊されるかどうかに応じて,依存関係の強さを指す重みを変動させる.重み付き依存グラフの矢印に蓄積された重み値に基づき,もとのフレームワークにおいて,そのまま再利用可能な固定部分と要求に応じて柔軟に変更する可変部分を分離することで,個々の開発者に特化したフレームワークの成熟化を実現する.適切に分離された固定部分と可変部分を含むフレームワークを用いることで,アプリケーション開発における実装の繰返しを軽減できる.本論文における評価実験では,開発者の記述コード量に関して,最大22%(従来手法に比べて約2倍)の減少率を確認した.While refactoring makes application frameworks more reusable,it is complex to do by hand.This paper presents a mechanism that automatically refactors methodsin object-oriented frameworks by using weighted dependence graphs,whose edges are weighted based on the modification histories of the methods.To find the appropriate boundarybetween frozen spots and hot spots in the methods,the value of the weight varies based on whether the dependencein the original methods has been repeatedly preserved or destroyedin the methods of applications created by programmers.The mechanism constructs both template methods that containthe invariant dependence and hook methods that are separatedby eliminating the variant dependence.The new template methods and hook methods tailored toeach programmer save him/her from writing superfluous codewhen reusing a framework.Experimental results show a reduction rate of up to 22%in the number of statements a programmer has to writewhen creating several applications;this percentage is double that achievableby a conventional refactoring technique.
著者
奥田 稔 中島 健 山本 一生
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.48, 2013 (Released:2013-06-20)

かつては大きく重く、長時間持ち運ぶことも苦労だったノート型のパーソナルコンピュータも、ウルトラブック、タブレットPC、スマートフォンになり、常時携帯する道具となってきた。これらの携帯電子機器は、最先端のデバイス開発によって性能を競い合っているが、結局は性能だけでなく、機能そして造形まで画一化してきている。そのため、携製品を薄く軽量に仕上げるための高剛性の素材、良い触感の表面仕上げに加え、差別化された高級感、先進性を表現する加飾技術が必要とされている。実際に製品例を示しながら、携帯電子製品のCMF加飾技術の動向を検証する。
著者
林 梅 佐藤 哲彦 村島 健司 西村 正男 荻野 昌弘
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2014-04-01

本研究では、中国辺境地域が、市場経済や国家による開発に組み込まれる過程で、均一的な文化の受容を通して地域社会を変容させながらも、少数民族独自の伝統や文化を継承していく様態を明らかにすることに努めてきた。それは、グローバリゼーション時代において直面せざる得なくなった多文化社会のあるべき方向性を模索する作業で、そこには多重の人為的な「境界」による他者性を生きながらも、そうした「境界」を使い分けている構造があったといえる。
著者
木股 文昭 石原 和弘 植木 貞人 内田 和也 小山 悦郎 佐藤 峰司 鈴木 敦生 高山 鐵朗 竹田 豊太郎 辻 浩 寺田 暁彦 中坊 真 浜ロ 博之 平野 舟一郎 松島 健 宮島 力雄 森 済 八木原 寛 山本 圭吾 渡辺 秀文
出版者
京都大学防災研究所
雑誌
京都大学防災研究所年報 (ISSN:0386412X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.35-43, 1999-04

1998年以降, 火山活動が活発化している岩手山火山において, 火山活動に伴う地殻上下変動とその圧力源を議論する目的で, 水準路線を設置し, 1998年7, 9, 11月に精密水準測量を実施した。1998年9月3日, 水準測量実施中に, 直下でM6.1の地震が発生し, 20cmに達する断層運動を水準測量で検出した。岩手山南麓ではこの4ヶ, 月間に4cmに達する山側隆起の上下変動が観測され, その圧力源は岩手山西方に深さ3km前後と推定される。Earthquake swarm is observed around the Iwate-san Volcano, Northeast Japan since 1998. The leveling route with distance of 36 km was set up around the volcano and the precise levelings have been repeated to discuss the crustal deformation four times in July, September, September and November in 1998. When the precise levelingis doing in September 3, 1998, earthquake of M6. 1 was occurred close to the volcano. One leveling team was making leveling in the epicenter area, Re-levelings were repeated since the next day of the earthquake, and coseisimic deformations of 20 cm are detected along the leveling route. However the precursor of the vertical movements is not recognized in the leveling data made just before the earthquake. Uplift of the Iwate-san Volcano is observed and which amounts to 4 cm in the period of July to November in 1998. The pressure sources of the vertical deformations are estimated to be under the west side of the volcano with depth of 3 kim, which is the almost the same location of the pressure estimated by GPS measurements and the DInSAR (Differential Interferometric SAR).