著者
後藤 隆 村上 文司 村上 文司 松尾 浩一郎
出版者
日本社会事業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、ソーシャルワーカー、ケアワーカー、看護師、保健師など、対人援助(ヒューマンサービス)専門職専門知の特性が、関連専門知識、法規、状況判断、クライアントとのコミュニケーション、利用可能な社会資源等々、多様な情報のからんだ、複雑な対象/問題/対策像構成プロセスにあることを、そうしたプロセスを記録した非定型テキスト・データの一種である「物語状」質的データの計量テキスト分析を通じて明らかにする.具体的には、(1)学齢前障害児通園施設の援助記録の分析, (2)高等看護学校看護学生の看護実習記録の分析をおこなった.(1)では、関連テストによる状態像把握と処遇計画書の関連を、(2)では、看護行為擁護分類と看護学生の看護実習記録および看護研究との関連を、扱った.
著者
後藤 敏行 田村 直良 立野 玲子
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J93-D, no.10, pp.1947-1957, 2010-10-01

電子楽譜の普及によりインターネットを経由して楽譜情報にアクセスできる環境が整ってきた.これに対して,視覚障害者が用いる点字楽譜はいまだ入手が困難である.筆者らは,電子楽譜( MusicXML )から点字楽譜を生成する自動翻訳システムを研究開発し,ホームページで公開するとともに,システムの評価と拡張を進めてきた.本研究では,交響曲などを含めた多様な楽譜に対応し,点字楽譜における短縮表現などの多様な表現形式を取捨選択できるように自動翻訳手法の機能拡張を行うとともに,インターネット上の電子楽譜を翻訳して提供する機能を開発した.本論文では,これらの機能と利用状況から示されたシステムの有用性について報告する.
著者
松本 金矢 森脇 健夫 根津 知佳子 後藤 太一郎 中西 良文 滝口 圭子 上垣 渉 廣岡 秀一 八木 規夫
出版者
三重大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

医学教育において実践されてきたPBL教育を,教員養成学部において展開するための基礎的な研究を行った.教育周辺領域の様々な現場においてPBL教育を実践し,コンテンツの開発を行った.特に,学生・院生に旅費を支給し,大学より離れた現場でのPBL教育を実践することができた.現場での実践を大学において省察し,学生が教員からのアドバイスを受けるためのネットワークシステムとしてmoodleを用い,そのための専用サーバを立ち上げた.例えば美術教育において学内・外のデザイン製作を学生と教員が協働して手がけるなど,教科の専門性を活かした活動や教科を超えた協働活動を展開した.また,先端的な取り組みを行っている他大学研究機関・学会の調査のために,海外視察を4回,国内視察を5回行った.これらの視察では,学生・院生を引率し,他大学の学生との交流も実現した.特に,秋田大学,愛媛大学とは双方向での視察・交流を果たし,moodle上で恒常的な交流の場を設置した.PBL教育の教育効果を明らかにするために,評価方法の開発にも注力している.日本教育大学協会研究助成プロジェクト(カルロス研究会)との協働により、パフォーマンス・アセスメント(PA)を用いた評価法の開発を推進し、そのためのマニュアル作成を行った。このようなPBL教育の成果を学内外に発信・共有するために、学内で開催された4回の公開研究会と4回のボスターセッションにおいて発表し,愛媛大学・島根大学とのジョイントシンポジウムを1回開催した。また、これらの成果を学会において論文・紀要等により発表した。開発されたすべてのコンテンツはデータベース化し、専用ホームページを通して公開している。
著者
峰村 今朝明 後藤 理 東山 三樹夫 白井 克彦
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 A (ISSN:09135707)
巻号頁・発行日
vol.J93-A, no.12, pp.833-834, 2010-12-01

単母音スペクトルのz変換表示からべき級数展開表現への拡張を検討した.単母音スペクトルはべき級数展開において周波数幅約120 (Hz)ごとに基点を置いた6次関数で表現できる.更にべき級数展開表現を用いた多項式の零点分布により,話者の違いを確認した.
著者
後藤 正夫 山中 勝司
出版者
日本植物病理学会
雑誌
日本植物病理學會報 (ISSN:00319473)
巻号頁・発行日
vol.47, no.5, pp.618-626, 1981-12-25

健全なナツミカン葉細胞間汁液(IF)中に見出される21種のアミノ酸について, かいよう病菌X. campestris pv. citriの感染に伴う濃度変化を定量的に調べ, 高濃度の主要アミノ酸について, 病菌増殖との関係を調べた。本病菌は増殖にメチオニンを必須成分として要求した。その最適濃度は0.05〜1.0μmol/mlで, IFはこれに匹敵するメチオニンを含有した。メチオニンの存在下でアスパラギン酸, アスパラギン, グルタミン酸, バリン, ロイシン, プロリン等がIF濃度で有効に増殖に利用された。特にプロリンはIFに多量に含まれ, しかも接種後数日で約10倍量に増加する点で, 重要な栄養源と考えられた。一方セリンおよびヒドロキシリジンはIF内濃度でかいよう病菌の増殖を顕著に抑制した。病原性菌株は非病原性菌株に比較して低濃度で増殖抑制を受けた。この抑制作用はIF内濃度に相当するメチオニンとプロリンの存在下で解除された。プロリンによるこの増殖抑制の解除は, アラニンの共存下で顕著になり, しかも非病原性菌株よりも病原性菌株に対して効果的に現われた。かいよう病抵抗性のキンカン葉磨砕汁は, ナツミカンに比べてプロリン濃度が低く, セリン濃度は高い数値を示したことから, 両アミノ酸の濃度比の相違が, 両カンキッのかいよう病抵抗性の差の一因をなしているものと考えられた。
著者
後藤田 貴子
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究はシンナーを吸引する人における肝障害について検討することである.トルエン序在下で培養したヒト肝癌細胞で障害が認められ,トルエンを吸入させたラットの肝臓でも障害が認められた.また,ラットのトルエン吸入群で肝線維化が認められ,肝線維化に影響を及ぼす因子も増加していた,よって,トルエンが直接,肝細胞の障害を引き起こし,さらに,トルエン吸入により肝線維化に影響を及ぼす因子が活性化することにより,肝」臓に線維化をもたらす可能性が示唆された.
著者
平山 勉 後藤 明史 竹内 英人
出版者
名城大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、初任者教師の授業実践能力育成支援のため、「ユビキタス映像記録視聴システム」を活用することを目指した。配信用の携帯ディバイスをiPod touchから大画面のiPadに改良した。SNSの非公開会議室を利用し、学生同士の意見交換に利用し成果があった。卒業生の授業を配信・活用し、教職課程履修生の授業実践能力育成に資することができた。愛知県総合教育センターと授業映像記録の活用について共同研究をスタートした。
著者
軸屋 和明 立花 博之 平松 修 望月 精一 松本 健志 後藤 真己 OGASAWARA Yasuo KAJIYA Fumihiko
出版者
川崎医療短期大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

心筋内の血流分布は微小循環レベルで著しい空間的不均一性を示すことが知られ、冠微小循環障害発症メカニズムの関連因子として注目されている。本研究では、放射性分子血流トレーサ(トリチウム標識のデスメチルイミプラミン:^3H-DMI)を用い、従来にない高分解能(100サンプル/mm^2、最小サンプルサイズ0.lmm)で麻酔開胸家兎の心内膜側心筋と心外膜側心筋の血流分布の全体的および局所的不均一性を評価した。その結果、心内膜側では心外膜側に比して血流の全体的不均一性(global heterogeneity)は大きかったが、逆に近接サンプル間の血流相関性すなわち局所的な血流の一様性(local homogeneity)が高かった。また、フラクタル解析によって、血流分布のランダム性は心内膜側で小さく、クラスター様の分布パターンであることが明らかになった。以上より、心内膜側心筋は不均一な冠血管構造と心筋メカニカルストレスの影響下にあるために全体的な血流分布のバラツキは大きいが、高い心筋酸素需要に応じて局所血流調節が強く働き、血流分布を局所的に一様化していることが示された。また、サンプルサイズを変数とした近接サンプル間の血流相関値にあらわれる増加→プラトー関係から、血流調節ユニットが心外膜・内膜側ともに約400μmであった。この大きさは臨床的に知られる散在性の心筋虚血の個々の虚血領域の大きさに対応している。
著者
加藤 真由美 大木 佐智子 谷 里佐 三宅 茜巳 佐藤 正明 後藤 忠彦
出版者
日本教育情報学会
雑誌
年会論文集
巻号頁・発行日
no.26, pp.386-389, 2010-08-21

これまでの歴史・観光資料の書籍とくに,教科書は,主として印刷メディアで構成されてきた.しかし,最近の電子教科書・書籍は印刷物の二次利用としてデジタル化が進められ,さらに,最初から電子書籍を目的とした,映像・印刷物・関連資料を用いたマルチメディアの構成についての研究開発が進もうとしている.そこで,今回,奈良時代からの背景をもとに,手向山八幡宮(奈良県)の上司氏による現物(現地)での説明と関連資料を用いたデジタル・アーカイブを構成し,今後の電子書籍の方向性について検討を行った.
著者
後藤 清豪 高田 秀志
雑誌
研究報告データベースシステム(DBS)
巻号頁・発行日
vol.2010-DBS-151, no.41, pp.1-8, 2010-11-05

現状のウェブでは検索エンジンや推薦アルゴリズムの発達により,求める情報を容易に得ることが可能である.しかし,明確に求めているわけではないが,与えられれば好奇心が刺激されるような情報である「意外な情報」を得る手段として確立されたものはない.一方で,日常生活においては,人との交流や会話などから「意外な情報」を偶然得られることがある.そこで本研究では,ソーシャルメディアにおいて,意外な情報の提供者になり得る人物を推薦する手法を考える.その一つとして,ソーシャルメディア上のユーザの行動から,被推薦者にとって意外な情報の提供者となり得る人物を推薦する手法を提案する.また,本手法をTwitterを対象として実装し,推薦した人物が被推薦者にとって意外な情報の提供者になり得るかどうかを,他の人物推薦システムと比較して検証する.
著者
木村 優 後藤 千晴 谷 桃子
出版者
公益社団法人日本分析化学会
雑誌
分析化学 (ISSN:05251931)
巻号頁・発行日
vol.38, no.10, pp.529-534, 1989-10-05
被引用文献数
6 9

水中のモリブデン(VI)イオンについて活性炭の粒子表面での吸着特性を調べ,微量モリブデンの分離濃縮及び定量法について報告する.Mo(VI)を含む溶液200mlに活性炭50mgを添加して30分間かき混ぜてから〓過する.〓液中のモリブデン濃度をAAS装置を用いて測定した.モリブデン(VI)pPH3.3〜4.0において90%以上の吸着率を示した.この実験条件で吸着等温曲線を描き,Langmuirプロットをした.得られた最大吸着量は59mg g^<-1>であった.最大吸着量は,溶液にEDTAを加えると約8分の1に減じた.そのほか,シュウ酸ナトリウム,硫酸ナトリウム,塩化カリウム,塩化マグネシウム,塩化カルシウム,硝酸亜鉛などの共存する溶液中のMo(VI)イオンの活性炭への吸着率を求めた.これらいずれの塩類も共存量が増すに伴って吸着率は低下した.特に硝酸亜鉛の共存によってMo(VI)の吸着率は著しく低下したが,8-キノリノールの添加によって吸着率は90%以上に回復した.いったんMo(VI)を吸着させてから活性炭を取り出し,0.1M NaOHを加えるとMoは容易に脱離した.従って,水中のMo(VI)の分離濃縮を簡単に行うことができる.200mlの試料溶液中のMo(VI)を活性炭50mgに吸着し,分離及び脱離操作を経て最終的に1mlに濃縮した場合における試料中のMoのAASによる検出限界濃度は0.0011ng ml^<-1>の超微量である.本法を用いて,水道水,河川水及び海水中のモリブデンの分離濃縮及び定量を行った.その結果,水道水,河川水及び海水についてそれぞれ20回の操作(n=20)の平均値は,0.37(R.S.D.=14%),0.23(17%)及び7.9(8%)ng ml^<-1>であった.
著者
後藤 直子 佐藤 健二
出版者
徳島大学
雑誌
徳島大学総合科学部人間科学研究 (ISSN:09199810)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.25-39, 2006

The purpose of this study was to investigate the experience rates and gender differences of self-injurious behaviors (SIB) and aggressive behaviors among the healthy undergraduates in Japan. In addition, we tested whether alexithymia, which is a personality construct defined as a difficulty in identifying and expressing emotional experience, mediates between childhood maltreatment, SIB, and aggressive behaviors. The sample was comprised of 300 (143 male, 157 female) undergraduate students. Measures were the Childhood Trauma Questionnaire, the Toronto Alexithymia Scale-20, the Self-Injurious Behaviors Questionnaire, which assessed the lifetime frequency of six methods of superficial self-injury, and the Aggressive Behaviors Questionnaire. As results, there were gender differences in 3 variables of emotional abuse, physical neglect and emotional neglect. Multiple Regression analyses revealed that the correlation between maltreatment and alexithymia was positive also in Japan. The relation was not seen between maltreatment and SIB even in the undergraduates in Japan. And, the relation was not found between alexithymia and SIB. Furthermore, the relation was not found between maltreatment, aggressive behaviors and alexithymia in the undergraduates in Japan. It was suggested that alexithymia does not contribute significantly as the mediational factor between childhood maltreatment, SIB, and aggressive behaviors among undergraduates in Japan. One reason that the hypothesis of this study was not supported may be that the quality of the SIB in this sample differed from that of previous study.
著者
後藤 元
出版者
学習院大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

株主が会社に対して拠出した財産が少なすぎる場合(過少資本)には、株主は会社債務について責任を負い、また株主の会社に対する債権を劣後化すべきであると主張していた従来の学説を、法と経済学の見地を踏まえて再検討した。これにより、株主有限責任制度の弊害として問題とすべきなのは、会社の自己資本の多寡ではなく、会社事業の実施に関する株主のインセンティブのゆがみであるということが明らかになった。
著者
吉浦 一紀 筑井 徹 徳森 謙二 清水 真弓 後藤 多津子 河津 俊幸 岡村 和俊
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

良悪性の鑑別にMRIの造影パターンを判断材料にする事が多いが、信号強度自体は撮像法により異なり、各施設で共通した指標とはなりにくい。そのため信号強度自体を解析するのではなく、信号強度から造影剤濃度を算出し、薬物動態解析(コンパートモデル解析の一種であるTofts-Kermode model (TK model)を適応)することによって、組織固有のパラメーターを算出を試みた。その為には、造影剤投与後の造影剤濃度の把握が必要であり、算出方法の確立を行った。
著者
林 雄二 村井 章夫 野老山 喬 菅 隆幸 後藤 俊夫 磯江 幸彦 正宗 直
出版者
大阪市立大学
雑誌
総合研究(A)
巻号頁・発行日
1987

天然性のイリドイド、ゲニビンを原料にして、多くの多官能性イリドイド及びセコイリドイド類の合成を達成した(磯江)。皮膚刺戟性があり発癌プロモ-タ-として注目を集めているテレオシジンの全合成をおこなった。インド-ル環に直接置換基を導入する新しい方法で、インドラクタムVおよびテレオシジンB3及びB4を合成した(後藤)。環状モノテルペノイド生合成の際に、ゲラニル2-リン酸(GPP)は、(i)環化酵素内で2-リン酸基を引抜かれてリナリル状のカチオンを発生すること、(ii)酵素内で発生するカチオンは、植物種に特異的なConfigurationをもっていることを明らかにした(菅)。2-(6'-シリル-4'-キセニル)-3'、4'-ジメチル-2-シクロヘキセノンの2'位にかさ高い置換基(シリル基あるいはアルコキシカルボニル基)をもつ基質の環化による8,9-ジメチル基をもつクレロダン骨格の合成を検討した(野老山)。さきに開発した鎖状ポリエン環化剤を用いて、センダン科Lansium domesticumの抗アレルギ-性セコオノセラノイドのアグリコンLansiolic acidを合成した。同じ植物の種子の二重転位形リモノイドを構造決定し生合成経路を推定した。又、同植物の魚毒成分アファナモ-ルAを、分子内光環化により生じるブルボナン形中間体を経て合成する経路を検討した(林)。ジャガイモ塊茎組織はジャガイモ疫病菌あるいはアラキドン酸を接種されると過酸化水素を発生し、これに伴ってフィトアレキシンの蓄積が誘導される。人為的に過酸化水素で処理してもフィトアレキシン生成は誘導されるので、過酸化水素はジャガイモでのフィトアレキシン生成の直接の引金物質であることがわかった。同様の現象は、サツマイモ、インゲン、サトウダイコンでも見出された。ジャガイモを用いてフィトアレキシンの内因性エリシタ-の実在をはじめて証明すると共に、その単離研究をおこなった(村井)。
著者
門間 敏幸 梅本 雅 関野 幸二 磯島 昭代 後藤 一寿 安江 紘幸 吉永 貴大
出版者
東京農業大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

農家が主体となって開発された農業技術を,技術特性・経営効果・普及可能性の3つの視点から総合的に評価した。具体的な成果は,次の通りである。1)篤農技術のデータベースの開発2)篤農技術の調査方法の開発3)農業技術の暗黙知の探索方法の開発4)経営管理能力,水稲代かき技術,大豆収穫技術,りんご剪定技術,知的財産管理技術,篤農技術の普及方法,新品種の普及ノウハウの整理。
著者
石川 順三 後藤 康仁 辻 博司
出版者
京都大学
雑誌
一般研究(A)
巻号頁・発行日
1993

1.半導体プロセス用大電流負イオン源と中電流負イオン注入装置の開発:半導体への負イオン注入に必要な硼素、燐、珪素、炭素など種々の負イオンを連続して数mA得供給できるRFプラズマスパッタ型負重イオン源(RFNIS)を開発した。また、小型の負イオン源を搭載した最大加速電圧140kVの中電流負イオン注入装置を開発した。本装置はクリーンブ-ズを有しており、実プロセスと同じ清浄な条件で負イオン注入が可能である。2.負イオン注入に伴う帯電現象の解明:負イオン注入時の絶縁電極の帯電は数Vであることを理論的に解明し、これを二次電子放出比とエネルギー分布測定から証明した。また、絶縁物の表面帯電電位の計測法として二次電子エネルギー分析による方法を考案し、これで半導体製造に用いられる絶縁物の負イオン注入による帯電電位は負の10V程度で有ることが判明した。更に、絶縁物の帯電機構として電気二重層モデルを提案した。3.負イオン注入デバイスの評価:ゲート酸化膜の劣化試験用デバイスに負イオン注入を行って評価して、負イオン注入が実際の半導体製造や次世代ULSI製造工程に利用できることを証明し、実用化の見通しを得た。4.極低エネルギー負イオンビーム蒸着の研究:大電流負イオンビーム減速蒸着装置を製作した。極低エネルギーにおけるビームのエネルギー幅は10eVと小さく、30eV程度に減速してもエネルギー制御性が有ることが判明した。更に、炭素負イオンを50eV〜400eVの極低エネルギーで蒸着し、その評価を行った。特性測定の結果、蒸着したカーボン膜は非晶質ダイヤモンドライクカーボン薄膜であることが判った。5.粉末への無飛散イオン注入法の開発:微粒子粉末へのイオン注入での粒子飛散問題に関して、飛散機構を理論的に解明し、理論や実験から負イオンによる無飛散イオン注入法を開発し、実用化の見通しを得た。
著者
戸谷 義明 伊藤 弘晃 後藤 大希
出版者
愛知教育大学
雑誌
愛知教育大学研究報告. 自然科学 (ISSN:03653722)
巻号頁・発行日
vol.56, pp.33-43, 2007-03-01

Sweet candies are remarkably familiar and attractive not only for the primary school children, but also for adults. For visiting instruction of the chemical experiment in a cooking room, procedures of candies making were investigated. Three sweet candies, "Gummy Candies", "Lemonade Candies", and "Sweet Alginate Beads" were chosen and their preparation methods for visiting instruction were developed chemically. A practice by using the developed methods was performed in a cooking room at Mizuho Young People's Center(Seinen-no-i-e) in Nagoya city on August8, 2006. The experimental method in candies making was proved to be educationally useful and effective to master the basic theory and handling in chemical experiments by analyzing the questionnaire data.
著者
大城 昌平 穐山 富太郎 後藤 ヨシ子 草野 美根子 横山 茂樹
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.19, no.5, pp.452-456, 1992-08-01

正常発達を遂げた成熟児を対照に, 重篤な合併症がなく正常発達の見込まれたAFD児, SFD児についてブラゼルトン新生児行動評価を用いて新生児行動の発達評価を行い, 加えて, ベイリー乳幼児発達検査による6ヵ月, 12ヵ月時の精神・運動発達について追跡調査を行った。その結果, SFD児では成熟児やAFD児に比べ新生児期の行動発達及び, 6ヵ月・12ヵ月時の精神・運動発達に遅滞傾向が認められた。SFD児は, より未成熟な要因に加え, 外環境からの刺激に対し, 意識状態の調整や注意集中, 運動調整系のストレス徴候を示しやすく, 環境との適応障害を起こしやすいものと考えられた。また, 結果的に乳児期の精神・運動発達にも影響を及ぼすものと考えられた。