著者
齊藤 燎 相川 勝 井上 健太郎 山森 一人
出版者
電気・情報関係学会九州支部連合大会委員会
雑誌
電気関係学会九州支部連合大会講演論文集 2019年度電気・情報関係学会九州支部連合大会(第72回連合大会)講演論文集
巻号頁・発行日
pp.368, 2019-09-19 (Released:2020-01-20)

近年、ネットワーク機器に対する攻撃は増加傾向にあり、攻撃を検知する手法としてNIDSが注目されている。NIDSに関して機械学習と組み合わせた研究が行われており、京都大学に設置されたハニーポッドへの通信をもとに作られたデータセットKyoto 2016 Datasetが多田らによって発表されている。機械学習において、学習に用いるデータに偏りがあると、識別精度も偏る傾向があり汎化性能が低下してしまう。汎化性能を上げるためには、学習用のデータは偏りなく、冗長性が無いデータが望ましい。本稿ではKyoto 2016 Datasetにおける冗長性と同一特徴量異ラベルデータについて報告する。
著者
瀧田 愼 大熊 浩也 森井 昌克
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J103-D, no.4, pp.291-300, 2020-04-01

キャッシュレス決済の手段としてQRコードの利用が進められている.QRコードは高い認識率を誇るものの,人は保存された情報をデコーダなしで知ることができない.悪意のあるものが偽装したQRコードを作成し,利用者の不用意な操作により悪性サイトに誘導することや不正送金させることが問題となっている.QRコードを利用した決済が広まりつつある中で,その安全性を十分に検証する必要がある.本研究では誤り訂正符号の性質を用いて,二つの情報を出力するQRコードを開発している.提案QRコードを悪用すると,通常は正常なサイトに誘導するが,稀に悪意のあるサイトに誘導する偽装QRコードを作成することができる.悪意のあるイベントの再現性が低いため,偽装QRコードの存在を検知することは困難である.本論文では,消失訂正を用いて二つの情報を出力するQRコードの構成方法を与える.提案手法により,正規のQRコードとの差異が小さい偽装QRコードを構成可能である.更に,偽装QRコードの具体的な対策について述べる.
著者
古庄 知己 福嶋 義光 籏持 淳 松本 直通 三宅 紀子 涌井 敬子 森崎 裕子 渡邉 淳
出版者
信州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2013-04-01

エーラスダンロス症候群(Ehlers-Danlos症候群;EDS)は、皮膚・関節の過伸展性、各種組織の脆弱性を特徴とする先天性疾患の総称です。現在、6つの大病型およびその他の病型に分類されていますが、これらの分類には当てはまらない患者さんも少なくありません。本研究では、全国からEDSを含めた遺伝性結合組織疾患疑い患者さんを収集し、詳細な臨床的分析と次世代シーケンスを用いた網羅的遺伝子解析により、新たな病型を探索しました。結果、COL5A2遺伝子変異に基づき、乳児期より顕著な皮膚過伸展性・脆弱性、重篤な後側彎症を発症する重症古典型サブタイプなどを発見することに成功しました。
著者
的場 康徳 村田 久行 森田 達也 宮下 光令
出版者
日本緩和医療学会
雑誌
Palliative Care Research (ISSN:18805302)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.45-54, 2021 (Released:2021-02-16)
参考文献数
27

【目的】スピリチュアルケア(SPC)の実践力の習得を目的とした研修の医師での効果を測る.【方法】自記式質問法により,教育介入前,直後,3カ月後,6カ月後に測定.【結果】医師30名が研修を修了.すべての主要評価項目が有意に改善し,その効果は介入6カ月間持続(すべてP=0.0001).スピリチュアルペイン(SPP)を訴える患者とのコミュニケーションの自信が高まり(6カ月後の効果量(Effect Size=1.3),SPCの実践の自己評価が高まり(ES=1.2),SPPを訴えられたときの無力感が軽減し(ES=0.8),SPCの経験を肯定的に捉えるようになり(ES=0.8),SPPを訴える患者にすすんで関わりたいと思うようになった(ES=0.4).96〜100%の医師が,SPCの概念理解と実際にSPCの方法を知ることについて本研修が「とても役に立った」または「役に立った」と評価した.
著者
高見 奈津子 前平 奈加 石井 照子 宗形 成子 二瓶 忠臣 小室 英生 奥山 高司 関和 良太 江口 紘也 推名 翔太 大森 圭貢
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2016, 2017

<p>【はじめに,目的】介護予防通所リハビリテーション(以下通所リハ)は介護予防,特に三次予防の役割を有する。高齢化が進み2010年,N市の高齢化率は23%となる中,当通所リハもこの役割を担ってきた。当通所リハでは①心身機能と生活状況聴取,②身体機能練習として四肢体幹筋力練習,バランス練習,起居移動動作練習を行っている。本研究の目的は,1.利用者の身体機能検査平均値と健常高齢者平均値との比較,2.転倒カットオフ値との比較,3.初回最終検査値の変化,これらより通所リハの効果を明らかにする事である。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【方法】対象は,当通所リハ開始1か月以内に初回検査,その後平成26年4月から平成28年4月の間に最終検査を実施した75歳以上の要支援認定者(以下要支援者)17名(男性4名,女性13名)。年齢は初回最終検査の順に81.5±5.1歳と84.8±4.1歳。初回最終検査までの期間は平均37カ月±25カ月で最短7カ月,最長82カ月。通所頻度は週1から2回。検査項目は握力,5m最大歩行速度(以下歩行速度),ファンクショナルリーチテスト(以下FRT),timed up and goテスト(以下TUG)の結果を後方視した。先行研究に75歳以上要支援者の身体機能報告は少なかったため平均値を健常高齢者平均値と比較し,平均値を超えた割合を算出した。また対応のあるt検定を用い初回最終検査で各項目の違いを分析した。FRTとTUGは先行研究から転倒リスクのカットオフ値15.3cm以下と13.5秒以上に相当しない割合を算出した。次に検査項目毎に初回最終で維持向上した割合を算出した。更に各項目の初回最終の変化率を算出し介入期間との相関より関与期間の影響をみた。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【結果】初回最終検査の平均値は,握力は20.0±7.2kg,19.5±6.9kg,歩行速度は0.73m/秒,0.86m/秒,FRTは18.6±7.2cm,20.2±6.9cm,TUGは17.9±10.8秒,18.0±9.0秒であった。t検定ではいずれの項目も有意差はなかった。健常者の平均値を超えた割合は,初回最終検査の順に握力は59%と71%,歩行速度は29%と18%,FRTは12%と24%,TUGは0%と0%であった。転倒リスクとの比較では初回最終検査の順にFRTが64.7%と71%,TUGが41.2%と34.4%であった。初回最終検査の間で維持向上した割合は握力52.9%,歩行速度58.8%,FRT64.7%,TUGは58.8%であった。また関与期間と初回最終変化率は5m最大歩行速度以外では相関がなかった。</p><p></p><p></p><p></p><p></p><p>【結論】身体機能は加齢に伴う有意な低下がなく,半数以上の身体機能が維持向上できていると考えられた。また健常高齢者との比較でもTUGを除くいずれの項目も平均値を超えた割合は増加しており通所リハによる効果があったと考えられた。関与期間にはややばらつきがみられたが歩行速度以外は相関がなく影響は少なかった。しかしバランス機能が健常高齢者の平均値より低い傾向にある事,初回最終で維持改善しない者が存在する事より今後はその者に対する関わり方を検討することで更なる効果が期待できると考えられた。</p>
著者
八木 麻衣子 森田 英隆 坂本 雄 小諸 信宏 宮城 春秀 亀川 雅人
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.212-221, 2021-02-15

要旨 【目的】リハビリテーション部門にて,トランザクティブメモリーシステム(transactive memory system:TMS)や組織風土と,職務・職場満足との関連性を検討することを目的とした.【方法】対象は首都圏の医療機関3施設のリハビリテーション専門職331名であった.調査項目は回答者属性のほか,TMSと組織風土を評価し,因子構造を確認して用いた.アウトカムとして職務・職場満足を調査し,多変量解析で関連する因子を検討した.【結果】職務満足は,TMSの高い信憑性,相互調整や高い専門分化,組織風土の高い組織環境性,職種,経験・勤続年数と関連した.職場満足は,高い信憑性,相互調整や低い専門分化,低い伝統性と高い組織環境性,年齢,勤続年数などと関連した.医療職としての転職経験,上司との意識的なコミュニケーションは職務・職場満足とも関連した.【結論】職務満足にはTMSの全要素と組織風土の組織環境性が,職場満足にはTMSの全要素と,組織風土の伝統性・組織環境性が関連した.今後は診療成績などとの関連性の検討が望まれる.
著者
森主 宜延 岸本 匡史 宮川 尚之 小椋 正
出版者
The Japanese Society of Pediatric Dentistry
雑誌
小児歯科学雑誌 (ISSN:05831199)
巻号頁・発行日
vol.36, no.4, pp.604-612, 1998-09-25
参考文献数
27
被引用文献数
2

本研究は,チンキャップ適用の実態と頭蓋顔面硬組織の変化から,チンキャップ適用の妥当性について再検討することを目的とした。対象は,チンキャップ適用者51名であり検討資料は装着後6か月間隔で記録された外来カルテ,歯列模型,側貌頭部エックス線規格写真計測による。結果として,チンキャップの平均撤去年齢が11歳であり,平均使用期間は3年6か月であった。使用目的は下顎の過成長の抑制であり,撤去時の主な理由は被蓋の改善と骨格型要因に不安が解消されたことにあった。また,使用開始時下顎骨の過成長と診断された症例において,被蓋の改善による下顎の過成長の解消と考えられた症例が認められた。使用効果は,使用開始時,∠SNBが正常咬合者と比較し大きく,チンチャップ撤去時並びに撤去1年後も同じく有意に大きな値を示した。しかし,撤去時,∠SNAと∠ANBが有意に増加し改善の傾向もみられた。使用開始時から撤去1年後までの定性的変化から,使用開始時から撤去時の装置使用による計測項目の変化の方向と,撤去時から撤去1年後の計測項目の変化の方向が逆となり後戻り傾向が認められた。結論として,適用理由となる不正要因の診断に注意を要し,撤去理由との矛盾も指摘された。下顎骨成長の絶対的抑制は,形態計測値の変化と思春期開始時に撤去されていることから効果が得られたとはいいがたい。さらに,撤去時,下顎骨の成長と前歯部歯軸で後戻り傾向が認められ,チンキャップ適用への再検討の必要性が示された。
著者
森田 和良
出版者
The Society of Cosmetic Chemists of Japan
雑誌
日本化粧品技術者会誌 (ISSN:03875253)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.124-137, 1997-06-20 (Released:2010-08-06)
参考文献数
20
被引用文献数
1

最近, 肌に優しい化粧品の開発が求められ, 微生物面からも考慮された化粧品の開発が望まれる。そのため, 化粧品の品質を保証する上で防腐剤の利用は避けがたいものではあるが, 防腐剤の可能な限りの低減化が望まれる。そこで化粧品処方全体の構成を再考してみる。その結果, 次の (1), (2), (3) の要素を総合的に構築することにより防腐剤を極力低減化した乳化系化粧品を開発する道が開かれると考えられた。即ち, (1) 非資化性原料の選択 (2) 抗微生物活性が温和な脂肪族化合物および精油の利用, それに加えて新規機能性原料の開発 (3) 防腐剤の油水分配に係わる理論の利用である。
著者
森 知子
出版者
公益社団法人 日本心理学会
雑誌
心理学研究 (ISSN:00215236)
巻号頁・発行日
vol.54, no.3, pp.182-188, 1983-08-30 (Released:2010-07-16)
参考文献数
16

Usually, people would not choose contradictory alternative in a set of personality test. For example, if one is active, then he can't be passive. However, those apparent contradiction may co-exist in him, which may be called “two-sidedness” in personality traits (or structure). In order to reveal the “two-sidedness”, a personality test (two-sided personality scale, TSPS) based on 30 pairs of antonym scales, was constructed. Subjects, 243 students, were asked to rate both sides of antonym independently. For example, one may check both fairly active and fairly passive at the same time. The difference between two ratings on a paired antonym was summed through 30 scales, and the resulting figure was regarded as a measure of his “two-sidedness”. The analysis of two-sidedness score showed reasonable discriminability among the subjects, and the two-sided subjects seemed to be more stable emotionally.
著者
大森 肇
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会予稿集 第67回(2016) (ISSN:24241946)
巻号頁・発行日
pp.52_3, 2016 (Released:2017-02-24)

一過性の運動はパフォーマンスの低下すなわち疲労を招く。競技などにおいて、運動パフォーマンスの向上を目論む立場からは、疲労は軽減するに越したことはない。しかし、生体防御という観点からは疲労は必要不可欠でもある。ヒトを含めた動物には、素早く力強く動く必要が生じることがある。しかしそれは長くは続かない。身体に何の警告もなければ、生体が破綻するからである。逆に緩徐な運動は長く続けられる。そして、運動の長さに対する疲労の出現機構も上手く備わっている。特に競技ではそうした生体防御機構にいかに抗うかを競っているという見方もできる。本演題では、高強度持久性運動時の疲労とそれを軽減するシトルリンの作用機序について、筋と肝の臓器連関をベースに我々の研究の一端を紹介する。シトルリンは一酸化窒素産生と血流改善、あるいはアンモニア解毒亢進の観点から、運動パフォーマンス向上のためのサプリメントとして注目されている。我々はラットの疲労困憊走モデルを用いて、運動強度とシトルリン投与効果の関係、また投与効果の背景について、筋、血液、肝のアミノ酸動態と臓器連関から検討した。