著者
徳村 朋子 高橋 祐樹 桑山 絹子 和田 一樹 黒木 友裕 高橋 幹雄 秋山 幸穂 高橋 秀介 篠田 純 中川 純 田辺 新一
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会環境系論文集 (ISSN:13480685)
巻号頁・発行日
vol.86, no.783, pp.441-450, 2021-05-30 (Released:2021-05-30)
参考文献数
19
被引用文献数
6

As a measure to prevent the spread of COVID-19, telecommuting has been recommended by many companies since March 2020 in Japan. Even after the COVID-19 pandemic is over, the telecommuting implementation rate, including working from home, may continue to increase.The purpose of this study is to clarify the impact of working from home on the individual satisfaction and productivity of workers in companies that introduced the telecommuting system from April 2020 as a countermeasure against COVID-19.Questionnaire surveys of workers who normally work at an activity-based working office were conducted in order to compare the effects of working from home and at the office. The survey targets were workers of a research and development institute located in Chiba Prefecture, Japan. Approximately 210 employees work in the facility, of which 85% are researchers and 15% are in clerical positions. In this study, the results of three questionnaire surveys are described. We conducted a survey of “conventional office work period” in February 2020, a survey of “recommended work from home period” in April 2020, and a survey of “combined work from home and at the office period” in July 2020 where workers could choose to go to work or work from home.From the survey results, it was found that the working environment at home had large individual differences, and the illuminance and CO2 concentration levels often deviated from the standards of the “Ordinance on Health Standards in the Office”. Despite the environment with large differences, the satisfaction level of the thermal environment, air quality and sound was significantly higher at home. It was also found that when working from home, self-efficacy regarding control of the indoor environment increases. This is considered to be one of the reasons for the increase in satisfaction of environmental qualities at home.As an advantage of working from home, most office workers chose “reduction of coronavirus infection risk”. Next, more than half of the respondents chose “having no commuting stress” and “having a reduced dress code” as advantages. On the other hand, “lack of face-to-face communication” became the highest disadvantage of working from home. The degree of satisfaction with interpersonal communication was significantly lower at home than at work. In particular, the decrease in the satisfaction of informal communication was large.Compared to the period when workers could only work at the office or at home, the period with relative freedom to choose between both options showed a great increase in the satisfaction with the work environment and a decrease in the difficulty of performing office activities.In addition, a high correlation was found between the frequency of working from home and commuting time. Workers with longer commuting hours tended to work at home more frequently. Furthermore, it was confirmed that the higher the frequency of working from home, the higher the degree of satisfaction with the working environment at home.The most common response to the ideal rate of working from home was two times a week, but the actual rate was only 25% in the survey conducted in July. It is presumed that there were many situations in which employees chose to come to the office in order to proceed with their work duties more efficiently.
著者
高野 操 木下 節子 高橋 秀人 幸田 幸直 岡 慎一
出版者
一般社団法人 日本感染症学会
雑誌
感染症学雑誌 (ISSN:03875911)
巻号頁・発行日
vol.76, no.3, pp.203-211, 2002
被引用文献数
1

本研究は, 血友病/HIV-1感染者の長期的な予後と, 多剤併用療法に対する臨床効果を明らかにする目的で, 1990年から1993年時点に, 無症候期であった血友病/HIV-1感染者69人と, 非血友病/HIV-1感染者29人を対象に, 比較検討を行った.<BR>1990年-2000年までのCD4数の変化は, 両群に有意差を認めず, 観察開始からAIDSを死因とした生存時間にも, 両群に有意差を認めなかった. しかし, 血友病/HIV-1感染者におけるAIDS以外の死因として, 出血, 肝硬変・肝癌による死亡が特徴的にみられた.<BR>1997年以降の生存者は98人中55人 (血友病39人, 非血友病16人) で, そのうち多剤併用療法を導入した患者は, 血友病/HIV-1感染者28人, 非血友病/HIV-1感染者12人であった. SQVを除く初回多剤併用療法で, HIV-1RNA量を検出限界以下 (<400copies/m1) に抑制できた患者の割合は, 有意差を認めなかったが, 服薬継続期間は, 血友病/HIV-1感染者平均84週, 非血友病/HIV-1感染者平均51週で, 血友病/HIV-1感染者の方が有意に服薬継続期間が長かった (p<0.05). 一方, 多剤併用療法開始から, 2000年7月までの薬剤変更・中断歴を調べると, 血友病/HIV-1感染者の場合, 既に3回以上の変更が行われている患者が35.7%と, 非血友病/HIV-1感染者16.7%に比べ多い傾向を示した. このことから, 血友病/HIV-1感染者の間では, 頻回な治療変更を余儀なくされている患者群のある可能性が示唆された.
著者
三輪 眞木子 仁科 エミ 黒須 正明 高橋 秀明 柳沼 良知 廣瀬 洋子 秋光 淳生 Makiko Miwa Emi Nishina Masaaki Kurosu Hideaki Takahashi Yoshitomo Yaginuma Yoko Hirose Toshio Akimitsu
出版者
放送大学
雑誌
放送大学研究年報 = Journal of The Open University of Japan (ISSN:09114505)
巻号頁・発行日
no.32, pp.101-111, 2014

本研究は、面接授業「初歩からのパソコン」の受講で習得した放送大学生のデジタル・リテラシー・スキル(以下「DLスキル」)の定着状況把握を目的に実施した。この授業を2010年度2学期から2013年度1学期の間に受講した在学生に2013年11月に郵送アンケートを実施した。調査結果は、DLスキルの種類により、定着したもの、低下したもの、向上したものがあること、DLスキルの定着には、受講生の年齢、受講生のパソコン・インターネットの利用頻度が影響を及ぼしていること、DLスキルの向上とパソコン・インターネット利用頻度の間に相関があること、DLスキルの定着には、受講生のその後の学習方法が影響を及ぼしていることを示した。受講直後から本調査の期間に低下したDLスキルについて、授業後のスキル活用の機会を増加させる必要性が示唆された。また、定着効果のあるテレビ授業「遠隔学習のためのパソコン活用」の受講と同好会等への参加を促す必要性が示唆された。

1 0 0 0 OA 機械語

著者
高橋 秀俊
出版者
科学基礎論学会
雑誌
科学基礎論研究 (ISSN:00227668)
巻号頁・発行日
vol.7, no.3, pp.113-119, 1965-09-15 (Released:2009-09-04)
著者
長谷川孝博 松村宣顕 高橋秀年 井上春樹
出版者
国立大学法人 情報系センター協議会
雑誌
学術情報処理研究 (ISSN:13432915)
巻号頁・発行日
vol.17, no.1, pp.107-114, 2013

<p>構成員約12,000人(アカウント総数約13,000)の国立大学法人において,120日間のパスワード定期更新の管理策をシステム要求として徹底実践した場合に起こる課題と成果を8年間の運用実績とデータに基づき考察した.パスワード定期更新の管理策を順当に履行できる利用者は約7割であった.残る約3割のパスワード失効者および忘失者に対して「IDカード認証するパスワード自動再発行機」,「指静脈の生体認証を用いた無人パスワード自動再発行機」および「窓口における対面の再発行申請手続き」を併用して対応した.「IDカード認証するパスワード自動再発行機」が最も有効に機能し,その他の再発行機能が補助的に機能した.その結果,長期に亘る本管理策運用が可能であることが示された.</p>
著者
高橋 秀直
出版者
社会経済史学会
雑誌
社会経済史学 (ISSN:00380113)
巻号頁・発行日
vol.75, no.1, pp.27-45, 2009

本稿の目的は,ポンド直物・先物相場が急落した1931年7月から9月にかけての「ポンド危機」に,ロンドン先物為替市場が与えた影響を再検討することであり,そのために「ポンド危機」以前のロンドン外国為替市場における相場の水準とビット・アスクスプレッドの動きを検討する。1920年代のロンドン外国為替市場において,先物為替取引が台頭し,テレフォンマーケット化に伴い価格形成上ビット・アスクレート情報がより一層重要になっていたことを踏まえ,新たに『フィナンシャル・タイムズ』紙の日次データを利用することにより,1931年7月のポンド相場の急落を再確認し,さらに同年1月に直物・一ヵ月物先物ポンドには変化はないが二ヵ月物・三ヵ月物先物ポンドが急落していたことを明らかにする。このことは,「ポンド危機」開始以前から国際的金利裁定に組み込まれていたことによってロンドンに既に十分に定着・機能していた先物市場の存在は,ひとたび金本位制維持可能性に関わる何らかのきっかけがあれば,相場急落というシグナルを送ることでイギリスに金本位制離脱を促す可能性を内包していたことを意味する。
著者
高橋 秀幸 宮沢 豊
出版者
東北大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2007

MIZ1遺伝子に関して、MIZ1-GFP融合タンパク質を発現するシロイヌナズナ形質転換植物体の作出を行い、miz1変異を相補する系統を得た。これを用いMIZ1-GFP融合タンパク質の発現部位および細胞内局在を解析した結果、根においてMIZ1-GFPは水分屈性に必須の役割を果たすと考えられるコルメラ細胞とその周縁部、ならびに屈曲部位の皮層細胞の細胞質に存在することが明らかになった。さらにMIZ1の機能解明を進めるために、MIZ1過剰発現系統を作出して、その表現型を解析した結果、MIZ1遺伝子発現レベルの改変により水分屈性能の亢進がもたらされることが示された。また、miz2の変異原因遺伝子がARF-GEFをコードするGNOMであることを明らかにし、他のgnom変異体との比較解析から、水分屈性の発現にはGNOMのGEF活性が必要であること、水分屈性は重力屈性と比べGNOM機能の要求性がより高いことを明らかにした。これに加え、ヒメツリガネゴケに見いだされるMIZ1相同遺伝子の解析を行った。その結果、ヒメツリガネゴケゲノム上にはMIZ1相同遺伝子は3つ存在し、それぞれPpMIL1-3と名付け、それらの発現を確認した。また、シロイヌナズナMIZ1では見いだされないイントロンが、ヒメツリガネゴケにおいてはMIZドメインコード領域に近接した5'側に存在すること、miz1で変異の生じていたグリシン残基は、PpMIL1-3のいずれにおいても保存されていることもわかった。また、PpMIL1およびPpMIL2のノックアウト個体の作出に成功した。さらに各PpMILsがシロイヌナズナmiz1変異を相補するかを明らかにするためのコンストラクションを行った。
著者
小畑 修一 西川 俊 高橋 秀知
出版者
一般社団法人 日本特殊教育学会
雑誌
特殊教育学研究 (ISSN:03873374)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.1-11, 1985
被引用文献数
2

テレビ画面への字幕挿入に際しての文字量や表示時間は、番組の性格や見る人によって異なるものと言われる。現在、聴覚障害者のための文字多重放送では、画面や電子技術上の制約もあって台詞は要約で提示されている。しかし、台詞に忠実な字幕挿入は原作の意図を一層忠実に反映するばかりでなく、口形の動きとの対応が出来ることや字幕挿入の自動化が目ざせること等から極めて重要である。このため、先きに開発した簡便で文字量の調整出来る字幕挿入装置の改良と、各種番組の文字量や表示時間の分析に基づく字幕挿入の数量的範囲の検討とによって、台詞に忠実に字幕が挿入されたビデオを作成して効果を測定することにした。その結果、文字量は画面当り16字2行(32字)で、秒当り4.8字以下を目安とすることが示唆されたので、NHKドラマ「おしん」に字幕を忠実に挿入したビデオを作成し、聾学校専攻科生に提示した所、要約挿入を上まわる成果を得た。

1 0 0 0 OA 焼き物の色

著者
石田 信伍 高橋 秀典
出版者
The Surface Science Society of Japan
雑誌
表面科学 (ISSN:03885321)
巻号頁・発行日
vol.18, no.6, pp.380-384, 1997-06-10 (Released:2009-08-07)
参考文献数
12

This article deals mainly with the colors of celadon and copper red glazes, and ceramic pigments in terms of their color development mechanisms. Firing atmospheres (oxidizing, neutral, reducing) applied during heating and cooling processes and the onset temperatures of their applications are important factors to produce desired glaze colors. Furthermore, methods for modifying colors of ceramic pigments are briefly mentioned.
著者
赤尾 健志 寺林 恵美子 大場 正則 水島 朝美 城戸 恵美 高橋 秀幸 山上 亨 八野田 純
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学Supplement (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.2007, pp.D1218, 2008
被引用文献数
1

【目的】当院の癌終末期理学療法では、1.患者・家族のニーズに答える、2.患者・家族の信頼を得る、3.チーム医療を重視することを目標に取り組んでいる。今回、癌終末期理学療法の取り組みを現状と患者・家族のコメントをもとに検討したので報告する。<BR><BR>【対象】2006年4月から2007年9月の間、癌終末期で理学療法を施行し入院中死亡した22名、男性11名、女性11名、平均年齢73.8歳、現疾患は、肺癌16名、大腸癌2名、胃癌2名、肝細胞癌1名、胆嚢癌1名であった。<BR><BR>【方法】理学療法開始時と終了時の理学療法内容とADLレベル、理学療法実施期間、理学療法終了日から死亡までの期間について調べた。また対象者を、理学療法を死亡まで継続可能であった群(以下継続可能群)14名、患者の希望により理学療法を途中で中止した群(以下希望中止群)3名、合併症等の発症により理学療法を中止した群(以下合併症発症群)5名に分類した。それぞれの群に対し、患者・家族のコメントをカルテ等から抽出した。<BR><BR>【結果】理学療法内容は、開始時は、ADL練習19名、肺理学療法5名、筋力運動10名、関節他動運動7名、疼痛緩和・浮腫改善2名であった。終了時は、関節他動運動14名、肺理学療法12名、疼痛緩和・浮腫改善6名、ADL練習1名であった。ADLレベルは、理学療法開始時は歩行レベル7名、車椅子レベル11名、ベット臥床レベル4名であった。終了時は、車椅子レベル2名、ベット臥床レベル20名であった。理学療法実施期間は平均42.6日(7日~170日)であった。理学療法終了日から死亡までの期間は平均4.3日(0日~20日)であった。患者・家族のコメントは継続可能群では、呼吸が楽になった、むくみがとれて足が軽くなった等の身体的改善感の他に、自分の体を触ってもらうことで温もりを感じる、雑談等ゆっくり話ができる、リハビリをするのが生きる支えとなっている等、精神面に関するコメントが見られた。希望中止群では、触ると痛い、歩く練習をすると疲れる等であった。合併症発症群では、脳梗塞発症、消化管出血、呼吸急性増悪等で、急激に全身状態が変化した場合が多かった。<BR><BR>【考察】癌終末期理学療法の現状としては、全身状態が自然経過として次第に悪化していくにも関わらず、理学療法を継続している症例が多く見られた。その理由として、一時的でも身体的改善感が得られること、厳しい現実から少しでも逃避できる癒しの効果、精神的支え等が考えられた。以上より、当院での癌終末期理学療法の取り組みは患者・家族に対し、身体・精神的に良い効果を与えることができているのではないかと思われた。また途中中止になった症例から、患者の状態に応じて少数・頻回のより細かな理学療法内容の検討、また合併症の発症等から、一日一日のリスク管理を含めたチーム医療での情報共有等がより重要だと思われた。<BR><BR><BR><BR><BR><BR><BR><BR><BR>
著者
高橋 秀子 岩根 敦子 菅原 悦子 魚住 惠 村元 美代 板垣 千尋 安部 恵
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.19, pp.150, 2007

<BR><B>【目的】</B><BR> 近年は米の消費が低迷している。また、食品加工産業が発達し食材・調理品の購入が手軽になり、外食産業の浸透により外食の頻度も高くなった。米の摂取および調理に関する意識は、食品加工と外食産業の発達を受けて変化してきていることが予想される。岩手県の米の摂取と調理の現況を把握するためアンケート調査を実施した。<BR><B>【方法】</B><BR> 平成19年1月に調査を行った。岩手県内の大学1校と短大2校の学生、卒業生および学生の家庭の調理担当者を調査対象とした。調査内容は対象者の属性、米料理の嗜好および頻度、白飯の摂取状況、おにぎり・いなり寿司・炊き込みご飯・混ぜご飯およびちらし寿司の調理法、米に対する意識等であった。質問用紙を配布し、1ヶ月後に回収した。<BR><B>【結果】</B><BR> 回答者数は133であった。内訳は女性が130(97%)、40代が50(38%)、食事調理経験21~30年が64(48%)を占めた。最も好まれた米料理は白飯で123(92%)が好きと回答した。おにぎり・炊き込みご飯・ちらし寿司等多くの米料理が好まれ、好きが最も少ない米料理はおかゆ57(43%)であった。それぞれの米料理の最も高い摂取頻度は、白飯は毎日121(91%)、おにぎりは週に1回程度、炊き込みご飯と炒飯は月に1・2回、ちらし寿司、赤飯等の米料理は年に数回であった。朝・昼・夕の食事の米料理の摂取量はいずれも茶碗1杯が最も多かった。おにぎりの具材は、多かった順に、梅干し、鮭、こんぶ、かつおぶしであった。いなり寿司は、味付けの皮を購入し俵形に作っていた。炊き込みご飯の具材は人参、油揚げ、ごぼう、鶏肉、しいたけが多く、ほたて、うに、あわび、鮭等の魚介類もあった。回答者の多くは、米は日本人の主食であり、色々な料理にも合い、毎日米を食べたいと考えていた。
著者
菅原 久美子 和泉 眞喜子 宮下 ひろみ 中村 恵子 會田 久仁子 村上 知子 菊地 和美 北山 育子 真野 由紀子 松本 祥子 大野 智子 高橋 秀子 齋藤 寛子
出版者
日本調理科学会
雑誌
日本調理科学会大会研究発表要旨集
巻号頁・発行日
vol.22, pp.129, 2010

【目的】米利用の地域性および米消費減少の要因を探るために、東北・北海道地方における米の摂取・調理状況に関する調査を実施し、前報<SUP>1)</SUP>では米の嗜好、摂取頻度、米に対する意識等について報告した。本研究では、米飯と代表的な米料理の摂取・調理状況について、東北・北海道地方における特徴と地域性について比較検討した。【方法】前報<SUP>1)</SUP>、同様である。<BR>【結果】三食とも米飯を摂取する割合は、全体で46.6%であるが、各県・道別にみると山形県71.4%、北海道29.9%となり、一日の米飯回数には地域差がみられた。山形県では黒米、宮城県では五穀米の使用が多い特徴がある。また無洗米の使用経験は各県道ともに多く、認知度や利便性等が広く浸透していることが窺われた。残りご飯は炒飯、雑炊としての利用が最多であるが、焼きおにぎりへの利用には地域差がみられた。おにぎりの具材はいずれも鮭、梅干しが上位であるが、たらこは秋田・青森県、こんぶは青森・岩手・宮城県、かつおぶしは北海道で多かった。炊き込みご飯、混ぜご飯、ちらし寿司を作る割合は各々88.4%、75.7%、62.6%であり、炊き込みご飯は秋田県、混ぜご飯は福島県、ちらし寿司は岩手県で作る割合が多く、いずれの米料理も、具の調理状況と盛りつけ時の具の飾り方には地域的特徴がみられた。具材を種類別にみると、炊き込みご飯では山形県のいも類(しらたき、こんにゃく)ときのこ類、北海道の藻類(ひじき、海苔)と魚介類(ほたて貝、ほっき貝)、混ぜご飯では宮城県の鮭の出現率が高く、地域の特産物が多く利用されている状況が窺われた。<SUP>1)</SUP>日本調理科学会平成21年度大会研究発表要旨集、p.47(2009)
著者
高橋 秀榮 Takahashi Shuei
出版者
駒澤大学
雑誌
駒澤大學佛教學部研究紀要
巻号頁・発行日
no.67, pp.267-283, 2009-03