著者
近藤 靖史 長澤 康弘 藤本 哲夫 田坂 太一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.73, no.634, pp.1361-1368, 2008-12-30 (Released:2009-10-28)
参考文献数
8
被引用文献数
1 3

The insulation materials are used to improve thermal performance of buildings and their performance should be kept in required value during building life time, however long term change of thermal conductivity is observed for most of insulation materials. It is well known that the thermal conductivity of insulation foams increases with time due to the emission of the blowing agents from the insulation foams and the transfer of the air into them. In this paper, the aging of thermal conductivity in various insulation foams is discussed with measured data and numerical analysis. Two kinds of accelerated test are conducted and the aging characteristics of various foams are examined. The estimation equations of thermal conductivity change of insulation foams are shown and applied to the measured materials. The effective diffusion coefficient of the blowing agents is obtained by comparing the simulation results and the measured value.
著者
中路 恭平 藤本 淳也 間野 義之 本間 浩輔 齊藤 隆志
出版者
社団法人日本体育学会
雑誌
日本体育学会大会号
巻号頁・発行日
no.54, 2003-08-26

オリンピックや各種競技会において、プロスポーツ選手のオープン化が進んでいる。そしてがんばれニッポンキャンペーンの適用除外選手にみるように、競技選手自らもプロ宣言するようになった。今日では世界レベルを目指した競技スポーツがプロスポーツと大きく関連していることは否めない。また競技力向上ばかりでなく、プロスポーツはスポーツを広く振興するうえで重要な役割を担う。スター選手の活躍が人々に希望と感動を与え、子供には夢を与え、あこがれの選手の活躍が競技活動の動機付けとなっている。そして、その人気が入場料や放映権料収入などクラブや球団経営を支える大きな要素になっている。
著者
片山 訓博 大倉 三洋 山崎 裕司 重島 晃史 藤本 哲也 藤原 孝之
出版者
公益社団法人 日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement
巻号頁・発行日
vol.2011, pp.Eb1236, 2012

【はじめに】 標高1000~3000mに居住する高地住民には,冠心疾患や高血圧症などの発生率が低く,長寿者が多いことが知られている.また,高地トレーニングが脂質糖質代謝の改善に有効なことが指摘されている.しかし,高地トレーニングや低圧低酸素環境下でのトレーニングを実現することは物理的,経済的に極めて困難である.また,低酸素環境における高強度のトレーニングは,重度の低酸素血症を誘発する可能性が高い.心疾患や肺疾患を合併することが少なくない中高年者の生活習慣病予防を目的とした運動としてはリスクが高い.近年,比較的簡易な装置を用いて常圧環境下で低酸素環境を作り出すことが可能となっている.もし,常圧の低酸素環境によって運動時のエネルギー代謝に好影響が与えられるとすれば,効果的なトレーニング環境が容易に実現できる可能性がある.本研究では,常圧低酸素環境における低強度運動時のエネルギー代謝応答を測定し,運動療法施行時の環境としての有用性について検討した.【方法】 対象は健常成人男性13名で平均年齢21.2(20―22歳),平均身長168.8±4.7cm,平均体重62.6±5.1kg,平均体表面積1.72±0.08m2であった.被験者は前日の夕食以降絶食として翌日の午前中に測定を実施した.研究の条件は,研究の条件は,常圧下での低酸素濃度環境(以下,低酸素)(酸素濃度14.5%,0.7atm,高度3,000m相当)および通常酸素濃度環境(以下,通常酸素)(酸素濃度20.9%,1.0atm)とした.低酸素は,藤原らの特許を用いた塩化ビニール製テント(容積4.0m3)と膜分離方式の高・低酸素空気発生装置(分離膜:宇部興産製UBEN2セパレーター,コンプレッサー:アネスト岩田製SLP-22C)を用いて設定した.各条件での測定は,先ず通常酸素条件で行い,その後1週間の間隔を設けて低酸素条件で実施した.両条件とも30分間の安静椅子座位後,嫌気性代謝閾値(以下,ATポイン)の70%定量負荷による自転車エルゴメータ運動(回転数は55回/分)を30分実施した.呼気ガス分析は,エアロモニター(AE-300Sミナト医科学製)を用いた.各データは安静開始から終了まで1分間隔で測定し,5分間毎の平均値で比較検討した.NU(尿中窒素排出量/分)は0.008g/分で一定とした.LOR(mg)=1.689×(VO2-VCO2)-1.943×NU,GOR(mg)=4.571×VCO2-3.231×VO2-2.826×NUで得られたLOR,GORは体表面積で補正した.統計学的手法は,Willcoxonの符号付順位和検定を用い,有意水準は危険率5%未満とした.【倫理的配慮、説明と同意】 対象者には,研究の主旨・内容および注意事項について説明し,同意を得たのちに実験を開始した.【結果】 被検者のATポイント70%における自転車エルゴメータの負荷量は,47.5±5.3wattであった.LORは,すべてのstageにおいて低酸素条件より通常酸素条件が有意に高値を示した(p<0.05).GORは,運動時全てのstageにおいて低酸素条件が通常酸素条件より高値を示した(p<0.05).低酸素条件における運動時GORは通常酸素条件よりも平均で191.1mg/min/m2大きく,逆に運動時LORは,低酸素条件で平均37.5mg/min/m2小さかった.【考察】 低常圧低酸素環境への暴露後の運動が呼吸循環代謝応答に与える影響について分析した.GORは,stageにおいて低酸素条件が通常酸素条件より高値を示した.高地環境における低酸素血症では,ミトコンドリア内では有機的解糖が阻害されるため,ミトコンドリア脱共役タンパク質の減少で代償が図られる.それとともに,嫌気的解糖によるATP合成効率を増やしてATP不足を補う結果,グルコース利用が増加し,血糖値が低下する.結果として,インスリン分泌も低下し,インスリン感受性の改善がもたらされることが報告されている.今回の常圧低酸素環でも同様の効果によりグルコースが多く利用されたと考えられる.低酸素条件におけるGORは30分間の運動中平均は191.1mg/min/m2通常酸素条件よりも大きく,これは通常酸素条件のGORの27.5%に相当した.このことは今回の常圧低酸素設備でも,糖質利用が促進されることを示している.よって,常圧低酸素環は糖質代謝を促進する必要のある対象者にとって有益なトレーニング環境となる可能性がある.【理学療法学研究としての意義】 低圧低酸素環境では,安静時代謝の亢進および脂質代謝が改善され,より効果的な減量が可能であると報告されている.常圧低酸素環境においても同様の効果が生じる可能性が示唆され,生活習慣病や減量を目的とした理学療法を施行する時の環境として利用できると考える.
著者
江原 謙介 藤本 淳也 福田 一儀 松永 敬子 鳥山 稔 河野 真輝
出版者
日本スポーツ産業学会
雑誌
スポーツ産業学研究 (ISSN:13430688)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2_183-2_196, 2021-04-01 (Released:2021-04-26)
参考文献数
26

This research compared university student-athletes and other university students to analyze differences in attitudes towards COVID-19. The objective was to examine the impact of student-athletes′ attitudes on their future athletic activities and perform verification that will contribute to the deliberation and creation of university support measures for student-athletes. Google Forms were used to administer an online questionnaire to university students nationwide. The responses to questions on the questionnaire were recorded on either 5 or 8 point scales, as well as open-ended questions without word limitations at the end of the questionnaire. The results were analyzed by separating results into two cohorts; student-athletes and other university students, and then categorizing responses to each question as positive or negative. Cross-tabulation was used and then Fischer′s exact test was performed. To analyze the open-ended questions, KH-Coder3 software, which excels at Japanese analysis and is used in a great deal of research, was used. The analysis found a significant difference for some questions. In particular, a greater percentage of student-athletes than other university students felt unease regarding infection at university facilities, the impact of infection on university life, and the impact on activities from April 2020 onwards. Some of the reasons for the higher percentage of responses indicating unease were the lack of transparency in student life, with universities not defining clear approaches.
著者
東 禹彦 久米 昭廣 上田 清隆 藤本 美穂 日野 奈保子
出版者
Meeting of Osaka Dermatological Association
雑誌
皮膚 (ISSN:00181390)
巻号頁・発行日
vol.40, no.5, pp.481-483, 1998 (Released:2010-08-25)
参考文献数
3
被引用文献数
1

爪甲縦裂症の3例を報告した。罹患爪の後爪廓部に外用ステロイド剤を塗布させたところ, 3例とも正常な爪甲になり完全に治癒した。このことから, 爪甲縦裂症の原因は後爪廓部の異常に基づくものと推測した。
著者
落合 博志 陳 捷 小川 剛生 岡 雅彦 堀川 貴司 住吉 朋彦 岡 雅彦 藤本 幸夫 堀川 貴司 陳 捷 和田 恭幸 住吉 朋彦 小川 剛生 岡崎 久司 村木 敬子
出版者
国文学研究資料館
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2007

本研究では、中世日本の刊本、特に五山版(主に禅宗の寺院で出版された本)を対象として、日本国内及び海外に存在する原本を調査して書誌データを採取し、それに基づいて五山版序跋・刊記集成、中世出版年表、五山版所在目録を作成するとともに、五山版の持つ様々な問題について考察した。具体的には、各伝本の版本としての位置付けと資料的価値、同時代における五山版の受容、五山版と中国・朝鮮刊本との関係等であり、これらを通して、五山版の日本の出版史における意義や、文化の発展に及ぼした役割などについて、多くの新しい知見を得た。
著者
中尾 寿朗 荒尾 真樹 藤本 幸一 細野 正彦 谷口 正宏 石川 達也
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告モバイルコンピューティングとユビキタス通信(MBL) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2001, no.83, pp.15-21, 2001-09-06
被引用文献数
4

近年インターネットやモバイル端末の急速な普及によって鉄道においても様々なIT活用サービスが提案されている。本開発では切符の機能をモバイル端末で実現する鉄道向け電子チケット(以下デジタルチケットと呼ぶ)システムを構築した。デジタルチケットは切符の取引や予約をモバイル環境で可能にし「いつでもどこでも切符が買えて、そのまま改札を通過できる」という利便性が期待できる。実現にあたっては、(1)チケット取引・使用の安全性確保 (2)モバイル端末での操作利便性の実現 (3)自動改札判定の高機能対応と高速化、といった主要な課題を解決した。評価システムの構築、実現性の検証、実用化に向けての課題について考察する。また、デジタルチケットの実現により新たに創出が可能となるサービスを検討し、一例として運用を予定している「自動改札機連動モバイル情報配信サービス:goopas(グーパス)」について、その概要を紹介する。The Automatic Fare Collection (AFC) System has started change the form of tickets from magnetic ones to IC cards and prepaid cards. On the other hand, the explosive spread of cellular phones has induced the idea of building an IC card into cellular phones carried by commuters so that the cellular phones will incorporate a train ticket function. The users can expect the convenience that they can buy virtual tickets anywhere and anytime and pass the ticket gates. The following technical themes are important items awaiting solution for mobile equipments to handle digital tickets. This paper reports a solution to the items with an evaluation result and the actualization of solution. (1) Security in dealing with or using digital tickets (2) Ease of use of function built into PDA and cellular phone units (3) Improvement in the response speed of an automatic ticket gates. Furthermore, realization of a digital ticket considered the service whose creation is newly attained. As an example, we introduce the outline about the information distribution service interlocked with the automatic ticket gates.
著者
藤本 元啓
出版者
崇城大学
雑誌
崇城大学紀要 = Bulletin of Sojo University (ISSN:21857903)
巻号頁・発行日
vol.46, pp.37-55, 2021

崇城大学では、2019年度から初年次教育「SOJO基礎」を起点として理工系専門教育とを連動し、大学と産業界とを接続する学修プログラム「SOJOプロジェクト教育」を開始した。初年次生では専門的知識を必要としないアイデア解決型のPBL型学修を反復し、2年次以降に学科や企業等の提供による理工学・実社会の現実的な問題に取り組み、学年に応じた専門基礎的なアイデアをもって解決を目指す。学部でのこの教育が修士課程の長期のコーオプ教育につながり、さらには博士課程の産学連携を生み出す土壌となる。これは従来の伝統的な大学教育(教える)からの脱却を目指す教育プログラムのひとつで、本学が目指す「学生の自主的、創造的な学修姿勢」を培う新しい教育体系である。この組織的な取り組みにより、学生が主体的学修へと転換し、知識・技能を実際に活用して徐々に高品質の成果物をつくる契機となることに期待している。また協力企業からは「知識修得だけではなくチーム活動に焦点を当てたカリキュラムの重要性」「企業と大学の協力は不可欠」「国際競争力向上のためには学生の人材育成は必要」など、大方の賛同を得ている。
著者
坂田 桐子 藤本 光平 高口 央
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.44, no.2, pp.109-121, 2005 (Released:2006-02-18)
参考文献数
21
被引用文献数
2 1

本研究では,リーダーの影響力の「強さ」と「範囲」に及ぼす集団プロトタイプ性の効果について検討した。仮説は次の通りである。(1)集団同一視の高い参加者群において,集団プロトタイプ性の高いリーダーの方が低いリーダーより承認されるであろう。(2)高プロトタイプ・リーダーの影響力が,ある外集団との比較による脱個人化された社会的魅力に由来することを考慮すると,高プロトタイプ・リーダーが低プロトタイプ・リーダーの影響力を上回るのは,その外集団と関連する課題に従事する場合だけであろう。ただし,外集団関連課題における高プロトタイプ・リーダーの影響力は,たとえフォロワーの意向に沿わない指示であっても応諾させるほど強いであろう。実験参加者124名に他集団との対立状況を描いたシナリオを呈示し,質問紙への回答を求めた。その結果,直接的な応諾度指標ではなく,間接的な応諾度指標について,仮説は概ね支持された。本研究の結果の一部は,社会的アイデンティティ理論や自己カテゴリー化理論の視座からの予測とは必ずしも一致しないものであった。最後に,本研究の知見の解釈,本研究の限界,および今後の課題について考察した。
著者
前田 健太 藤本 博志 堀 洋一
出版者
公益社団法人 計測自動制御学会
雑誌
計測自動制御学会論文集 (ISSN:04534654)
巻号頁・発行日
vol.50, no.3, pp.259-265, 2014 (Released:2014-03-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2 2

This paper presents the estimation method of the slip ratio limitation for electric vehicles that ensures traction, based on the tire brush model considering tire side slip. Also the estimated slip ratio limitation is applied to the driving force control, a traction control that has been proposed by the authors' research group. According to the proposed method, vehicle safety can be improved by preventing understeer when cornering with accelerating or decelerating on slippery roads. Effectiveness of the proposed method is verified by experiments using an experimental electric vehicle.
著者
二尾 健太 山口 太輔 坂田 資尚 下田 良 坂田 祐之 藤本 一眞 岩切 龍一
出版者
一般社団法人 日本内科学会
雑誌
日本内科学会雑誌 (ISSN:00215384)
巻号頁・発行日
vol.103, no.8, pp.1939-1941, 2014-08-10 (Released:2015-08-10)
参考文献数
6

反応性amyloidosis(AMY)は慢性炎症により産生された血清amyloid Aの代謝産物が沈着し組織障害を来たす疾患であり,難治性合併症の一つである.症例は53歳,女性.反応性AMYによる急性腎不全を契機にCrohn病と診断された.消化管病変は胃・十二指腸から大腸まで広範に渡っていた.methylprednisolone(mPSL),granulocyte apheresis(GCAP),infliximab(IFX),dimethylsulfoxide(DMSO)等の集学的治療により症状は著明に改善した.通常反応性AMYは罹患期間が長期になるほど発症リスクが高くなるが,本症例の様に罹患範囲が広範な場合は早期より反応性AMYの合併に注意する必要がある.
著者
藤本 吉則
出版者
日本公共政策学会
雑誌
公共政策研究 (ISSN:21865868)
巻号頁・発行日
vol.10, pp.94-103, 2010-12-25 (Released:2019-06-08)
参考文献数
42

本稿は,2000年前後から各国で導入が始まった電子政府の議論を基に,電子申請の利用件数が伸び悩んでいることや住民基本台帳ネットワークの効用が実感できないことなど,日本の電子政府の普及が円滑に進んでいないことの要因の分析,類型化を行い,これからの公共部門におけるICT利用の可能性を検討する。類型化にあたっては,電子政府の進捗段階ごとに阻害要因によって与えられる影響力が異なることを踏まえ,双方向の特徴を活用した電子政府の段階に焦点をあて,とくにデータの蓄積とその活用といったデータベースの視点を取り入れ,分析を試みる。検討を行った類型化を日本の電子政府に当てはめてみると,技術的な要因による障害より,組織的・制度的要因による影響が強いことが示される。そのため,行政改革やより有益な価値のある情報創出などに電子政府を効果的に用いるため,情報システムの導人だけではなく,制度・組織の抜本的改革をも視野に人れた電子政府の取組みの検討を進める必要がある。
著者
藤本 潔
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.82, no.5, pp.465-490, 2009-09-01 (Released:2011-08-25)
参考文献数
88
被引用文献数
1

氷河性アイソスタシーにより沈降傾向にある北海南部大陸沿岸の海面変化研究史をまとめるとともに,地質層序や地形発達との関係も考慮し完新世中期以降の海水準微変動について考察した.オランダ西部から北西ドイツに共通する現象として,5200~4500 cal BPの海面上昇停滞または海面低下と,4500~4100 cal BPの上昇の加速が認められた.また2350~1900 cal BPの塩性湿地の一時的な離水現象から,この間の海面低下とその後の再上昇が推定された.北西ドイツで推定されている3300~2900 cal BPの急激な海面低下はオランダでは認められない.オランダの海面変化曲線は圧密の影響を排除するため,基底泥炭基部から得られた14C年代値に基づく地下水位変動曲線から間接的に推定されたものである.この手法では海面低下の検出は難しく,見かけ上海面上昇速度の低下または停滞と認識される可能性がある.