著者
坂本 治也 秦 正樹 梶原 晶
出版者
関西大学法学研究所
雑誌
ノモス = Nomos (ISSN:09172599)
巻号頁・発行日
vol.44, pp.1-20, 2019-06

本研究は、2017-18年度関西大学若手研究者育成経費において、研究課題「NPO・市民活動への参加意識の実証研究 : サーベイ実験による因果効果の検証 」として研究費を受け、その成果を公表するものである。
著者
三好 寛二 世良 昭彦 加藤 貴大 梶山 誠司 木下 博之
出版者
一般社団法人 日本救急医学会
雑誌
日本救急医学会雑誌 (ISSN:0915924X)
巻号頁・発行日
vol.22, no.9, pp.772-776, 2011-09-15 (Released:2011-11-15)
参考文献数
12

急性薬物中毒は救急外来において頻度の高い傷病の一つである。今回,ロキソプロフェンを大量服薬し,急性中毒症状を呈した症例で,ロキソプロフェンおよびその代謝産物の血中濃度を測定し得たので報告する。症例は30代の女性,ロキソプロフェン3,600mg(ロキソニン®錠,1錠60mgを60錠)を服薬し,3時間後に来院した。来院時,自覚症状なく,意識清明でバイタルサインは安定していた。胃洗浄,活性炭投与は行わず,入院し輸液療法を行った。急性中毒症状として,消化器症状(食欲不振と心窩部痛が第2病日から3日間継続),急性腎傷害(第3病日まで無尿で経過し,第3病日をピークにBUN 23mg/dl,Cre 1.93mg/dlまで上昇),肝機能障害(第3病日をピークにGOT 532 IU/l,GPT 144 IU/l,LDH 405 IU/lまで上昇),血小板減少(第3病日をピークに10.8×104/dlまで低下)などを生じたが,いずれも経過観察と対症療法で改善し第4病日に退院した。退院後も後遺症を残すことなく経過した。ロキソプロフェンの血中濃度は,服薬3.5時間後126μg/ml,17時間後26μg/ml,40時間後3.18μg/ml,64時間後0.25μg/mlで,ロキソプロフェンの代謝産物であるトランス配位アルコール体の血中濃度は,服薬3.5時間後152μg/ml,17時間後16.1μg/ml,40時間後2.33μg/ml,64時間後0.19μg/mlであった。大量服薬時のロキソプロフェンの最高血中濃度到達時間は0.41時間で,服薬から3.5時間までに吸収が終わっており吸収遅延は起こさなかった。また,ロキソプロフェンは大量服薬時も速やかに代謝され代謝産物を生じていたが,血中濃度半減期は延長し6.7時間であった。
著者
坂本 治也 秦 正樹 梶原 晶
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.71, no.2, pp.2_303-2_327, 2020 (Released:2021-12-15)
参考文献数
38

1990年代末以降、日本では特定非営利活動法人 (NPO法人) や一般社団法人などの新たに創設された法人格を有する (広義の) NPOが多数誕生した。組織レベルでみた場合、NPOの活動は明らかに活性化している。にもかかわらず、一般の人々のNPOへの参加は依然としてまったく広まっていない。 なぜ多くの日本人はNPOへの参加を今なお忌避しているのであろうか。どのような要因が参加忌避を引き起こす原因となっているのであろうか。どうすればNPOへの参加をより増やしていくことができるのだろうか。 これらの点を探索的に解明するために、本稿では筆者らが独自に実施したオンライン・サーベイのデータを用いて、コンジョイント実験 (conjoint experiment) を通じてNPOへの参加の規定要因の解明を試みた。 分析の結果、デモなどの政府への抗議活動を行うこと、多額の寄付を集めること、自民党寄りないし立憲民主党寄りの組織であることは、参加忌避に大きな影響を与える要因であることが明らかとなった。つまり、NPOの 「政治性」 やNPOの 「金銭重視」 姿勢が参加忌避をもたらす主要な原因になっていることが本稿の分析から示唆される。
著者
中村 優理菜 梶原 健吾 矢野 裕子 松下 昂樹 吉井 隆一 中村 朋文 富田 正郎 木下 博之 向山 政志
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.177-181, 2023 (Released:2023-05-28)
参考文献数
8

症例は,90歳女性.1年間でCre 1.97 mg/dLから3.86 mg/dLまで増悪する腎機能障害を認め,呼吸苦や胸水貯留も認めたため,透析導入も含め精査加療目的に当院救急搬送となった.入院後精査の結果,粘液水腫昏睡が診断され,持続緩徐式血液濾過透析(CHDF)とともに甲状腺ホルモン補充を行った.全身状態および腎機能は改善を認め,通常の血液透析(HD)に移行,その後HDも離脱した.甲状腺機能低下症は腎機能障害の原因としては頻度が低いが,速やかな介入によって腎機能は改善するとされている.今回のように腎機能障害の原因検索の際には,甲状腺機能低下症を鑑別にあげて,ホルモン値の測定などの精査を行うべきであると考えられた.
著者
梶並 知記
出版者
Webインテリジェンスとインタラクション研究会
雑誌
Webインテリジェンスとインタラクション研究会 予稿集 第3回研究会 (ISSN:27582922)
巻号頁・発行日
pp.79-84, 2013 (Released:2022-11-07)
参考文献数
19

本稿では,e-Sportsの一種である対戦型格闘ゲームを対象にした,動画コンテンツを用いたプレイ分析支援のために必要な要素について検討する.対戦型格闘ゲームの文化的価値向上を目指す上で,伝統的な盤上ゲームのようにプレイヤーの思考分析が可能であること,また他者へプレイヤーの思考の伝達が可能であることが重要であると考える.本稿では,対戦型格闘ゲームにおけるプレイ技能のうち,戦略的な思考に着目し,それをプレイヤー自身または他者が理解可能な可視化手法について検討する.対戦型格闘ゲームのプレイの特徴を,時間的な側面と空間的な側面から捉え,それらの特徴を考慮して,プレイヤーの戦略的思考の可視化を考える.本稿では,プレイヤーの思考の変化をグラフ構造の変化で表現する方法,ゲームフィールド内のプレイヤーの着目箇所について,参照枠を応用し矩形,円,矢印といった基本図形で表現する方法,これら2つのコンセプトについて述べる.
著者
立石 千晴 中川 浩一 梶本 敦子 岸田 大 曽和 順子 鶴田 大輔 小林 裕美 石井 正光
出版者
日本皮膚科学会大阪地方会・日本皮膚科学会京滋地方会
雑誌
皮膚の科学 (ISSN:13471813)
巻号頁・発行日
vol.9, no.2, pp.119-122, 2010-04-30 (Released:2011-05-26)
参考文献数
13

43歳,女性。セコガニ(雌ズワイガニ)の味噌汁を摂食して2時間後に入浴し,その後就寝したところ,摂食の7時間後に全身に蕁麻疹が生じた。レスタミンコーワ糖衣錠®を内服して皮疹はいったん消退したが,同9時間後にかゆみで覚醒し,短時間の意識消失および嘔吐と下痢を認めた。即時型の症状を伴わない遅発性アナフィラキシーと考えた。回復後,セコガニを用いてプリックテストとスクラッチテストを行ったところ,外子(受精卵)で陽性,内子(卵巣)で陰性,ミソ(肝・膵臓)で陰性であった。さらに,雄のズワイガニ,タラバガニ,ケガニの筋肉を用いて同テストを行ったところ,雄ズワイガニとケガニのスクラッチテストのみ陽性であった。その理由はタラバガニがヤドカリの仲間であり,カニ類との交叉性が低かったためと推測した。
著者
梶田 秀司 杉原 知道
出版者
日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.26, no.7, pp.761-762, 2008-10-15 (Released:2010-08-25)
参考文献数
4
被引用文献数
1
著者
伊藤 仁久 大西 雄己 三澤 紅 藤阪 芽以 友廣 教道 松川 哲也 遠藤 雄一 梶山 慎一郎 重岡 成
出版者
公益社団法人 日本アロマ環境協会
雑誌
アロマテラピー学雑誌 (ISSN:13463748)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.14-20, 2023-07-15 (Released:2023-07-18)
参考文献数
35

精油の皮膚の健康と美に関する機能性を探索することを目的に,アロマテラピーの分野で汎用される精油30種の終末糖化産物(Advanced Glycation End Products : AGEs)産生抑制およびチロシナーゼ阻害効果を評価した。その結果,ローズマリー(Rosmarinus officinalis)精油にAGEs産生抑制効果を見いだした(IC50:124 µg/mL)。また,メリッサ(Melissa officinalis)精油にチロシナーゼ阻害効果が認められた(IC50:276 µg/mL)。ローズマリー精油はAGEs産生抑制に基づくアンチエイジング効果,メリッサ精油はチロシナーゼ阻害に基づくメラニン産生抑制効果をもつ可能性があり,今後の香粧品あるいは機能性食品の分野での活用が期待される。
著者
永岡 智之 石田 直樹 中川 祐輔 梶原 伸介
出版者
日本腹部救急医学会
雑誌
日本腹部救急医学会雑誌 (ISSN:13402242)
巻号頁・発行日
vol.37, no.7, pp.1039-1042, 2017-11-30 (Released:2018-09-14)
参考文献数
19

症例1は77歳,女性。認知症のため施設入所中であった。腹痛と嘔吐を主訴に受診し,腹部CTでイレウス像と小腸内にらせん状の低濃度陰影を認めたため,腸重積や腫瘍,異物を疑い手術を施行した。回腸末端より150cm口側腸管を切開すると7cm大の椎茸が陥頓していた。症例2は59歳,男性。腹痛を主訴に受診し,腹部CTでイレウス像と回腸内に不整な低濃度陰影を認めた。椎茸によるイレウスが疑われ,ロングチューブを挿入し保存的加療を行ったところ,約24時間後に排便とともに2cmの椎茸が4片排出された。その後の腹部CTで低濃度陰影の消失とイレウス像の消失を確認した。食餌性イレウスはまれな疾患であり,術前診断が困難なことが多く,手術報告例が多い。今回われわれは,手術治療を行った症例と,保存的に治療可能であった症例をそれぞれ経験したので,文献的考察を加えて報告する。
著者
水島 淳 梶谷 亮輔 九鬼 靖太 柴田 篤志 前田 奎 大山 卞 圭悟 尾縣 貢
出版者
一般社団法人 日本体育・スポーツ・健康学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.703-714, 2021 (Released:2021-10-20)
参考文献数
28

Introduction: The purpose of this study was to investigate the effects of a 4-week barefoot sprint training program on sprint biomechanics and stretch-shortening cycle jump ability. Methods: Fourteen children with no experience in barefoot sprinting were randomly assigned to 1 of 2 groups: a barefoot training group (3 boys and 4 girls; age, 11.0 ± 0.8 years-old; height, 143.1 ± 8.4 cm; body mass, 35.4 ± 5.6 kg; shoe mass, 0.17 ± 0.02 kg) and a control group (3 boys and 4 girls; age, 11.0 ± 0.8 years-old; height, 142.6 ± 8.2 cm; body mass, 34.4 ± 6.4 kg; shoe mass, 0.18 ± 0.01 kg). The 4-week intervention consisted 40 minutes of sprint training per weekly session using the allocated footwear. Before and after the intervention, 2-dimensional biomechanical analysis of the 50-m maximal sprint under both shod and barefoot conditions, and the countermovement jump and 5 repeated rebound jumping tests were performed by both groups. Pre- to post-test changes in spatio-temporal parameters and sprint kinematics, and jump heights for both jump types, and the contact time and rebound jump index for the rebound jump, were analysed using 2-way mixed ANOVA. Results and Discussion: After the 4-week intervention, a higher step frequency (p <0.01), a longer step length (p <0.05), and a higher sprint velocity (p <0.01) were observed in the barefoot training group, although no change was observed in the foot strike patterns and the swing leg velocity. The barefoot training group showed a higher rebound jump index (p <0.05) and a shorter contact time (p <0.01), while no differences were evident in the counter-movement jump height. These results suggest that 4-week barefoot sprint training seems to be an effective strategy for improving certain aspects of sprint biomechanics and for development of fast stretch-shortening cycle ability in children.
著者
梶田 章恵 久保田 由美子
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.133, no.3, pp.481-491, 2023-03-20 (Released:2023-03-21)
参考文献数
26

33歳女性.深在性エリテマトーデスでヒドロキシクロロキン硫酸塩とステロイド少量内服中.コロナワクチン接種後から四肢,腰背部に皮下結節が新生,2回目接種3カ月後には下肢痛,弛張熱,発熱時の紅斑,高フェリチン血症を認め,成人スチル病の診断基準を満たした.皮下結節は著明なムチン沈着とlobular panniculitisを呈し,CT検査で両下肢の広範な脂肪織炎を認めた.ステロイドパルス療法とシクロスポリンを併用し約2カ月で改善した.コロナワクチン接種を契機に成人スチル病,マクロファージ活性化症候群を生じたと推測した.

22 0 0 0 OA 岐阜県令達全書

著者
梶原猪之松 編
出版者
啓文社
巻号頁・発行日
vol.明治元年−20年, 1897
著者
後藤 崇志 石橋 優也 梶村 昇吾 岡 隆之介 楠見 孝
出版者
The Japanese Psychological Association
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
2015
被引用文献数
7

We developed a free will and determinism scale in Japanese (FAD-J) to assess lay beliefs in free will, scientific determinism, fatalistic determinism, and unpredictability. In Study 1, we translated a free will and determinism scale (FAD-Plus) into Japanese and verified its reliability and validity. In Study 2, we examined the relationship between the FAD-J and eight other scales. Results suggested that lay beliefs in free will and determinism were related to self-regulation, critical thinking, other-oriented empathy, self-esteem, and regret and maximization in decision makings. We discuss the usefulness of the FAD-J for studying the psychological functions of lay beliefs in free will and determinism.
著者
中辻 敏朗 丹野 久 谷藤 健 梶山 努 松永 浩 三好 智明 佐藤 仁 寺見 裕 志賀 弘行
出版者
北海道農事試驗場北農會
巻号頁・発行日
vol.78, no.4, pp.440-448, 2011 (Released:2012-12-03)

地球温暖化が本道の水稲、畑作物および飼料作物の生育や収量、品質等に及ぼす影響を2030年代を対象に予測した。現在よりも高温・湿潤な2030年代の気候下では、豆類・飼料用とうもろこしの増収、秋まき小麦・ばれいしょ・牧草の減収、水稲の食味向上、てんさいの根中糖分低下、小豆の小粒化などが見込まれ、耐病害・耐障害性育種の強化、作期等の変化に応じた栽培技術の見直し、夏季の多雨への対応等が必要である。
著者
木村 充 亀谷 真実 梶丸 弘幸 園山 裕靖
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.68, no.4, pp.781-785, 2019-10-25 (Released:2019-10-25)
参考文献数
7

術後感染症予防の為セフェム系抗生物質を投与した患者において,ビタミンK欠乏による血液凝固障害が見られた症例を経験した。術後よりセフォペラゾンとスルバクタムの合剤の投与を開始し,5日目にプロトロンビン時間(prothronbintime; PT),活性化部分トロンボプラスチン時間(activated partial thromboplastintime; APTT)の異常延長を認めた。クロスミキシング試験,凝固第VIII因子,第IX因子等の検査結果より,ビタミンK欠乏症が疑われた。凝固障害判明後ただちに,ビタミンKの投与,抗生物質の変更が行われ,翌日にはPT,APTTは改善し出血症状は確認されなかった。ビタミンK欠乏の原因としては,食事由来のビタミンK不足,一部のセフェム系抗生物質に含まれるN-methyl tetrazole thiol基(NMTT基)によるビタミンK代謝障害などが考えられた。重症患者,特に経口摂取不良の患者には,凝固異常の可能性を考慮して定期的な凝固検査の実施や,ビタミンKの予防投与も視野に入れる必要がある。