著者
藤島 寛 山田 尚子 辻 平治郎
出版者
日本パーソナリティ心理学会
雑誌
パーソナリティ研究 (ISSN:13488406)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.231-241, 2005 (Released:2005-06-15)
参考文献数
29
被引用文献数
11 11

本研究では5因子性格検査(FFPQ;FFPQ研究会,2002)の短縮版を構成し,その信頼性と妥当性の検討を行った.FFPQは外向性,愛着性,統制性,情動性,遊戯性という5つの超特性,その各超特性の下位因子として5つの要素特性という階層構造を持ち,包括的に性格を記述することができる.しかし,項目数が150項目と多いため,回答者の負担が少ない短縮版の作成が待たれていた.FFPQから,階層構造を維持するような50項目を選んでFFPQ短縮版 (FFPQ–50) とし,900名の大学生に実施して因子分析を行った.その結果,項目レベルでも要素特性レベルでも単純な5因子構造が示された.またエゴグラム (TEG) との関係から併存的妥当性が確認され,芸術大学の音楽専攻大学生の性格特徴をFFPQと同様に記述できることが示された.これらの結果から,FFPQ–50は階層構造を維持し,記述の多様性をもった性格テストであると考えられる.
著者
森住 誠 本間 暢 石原 美加 松田 光弘 浦田 元樹 辻本 雅之
出版者
一般社団法人 日本腎臓病薬物療法学会
雑誌
日本腎臓病薬物療法学会誌 (ISSN:21870411)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.363-370, 2020 (Released:2021-02-13)
参考文献数
13

スルファメトキサゾール・トリメトプリム配合錠 (ST合剤)は、ニューモシスチス肺炎 (PCP)予防の第一選択薬である。ST合剤は、尿細管上皮細胞のトランスポーターを阻害し、Scr値および血清カリウム (K)値を上昇させることが知られている。しかしながら、これらの検査値が、腎機能低下患者において、どのように変動するかを調査した報告はない。そこで、本研究では、腎機能低下患者へのST合剤予防投与による有害事象評価の基準を明らかにすることを目的として、PCP予防目的のST合剤投与後のScr値および血清K値の変動と投与開始時の腎機能との関連性について検討した。2016年4月から2018年3月に、ステロイド治療におけるPCP予防目的でST合剤が開始された患者をeGFR(mL/min/1.73m2)により、腎機能正常群(eGFR≧60, n=34)、中等度腎機能低下群(30≦eGFR<60, n=23)、高度腎機能低下群(eGFR<30, n=9)に群分けし、投与開始日(day1)と13-15日目 (day14)のScr値および血清K値の変化量を調査した。さらに、重回帰分析により、それぞれの変化量に影響する因子を検討した。ST合剤の予防投与は、腎機能正常群でScr値および血清K値を有意に上昇させたが、高度腎機能低下群では有意な変動を示さなかった。また、ST合剤投与によるScr値の変化量は投与前のeGFR(mL/min/1.73m2)に正の影響を受け、血清K値の変化量はeGFRに影響を受けなかった。さらに、重回帰分析により、Scr値変化量に対してeGFR(β=0.16)、ST合剤の週あたりの投与量 (β=0.24)、並びにレニン—アンジオテンシン—アルドステロン系(RAAS)阻害薬の併用 (β=0.12)が、血清K値変化量に対しては腎疾患 (β=0.20)並びにRAAS阻害薬の併用 (β=0.23)がそれぞれ有意な因子として検出された。以上の結果から、Scr値の上昇は、腎機能低下患者において極めて軽微(むしろ低下傾向)であることが示された。ただし、Scr値や血清K値の変動は、ST合剤の投与量、原疾患や併用薬の複合的要因に大きく影響されるため、ST合剤の予防投与時は腎機能によらず腎障害や高K血症の出現に留意する必要があると考えられた。
著者
辻 幸恵
出版者
一般社団法人 日本繊維製品消費科学会
雑誌
繊維製品消費科学 (ISSN:00372072)
巻号頁・発行日
vol.55, no.12, pp.933-941, 2014-12-20 (Released:2017-11-28)
参考文献数
9

「ゆるキャラ」は地域の特産物や歴史を多くの人々にアピールするためにつくられている.本報告ではどの「ゆるキャラ」が大学生に人気があるのかを中心に調査を実施した.その結果,特に大学生たちの認知が高かった「ゆるキャラ」はひこにゃんとくまモンであった.彼らは大学生たちの好感度も高かった.ひこにゃんは大学生たちからはかわいいそして親しみやすいので人気があった.くまモンはさらに多くの理由から人気があった.かわいいと親しみやすいの他に,いやされる,わかりやすい,ほほえましい,愛嬌があるという理由があった.かわいいと感じる要因は,基調の色が白や黄色であること,丸いこと,動物のモチーフであることなどであった.キャラクターグッズは男子よりも女子の方が所持が多かった.このことから「ゆるキャラ」は女子の目線で作成された方が良いと考える.
著者
辻内 琢也 鈴木 勝己 辻内 優子 熊野 宏昭 久保木 富房
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.45, no.1, pp.53-62, 2005-01-01 (Released:2017-08-01)
被引用文献数
6

本研究では, クラインマンが提唱した「説明モテル」を鍵概念として, わが国における民俗セクター医療を利用する患者の社会文化的背景に対して, 医療人類学的視点に基づいた質的研究法による解明が試みられた. 対象は東洋医学, 仏教医学, スピリチュアリズム理論に基づく治療実践を行う治療家Aのクライエントらとし, 自由記述式のアンケート調査および聞き取り調査が行われた. その結果, 民俗セクター医療を利用しやすい病態群や受療行動パターンが持定され, 病いの物語りからは, 人々が多元的医療システムの中でそれぞれのライフストーリーに裏づけられた価値観に基づいて, 自分に合った医療を主体的に選択していくありさまが認められた. 研究の背景と目的 「医療」が「人間の病気に対する対処行動の全体系」であると定義されるように, 現代社会には治療の基盤となる根本原理がまったく異なる複数のヘルス, ケア, システムが多元的, 多様的, 多層的に存在しており, そのありさまは「多元的医療システム(pluralistic medical systems)」とよばれる.
著者
小水内 俊介 小貫 督仁 呉 孟鴻 辻田 哲平 近野 敦
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.35, no.7, pp.548-556, 2017 (Released:2017-10-01)
参考文献数
30
被引用文献数
1 3

This paper presents a walking control system for biped robots on loose soil. The proposed method realizes long time continuous walking and stable stopping on sand. Characteristics of the proposed system is landing position (modification) control. In this control, as a balance index, amount of CoM position modification is utilized. Considering past modification history, amount of current landing position modification is decided. In oder to evaluate the proposed control system, the small humanoid robot performed walking, stepping and turning on sand.
著者
川村 博文 西上 智彦 伊藤 健一 大矢 暢久 辻下 守弘
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.53, no.8, pp.604-609, 2016-08-18 (Released:2016-09-16)
参考文献数
37
被引用文献数
1

本稿では,疼痛に対する治療としての物理療法,運動療法について,有効性に関わる理論的な裏付けから臨床のエビデンスを交えて解説した.急性痛と慢性痛とでは,対応が異なり,急性痛には,過度な不活動は避け,原因となる組織損傷の治療を可及的早期に進めることと,可能な限り疼痛を抑制し長期化を阻止する目的で物理療法,運動療法などを実施することとなる.慢性痛には,感覚面に着目する以外に,情動面や認知面などの多面的・複合的な側面での特性の認識理解が不可欠であり,ADLやQOL向上を目的として,TENSなどの物理療法,運動療法,認知行動療法,ニューロリハビリテーション,学際(集学)的治療を導入することが重要である.
著者
辻野 一三 林下 晶子 渡部 拓 山田 安寿香 佐藤 隆博 板谷 利 高階 知紗 大塚 吉則 清水 祐輔 西村 正治
出版者
一般社団法人 日本糖尿病学会
雑誌
糖尿病 (ISSN:0021437X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.9, pp.722-728, 2014-09-30 (Released:2014-10-07)
参考文献数
36
被引用文献数
1

症例は35歳,男性.糖尿病,うつ病にて当院通院中の平成25年5月,自殺企図にてインスリングラルギン300単位を皮下注したところを家族に発見され,当科へ救急搬送となった.血糖値の頻回モニタリングと経口および静脈内グルコース投与にて,皮下注射から約50時間の経過で重篤な合併症や後遺症なく低血糖状態から脱した.入院中の精査にてミトコンドリア病の診断基準を満たし,うつ病および糖尿病は同疾患によるものと考えた.うつ病と糖尿病の合併は臨床的に重要な問題であり,本報告ではうつ病合併糖尿病の診療上の問題点,インスリン大量投与時の対処と病態,さらにミトコンドリア病の本症例における関与について若干の文献的考察を加え報告する.
著者
辻野 雄大 山西 良典 山下 洋一 井本 桂右
雑誌
エンタテインメントコンピューティングシンポジウム2019論文集
巻号頁・発行日
vol.2019, pp.96-103, 2019-09-13

ダンスゲーム譜面は,操作を要求される頻度,リズム構成の複雑さなど,複数の要素によって特徴づけられる.これらの要素によって,ダンスゲーム譜面の難しさおよび「面白さ」に影響する特性が形成される.この特性を客観的かつ多次元で表現する特徴量を提案する.提案した特徴量に基づいてk-means法によるクラスタリングを実施し,特性が類似した譜面のクラスタを得る.クラスタ毎に楽曲と譜面の関係を深層学習させることによって,クラスタの特性を備えた譜面の自動生成が可能となり,多様な「面白さ」に対応した特徴的な譜面の提供を実現した.
著者
齋藤 幸子 小室 直人 谷地元 直樹 辻栄 周平 植田 優基
出版者
北海道教育大学
雑誌
北海道教育大学紀要. 教育臨床研究編 (ISSN:27583902)
巻号頁・発行日
vol.73, no.1・2, pp.143-156, 2023-01

算数・数学科における公式暗記に頼った指導法や,算数におけるかけ算の順序の指導などに対し,近年,多くの問題点が指摘されている。このような問題に数学的・論理的に対処できる教員を養成するにあたり,大学教職課程での算数・数学の“教科内容科目”の責任は重大である。北海道教育大学の「教科に関する専門的事項(小学校)」(教科内容科目)『初等算数』において,旭川校では,令和3年度から数学教育専攻の複数の教員によるオムニバス形式の授業を開始した。この小論では,旭川校令和3年度『初等算数』における授業改善およびその根拠・ねらいについて論じる。学生達が将来小学校で算数を指導するための基礎となる題材を厳選しつつ教科専門教員の強みを活かすような授業内容の工夫について述べ,今後の課題も提示する。特に,6章では,学習指導要領において重視されている「データの活用」と「確率・統計」について専門教員の見解を述べる。
著者
尾辻 美沙 佐藤 菜保子
出版者
一般社団法人 日本心身医学会
雑誌
心身医学 (ISSN:03850307)
巻号頁・発行日
vol.57, no.2, pp.160-172, 2017 (Released:2017-02-01)
参考文献数
19
被引用文献数
1

背景 : 音楽のもつリラクセーション効果やストレス軽減効果から, 医療現場でもBGMが活用されている. 本研究は, 聴き手の精神的健康状態と状況, BGMの嗜好性の関連を検証し, 医療現場における効果的なBGM選択に関し検討した.  方法 : 大学生を対象にCES-Dと, BGMの嗜好に関する質問で構成する質問紙調査を実施した (有効回答数100名).  結果 : 抑うつ傾向の高い人ほどBGMの嗜好性が低く (p<0.05), オルゴール, 自然の音, 陽気で楽しげな曲, 情熱的で激しい曲は聴き手の状況により, 嗜好性が異なった. また, 元気を出したいときほど速いテンポ, 不安なときや夜眠れないときほど遅いテンポを好む傾向にあった (p<0.0001).  結論 : 聴き手の精神的健康状態, 置かれた状況によってBGMの嗜好性は異なることが明らかとなった. 病院内の環境や患者の状況により, BGMのテンポや音の種類, 曲想を考慮する必要性がある.
著者
辻村 学
出版者
公益社団法人 精密工学会
雑誌
精密工学会誌 (ISSN:09120289)
巻号頁・発行日
vol.83, no.3, pp.220-223, 2017-03-05 (Released:2017-03-05)
参考文献数
8
被引用文献数
3
著者
大辻 秀樹
出版者
日本教育社会学会
雑誌
教育社会学研究 (ISSN:03873145)
巻号頁・発行日
vol.78, pp.147-168, 2006-05-31 (Released:2011-03-18)
参考文献数
16
被引用文献数
7 2

This article describes a practice in educational settings, which the author calls “type M” instruction, from the perspective of conversation analysis. The feature of this type is that a teacher asks students a question to which the students do not know the answer, but are not completely ignorant of the answer. When the teacher asks the students these questions, he or she creates a learning experience where “students search for a correct answer by themselves.”The paper examines this practice in three main stages.(1) First, data on real occurrences of type M instruction are shown. The data comes from a database of educational scenes recorded on a video for approximately seven hours, mainly from school education. From this database, the author intuitively collected examples where elementary school teachers were using type M instruction. Five examples of this type were extracted.(2) Second, characteristics common to the five scenes are extracted using the perspective of conversation analysis. Based on this, three characteristics, i. e., “reservation of instruction, ” “partial instruction” and “adjustment of degree of difficulty” were discovered in the turns of the teachers in those scenes. In other words, they displayed the following characteristics: “teachers do not teach students the correct answer, but provide hints to students” and “teachers lower the degree of difficulty of a question slowly while watching the reaction of students to the question.”(3) Third, the operation of type M instruction was inspected through an examination of irregular cases. The following knowledge was gained fromobservation of these data. If the degree of difficulty of the questions asked by the teacher is too low or too high given the state of knowledge of the students, it was found that type M did not operate effectively.With the three characteristics shown above, teachers seem to adjust the degree of difficulty of a question to a certain “level.” It is at this level that students carry out trial and error, and where they can barely give correct answers without assistance. When a teacher coordinates question at this level, students can try to find solutions to the problem independently. An important point for allowing type M instruction to operate successfully is to set the degree of difficulty of a question rather high and then lower it gradually while being attentive to the reactions of the students. This is because if the degree of difficulty is too low, the students will be able to answer it correctly immediately and there is no way to raise it, but if it is too high, there is an opportunity to lower the difficulty.
著者
幸田 良介 虎谷 卓哉 辻野 智之
出版者
地方独立行政法人 大阪府立環境農林水産総合研究所
雑誌
大阪府立環境農林水産総合研究所研究報告 (ISSN:21886040)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.15-19, 2014 (Released:2020-04-02)

シカによる森林植生被害状況を広域的に把握するために,森林下層植生の植被率とシカによる採食痕跡の有無を調査し,IDW法を用いて下層植生衰退度の空間分布図を作成した.下層植生衰退度の区分結果は他の森林構成要素への被害状況と有意な相関関係を示しており,シカによる森林植生への被害指標として妥当であると考えられた.下層植生衰退度には地域差が見られ,概ねシカ目撃効率の高い地域で衰退度も高くなっていた.大阪府では今のところ極端に高い衰退度の地域は認められないものの,シカ生息密度の増加傾向が継続していることから,モニタリングの継続が必要だと考えられた.今後はシカ密度分布状況をより詳細に把握し,下層植生衰退度とシカ密度の関係を定量的に評価していくことが求められる.
著者
原山 茉優 永井 宏達 大川 夏実 佐野 恭子 楠 博 玉城 香代子 和田 陽介 辻 翔太郎 新村 健
出版者
一般社団法人 日本老年医学会
雑誌
日本老年医学会雑誌 (ISSN:03009173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.4, pp.483-490, 2022-10-25 (Released:2022-12-06)
参考文献数
30

目的:地域在住高齢者における身体活動量とアパシーの関連を明らかにすることである.方法:本研究は地域在住高齢者を対象とした横断研究である.アパシーの評価には日本語版Geriatric Depression Scale15の下位項目のうち,アパシーに関する項目である3項目を用いた.身体活動量はリストバンド型身体活動量計を用いて,2週間あたりの中強度以上身体活動量,低強度身体活動量,座位行動を測定した.統計分析として,アパシーの有無と各強度別身体活動量の関連について,ロジスティック回帰分析を用いて検討した.結果:784名(平均年齢72.7±5.9歳)が解析対象となった.対象者のうち,アパシー群は103名(13.1%),非アパシー群は681名(86.9%)であった.多変量解析の結果,基本属性により調整したモデルでは,総身体活動量(OR=0.947,95% CI=0.912~0.984,p=0.005),低強度身体活動量(OR=0.941,95% CI=0.899~0.985,p=0.009),座位行動(OR=1.002,95% CI=1.001~1.003,p=0.007)がアパシーの有無に有意に関連していた.一方,中強度以上身体活動量はアパシーとの有意な関連が認められなかった(OR=0.916,95% CI=1.826~1.017,p=0.100).機能的な因子による調整を加えた最終モデルでは,身体活動量のすべての強度レベルにおいてアパシーとの有意な関連性はみられなくなり,うつ症状を表すGDS-12とアパシーとの強い関連が示された.結論:アパシーを呈する高齢者では,総身体活動量,低強度身体活動量が低下しており,座位行動が延長していた.しかしながら,それらはうつ症状の影響を強く受けており,身体活動量とアパシーの独立した関係は認められなかった.
著者
辻 正富 斉藤 宣彦 井上 修二
出版者
公益社団法人 日本薬理学会
雑誌
日本薬理学雑誌 (ISSN:00155691)
巻号頁・発行日
vol.118, no.5, pp.340-346, 2001 (Released:2002-09-27)
参考文献数
28
被引用文献数
5 3

消化吸収阻害系薬物には, 1)脂質吸収阻害薬と2)糖質吸収阻害薬がある. 脂質吸収阻害薬としてはオルリスタットが, 米国, 欧州で実用化されている. 本邦でも治験が開始されている. カワラケウメイ抽出物はその作用成分が同定されれば薬物として開発される可能性があるが, 当面は食品添加による特定保健用食品(機能性食品)としての実用化が考えられる. 脂肪代替食品としては脂肪の味覚を保持し, 消化吸収されないオレストラ, 蔗糖ポリエステルがあるがまだスナック菓子の添加物として使用されている段階である. 糖質消化吸収阻害薬としては主として, 小腸絨毛にある二糖類分解酵素活性を阻害するα-グリコシダーゼ阻害薬が食後高血糖を抑制する作用により糖尿病薬として実用化されている. これが抗肥満薬として開発されるには下痢, 放屁等の消化器系副作用の克服が鍵になる.