著者
犀川 陽子 岡本 博樹 乾 泰地 橋本 貴美子 中田 雅也 真壁 みどり 奥野 智旦 須田 隆
出版者
天然有機化合物討論会実行委員会
雑誌
天然有機化合物討論会講演要旨集
巻号頁・発行日
vol.43, pp.443-448, 2001

A poisonous mushroom Podostoma cormu-damae caused two lethal poisoning in Japan in 1999 and 2000. Some of the following symptoms are observed in these poisonings: gastrointestinal disorder, erroneous perception, decrease in the number of leukocytes and thrombocytes, deciduous skin of face, loss of hair, and atrophy of the cerebellum which brings about a speech impediment and voluntary movement problems. We studied the toxic constituents of its culture broth and the fruit bodies using lethal effect on mice as an index. The extracts from the culture filtrate and the fruit bodies were injected into the abdominal cavity of a mouse. The lethal effect was observed in both extracts from the culture filtrate and the fruit bodies. The organic extracts of the culture filtrate were chromatographed on silica gel to give the major compounds 1, 2, and 3. The ^1H and ^<13>C NMR spectroscopic analyses revealed that these compounds 1〜3 are members of the macrocyclic trichothecene group. Comparison of the spectral data of 1〜3 with those in the literature revealed that 1 is roridin E, 2 is verrucarin J (muconomycin B), and 3 is satratoxin H. On the other hand, the fruit bodies were extracted with water and methanol. The water extracts were chromatographed on ODS to give satratoxin H (3), and the methanol extracts were chromatographed on silica gel to give 4〜6. The NMR and MS analyses showed that 4, 5, and 6 is the 12',13'-diacetate, 12'-acetate, and 13'-acetate of satratoxin H (3), respectively. The 4〜6 are new compounds that occur in nature. All these macrocyclic trichothecenes except for 2 had a lethal effect on mice by at least 0.5 mg per capita.
著者
橋本 雅至 中江 徳彦
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.16, no.3, pp.123-128, 2001 (Released:2001-12-27)
参考文献数
9
被引用文献数
9 7

身体の土台である足部の機能を前、中、後足部の3つに分類し、運動学的に評価する。足部にはその特性として可動性と固定性が要求される。特に後足部は横足根関節を介して前足部に作用し、足部全体の可動性と固定性に関与する部分である。さらに後足部の機能に影響をもたらすものとして脛骨の形状(脛骨捻転、正面天蓋角など)がある。後足部の動きは距骨下関節を介して下腿の回旋に連鎖する。本稿では足部の特徴が下肢から身体全体に連鎖することを示し、足部の評価が身体運動の制御を理解する上で重要であることを述べる。
著者
橋本 博文
出版者
生態工学会
雑誌
Eco-Engineering (ISSN:13470485)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.111-116, 2013-10-31 (Released:2013-11-09)
参考文献数
2

In order to investigate the cooling effect by plants on the thermal environment, the temperature of the system with plants was measured and compared to the temperature of the control system without plants for twelve species of plants, Asparagus, Basil, Begonia, Chingensai, Fuyushirazu, Geranium, Habotan, Marigold, Minitomato, Oxycardium, Pansy, and Pothos. In many species of plants, as the temperature of the environment was high, the temperature of the system with plants was lower than that without a plant. The more the surrounding temperature was high, the more the bigger difference arose between these two temperatures. From the difference between the two temperatures, plant thermal effect (PTE) diagram was described, and the method of PTE analysis was proposed. The cooling effect by plants and the function of temperature controlled by plants were defined. The cooling effects by Chingensai, Fuyushirazu, Marigold, Habotan, Minitomato, Begonia, Oxycardium, Pansy, and Basil were stronger in the order. The functions of temperature controlled by Oxycardium, Chingensai, Minitomato, Marigold, Fuyushirazu, Begonia, Habotan, and Pansy were stronger in the order. In the case of Asparagus, Geranium, and Pothos, both of the cooling effect and the function were not strong. From the characteristics of the cooling effects and the functions, those plants were classified into three types.
著者
橋本 恭之 木村 真
出版者
關西大学經済學會
雑誌
關西大學經済論集 (ISSN:04497554)
巻号頁・発行日
vol.64, no.3-4, pp.303-321, 2015-03-10

本稿の目的は、夕張市における公営事業と国保事業の現状と課題をあきらかにすることである。本稿で得られた結果は、以下のようにまとめることができる。第1に、財政破綻後の観光施設の運営方法として採用された指定管理者制度は、さまざまな課題を抱えていることがあきらかになった。指定管理者制度のもとで観光施設の延命を図るよりも、民間への売却ないし無償譲渡を優先して考えていくべきだろう。第2に、夕張市の病院会計の赤字は、診療所に縮小することで解消が図られてた。しかし、老朽化に伴い移設計画が検討されているものの、市の人口中心地への移設はへき地医療の指定がはずれてしまうなどの課題を抱えている。第3に、夕張市の国保事業会計は、赤字が解消されている。ただし、2010年度以降、赤字解消により保険料が引き下げられ、受診率と 1人あたり医療費も上昇傾向にあることから今後注意が必要である。第4に、夕張市の下水道事業は、一般会計からの繰り出し不足、利用者の伸び悩みなどにより多額の累積赤字を抱えるに至った。地方都市においては、インフラ整備の優先順位を考える必要があることがわかった。
著者
橋本 貴幸 櫻庭 景植
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2012, pp.48100032-48100032, 2013

【目的】 我々は、第45回から47回日本理学療法学術大会において、足部内在屈筋を中心とした足趾把持筋力値の測定方法の確立、トレーニング方法の確立、トレーニングによる筋力値向上効果、アーチ形成効果を報告している。本研究の目的は、確立したトレーニング実施前後の運動パフォーマンスの効果について検証することである。【方法】 身体に際立った既往歴のない健常男性12名の左右それぞれ、計24足を対象とした。平均年齢は、29.3±4.6歳、平均身長172.5±7.3cm、平均体重64.9±12.8kgであった。 足部内在屈筋の筋力トレーニング方法は、第46回本学会報告内容同様とし、期間は8週間、頻度は週3回の1日1回、回数は200回、負荷量は3kgで実施した。 運動パフォーマンスの検査項目は、歩行以上の負荷がかかる動的運動を目的に、上方への跳躍力と左右両下肢の同時運動として垂直跳、左右それぞれの前方への跳躍力および推進力として片脚幅跳、疾走力および両下肢の交互運動として50mダッシュタイムの3項目を設定した。計測時は、靴下および運動靴を使用し、各2期測定時は同様のものを着用した。 垂直跳の測定は、測定値0.1cm毎に表示可能な竹井機器工業株式会社制ジャンプ-MD計測器を使用し数値化した。計測は、2回実施しその平均値を採用した。 片脚幅跳は、文部科学省新体力テスト立ち幅跳と同様の計測方法に準じて、計測下肢の爪先から踵までの距離をメジャーにて計測した。計測は、左右それぞれを交互に2回実施し、その平均値を採用した。 50mダッシュタイムの計測として、スタートの合図は、同一検者がスタートラインより掛け声と腕折で実施し、被検者はスタンディングポジションからスタートしゴールラインに胴が到達するまでに要した時間を同一検者がストップウォッチにてタイム計測した。計測回数は2回実施しその平均値を採用した。 統計処理は、トレーニング前後の値を、対応のあるt-testを用い検討した。なお、統計学的有意水準は危険率5%未満とし、統計処理には、SPSS;Version14.0(SPSS JAPAN Inc.)を使用した。【倫理的配慮、説明と同意】 順天堂大学大学院スポーツ健康科学研究科倫理委員会の承認(21-34号)を得たのち、全被検者に本研究の目的、内容について説明し、書面にて同意を得た。【結果】 垂直跳は、トレーニング前が平均54.6±7.3cm、トレーニング後が平均57.9±7.4cmとなり、トレーニング前後で有意な差(p<0.05)がみられた。 片脚幅跳において、左片脚幅跳は、トレーニング前が平均181.6±17.2cm、トレーニング後が平均196.1±13.9cmとなり、トレーニング前後で有意な差(p<0.01)がみられた。右片脚幅跳は、トレーニング前が平均178.7±15.8cm、トレーニング後が平均193.4±16.2cmとなり、トレーニング前後で有意な差(p<0.01)がみられた。 50mダッシュタイムは、トレーニング前が平均7.41±0.52sec、トレーニング後が平均7.08±0.45sec となり、トレーニング前後で有意な差(p<0.01)がみられた。【考察】 動的検査の3項目では、垂直跳高の増大、片脚幅跳距離の増大、50mダッシュタイムの短縮を認め、トレーニング後に運動パフォーマンスの向上が得られた。Rabitaらは、跳躍機能を高める要素は、筋腱構造と内在筋との硬さが重要であり、神経筋機能へのアプローチも重要と述べており、我々が報告している足部内在屈筋の足趾把持力値増大とアーチ形成に伴う足部の剛性を高められた結果であると推察された。Mannらは、全速力で走る場合、内在筋は体重負荷中常に活動していることを報告しており、負荷が高い条件下での足部内在屈筋活動性の向上が推察された。さらに、足関節底屈動作が頻繁に行われ負荷が高い・走、跳動作において、本トレーニングは底屈位での安定性とPIP・MP関節での駆出力を高められた結果、前方推進力および跳躍力の運動パフォーマンスが向上したと考えられた。【理学療法学研究としての意義】 足部内在屈筋は、着目すべき強化部位である。足部内在屈筋筋力トレーニングは、立位・歩行およびそれ以上の負荷の高い運動パフォーマンス向上に有用である。
著者
橋本 直己 櫻井 淳一
出版者
一般社団法人 映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会誌 (ISSN:13426907)
巻号頁・発行日
vol.67, no.2, pp.J60-J63, 2013 (Released:2013-01-25)
参考文献数
5
被引用文献数
1

We propose an interactive projection mapping that provides ultra-realistic effects by mixing realistic and diverse visual effects with the users interactions. To achieve high quality and real-time generation of the visual effects, we create pre-rendered movies with layered architecture including the target itself, its background, and additional effects. Based on the user's interactions estimated with a depth camera, the movies are superimposed for various visual patterns in real time. These movies are projected on a real space by using common 3D projection mapping techniques, and it feels like the resultant projection is part of the real world. In this research, we implemented a wall breaking game by throwing a virtual and an actual ball at a real wall.
著者
小出 貴宏 熊谷 直紀 佐藤 健輔 田村 宏司 河原 健太郎 播磨 賢司 福島 忠徳 橋本 英一 杉木 光輝 竹ヶ原 春貴
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
スペース・エンジニアリング・コンファレンス講演論文集 2003.11 (ISSN:24243191)
巻号頁・発行日
pp.15-20, 2003-01-23 (Released:2017-06-19)

Pulsed Plasma Thrusters (PPT) using Teflon as solid propellant has characteristics of simplicity, lightweight, and high durability in recent years. Therefore, PPT propulsion system has the advantages for the small, micro-and nano-satellite attitude control. Tokyo Metropolitan Institute of Technology (TMIT) has started R & D on PPT system with the collaboration of NASDA. This paper describes its present status of the R & D. In the BBM phase, we tested that hood angle and electrode material was changed. In this result, we have researched optimum performance of TMIT-PPT. Now we have shifted from BBM-phase to EM-phase.
著者
中村 裕子 橋本 研 小此木 雄 牛込 瑛子 橋島 弓子 高橋 哲哉 小林 健二 小谷 依子 鈴木 玲爾 坂上 宏 申 基哲
出版者
特定非営利活動法人 日本歯科保存学会
雑誌
日本歯科保存学雑誌 (ISSN:03872343)
巻号頁・発行日
vol.54, no.5, pp.331-340, 2011-10-31 (Released:2018-03-23)
参考文献数
27

本研究の目的は,次亜塩素酸電解機能水(Hypochlorous-acid Electrolyzed Water: HEW)による宿主細胞への傷害性と,アルカリホスファターゼ(ALP)活性に与える影響を検討することである.HEWは,炭酸と塩化ナトリウム(NaCl)溶液を電気分解することによって生成される中性(pH7.2)で有効塩素濃度650ppmを有する電解水である.その殺菌効果は,陰イオンの活性酸素とHClOによるものと考えられている.HEWとNaOCl溶液のヒト歯髄線維芽細胞(HPC),ヒト歯根膜線維芽細胞(HPDL),ヒト末梢血好中球(PMN)およびヒト皮膚線維芽細胞三次元培養モデルに対する傷害性について,MTT assayを用いて検討した.HPC, HPDLおよびPMNを細胞培養用シャーレにて培養し,各濃度に調整したHEW, NaOCl溶液で処理した.HEWとNaOCl溶液は,濃度と作用時間に依存して細胞傷害性を示した.HEWの細胞傷害性はNaOCl溶液よりも低かった.次にHEWおよびNaOCl溶液のHPCのALP活性へ与える影響を,ALP assay kitを用いて検討した.HEWおよびNaOCl処理は,いずれも,HPC細胞のALP活性を低下したが,HEWのほうがはるかに軽微であった.三次元培養モデルにおいては,HEWの細胞傷害性はほとんど観察されず,NaOCl溶液のみが傷害性を示した.本研究は,HEWによる細胞傷害性は,NaOClよりも低く,根管洗浄剤として使用できる可能性を示唆する.
著者
橋本 真理子 幾竹 浩子 堀田 昇
出版者
九州大学健康科学センター
雑誌
健康科学 (ISSN:03877175)
巻号頁・発行日
no.19, pp.67-71, 1997

本研究は,高等学校正課体育授業の中で,自己の健康や体力についての意識を持たせながら,有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせて行わせることにより,体脂肪量を減少させ,かつ筋力,筋持久力,全身持久力などの体力向上の面からその効果を検討することであった。実験は,MとAの2高等学校3年生女子生徒51名の授業受講者を対象に行い,前後に,オリエンテーション,形態計測,体力測定を行い,Body Mass Index(BMI : 体重(kg)/身長(m)2)をもとに,BMIが23.0以上の過体重の生徒(n=12)を被験者とした。実験は,2校で同一の有酸素運動,筋力トレーニングプログラムを処方し,20時間(週3時間・約2ヵ月間)実施した。形態についてはすべての値において減少が認められた。体重が減少した被験者は,全体の92%であり,体脂肪量については,全員が減少した。また,BMIについては,12名中5名の被験者が正常域に移行し,なおかつ9名の被験者にLean Body Mass (LBM : 体重(kg)−体重(kg)×体脂肪率(%))の増加がみられた。体力面では,脚筋力,筋持久力,全身持久力ともに向上した。以上の結果から,有酸素運動と筋力トレーニングを組み合わせたプログラムは,体脂肪量を減少させ,体力向上を計ることに有効であった。
著者
橋本 博文
出版者
The Japanese Group Dynamics Association
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.50, no.2, pp.182-193, 2011
被引用文献数
13

本稿の目的は,これまで文化心理学において議論されてきた相互協調的自己観に焦点を当て,日本人の相互協調性が共有され,維持される一つのプロセスを分析することにある。文化的自己観尺度を用いた研究1と研究2の結果をもとに,本稿ではまず,現在の日本人が相互協調的な心のあり方や生き方を必ずしも好ましく受け入れているわけではないこと,そして日本人にとっての相互協調性はあくまで文化的に「共有」された信念であることを主張する。さらに,相互協調的に振る舞う人に対する印象評定を扱った研究3の結果から,相互協調的に振る舞うことで他者から好意的な反応を得るだろうという予測,そしてその予測を生み出す文化的共有信念の重要性を指摘する。また,実施した一連の研究知見をもとに,日本人の相互協調性に関する本稿の理解――個々人が共通して持っている価値や信念ではなく,文化的に共有されている(他者の行動原理に関する)信念こそが,日本人に相互協調的な振る舞いをさせる誘因となると同時に,この誘因に従う行動そのものによって相互協調行動が維持され,そうした行動に関する信念もまた共有され維持されるという理解――について議論し,本稿が採用する文化への制度アプローチが,今後の文化心理学研究に与えるインプリケーションを考察する。<br>

3 0 0 0 OA 岸の桜

著者
橋本 国彦[編曲]
出版者
ビクター
巻号頁・発行日
1931-02
著者
三島 浩路 黒川 雅幸 大西 彩子 吉武 久美 本庄 勝 橋本 真幸 吉田 俊和
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.64, no.4, pp.518-530, 2016 (Released:2017-02-01)
参考文献数
29
被引用文献数
5 5

高校ごとの生徒指導上の問題の発生頻度認知や携帯電話に対する規制と, 携帯電話に対する生徒の依存傾向等との関連を検討した。13の高校に所属する教師約500人と生徒約1,700人を対象に調査を行った。その結果, 生徒指導上の問題の発生頻度認知が高い高校に在籍している生徒ほど, 携帯電話に対する重要度認知が高く, 携帯電話に対する依存傾向が強いことが示唆された。生徒指導上の問題の発生頻度認知が低い高校に関しては, 携帯電話に対する規制の強弱により, 生徒の携帯電話に対する依存傾向が異なることが示唆された。具体的には, 生徒指導上の問題の発生頻度認知が低い高校の中では, 携帯電話に対する規制が強い高校に在籍している生徒の方が, 規制が緩やかな高校に在籍している生徒に比べて, 携帯電話に対する依存傾向が強いことを示唆する結果が得られた。
著者
橋本 紘樹
出版者
日本独文学会
雑誌
ドイツ文学
巻号頁・発行日
vol.156, pp.174-191, 2018

Theodor W. Adorno behandelte Heinrich Heine zweimal. Der bekanntere Vortrag ist <i>Die Wunde Heine</i>, der 1956 an dessen hundertsten Todestag vom Kölner Rundfunk ausgestrahlt wurde. Der zweite ist <i>Toward a reappraisal of Heine</i>, den Adorno 1948 an der Universität von Los Angeles auf Englisch vortrug. Hierbei anzumerken ist eine entscheidende Wendung im Leben Adornos, nämlich die Heimkehr nach Deutschland aus dem Exil in den USA, das aufgrund der antisemitischen Verfolgung und des Arbeitsverbots im nationalsozialistischen Deutschland erfolgte. Zu dieser Heimkehr entschloss er sich 1949. Die gesellschaftliche Lage, die Adorno in der BRD vorfand und die grundlegenden Einfluss auf seine Kulturtheorie ausübte, sowie die dama­lige deutsche Heine-Rezeption änderten seine Haltung zu diesem Thema. In der bisherigen Forschung zur Heine-Interpretation Adornos wird diese verän­derte Einstellung kaum berücksichtigt. Das Hauptziel der vorliegenden Arbeit liegt im Herausarbeiten der Intention Adornos, mittels der Heine-Lektüre die zeitgenössische Lage zu kritisieren, zu welchem Zweck beide Vorträge unter den genannten Aspekten verglichen werden.<br> Bislang herrschte die Vorstellung vor, dass er sich von der amerikanischen Kultur distanzierte. Allerdings wird in neuerer Zeit seine Konzeption des Versuches, konkrete Kritik an der Kulturindustrie zu üben, hervorgehoben. Schon während seines Exils setzte er sich mit der Unmöglichkeit einer rein geistigen, von den gesellschaftlichen Verhält­nissen unabhängigen Kultur und der Rolle der Kultur im Kapitalismus auseinander. Diese Problematik spiegelt sich im Heine-Vortrag wider, den Adorno in Amerika hielt. Sein Schwerpunkt liegt in der Neubewertung der Gedichte Heines. Dabei fällt auf, dass er die Interpretation Heines aus der jüdischen Perspektive ablehnte. Adorno zufol­ge soll der Gegensatz zwischen Lyrik und Kommerzialismus themati­siert werden. Heine habe aufgedeckt, dass echte Lyrik unter den Bedingungen der Industriegesellschaft unmöglich sei, während er zugleich die Tradition der Lyrik gegen die Zeitläufe zu bewahren versuchte. Bedenkt man, dass der Vortragsort in den USA lag, wo sich der Kapitalismus am schnellsten ent­wickelte, so ist wohl nicht von der Hand zu weisen, dass Adornos Intention eine Kritik an der gesellschaftlichen Lage in den USA war.<br> In der BRD dagegen war Adorno mit einem restaurativen geistigen Klima konfrontiert. Seit der Adenauer-Ära dominierten die Kulturkonservativen, die schon vor dem Krieg den intellektuellen Bereich beherrscht hatten, erneut das kulturelle Leben des Landes. Ihre elitäre Berufung auf Kultur und Geist sowie Identifizierung dieser mit der Nation, knüpften an den Antisemitismus der Nazi-Ideologie an. Nach seiner Rückkehr warnte Adorno vor den restau­rativen Tendenzen in der Kultur und versuchte einen anderen, besseren Um­gang mit der Kultur zu konzipieren. Seiner Meinung nach sei die Existenz­möglichkeit der Kultur nur durch Kritik am Aufkommen von Halbbildung gesichert.<br>(View PDF for the rest of the abstract.)
著者
茂木 健司 笹岡 邦典 樋口 有香子 根岸 明秀 橋本 由利子 外丸 雅晴
出版者
北関東医学会
雑誌
北関東医学 (ISSN:13432826)
巻号頁・発行日
vol.57, no.3, pp.239-244, 2007-08-01 (Released:2007-09-11)
参考文献数
28
被引用文献数
2

【背景・目的】 口腔に存在する多数の常在菌は局所的疾患の原因となるだけでなく, 全身的障害をも引き起こす. そのため, 口腔ケアは全身疾患予防の観点から重要視されている. 今回, 各種含嗽剤による口腔常在菌数減少効果について検討した. 【対象と方法】 健常成人21名に対し, 含嗽前の唾液, および7%ポビドンヨード30倍希釈液, 薬用リステリン®(青色) 原液, 薬用クールミントリステリン®(黄色) 原液, おのおの30mlを, 15秒間口腔内に貯留後の唾液を検体とし, 一般細菌, カンジダの培養後, 含嗽剤作用前後のコロニー数を比較した. 【結 果】 一般細菌は, 含嗽前では全例から検出されたが, 含嗽後では69~93%で減少した. カンジダは, 含嗽前では27~47%に検出され, 含嗽後では25~88%で減少していた. いずれも薬用リステリン®(青色) の減少率が高かった. 【結 語】 含嗽剤を口腔に貯留することにより, 一般細菌, カンジダを減少させる効果が認められ, 特に薬用リステリン®(青色) の効果が高かった.
著者
橋本 有貴
出版者
公立大学法人 国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科日本語教育実践領域
雑誌
国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科日本語教育実践領域実習報告論文集 (ISSN:21853983)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.88-114, 2019 (Released:2019-10-07)

本稿は国際教養大学専門職大学院グローバル・コミュニケーション実践研究科日本語教育実践領域(以下,本大学院)の3期にわたる実習を通して筆者が行ったアクション・リサーチの報告である。本稿の考察は学習者から「もっといろいろなことを学びたかった」という授業内容に関する不満の声を得たことから始まる。そして主に春実習の振り返りを通し,学習者の学習ニーズを把握し授業に反映させることができていたかについて検証した。さらに様々な制約により授業にニーズを反映させることができない場合の教師の役割の1つとして学習内容の意義付けについても検討した。その結果をもとに,学習者のニーズをどのように授業に反映させるか,また,反映できない場合の教師の対応について考察する。