著者
飯澤 恒 坂部 俊樹 酒井 正彦 草刈 圭一朗 西田 直樹
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. SS, ソフトウェアサイエンス (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.105, no.129, pp.25-30, 2005-06-17
被引用文献数
3

プログラミング言語Malbolgeは, 意図的に言語仕様を難解に設計し, その言語上でのプログラムの作成や解読を困難にすることを目的とした, 難読(難解)プログラミング言語である.本研究では, ソフトウェア保護技術であるプログラムの難読化に応用することを目的として, Malbolge上で高度な機能を実現するためのプログラミングの指針を示す.
著者
仲西 友里奈 野白 有里子 周藤 真実 若槻 美雪 宇野 慶子 坪内 敦志 酒井 牧子 河野 通盛
出版者
松江市立病院
雑誌
松江市立病院医学雑誌 (ISSN:13430866)
巻号頁・発行日
vol.25, no.1, pp.38-48, 2021-12-01 (Released:2022-04-01)
参考文献数
4

当院では保険薬局からの疑義照会は医師に直接電話で行われているが,一包化や規格変更など調剤上の形式的な疑義照会が多く,医師・保険薬局それぞれに負担をかけている場合がある.形式的な疑義照会を減らし,医師・保険薬局双方の負担軽減を図る目的で,院外処方せんにおける疑義照会簡素化プロトコール(以下プロトコール)を作成し,2019年7月より運用を開始した.プロトコール導入により医師及び保険薬局の負担軽減が出来ているか評価するため,プロトコール適応件数とその内訳を集計し,医師およびプロトコール合意締結薬局を対象としたアンケート調査を行った. 院外処方せん総枚数に対する直接電話で行われた疑義照会件数の割合はプロトコール導入前後で有意に減少した.アンケート調査では医師の約50 %がプロトコール導入後に疑義照会が減ったと回答し,保険薬局の約70 %が業務負担が減ったと回答した.以上の結果から,疑義照会簡素化プロトコールの導入は医師および保険薬局の業務負担軽減につながったと考えられる.
著者
酒井 董美
出版者
鳥取短期大学
雑誌
鳥取短期大学研究紀要 = MEMOIRS OF TOTTORI COLLEGE (ISSN:13463365)
巻号頁・発行日
no.46, pp.21-38, 2002-12-01

わが国には「八百比丘尼」に関する伝説が多く,27都府県にわたって存在していることが,これまでの文献から明らかになっている.要旨は,漁師たちが竜宮に招かれて,人魚の肉を料理に出されるがだれも食べない.たまたま一人がそれを持ち帰り,そこの娘が食べたところ八百歳の長寿を得,しかも容姿は若い娘のままである.娘は比丘尼となって諸国を行脚し,植樹をしたり橋などを建立したりするが,最後は若狭の国で入定するというのが一般的な形である.本稿ではこの説話と「浦島太郎」の説話を対比させながら,人々の長寿を願う気持ちを背景に,祖霊信仰を踏まえて成立したものであることを,民俗学の立場から考察したものである.
著者
酒井 哲 内野 修 森野 勇 永井 智広 赤穂 大河 川崎 健 奥村 浩 新井 康平 内山 明博 山崎 明宏 松永 恒雄 横田 達也
出版者
社団法人 日本リモートセンシング学会
雑誌
日本リモートセンシング学会誌 (ISSN:02897911)
巻号頁・発行日
vol.34, no.3, pp.197-204, 2014-07-04 (Released:2015-01-27)
参考文献数
15
被引用文献数
2

Volcanic ash particles originating from the eruptions of Mt. Sakurajima (31.59°N, 130.66°E) were observed with Mie lidar at an altitude of 1.6-2.3 km over Saga (33.24°N, 130.29°E) on 21 and 22 August, 2013. The lidar data showed a high depolarization ratio (10-15 %) and a moderately low backscatter wavelength exponent (0.6-0.7), indicating the presence of supermicrometer-sized nonspherical particles. The aerosol optical thicknesses at 500 nm derived from the skyradiometer were 0.12 on 21 August (13 : 50 LT) and 0.40 on 22 August (12 : 50 LT). The Ångström exponent was 0.16-0.49 and the single scattering albedo was 0.73-0.91, indicating the predominance of supermicrometer-sized and moderately absorbing particles.
著者
酒井 龍一
出版者
奈良大学文学部文化財学科
雑誌
文化財学報 (ISSN:09191518)
巻号頁・発行日
vol.21, pp.7-32, 2003-03

本稿では、フェニキア語の「アヒラム碑文(KAI1・2)と「アジタワッダ碑文」(KAIA26通称「カラテペ碑文」)を検討する。前者は、フェニキア世界の中核たるレバノンのゲブラ(ビブロス)、後者は外縁たるトルコのカラテペで出土した。手順は、先ずワープロによるフェニキア文字文で打ち出し、各単語に目安程度の英単語を付記しながら、簡単な解説を加える。全体の訳文は示さないがGibson(1982)・谷川(2001)を参照のこと。
著者
上田 哲行 架谷 成美 西屋 馨 宮川 泰平 嶋田 敬介 福富 宏和 水田 陽斗 酒井 亮輝
出版者
石川県立大学
雑誌
石川県立大学研究紀要 = Bulletin of Ishikawa Prefectural University (ISSN:24347167)
巻号頁・発行日
vol.2, pp.1-10, 2019-03

絶滅危惧種イカリモンハンミョウは、日本では九州と本州だけに分布する。本州では能登半島の1カ所の海岸にのみ生息する。能登半島では一時絶滅したと考えられていたが、1994 年に現生息地の海岸で再発見された。2012 年から2018 年に行った成虫調査では、再発見当初1800 頭近い個体数が記録されていた海岸北部で最初の3年間はほとんど発見されない状態が続き、その後、緩やかに増え始め2018 年に急増したことが確認された。海岸南部と中央部では、最初の2年間は発見当初とほぼ同じ個体数が維持されており、2014 年から急速に増えたことが確認された。このように能登半島の個体群は、ここ数年は増加傾向にあるが、2010 年前後の著しい個体数低下がボトルネックとなり、遺伝的多様性が低下していることが示唆されている。
著者
酒井 政裕 今井 健男
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.1_103-1_119, 2015-01-26 (Released:2015-02-11)

SAT問題は,命題論理式の充足可能性問題,すなわち命題変数を含む論理式に対し,その論理式を真にするような命題変数への値の割り当てが存在するかを決定する問題である.SATは古典的なNP完全問題であり,計算量的には難しい問題であるものの,近年のアルゴリズムの改良とハードウェアの進化によって著しい高性能化が実現された結果として,様々な分野への応用が行われている.本稿ではSATにまつわる研究で現在活発な領域として,関連する問題クラスへの応用やそれにまつわる研究分野との間の交流について,調査し,紹介する.
著者
酒井 正樹
出版者
日本比較生理生化学会
雑誌
比較生理生化学 (ISSN:09163786)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.26-32, 2012-01-31 (Released:2012-10-17)
参考文献数
8
被引用文献数
3

私は,ながらく岡山大学で教鞭をとり,退職後も現在特命教授として教育に従事している。しかし,それもそろそろ終わりになりつつある。それで,これまで自分がやってきた講義のなかで,学生からよく出た質問や学生が陥りやすい誤りなどについて,書き残しておきたいと思っていた。かって十数年前,私が本誌編集長をしていたとき,大学での講義について,指導方法や教材などを紹介してもらう欄を企画したことがあった。そういうものを復活してもらえないかと考えていた折も折,私たちの学会で教育の向上をはかるための議論がおこってきた。そこで,黒川編集長と相談のうえ,ここに書かせて頂くことになった。
著者
酒井 大輔
出版者
日本政治学会
雑誌
年報政治学 (ISSN:05494192)
巻号頁・発行日
vol.68, no.2, pp.2_295-2_317, 2017 (Released:2020-12-26)
参考文献数
57

本稿は, 引用分析 (Citation Analysis) の手法を政治学史研究に適用し, 日本政治学史の把握のための新たな分析方法と論点を提起するものである。ここで引用分析とは, 文献間の引用―被引用関係の集積から知見を引き出す方法をさす。従来, テキストの質的分析が主流であるこの分野において, アプローチ上の制約から十分検討されていない論点が残されている。そこで, これらの論点を検証するため, 引用分析という量的アプローチを試みる。本稿では, 戦後刊行された70冊の政治学教科書の引用データをもとに, 日本政治学史についての通説を検証した。先行研究によれば, 日本政治学史には二つの転換, すなわち1945年の戦前・戦後の断絶と, 1980年代のレヴァイアサン・グループの登場による転換があったとされてきた。本稿の引用分析の結果, こうした二つの転換は確認されたが, しかし先行世代への引用の傾向について, 二つは対照的な特徴があることが判明した。この結果は, 政治学史研究における引用分析の有効性を示すものといえる。
著者
酒井 哲哉
出版者
JAPAN ASSOCIATION OF INTERNATIONAL RELATIONS
雑誌
国際政治 (ISSN:04542215)
巻号頁・発行日
vol.2014, no.175, pp.175_70-175_83, 2014

For most Japanese IR scholars, Nagai Yônosuke is known as the most representative realist in Post-War Japan. Given the hegemony of idealism in the discursive space in 1950's Japan, it is not an exaggeration to say that his appearance as a conservative realist in 1960's was a historical event. In the studies concerned with political science in Post-War Japan, however, Nagai is usually depicted as a pioneer in behaviorism inspired by contemporary American political science. This article intends to synthesize these two aspects which were hitherto separately discussed, and by doing so resituate his works in the intellectual history of Post-War Japan.<br>Chapter I examines Nagai's works before his debut as an international political scientist. Influenced by his brother, Nagai in his teens was concerned with the philosophical trend of logical positivism. During the Pacific War, however, fascinated by German romanticism, he went further to accept anti-Semitic theory on conspiracy. Given this experience, after the war, he began to be engaged in research on political consciousness with the theoretical framework of sociological psychology and had soon established himself as a promising political scientist. Nagai's behaviorism owed heavily to Maruyama Masao's work, <i>The World of Politics</i>, published in 1952. Based on Lasswell's works, Maruyama had there presented his behavioristic model of political power and suggested the importance of the activities of voluntary associations as a remedy for political apathy in mass society. In 1950's, Nagai as well as Maruyama regarded his behaviorism as a progressive venture to establish democracy in Post-War Japan. However, Nagai was not a blind advocate of behaviorism. Reviewing Weldon's work, <i>the Vocabulary of Politics</i>, which was founded in logical positivism, he criticized the scientific assumption of American behaviorism and its inclination to social engineering. Nagai did not even conceal himself from his sympathy with Hans J. Morgenthau's criticism to social engineering. Thus Nagai's ambivalent attitude toward American political science was a prologue to his subsequent conversion to conservative realism in 1960's.<br>Chapter II investigates Nagai's works on international politics in 1960's focusing on the relationship between his concern in 1950's. and 1960's His first article on international politics, "American concept of war and the challenge of Mao Zedong" founded its theoretical framework on his behavioristic political science including key concepts such as "situation", "institution" and "organization". His criticism to American concept of war was apparently based on his antipathy to social engineering which had already appeared in late 1950's. Nagai was misunderstood by his contemporaries as an epigone of American scientific strategic studies. Discussing Nagai's ambivalence toward scientific approach, this chapter explains the reason why such misunderstandings had occurred<br>Chapter III depicts how Nagai viewed the political turmoil in 1968. As an expert in the study of mass society, Nagai was sensitive to the impact of rapid economic development commencing in early 1960's upon contemporary Japanese politics. Nevertheless, he did not advocate the end of ideology. He rather appreciated the importance of utopian ideas in the post-industrial society. In his article "Why dose socialism exist in America?", Nagai criticized the stagnant institutionalized American liberalism and appreciated utopian idealists including Riesman and Fromm. Therefore, while adopting conservative realist critique in discussing American foreign policies, Nagai took sides with "utopian socialists" in reviewing American domestic politics. His dual strategy took its root in his consistent criticism to the institutionalized American liberalism.
著者
小林 宏行 武田 博明 渡辺 秀裕 太田見 宏 酒寄 享 齋藤 玲 中山 一朗 富沢 麿須美 佐藤 清 平賀 洋明 大道 光秀 武部 和夫 村上 誠一 増田 光男 今村 憲市 中畑 久 斉藤 三代子 遅野井 健 田村 昌士 小西 一樹 小原 一雄 千葉 太郎 青山 洋二 斯波 明子 渡辺 彰 新妻 一直 滝沢 茂夫 中井 祐之 本田 芳宏 勝 正孝 大石 明 中村 守男 金子 光太郎 坂内 通宏 青崎 登 島田 馨 後藤 元 後藤 美江子 佐野 靖之 宮本 康文 荒井 康男 菊池 典雄 酒井 紀 柴 孝也 吉田 正樹 堀 誠治 嶋田 甚五郎 斎藤 篤 中田 紘一郎 中谷 龍王 坪井 永保 成井 浩司 中森 祥隆 稲川 裕子 清水 喜八郎 戸塚 恭一 柴田 雄介 菊池 賢 長谷川 裕美 森 健 磯沼 弘 高橋 まゆみ 江部 司 稲垣 正義 国井 乙彦 宮司 厚子 大谷津 功 斧 康雄 宮下 琢 西谷 肇 徳村 保昌 杉山 肇 山口 守道 青木 ますみ 芳賀 敏昭 宮下 英夫 池田 康夫 木崎 昌弘 内田 博 森 茂久 小林 芳夫 工藤 宏一郎 堀内 正 庄司 俊輔 可部 順三郎 宍戸 春美 永井 英明 佐藤 紘二 倉島 篤行 三宅 修司 川上 健司 林 孝二 松本 文夫 今井 健郎 桜井 磐 吉川 晃司 高橋 孝行 森田 雅之 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 宏 高橋 健一 大久保 隆男 池田 大忠 金子 保 荒川 正昭 和田 光一 瀬賀 弘行 吉川 博子 塚田 弘樹 川島 崇 岩田 文英 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 宇野 勝次 八木 元広 武田 元 泉 三郎 佐藤 篤彦 千田 金吾 須田 隆文 田村 亨治 吉富 淳 八木 健 武内 俊彦 山田 保夫 中村 敦 山本 俊信 山本 和英 花木 英和 山本 俊幸 松浦 徹 山腰 雅弘 鈴木 幹三 下方 薫 一山 智 斎藤 英彦 酒井 秀造 野村 史郎 千田 一嘉 岩原 毅 南 博信 山本 雅史 斉藤 博 矢守 貞昭 柴垣 友久 西脇 敬祐 中西 和夫 成田 亘啓 三笠 桂一 澤木 政好 古西 満 前田 光一 浜田 薫 武内 章治 坂本 正洋 辻本 正之 国松 幹和 久世 文幸 川合 満 三木 文雄 生野 善康 村田 哲人 坂元 一夫 蛭間 正人 大谷 眞一郎 原 泰志 中山 浩二 田中 聡彦 花谷 彰久 矢野 三郎 中川 勝 副島 林造 沖本 二郎 守屋 修 二木 芳人 松島 敏春 木村 丹 小橋 吉博 安達 倫文 田辺 潤 田野 吉彦 原 宏起 山木戸 道郎 長谷川 健司 小倉 剛 朝田 完二 並川 修 西岡 真輔 吾妻 雅彦 前田 美規重 白神 実 仁保 喜之 澤江 義郎 岡田 薫 高木 宏治 下野 信行 三角 博康 江口 克彦 大泉 耕太郎 徳永 尚登 市川 洋一郎 矢野 敬文 原 耕平 河野 茂 古賀 宏延 賀来 満夫 朝野 和典 伊藤 直美 渡辺 講一 松本 慶蔵 隆杉 正和 田口 幹雄 大石 和徳 高橋 淳 渡辺 浩 大森 明美 渡辺 貴和雄 永武 毅 田中 宏史 山内 壮一郎 那須 勝 後藤 陽一郎 山崎 透 永井 寛之 生田 真澄 時松 一成 一宮 朋来 平井 一弘 河野 宏 田代 隆良 志摩 清 岳中 耐夫 斎藤 厚 普久原 造 伊良部 勇栄 稲留 潤 草野 展周 古堅 興子 仲宗根 勇 平良 真幸
出版者
Japanese Society of Chemotherapy
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.43, pp.333-351, 1995-07-31
被引用文献数
2

新規キノロン系経口合成抗菌薬grepafloxacin (GPFX) の内科領域感染症に対する臨床的有用性を全国62施設の共同研究により検討した。対象疾患は呼吸器感染症を中心とし, 投与方法は原則として1回100~300mgを1日1~2回投与することとした。<BR>総投与症例525例のうち509例を臨床効果判定の解析対象とした。全症例に対する有効率は443/509 (87.0%) であり, そのうち呼吸器感染症432/496 (87.1%), 尿路感染症11/13 (84.6%) であった。呼吸器感染症における有効率を疾患別にみると, 咽喉頭炎・咽頭炎19/22 (86.4%), 扁桃炎17/18 (94.4%), 急性気管支炎53/58 (91.4%), 肺炎104/119 (87.4%), マイコプラズマ肺炎17/19 (89.5%), 異型肺炎5/5, 慢性気管支炎117/133 (88.0%), 気管支拡張症48/63 (76.2%), びまん性汎細気管支炎17/19 (89.5%) および慢性呼吸器疾患の二次感染35/40 (87.5%) であった。<BR>呼吸器感染症における細菌学的効果は233例で判定され, その消失率は単独菌感染では154/197 (78.2%), 複数菌感染では22/36 (61.1%) であった。また, 単独菌感染における消失率はグラム陽性菌48/53 (90.6%), グラム陰性菌105/142 (73.9%) であり, グラム陽性菌に対する細菌学的効果の方が優れていた。呼吸器感染症の起炎菌のうちMICが測定された115株におけるGPFXのMIC<SUB>80</SUB>は0.39μg/mlで, 一方対照薬 (97株) としたnornoxacin (NFLX), onoxacin (OFLX), enoxacin (ENX) およびcipronoxacin (CPFX) はそれぞれ6.25, 1.56, 6.25および0.78μg/mlであった。<BR>副作用は519例中26例 (5.0%, 発現件数38件) にみられ, その症状の内訳は, 消化器系18件, 精神神経系13件, 過敏症3件, その他4件であった。<BR>臨床検査値異常は, 490例中49例 (10.0%, 発現件数61件) にみられ, その主たる項目は, 好酸球の増多とトランスアミナーゼの上昇であった。いずれの症状, 変動とも重篤なものはなかった。<BR>臨床効果と副作用, 臨床検査値異常の安全性を総合的に勘案した有用性については, 呼吸器感染症での有用率422/497 (84.9%), 尿路感染症で10/13 (76.9%) であり, 全体では432/510 (84.7%) であった。<BR>以上の成績より, GPFXは呼吸器感染症を中心とする内科領域感染症に対して有用な薬剤であると考えられた。
著者
木村 成竹 泉 聡志 酒井 信介
出版者
一般社団法人 日本機械学会
雑誌
日本機械学会論文集 A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.73, no.734, pp.1105-1110, 2007-10-25 (Released:2011-03-02)
参考文献数
6
被引用文献数
4 4

A spring washer is widely used as a method for preventing loosening. However, experimental results presented by Sakai and Yamamoto et al., show that the performance of a spring washer as a loosening prevention mechanism is at best equal to that of a washer-less joint, if not worse. In this paper we analyzed loosening under shear loading and as a result were able to explain the mechanism that accelerates loosening in the framework of the three-dimensional finite element method (FEM). A spring washer causes non-uniformity of contact pressure at the washer interfaces, because of its asymmetric shape. When a bolted joint with a spring washer is subjected to shear loading, sticking area on the contact surfaces of the spring washer is limited to two corner points before the bearing surface undergoes gross slip. One of these points is on the upper surface of the spring washer and the other is on the lower surface. In this situation the nut rotation around these sticking points results in drastic loosening. We also conducted comparative simulation with Sakai's experimental results. Compared with experimental results, the bolted joint with the spring washer is easy to loosen according to the simulation results. It is believed that the difference comes from the spring washer's edge cutting into the contact surface of the nut, something not included in this simulation.
著者
井上 紳 牧野 睦月 太田 秀一 酒井 哲郎 斉藤 司 小林 洋一 小川 玄洋 松山 高明
出版者
一般社団法人 日本不整脈心電学会
雑誌
心電図 (ISSN:02851660)
巻号頁・発行日
vol.30, no.3, pp.268-274, 2010 (Released:2011-02-03)
参考文献数
14
被引用文献数
1

心房細動の発生機序は,期外収縮の連発が心房受攻性を刺激することで誘発された機能的リエントリーであると考えられている.先行する期外収縮連発の機序としては肺静脈壁左房筋袖細胞からの撃発活動が有力視されており,一方の機能的リエントリーの基質としては左房後壁周囲の心筋構造の不均一性が想定されている.そのため,それぞれが高周波通電治療の対象になっている.肺静脈壁左房筋袖は4本の肺静脈で囲まれた左房後壁を構成する心房筋と発生学的に同一とされているものの,近年の遺伝子学的検討から本来の心筋組織とは異なる肺原基の中胚葉起源説が提唱され,潜在的自動能の保持や短い不応期など,心房のほかの部分とは電気生理学的性質が異なることが示唆されている.長い肺静脈筋袖は心筋配列が複雑だが,顕微鏡的観察では肺静脈末梢側で徐々に心房筋袖細胞が小型化し,その先端では洞結節細胞に類似したものがみられる.機能的リエントリーの基質が存在する左房後壁周囲に関しては,心内膜面の肉眼的観察では櫛状筋が目立つ右房と異なり全体が白く平滑で,僧帽弁前庭部と後壁や天蓋部との境界が不明瞭である.それに対し,心外膜面の肉眼的観察では肺静脈開口部周囲を冠静脈洞筋束やMarshall筋束,Bachmann束,一次および二次中隔が取り巻き,きわめて複雑な構造を示すことがわかる.特に冠静脈洞筋束は冠静脈洞内径の2~3倍の広さで分布しており,機能的リエントリーの発生に関与すると思われる.加齢とともに間質線維化や脂肪浸潤により組織不均一性は亢進するが,左房周囲の心房筋線維化には心房の発育・分化に伴うapoptosisも関与していることが予想される.現在の非薬理学的不整脈治療は,肺静脈心房筋袖や左房周囲の大循環系静脈筋袖の付着部をアブレーション・隔離することが主流であり,組織多様性の軽減がその本質と考えられる.