著者
青柳 昌宏 居村 史人 加藤 史樹 菊地 克弥 渡辺 直也 鈴木 基史 仲川 博 岡田 義邦 横島 時彦 山地 泰弘 根本 俊介 TUNG Bui Thanh SAMSON Melamed
出版者
国立研究開発法人 産業技術総合研究所
雑誌
Synthesiology (ISSN:18826229)
巻号頁・発行日
vol.9, no.1, pp.1-14, 2016 (Released:2016-03-19)
参考文献数
38
被引用文献数
2 5

ICデバイスを縦方向に積層して実装集積する3次元IC積層実装技術は、半導体デバイス、MEMSデバイス、パワーデバイス等の集積技術として、従来の基板面内での2次元的な集積化に加えて、基板を積層して3次元的に集積化できるため、近年、期待が高まっている。この論文では、半導体デバイスの3次元IC積層実装に求められる高密度・高集積の電子ハードウエア構築基盤技術を確立させるとともに、企業と連携して量産化技術への開発支援も行いながら、実用化に向けた応用システム開発の流れを作り出すために実施した、初期の応用フェーズの研究開発について、報告する。
著者
[ウネ]村 泰樹 藤岡 秀一 今井 貴 鈴木 旦麿 三澤 健之 村井 隆三 吉田 和彦 小林 進 山崎 洋次
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.32, no.12, pp.2643-2648, 1999-12-01
被引用文献数
2

今後,day surgery (DS)への移行が予測される腹腔鏡下胆嚢摘出術(LC)施行患者の意識調査を施行した.希望入院時期は術前日:55%,2∼3日前:43%,術当日:2%であり,また当日入院は忙しさよりも個々の価値観から派生すると考えられた.83%以上が入院期間延長による負担増額を気にせず入院していた.民間の保障制度には80%が加入し,うち86%が請求していた.術後入院期間短縮を考慮する負担増額は1万円/日程度と思われた.術後入院期間は全例で4.5±1.9日,非常に多忙,多忙,やや余裕あり,余裕ありそれぞれ3.7±0.8,4.3±1.9,4.5±1.9,5.2±2.0日で,余裕のある者で有意に長かった.しかし体験した程度でよいとする者が87%を占め,短縮希望者は8%に止まった.うち自己負担額の増域によらず積極的に早期退院を望む者は全体の3%に過ぎなかった.現行医療保険制度内では,本調査施行患者はLCのDS化にあらゆる面で肯定的とは考えられなかった.
著者
鈴木 栄太郎
出版者
日本文化人類学会
雑誌
民族學研究 (ISSN:24240508)
巻号頁・発行日
vol.27, no.3, pp.A552-A558, 1963 (Released:2018-03-27)

The Kei association in Korea is very similar in structure and function to the Ko (講) group in Japan. The same is true of the Pumashi in Korea and the Yui in Japan. The Kei and the Ko assosications offer efficient and reasonable ways for financial cooperation when it is needed by the community, while the Pumashi and the Yui are applied to solveve the problem of labor cooperation. All four groups are apparently based on the supposition that all human beings are equal. How and when does the Kei association work? According to the rules of the Kei, each member is required to contribute a certain amount of property whenever it is needed by the community to accomplish any communal work; every person who satisfies the requirement is in turn guaranted a perfectly equal right. Thus the Kei group is undoubtedly financial in character. Whatever other object it may have, an association which is organized to meet the financial needs of the community falls in to the category of the Kei groups. The Ko association in Japan solves communal financial problems in exactly the same way, although some cultural differences may exist between the two growps. This argument applies with the same cogency to the relationship between the Pumashi and the Yui associations. Both represent a method of labor cooperation although are some cultural differences. According to the rules of Pumashi, if A offers his labor to B, B is required to return the equivalent labor to A. This principle extends to matual help among more than three members of the Pumashi group; the value of the labor is calculated in accordance with the differences in sex and years of age of the laborer.
著者
鈴木 健介 林 隆一 海老原 充 宮崎 眞和 篠崎 剛 富岡 利文 大幸 宏幸 藤井 誠志
出版者
特定非営利活動法人 日本頭頸部外科学会
雑誌
頭頸部外科 (ISSN:1349581X)
巻号頁・発行日
vol.24, no.2, pp.169-174, 2014 (Released:2015-02-11)
参考文献数
20
被引用文献数
1 1

骨肉腫は骨原発の悪性腫瘍として最も多いが,頭頸部領域に生じる骨肉腫は全体の10%以下と比較的まれである。今回,われわれは下顎骨に発生した骨肉腫を6例経験したので,文献的考察を加えて報告する。治療法は6例全例で手術が施行され,4例は手術療法単独,2例で導入化学療法が併用された。導入化学療法が併用された2例においてはいずれも化学療法の効果は認められなかった。諸家の報告と同様に,初回治療で切除断端陰性の症例では長期生存が得られていた。頭頸部原発骨肉腫の治療の中心は外科的完全切除であるため,手術時期を逸することがないよう,導入化学療法の適応に関しては慎重になる必要があることが示唆された。
著者
和久田 里咲 木下 哲人 鈴木 希日良
出版者
日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
vol.62, 2015

2014年7月~11月にかけて、『結び』というテーマのもと、現在30歳前後の独身女性たちをターゲットとした商品開発とイベント企画を木下研究室と資生堂が運営しているWebページ“Beauty&co”“カメヤマキャンドルハウス”が協力して進めた。カメヤマキャンドルハウスにて発売されている“LUMINARA”というLEDキャンドルにスワロフスキー200粒程度を装飾し商品化する。これを限定100個の商品とし、12月初旬の発売を目指した。以降、当プロジェクトの活動を報告する。
著者
酒井 友哉 永井 徹 鈴木 恵梨子 土屋 麻衣子 鈴木 美帆 清野 由美子 中嶌 美佳 政金 生人
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.51, no.3, pp.211-217, 2018 (Released:2018-03-28)
参考文献数
23

血液透析患者において, BMIが高いほど死亡リスクが低くなるreverse epidemiologyが広く知られているが, これには栄養障害, 炎症が交絡因子として作用している可能性がある. そこで, 日本人血液透析患者のBMIと死亡率の関連性は栄養障害および炎症の影響を受けるか検討した. 血液透析患者259人と, 栄養障害, 炎症ありと判断した92人を除外した167人を対象に, BMI別の死亡リスクを検討した. BMI 22.0~25.0kg/m2を対照とすると, 全対象者では, BMI 25.0kg/m2以上で有意な死亡リスクの低下は認められず, 栄養障害, 炎症のない対象者では, BMI 25.0kg/m2以上で有意に死亡リスクが上昇した (HR 7.85 [1.77-56.27]). われわれの検討では, 日本人血液透析患者の肥満は死亡リスクの低下を認めることはなく, 栄養障害および炎症のない場合に限り死亡の危険因子であった. 人種差だけでなく, 栄養障害および炎症がBMIと死亡率との関連の重要な交絡因子であることが示唆された.
著者
玉田 芳史 相沢 伸広 上田 知亮 河原 祐馬 木村 幹 鈴木 絢女 滝田 豪 中西 嘉宏 日下 渉
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2020-04-01

SDGs(Sustainable Development Goals/持続可能な開発目標)が世界を席巻している。SDGsが掲げる目標は首肯できるものばかりである。しかし、SDGsの目標群を冷静に眺めると、開発にとって重要な目標の欠落が分かる。その1つが政治の民主化である。途上国の非民主的な指導者が、国際社会に向かって、SDGs推進を謳う例が少なくない。SDGsを錦の御旗とすれば、民主化への外圧を和らげることができるからではないのか。SDGsは権威主義体制の温存に寄与するという副作用があるのではないか。本研究はこの問いに実証的に答えようとする。
著者
鈴木 一義
出版者
一般社団法人 日本ロボット学会
雑誌
日本ロボット学会誌 (ISSN:02891824)
巻号頁・発行日
vol.27, no.1, pp.12-15, 2009 (Released:2011-11-15)
被引用文献数
1
著者
鈴木 博人 加藤 亘 島村 誠 畑村 真一 野村 真奈美 日置江 桂
出版者
社団法人日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.353-365, 2009-05-31
被引用文献数
1

本研究では,列車運転規制に利用することを目的に,日本海沿岸部における冬期(11月から3月)の寒冷前線に伴う突風に対して,レーダーエコーデータを用いた突風警戒基準を開発した.突風を発生させる可能性のある親雲の検出基準は,1km格子のレーダーエコーデータにおいて,80mm/h以上のエコー強度が10格子以上存在し,なおかつそれらの格子における最大のエコー頂高度が6km以上の場合とした.この基準を用いることで,2005年冬期から2008年冬期までの4冬期において,日本海及びオホーツク海の沿岸部で発生した人的被害を伴う全突風3事例を検出できる.また,人的被害のなかった事例を含めた全突風7事例のうち,4事例を検出できる.本研究で定めた突風検出基準を用いて,次のような列車運転規制方法を考案した.突風検出基準を超過するレーダーエコーが現れた場合には,その地点の北から南東までの方角において約38km以内の範囲を突風の警戒範囲とする.鉄道の線路がその警戒範囲内に含まれる場合には,その区間における列車の運行を停止する列車運転規制を実施することにした.この方法を羽越本線新津・酒田間及び白新線新潟・新発田間に適用したところ,これらの路線が突風の警戒範囲に含まれる時間及び回数は,4冬期の平均で1年あたり150分及び4.0回であることが分かった.この検証結果に基づき,上記区間において本研究で開発した列車運転規制の試行を2008年1月28日から開始した.
著者
鈴木 五六
出版者
日本産科婦人科学会
雑誌
日本産科婦人科学会雑誌 (ISSN:03009165)
巻号頁・発行日
vol.19, no.1, pp.24-32, 1967-01

胎児心音に関する今日までの研究は,いずれも単独記録であり,胎児心電図と同時記録によつて,その関連を検索した報告は甚だ少ない.これは胎児心電図との同時記録が技術的に困難なためでもあるが,著者は胎児心音,心電同時の写真記録により両者の相互関係を求め,これが臨床上いかなる意義を示すか検討した.すなわち妊娠,分娩時を通じI II時間は0.15~0.22秒,II I時間は0.15~0.31秒,QI時間0.02~0.06秒の範囲にあり,分娩時児心音数減少例でこの範囲を僅かに逸脱するものが数例みられた.II I/I IIは従来まで1.0~1.6を正常とし,それ以外の値をとると,出産時仮死が多いというが,必ずしも該当しないようである.むしろQII/√<RR>の値,I II時間の不整に臨床意義を認め,前者では0.33~0.39を正常,それ以外の値をとれば仮死児の出生の多くなること,後者では0.03秒以上の不整のとき分娩時胎児心音数減少の起りやすいことを認めた.胎児心音の波形ではI音に続く雑音,分裂,振幅不揃などの出現が,児の切迫仮死を示すものとして重視するものもあるが,今回の検索ではこれに反し,この種の成績に意義を見出せなかつた. 次に胎児心音の臨床応用として,母体に硫酸アトロピンを投与し,胎児心拍数の変動が起るまでの時間から胎盤機能の判定を行う方法が最近実施されている.これに代る安全な方法として2%塩化カルシウム20ccの静脈内注射によつても,この種の検査は実施出来ることを認めた.本検査法が果して胎盤機能を示すものか再検討した結果,本法により現われた胎児心拍数の変動は,母体に投与された薬物そのものの作用によるものでなく,母体心拍数の変動により二次的に影響されたものでないかとの成績を得た.したがつてHonらのいう重症妊娠中毒症,あるいは予定日超過例にみる胎盤機能不全例において,本検査成績の出現し難いということ,これにより胎盤機能が判定できるという説とは異つた成績となつたが,橋本らのいうような胎児機能,すなわち本法実施により胎児心拍数の著明な変動を来たした症例に仮死児が多いという成績に対しては,仮死が必ずしも多くみられなかつたが,分娩中胎児心音数の100以下減少例が多かつたという面で一致の成績を得た.
著者
鈴木 淳
出版者
国文学研究資料館
雑誌
国際日本文学研究集会会議録 = PROCEEDINGS OF INTERNATIONAL CONFERENCE ON JAPANESE LITERATURE (ISSN:03877280)
巻号頁・発行日
no.24, pp.85-103, 2001-03-01

Takao-dayû, the original work of ukiyo-e in Freer Gallery of Art, is a picture of Takao-dayû drawn by Okumura Masanobu with a comment written by Hanaogi, the famous yûjo of Ôgiya in Yoshiwara imitating the Sawada Tôkô-style calligraphy. The content of the comments is a love letter including a hokku "Kimi ha ima komagata atari hototogisu" that is said Manji Takao, or Takao-dayû the Second of Miuraya sent to Date Tsunamune of the Sendai Clan. This letter was probably made up based on the legend of the love affair between them described in the documentary-like novel Sendai Hagi. Whether the story is true or not, the romantic atmosphere of Yoshiwara is promoted by the comments reminding readers Takao and Hanaôgi, and behind the comment of Hanaôgi, you can sense the attempt by Ôgiya Uemon or Bokuga, who was the employer of Hanôgi, to make her more famous together with Takigawa, who was also a famous yûjo, in the Tenmei period.
著者
鈴木 亨
出版者
物理教育研究会
雑誌
物理教育通信 (ISSN:24238988)
巻号頁・発行日
vol.174, pp.78-84, 2019

2018 年度東京大学前期入学試験物理問題に疑問の出題があった。グラフ選択問題であるが,正解と思われる図が必ずしも典型的な概形ではなく,出題ミスとまで言えないまでも,不適切であったかもしれない。題意は運動量と力積の関係に注目するというシンプルなもののようであるが,予備校の解答速報等を見ると,題意が明確に伝わっていない可能性が高い。問題点を指摘するとともに改善案を提案する。
著者
鈴木 信行
出版者
日経BP社
雑誌
日経ベンチャ- (ISSN:02896516)
巻号頁・発行日
no.263, pp.110-112, 2006-08

業者の言いなり、言い値で葬儀が執り行われることが多く、典型的な"殿様商売と言われていた葬儀業界。そんな業界に異変が起きている。新しい発想を持つ起業家が相次いで登場し、葬儀会社のイメージを覆す新興企業が躍進している。 今年6月2日、葬儀業界を代表する急成長企業の一つであるティアが、名古屋証券取引所(セントレックス)に上場した。
著者
八柳 信之 新野 正之 熊川 彰長 五味 広美 鈴木 昭夫 坂本 博 佐々木 正樹 十亀 英司 YATSUYANAGI Nobuyuki NIINO Masayuki KUMAKAWA Akinaga GOMI Hiromi SUZUKI Akio SAKAMOTO Hiroshi SASAKI Masaki SOGAME Eiji
出版者
航空宇宙技術研究所
雑誌
航空宇宙技術研究所報告 = Technical Report of National Aerospace Laboratory TR-679 (ISSN:03894010)
巻号頁・発行日
vol.679, pp.96, 1981-08

「小型溝構造液水冷却燃焼器の研究」は宇宙開発事業団によって進められている推力10トン級 液酸・液水エンジン,LE-5の開発に必要な基礎資料を得るための,詳細な液水冷却特性に関するデータ,及び広範な燃焼条件に対する燃焼特性を把握することを目的とするものである。昭和52年度に冷却用液水供給装置および供試燃焼器一号機の製作を行い,53年度より航空宇宙技術研究所角田支所において燃焼試験を開始した。また,これと同時に液水冷却特性の解析上不可欠となる燃焼性能,及び燃焼ガス側熱負荷の詳細なデータを得るために,多分割型環状水冷却燃焼器を用いた水冷却燃焼試験を行なった。これらの累積燃焼試験時間は約140回,4200秒におよんだ。ところで,実際の液酸・液水エンジンでは燃焼器の冷却に用いられた液水が噴射器から燃焼室内に噴射されて,液酸と燃焼する再生冷却方式をとるのが普通である。しかし,本研究においては液水冷却特性に関して広い範囲の冷却条件でデータを得ることを目的としているため,冷却用液水の流量,供給圧力,温度等を燃焼用液水とは独立に変えられるように別系統とした“独立冷却方式”でも試験が行なえるように計画した。さらに独立冷却燃焼試験のデータを踏まえて,完全再生冷却燃焼試験の実証を行ない,設計点では冷却能力にまだ余裕のあること,特性速度効率で98%以上の値が得られることを確認した。このように小推力,F=3KN(300kgf),燃焼器で再生冷却燃焼が可能になったことは,燃焼器構造が従来の管構造燃焼器とは違って,銅製の溝構造(いわゆるSlotted wall)燃焼室としたことによるものである。これは冷却通路となる多数の溝を長手方向の設けたもので,スペース・シャトル主エンジン(SSME)等の高圧高性能エンジンに用いられている高熱負荷燃焼器と原理的に同じものであり,我国においては未経験のものである。これによって,冷却特性を明らかにするために必要な各部の温度,圧力測定が容易になるとともに,将来の高圧エンジンへの発展性をも考慮した詳細な試験データの取得が出来たものと考える。本報告で行なう試作1号機によって得られた主な結果を簡単に述べる。冷却特性については,①小推力溝構造液水冷却燃焼器により,設計点(燃焼圧力P=3.48MPa,混合比O/F=5.5)での完全再生冷却方式による燃焼が可能であり,冷却能力としては十分な余裕のあることが分かった。しかしながら,冷却条件を広範囲に変えて行なった独立冷却燃焼試験の結果から見て, ②従来より提唱されている殆んど全ての設計式が溝構造燃焼器における熱設計式としては不適当であり,かつ設計上危険性の高いことが分った。 ③試験後,供試燃焼器の切断検査を行なった結果,溝構造燃焼器をロー付接合によって製作する本方式には多くの問題点があり,新しい製作法の開発が望まれる。特に各冷却流路間の抵抗値の不均一さ,及び内筒の変形による内外筒接合部の剥離に問題がある。次に燃焼特性については ④混合比,水素噴射温度を広く変化させて特性速度効率におよぼす影響を調べた。その結果これらの効率への寄与は,著者らが以前に得た液体酸素・常温ガス水素燃焼の場合と同様に,ほぼ噴射速度比(水素噴射速度と液酸噴射速度の比)によって表わされることが分った。さらに再生冷却燃焼時に低混合比(O/F < 3)で約100Hzの低周波振動燃焼を起したが,それ以外の試験範囲ではほぼ安定な燃焼が行なわれた。
著者
武者 篤 一戸 達也 新谷 誠康 布施 亜由美 鈴木 奈穂 福島 圭子 大串 圭太 五味 暁憲 黒田 真右 辻野 啓一郎 横尾 聡
出版者
一般社団法人 日本障害者歯科学会
雑誌
日本障害者歯科学会雑誌 (ISSN:09131663)
巻号頁・発行日
vol.39, no.2, pp.154-159, 2018

<p>mTOR阻害剤のエベロリムス(アフィニトール<sup>®</sup>)は結節性硬化症に伴う腎血管筋脂肪腫に有効であるが,口腔粘膜炎が高頻度に発症することが報告されている.今回,エベロリムスの内服治療を行うことになった結節性硬化症患者の口腔管理を経験したので報告する.</p><p>患者は20歳,男性.既往として結節性硬化症,知的能力障害,てんかん,腎血管筋脂肪腫がある.腎血管筋脂肪腫に対する治療としてエベロリムス10mgを内服開始するにあたり,泌尿器科主治医より歯科受診を勧められ当施設を受診した.口腔粘膜に異常所見は認めないが清掃状態は不良であり,頰側転位している上顎左側第二小臼歯鋭縁による口腔粘膜炎発症が懸念された.第二小臼歯の予防的な抜歯と定期健診および口腔衛生指導を行うこととした.頰側転位している第二小臼歯は6カ月後に抜去した.その後数回にわたり口腔清掃不良の時期と一致して軽度な口腔粘膜炎(grade 1)の発症があったものの食欲減退はなく,重篤な口腔粘膜炎発症によるエベロリムスの減量や中止にいたることはなかった.抜歯後も継続して月1回の定期健診を行っているが,口腔粘膜炎が重篤化することはなく,エベロリムス内服治療へ影響することはなかった.</p><p>本症例は口腔粘膜炎を最小限に抑えることができ,重篤な口腔粘膜炎が原因の内服治療の中止や腎血管筋脂肪腫の増大を起こすことなく経過している.これは主治医との連携と,定期健診や口腔衛生指導が適切に行えたことによると考えられた.</p>
著者
鈴木 哲 菅原 慶太郎 松井 岳巳 朝尾 隆文 小谷 賢太郎
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.49, no.1, pp.25-31, 2013-02-15 (Released:2013-06-19)
参考文献数
32
被引用文献数
1

本研究では呼吸と覚醒度の関係性を調査し,その応用の可能性を検討した.実験は睡眠時間や食事を統制した環境下で,自動車の運転を想定しステアリング操作を40分間行わせた.その間の脳波のα波帯域変化と呼吸数の経時的変化や,TimingとDrivingといった呼吸に関する指標,さらに呼吸波形の振幅面積や吸気の速度変化が最大となる時間などを調査した.その結果,一般的に関係性が指摘されている呼吸数などの変化だけでなく,吸気の変曲点位置変動の間(r=0.65)にも関係性があることを確認した.一般的な覚醒度に関する調査において付随的な指標として扱われることの多い呼吸にも覚醒度変化の影響があることを示すとともに,覚醒度推定精度を向上させるために,呼吸は重要な情報となりうることを示した.