著者
太田 文徳 橋本 武彦 井手 康裕 遠藤 優希 周 興喜 柳井 孝仁 井手 正美 青野 祥博
出版者
一般社団法人 情報科学技術協会
雑誌
情報の科学と技術 (ISSN:09133801)
巻号頁・発行日
vol.68, no.9, pp.470-476, 2018-09-01 (Released:2018-09-01)

2016年度PLASDOCオンライン研究会では化学系の特許調査における人工知能(AI)の活用に関し,AIに学習させる文章(教師データ)に着目した,特許調査の効率性に関する研究を実施した。具体的には,無効資料調査における化学分野に特徴的な請求項の影響検討,及び先行技術調査における教師データの検討結果について報告する。さらに特許調査以外のAI活用方法として,分類既知の公報を教師データとした,分類未知の公報の仕分けについても合わせて検討結果を報告する。
著者
清水 忠 西村 奏咲 安田 恵 村上 雅裕 橋本 佳奈 大野 雅子 桂木 聡子 上田 昌宏 天野 学
出版者
日本薬学教育学会
雑誌
薬学教育 (ISSN:24324124)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.2018-014, 2018 (Released:2018-08-24)
参考文献数
7

薬学実務実習終了生を対象としたアンケート調査によれば,大半の学生は実習中に基礎薬学の知識を活用する機会は少なかったと感じていることが報告されている.その要因として,教員が基礎薬学は臨床現場でどのように役に立つかを具体的に説明できていないことが指摘されている.しかし,臨床現場での問題は基礎薬学が問題解決に有用となることもある.そのため,基礎系教員と臨床系教員が連携し基礎薬学の臨床現場での有用性を理解させ,それが可能であることを示すことが必要であると考えた.そこで,実務実習事前学習において有機化学を専門とする基礎系教員と実務家教員が連携した医薬品の配合変化に関する実習を実施し,終了後にアンケートを行った.この結果,受講生の90%以上が基礎薬学の内容が臨床の問題を解決するのに有用であることを意識できた.すなわち,基礎薬学が臨床現場でどのように役に立つかを意識させる実習を提供できたと考えられる.
著者
赤崎 正一 戸田 ツトム 寺門 孝之 橋本 英治 久本 直子 Shoichi AKAZAKI Tztom TODA Takayuki TERAKADO Eiji HASHIMOTO Naoko HISAMOTO
出版者
神戸芸術工科大学
雑誌
芸術工学2012
巻号頁・発行日
2012-11-30

出版メディアにおける「絵本」というカテゴリーは、現代のビジュアルデザインの世界に内在する「アナログ」と「デジタル」の製作技法上の乖離・矛盾について検証するのに、両者のバランスが非常によくとれた作業課程を包含している。また同時にデザイン成果物としての「絵本」は、単に「読まれる」ことで完結してしまうのではなく、周辺に「読み聞かせ」や「ライブペインティング」などのパフォーマンス的な実践をともなってダイナミックな共同性(=協働性)の環境を発展させる可能性をふくむ媒体である。本研究においてはビジュアルデザイン学科でこれまで開催された特別講義のうち、飯野和好(絵本作家)・森ゆり子(読み聞かせ活動)・荒井良二(絵本作家)の3 氏による3 回分を講義記録・パフォーマンス実践事例として書籍化・公刊する。またその際に、出版にいたる作業課程そのものが、学内スタッフを中心とした「エディトリアルデザイン」の制作実現の事例となるよう目的化して作業をすすめていく。11 年度年度末には学内版として一旦完成して納本したものを、さらに細部にわたってバージョンアップしたものが左右社を版元として、12 年秋を予定して刊行の予定であり、本報告はその内容にしたがって、構成されたものである。Picture books, as a category of publication media, is produced through a process which involves technical conflicts and contradictions between "analog" and "digital" inherent in today's visual design. At the same time, picture books as products, unlike ordinary books which are "completed" by simply being read, are a medium assumed to entail dynamic collaboration through reading and live painting sessions.The purpose of this course was to compile and publish a book based on three special lectures presented by Department of Visual Design. The speakers of the lectures were Kazuyoshi Iino (a picture book author), Yuriko Mori (a specialist of picture book reading) and Ryoji Arai (a picture book author). The production of this book itself was designed to be a practice case of editorial design by staff.The book was completed and delivered at the end of fiscal 2011 as an in-house publication. The upgrade and expanded version of the book is scheduled to be published by Sayusha in the autumn of 2012. This report is based on this book.
著者
橋本 昌枝 松村 敦 宇陀 則彦
雑誌
第77回全国大会講演論文集
巻号頁・発行日
vol.2015, no.1, pp.561-562, 2015-03-17

物語音楽には様々な解釈が存在し、それに対する議論は電子掲示板やTwitterを中心に行われている。しかしながら物語音楽は楽曲同士の関係を示す意見や、楽曲の一部分に対する意見などが多く存在し、既存のサービスではそれらの意見の把握が困難になるという問題が存在する。そこで本研究では、物語音楽の議論に存在する「繋がり」に着目し、その繋がりを提示できるシステム「Mapping of Horizon」を開発した。物語音楽として、Sound Horizonを題材として評価実験を行い、本システムによってユーザが意見を把握し、新しい発見や楽しみを得られたかを検証した。
著者
大角 欣矢 花岡 千春 塚原 康子 片山 杜秀 土田 英三郎 橋本 久美子 信時 裕子 石田 桜子 大河内 文恵 三枝 まり 須藤 まりな 中津川 侑紗 仲辻 真帆 吉田 学史
出版者
東京藝術大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2013-04-01

近代日本の洋楽作曲家第一世代を代表する作曲家の一人、信時潔(1887~1965)に関する音楽学的な研究基盤を確立するため、以下の各項目を実施した。①全作品オリジナル資料の調査とデータベース化、②全作品の主要資料のデジタル画像化、③信時旧蔵出版譜・音楽関係図書目録の作成、④作品の放送記録調査(1925~1955年のJOAKによる信時作品の全放送記録)、⑤作品研究(特に《Variationen(越天楽)》と《海道東征》を中心に)、⑥明治後期における「国楽」創成を巡る言説研究、⑦伝記関係資料調査。このうち、①から⑤までの成果は、著作権保護期間内の画像を除き原則としてウェブにて公開の予定。
著者
竜田 庸平 福本 礼 橋本 俊顕 岩本 浩二 宮内 良浩 小川 哲史 藤元 麻衣子
出版者
JAPANESE PHYSICAL THERAPY ASSOCIATION
雑誌
日本理学療法学術大会
巻号頁・発行日
vol.2009, pp.A4P3012-A4P3012, 2010

【目的】<BR> 広汎性発達障害の原因説にはミラーニューロン(以下MN)障害説があり,MNは模倣と運動学習に関連している.今回,MNの存在する44野付近の運動模倣中の賦活状態を計測することを目的に光トポグラフィー(以下NIRS)を用いて測定し,広汎性発達障害児と健常児との間に差があるか検証したので報告する.<BR>【方法】<BR> 広汎性発達障害児群は20名(11.7±3.53歳) 障害別内訳(高機能自閉症10名・アスペルガー症候群10名)男児19名,女児1名であった.健常児群は,健常児10名(12.3±2.95歳),男児8名,女児2名であった.なお,対象は全員右利きであった.NIRSの測定は近赤外光イメージング装置OMM-3000シリーズ;島津製作所を使用した.測定は,Czより11cm側方3cm前方の44野付近を測定した.NIRSのプローペパッドを2枚用意し両側に貼り付けた. 課題には田中の改訂版随意運動発達検査を用いた. 30秒×3を1セット,合計2セット行った.1番目,3番目の30秒は休憩,2つ目の30秒は課題を行った.課題は健常成人の右手のb-4,b-5,b-6を動画撮影し,PC画面に呈示した.対象には動画上の運動を模倣してもらった.分析方法として,ビデオによる行動分析と,ピーク振幅を求めU検定を行った.加えて, 44野付近の平均加算を2群それぞれグラフ化し,目視にて分析を行った. <BR>【説明と同意】<BR> 対象者には十分に説明を行い,同意を得た後測定した.なお,本研究は当校倫理委員会の承認を得た.<BR>【結果】<BR> 広汎性発達障害児群には何らかの異常な模倣行動が認められ,健常児群には認められなかった. 異常な模倣行動の内訳として,課題施行中の集中力低下8例・鏡像模倣1例・左右逆模倣4例・鏡像模倣だが鏡になっていない模倣5例・動画と非同調な模倣13例であった.U検定の結果,課題の1セット目では,24個中10個のチャンネル(以下CH)で,2セット目では24個中8個のCHで広汎性発達障害児群が健常児に比べ有意に低かった. 中でも,健常児群と比較して広汎性発達障害児群は44野付近の12CHと23CHが1セット目2セット目にわたり,有意に低下していた. 44野付近の平均加算の結果,健常児群と比較して広汎性発達障害児群は,平坦なグラフとなり,44野付近の活動が確認できなかった.健常児群では課題施行中にoxy-Hbが上昇するグラフとなり,44野付近の活動が確認できた.<BR>【考察】<BR> 模倣は6歳前半に完成するとされている.模倣には身体図式が関係しているため,広汎性発達障害児群も身体図式に障害があったのではと考える.人が身体図式を利用するにはMNが関係し,広汎性発達障害児の場合,MNに障害があるために身体図式を用いたdirect matchingがうまく機能していないことが考えられた.実際に広汎性発達障害児群は,44野付近のCHで有意差が見られ,平均加算データも,健常児群と比較して平坦になっていた.このことはdirect matchingの機能をうまくコントロールできていない状態をリアルタイムに採取できたと考える.運動学習は3段階に分けられ,このなかでも初期の認知段階では教示・示唆・運動見本の提示が重要となる.この初期の認知段階には模倣を必要とし,模倣を行うことによって運動学習の見本を自己にインプットする.Meltzoff(1989)によると模倣行動は新生児より出現するとの報告があり,新生児の時期からの模倣行動の重要性が伺える.しかし,これら模倣に関連した44野を含むMNシステムに障害があるとされる広汎性発達障害児において,運動学習には不利な状況であることが今回の研究により考えられた.<BR>【理学療法学研究としての意義】<BR> 模倣とコミュニケーション能力,模倣とMNの研究,模倣と身体図式等,いろいろな方面から模倣に対する研究が盛んに行われており,模倣を理解することは,運動学習を教示する立場である私たちにとって有益なものになると考える.
著者
福本 都 苫米地 飛 橋本 剛明 唐沢 かおり
出版者
人間環境学研究会
雑誌
人間環境学研究 (ISSN:13485253)
巻号頁・発行日
vol.15, no.1, pp.73-80, 2017 (Released:2017-06-30)

Existing research have investigated the effects of free will belief on aggressive behaviours. So far, studies have shown that when people's free will belief is denied, their motivation of self-control decreases, thereby increasing aggressive behaviours. An alternative and inconsistent account is that people who have strong belief in free will attributes the other party's attack to the actor's intention, which lead them to take revenge. Given that aggressions practically occur within a social interaction, the present study examined the relationship between free will belief and aggression in a social interactive situation. We hypothesized that people who have high free will belief will behave more aggressively when they are attacked by another individual. Based on a sample of 45 undergraduates, we measured free will beliefs and trait aggression as an individual-difference variable. We employed a modification of the Point Subtraction Aggression Paradigm in order to measure participants' aggressive behaviours. As a result, the effects of fatal determinism - a subscale of free will - were found significant. Specifically, when participants were unattacked by their interactive partner, those with low fatal determinism belief behaved less aggressively. Incurring no attack from the partner, participants may have experienced higher responsibility for taking aggressive actions themselves. Under such circumstance, having a low fatal determinism belief, and thus regarding their behaviour as undetermined by nature, may have further increased their sense of responsibility, consequently decreasing aggression. In contrast, when participants were attacked by their partner, aggressive behaviours increased on the whole relative to the non-attacked condition; receiving an attack may have simply provoked participants' motivation to revenge. This study highly suggests the relationship between fatal determinism belief and aggression in social interaction situations, offering a ground for future investigations including parameters to further explain the relationship.
著者
黒須 亮成 清水 博貴 橋本 智己
出版者
日本知能情報ファジィ学会
雑誌
知能と情報 (ISSN:13477986)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.501-506, 2017-02-15 (Released:2017-02-22)
参考文献数
16
被引用文献数
2

本稿では,人間とロボットの間で自然なコミュニケーションの実現を目指し,コミュニケーションエージェントの感情モデルを提案する.提案モデルは,「怒り」,「嫌悪」,「恐れ」,「悲しみ」,「幸福」,「驚き」の6感情を持ち,ファジィ認知マップで構成されている.6感情を相互に結合することで,幸福だが悲しい,悲しくて恐ろしい,恐ろしくて嫌悪するといった複数の感情を同時に表現することができる.提案モデルは,時間的に変化する重みと時間遅れの要素を組み込んでいて,情動と気分,サーカディアンリズムを表現する.感覚遮断を模して1週間放置した実験では,周期的に過去の感情が励起する反応が観察された.
著者
桑原 久男 山内 紀嗣 日野 宏 巽 善信 飯降 美子 橋本 英将
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究では、イスラエル、下ガリラヤに所在するテル・レヘシュ遺跡の発掘調査を3シーズンにわたって遂行し、前期青銅器時代の建築遺構(東斜面)、中期青銅器時代の壮大な城壁の一部(テル頂部西端)、初期鉄器時代のオイル・プレス(テルの各所)やカルト・スタンド、土製仮面などの宗教的遺物(テル下段北側)、鉄器時代の要塞建築(テル頂部)、ローマ時代の「ファームハウス」など、居住の歴史と様相に関する貴重な所見を得ることができた。
著者
橋本 喬
出版者
第一経済大学経済研究会
雑誌
第一経大論集 (ISSN:02869691)
巻号頁・発行日
vol.16, no.2, pp.p89-114, 1986-09
著者
橋本 康弘 土井 真一 根本 信義 佐伯 昌彦 小山 治 橋場 典子 吉村 功太郎 桑原 敏典 磯山 恭子 中原 朋生 渡部 竜也 三浦 朋子 小澤 昌之
出版者
福井大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2015-04-01

本研究の目的は、日本の中・高校生の持つ法的知識や意見に基づいた法教育プログラムの開発にある。本研究では、日本の高校生を対象とした質問紙調査を実施した。その調査結果では、法知識は正しく有していても、法意見は反対の考え方を示すなど、「法知識と法意見の乖離」が生じている項目が散見された。本研究では、「法知識と法意見の乖離」が生じている「黙秘権」と「自白強要の禁止」について、授業を開発し、それを実施した。
著者
橋本 修二 川戸 美由紀 山田 宏哉 鈴木 茂孝 三重野 牧子 遠又 靖丈 村上 義孝
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.62, no.10, pp.617-623, 2015 (Released:2015-11-25)
参考文献数
11

目的 国民生活基礎調査の世帯数と患者調査の推計患者数について,東日本大震災によって調査対象から除外された地域の補完を行った。方法 国民生活基礎調査において,東日本大震災によって調査対象から除外された2011年の岩手県・宮城県・福島県と2012年の福島県の世帯数について,前後の大規模調査年の情報を用いて線型内挿法で補完した。2011年における宮城県と福島県の推計患者数について,同年の患者調査(宮城県の石巻・気仙沼医療圏と福島県が調査対象から除外)と2012年の福島県患者調査,2011年と2012年の医療施設調査と病院報告を用いて補完した。結果 全国の世帯数(各年 6 月時点)における補完値は2011年で48,732千世帯,2012年で48,874千世帯であった。世帯構造別の世帯数において,2011年と2012年の調査値が前後の年次よりも大きく落ち込んでいたのに対して,両年の補完値には落ち込みがなかった。2011年10月の推計患者数の補完値は,全国で入院1,365.4千人と外来7,383.9千人,施設所在地が宮城県で入院21.2千人と外来130.0千人,施設所在地が福島県で入院22.0千人と外来108.8千人であった。調査値に対する補完値の比を性・年齢階級と傷病分類ごとにみると,全国の推計患者数ではほぼ1.02倍であったが,患者住所地が宮城県と福島県の推計患者数ではきわめて大きかった。結論 国民生活基礎調査の世帯数と患者調査の推計患者数の補完値を示した。年次推移の観察にあたって,補完の仮定を十分に考慮することが重要であろう。
著者
原 尚人 松尾 知平 高木 理央 星 葵 佐々木 啓太 橋本 幸枝 澤 文 周山 理紗 岡崎 舞 島 正太郎 田地 佳那 寺崎 梓 市岡 恵美香 斉藤 剛 井口 研子 都島 由希子 池田 達彦 坂東 裕子
出版者
日本内分泌外科学会・日本甲状腺外科学会
雑誌
日本内分泌・甲状腺外科学会雑誌 (ISSN:21869545)
巻号頁・発行日
vol.33, no.4, pp.205-209, 2016 (Released:2017-01-26)
参考文献数
10

2016年4月内視鏡甲状腺手術が良性疾患に対して念願の保険収載が認められた。しかし,質の担保などの課題は残る。今後の最大目標は今回見送られた悪性腫瘍に対する内視鏡甲状腺手術の保険適応である。しかし,難解な問題点と課題が山積みである。そして将来は日本独自のロボット支援手術機器の開発が望まれると考える。これら今後の展望における問題点と課題についての考えを述べる。