著者
田中 佑典 倉島 健 藤原 靖宏 岩田 具治 澤田 宏
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.58, no.2, pp.580-593, 2017-02-15

本稿では,シングルソースデータを入力としてユーザの購買行動を引き起こした要因を推定する手法を提案する.シングルソースデータとは,各ユーザに対して収集された購買履歴およびメディア広告の閲覧履歴である.提案モデルでは,ユーザの購買行動が(a)個人の嗜好,(b)他ユーザからの社会的影響,(c)メディア広告の影響の3つの要因を考慮した確率過程に従って生成されると仮定する.ユーザ間および企業とユーザ間の潜在的な影響関係を推定し,それらをモデルに組み込むことによってユーザの購買要因を特定する.実データを用いた評価実験では,ユーザの購買予測精度を比較することにより提案モデルの妥当性を示した.さらに,実データを用いて人気商品や影響力のあるユーザおよび企業の抽出,購買を引き起こした要因の分析,および,推定された購買要因に基づくユーザセグメントを行った結果について述べる.This paper proposes a method for inferring the factors that trigger purchases from single-source data. Single-source data are the histories of item purchases and media advertisement views for each individual. We assume a sequence of purchase events to be a stochastic process incorporating the following three factors: (a) user preference, (b) social effects received from other users, and (c) media advertising effects. As our model incorporates the latent relationships between users and advertisers, it can identify the purchase triggers. Experiments using real-world single-source data sets show that our model can achieve high prediction accuracy for purchases. We also show that our model can discover the key information, i.e., popular items, influential users, and influential advertisers, and estimate the relative impact of the three factors on purchases. Furthermore, our model can find user segments based on the estimated purchase triggers.
著者
外島 健司
出版者
近畿大学
雑誌
生駒経済論叢 (ISSN:13488686)
巻号頁・発行日
vol.4, no.2, pp.299-310, 2006-12-20

近年,わが国の株式市場において,株式併合を実施する企業が増加しつつあり,同時にその理由も多様化しつつある。本稿では,まず株式併合の目的の整理を行い,株式併合が株式市場にどのような影響を与えるかを,減資を伴う企業とそうでない企業に分け検証を行った。その結果,株式併合は公表日・実施日及びその直後,減資を伴う,伴わないに関わらず,一時的とはいえ株価は下落し,売買高は株式併合実施後,しばらくして緩やかに増加していることが分かった。株式併合は再建企業が実施するものというイメージが投資家にまだ強いが,今後,減資を伴わない株式併合が増加すれば,このイメージは払拭されることと思われる。
著者
中島 健三
出版者
公益社団法人日本数学教育学会
雑誌
日本数学教育会誌 (ISSN:0021471X)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.2-6, 1968-02-01
被引用文献数
5
著者
斎藤 豊 松田 尚久 中島 健 坂本 琢 山田 真善 斎藤 彰一 池松 弘朗 和田 祥城 岡 志郎 河野 弘志 佐野 寧 田中 信治 藤井 隆広 工藤 進英 浦岡 俊夫 小林 望 中村 尚志 堀田 欣一 堀松 高博 坂本 直人 傅 光義 鶴田 修 樫田 博史 竹内 洋司 町田 浩久 日下 利広 吉田 直久 平田 一郎 寺井 毅 山野 泰穂 金子 和弘 山口 裕一郎 玉井 尚人 中野(丸山) 尚子 林 奈那 岩館 峰雄 石川 秀樹 吉田 茂昭 The Japan NBI Expert Team (JNET)
出版者
一般社団法人 日本消化器内視鏡学会
雑誌
日本消化器内視鏡学会雑誌 (ISSN:03871207)
巻号頁・発行日
vol.58, no.11, pp.2314-2322, 2016 (Released:2016-11-20)
参考文献数
14

現時点で日本から提唱されている大腸NBI拡大分類(佐野分類,広島分類,昭和分類,慈恵分類)の臨床研究の結果から,大腸病変における質的・量的診断に対して,NBI拡大観察の有用性が数多く報告されている.また欧米と日本の共同グループから非拡大でも使用可能な分類としてNICE分類が提唱された.学会・研究会で討論を重ねるに従い,ⅰ)同一類似所見に対して複数の定義呼称が存在する,ⅱ)拡大内視鏡分類におけるSurface patternの必要性の有無,ⅲ)隆起型,表面型病変におけるNBI所見の相違などの問題点が議論されるようになった.2011年,この問題を解決するべく,大腸拡大NBI統一分類作成を目的とするThe Japan NBI Expert Team(JNET)が吉田茂昭先生の声かけのもと結成され,国立がん研究センターのがん研究開発費の班会議で検討が行われた.まずワーキンググループが結成され,JNET分類の元となるスケールが形成され,会議で了承を得た.このJNETスケールを元にWeb-baseでVessel pattern, Surface patternの診断精度を検討し,単変量・多変量解析の結果を基に議論を重ねたのち,2014年6月大腸拡大NBI統一分類がmodified Delphi methodによるコンセンサスを得て提唱されるに至った.JNET大腸拡大NBI分類はVessel pattern, Surface patternのカテゴリーからなるType 1,2A,2B,3の4分類に分類される.Type 1は過形成性ポリープ,Type 2Aは腺腫~低異型度癌(Tis),Type 2Bは高異型度癌(Tis/T1a),Type 3は高異型度癌(T1b~)の病理所見に相関する.所見の目合わせに関して現在班会議,日本消化器内視鏡学会附置研究会において議論を重ねている段階である.
著者
小澤 哲也 山田 洋 佐藤 弘二 小島 健 薮上 信 小林 伸聖 中居 倫夫 荒井 賢一
出版者
公益社団法人 日本磁気学会
雑誌
Journal of the Magnetics Society of Japan (ISSN:18822924)
巻号頁・発行日
vol.37, no.1, pp.1-7, 2013-01-01 (Released:2013-01-08)
参考文献数
12
被引用文献数
10

We report the results we obtained from applying a magnetic system to detect cracks using a thin film magnetic field sensor to measure the hole of aluminum. The thin film magnetic field sensor consisted of a coplanar line and amorphous CoFeSiB film. The main characteristic of the sensor is that the phase of the carrier signal changes when a magnetic field is applied. The sensitivity of the developed sensor was 70 deg./Oe. We used the thin film magnetic field sensor in an experiment to measure leakage magnetic flux from the surface of the aluminum while applying an AC magnetic field to the aluminum. The surface of the aluminum was scanned by an electric stage with a motor. The phase value of the sensor was converted to a voltage value, and then measured with a lock-in amplifier. As a result, the hole of aluminum was detected by measuring the distribution of the leak magnetic flux on the aluminum surface.
著者
大谷 栄治 倉本 圭 今村 剛 寺田 直樹 渡部 重十 荒川 政彦 伊藤 孝士 圦本 尚義 渡部 潤一 木村 淳 高橋 幸弘 中島 健介 中本 泰史 三好 由純 小林 憲正 山岸 明彦 並木 則行 小林 直樹 出村 裕英 大槻 圭史
出版者
日本惑星科学会
雑誌
遊・星・人 : 日本惑星科学会誌 (ISSN:0918273X)
巻号頁・発行日
vol.20, no.4, pp.349-365, 2011-12-25
被引用文献数
1

「月惑星探査の来たる10年」検討では第一段階で5つのパネルの各分野に於ける第一級の科学について議論した.そのとりまとめを報告する.地球型惑星固体探査パネルでは,月惑星内部構造の解明,年代学・物質科学の展開による月惑星進化の解明,固体部分と結合した表層環境の変動性の解明,が挙げられた.地球型惑星大気・磁気圏探査パネルは複数学会に跨がる学際性を考慮して,提案内容に学会間で齟齬が生じないように現在も摺り合わせを進めている.本稿では主たる対象天体を火星にしぼって第一級の科学を論じる.小天体パネルでは始原的・より未分化な天体への段階的な探査と,発見段階から理解段階へ進むための同一小天体の再探査が提案された.木星型惑星・氷衛星・系外惑星パネルは広範な科学テーマの中から,木星の大気と磁気圏探査,氷衛星でのハビタブル環境の探査,系外惑星でも生命存在可能環境と生命兆候の発見について具体的な議論を行った.アストロバイオロジーパネルでは現実的な近未来の目標として火星生命探査を,長期的な目標として氷衛星・小天体生命探査を目指した観測装置開発が検討された.これらのまとめを元に「月惑星探査の来たる10年」検討は2011年7月より第二段階に移行し,ミッション提案・観測機器提案の応募を受け付けた.
著者
飯島 健太 今泉 祥子 青木 直和 小林 裕幸
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会冬季大会講演予稿集 (ISSN:13434357)
巻号頁・発行日
no.2013, pp.1-2-1-"1-2-2", 2013-12-18

Aiming an automatic method for creation of pixel art, four Imaging processes, Lanczos-Resampling, MDA-Clustering, Canny Edge Detector, and Coloring of Contour process were used. The last process is particularly new proposal of pixel art and results in an expression almost like 16-bit video-game console.
著者
林 義晃 手計 太一 永島 健 山﨑 惟義
出版者
水文・水資源学会
雑誌
水文・水資源学会誌 (ISSN:09151389)
巻号頁・発行日
vol.28, no.5, pp.221-232, 2015-09-05 (Released:2015-10-07)
参考文献数
18
被引用文献数
2 6

本研究では,北陸地方における地上雨量観測所とCバンドレーダ(以下,レーダ雨量計)を用いて,X-バンドMP レーダ(以下,X-MP)における降水量推定精度の時空間分布特性について検討した.本研究では,X-MPの推定精度を相関係数と推定誤差より評価した. 時系列による推定精度の解析の結果,強い降水強度を伴う降水イベントでは,X-MPの方が精度良く推定できるが,弱雨や降雨継続時間の長い降水イベント,レーダサイトから離れた地域では,レーダ雨量計の方が精度良く推定できることがわかった.空間解析の結果,地上雨量観測所を中心として2.25×2.25 kmの範囲までであれば,X-MPは精度良く推定できることが示唆された.しかし,レーダサイトから20 km以上離れる地域では,X-MPよりレーダ雨量計の方が精度良く推定できることも明らかになった.梅雨期と降雪期における総降水量の定量的検討の結果,両レーダとも地上雨量データより過大評価しており,特に降雪期において顕著であった.
著者
尾澤 重知 江木 啓訓 森 裕生 網岡 敬之 牛島 健太 吉田 光希
出版者
早稲田大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究では、大学教育において、効果的なポスター発表方法を学ぶための学習プログラムや、ポスター発表の改善を支援するためのシステムの開発と評価を行った。学習者が制作した学習ポートフォリや、発表中の表情や視線について量的・質的に分析をした結果、本プログラムや提案システムの有用性を明らかにすることができた。これらの知見の中でも、ポスター作成の準備段階で自身の研究の図式化を促すことの効果や、聴衆に対する疑問の投げかけ方が全体の印象を左右することを明らかにした点が本研究の成果である。
著者
副島 健治
出版者
富山大学留学生センター
雑誌
富山大学留学生センター紀要 = Journal of International Student Center, Toyama University (ISSN:13472739)
巻号頁・発行日
vol.7, pp.64-65, 2008-10

1998年,当時の小渕恵三日本国総理大臣と金大中韓国大統領による日韓首脳会議が行われ,21世紀に向けた新たな日韓パートナーシップを構築するとの共通の決意を宣言したが,この合意に基づき,具体的な行動計画として「日韓共同理工系学部留学生事業」が立ち上げられた。この事業は韓国で選抜された高校卒業生を留学生として日本の国立大学の理工系学部が受け入れるプログラムである。1999年に第一期生の募集が開始された。富山大学ではこのプログラムによりこれまでのべ7人を受け入れてきた。本学に配置があった年度は2001年度,2003年度,2004年度,2006 年度であった。2001年度(第2期生)4人,2003年度(第4期生)1人,2004年度(第5期生)1人,2006年度(第7期生)1人,計7人
著者
石島 健太郎
出版者
日本社会学会
雑誌
社会学評論 (ISSN:00215414)
巻号頁・発行日
vol.66, no.2, pp.295-312, 2015 (Released:2016-09-30)
参考文献数
24

本稿は, 身体障害者の介助において, 利用者の決定に対して自身の存在が不可避にもってしまう影響を踏まえたうえで, 介助者がいかに介助の実践に臨んでいるのかを問う.介助者は手段にすぎないという主張に対し, 近年では利用者の決定に先だって介助者の存在がこれに影響していることが指摘され, そうした存在として介助者を記述することが提案されている. こうして従来の研究は利用者に対する介助者の実践を考察してきたのだが, 利用者の自己決定が介助者のあり方を理由として控えられてしまう状況に介助者が気づくのは別の介助者を通してであることを踏まえると, 介助者間の実践も検討される必要がある.そこで本稿では, 身体障害をもつALSの患者とその介助者を対象に, インタビュー調査を行った.その結果, 他の介助者を通じてある介助者が利用者の自己決定に影響していることが可視的になった場合, 介助者間の相互作用によって状況が改善され, 利用者が要望を出しやすい状況が達成されることもある一方, 介助者間の相互作用が抑制される場合もあることが発見された. また, そこでは利用者の自己決定の尊重という障害者の自立生活において重要な理念が逆機能的であることも明らかにされた.こうした介助者間の実践を描くことは, 従来の利用者に対する介助者の実践とは別の切り口から, 利用者の生が制限されないようにするための方法を考えるために参照されうる.
著者
秋山 美紀 田島 健
出版者
日経BP社
雑誌
日経ドラッグインフォメーションpremium
巻号頁・発行日
no.172, pp.28-30, 2012-02

日本版PHR(personal health record)を目指す政府の「どこでもMY病院」構想で、具現化の旗頭に選ばれた「電子版お薬手帳」。薬局関係者から大きな期待を集めている。昨年夏まで、政府IT戦略本部の「医療情報化に関するタスクフォース」のメンバーとして、本構想の策定にも携わった慶應義塾大学の秋山氏に、電子版お薬手帳の将来像を聞いた。
著者
高田 真秀 戸田 茂 神谷 大輔 松島 健 宮町 宏樹
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.47, no.3, pp.380-394, 2003-11

第43次日本南極地域観測隊(43次夏隊)は,みずほ高原において地殻構造の解明を目的に,ダイナマイト震源による地震探査を行った.この探査と同時に,探査測線下の基盤地形の詳細な分布を求めるため,アイスレーダーによる測定を実施した.本報告では,アイスレーダー測定の概要と得られた結果について報告する.
著者
鍛治 伸裕 福島 健一 喜連川 優
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.92, no.3, pp.293-300, 2009-03-01
被引用文献数
1

テキストマイニングでは,自然言語処理分野の基礎技術である形態素解析がモジュールとして利用されることが多い.しかし,ウェブには口語体のテキストが多く,新聞記事のような整ったテキストを対象としてきた自然言語処理技術では,十分な精度で解析を行うことは難しい.本論文では,形態素解析の精度低下は「ググる」などの片仮名用言が一因となっていることに着目し,それを大規模なウェブテキストから自動獲得する手法を提案する.
著者
飯島 健太郎
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.58, no.5, pp.69-72, 1994-03-31 (Released:2011-07-19)
参考文献数
6
被引用文献数
2 3

乾燥条件下への導入を前提としてSedum属2種 (S.makinoi, S.oryzifolium) の耐旱性を探るために給水停止後の生育と水ストレスの関係, 水ストレスによる生存臨界点, 水ストレスと気温の関係について検討した。生育状態は生体重量, 葉の数, 厚さ, 根の増加数, 水ストレス状態は葉の水ポテンシャルの測定によって判定した。その結果両種ともに給水停止後, 生体重量や葉厚が当初の20~25%に低下しても葉の水ポテンシャルはさほど低下せず約-1.0MPaを維持していた。萎凋点以下の土壌中での根の増加が見られた。水ストレスによる生存臨界点は-2.0~-3.0MPaであることが推察された。水ストレスの進行は10℃ ~20℃ よりも30℃ で緩慢になることが判明した。
著者
相良 恒太郎 吉田 有貴子 西堀 正英 国吉 久人 海野 徹也 坂井 陽一 橋本 博明 具島 健二
出版者
日本魚類学会
雑誌
魚類学雑誌 (ISSN:00215090)
巻号頁・発行日
vol.52, no.1, pp.35-39, 2005-05-25 (Released:2010-06-28)
参考文献数
13

A phylogenetic analysis, based on the complete nucleotide sequences of the mitochondorial control region (D-loop), was conducted on Mola mola occurring around the Japan coast. Two significantly distant clades (bootstrap value 914, based on 1000 replicates) were recognized. One consisted of 19 specimens with 812-814 by D-loop sequences that were collected from geographically wide spread locations around Japan (Aomori to Kagoshima). The other clade consisted of 3 specimens (all greater than 2 m in total length) collected from the Pacific coast of eastern Japan and characterized by 817 by D-loop sequences with many nucleotide substitutions compared with the former clade (ca.100 positions).