著者
堤 健智
出版者
首都大学東京
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究の中心はアメリカ合衆国内における法の研究であり、そこでは、非営利団体における団体と個人との間の責任分担がどのように変化してきたのかを示した上で、そのような変化がどのような理由に基づくものであるのかを明らかにすることが必要である。そして、そのような研究から得られる示唆について、日本法への応用可能性を検討することが次なる課題となる。このうち、アメリカ合衆国法の大きな方向性については、数々の困難にもかかわらず、一定の整理ができたものと考えられる。すなわち、判例法による/団体の免責から、制定法による/個人の免責へと変化しつつあるらしきことは示せたと考えている。しかし、その理由については、充分な根拠を持って示すことができなかった。とはいえ、それでも一定の仮説(団体と個人の資力バランスの変化)を立てることは可能であり、そのような仮説に立って日本国内における過去の紛争事例を分析することで、たとえば団体資力の強化が個人免責の前提にならざるを得ないであろう点などを示すことができたと考えられ、ここに本研究は一定の成果を上げたと評価できる。
著者
樋渡 雅人
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2007

本研究の目的は、ウズベキスタンにおける地縁共同体(マハッラ)を題材に、社会ネットワーク分析(Social Network Analysis)手法を用いて、調査地のコミュニティ内の社会ネットワークの重層構造を、図示的、定量的に析出しつつ、コミュニティの内部構造に即した開発政策を検討することである。本年度は、現地における調査活動を本格化し、本研究の中核となるデータを収集した。本年度前半は、日本においてこれまでの研究成果の発表や既存データの分析を行ったが、10,11月には、ウズベキスタンのホレズム州のマハッラにおいて、昨年度以降、準備を進めてきた家計調査及び世帯間ネットワーク調査を実施した。230世帯の一集落(エラット)全体をカバーする全数調査を、現地の教師や大学生、20人近くの協力を得て行った。今回の調査の特徴は、各世帯個別の家計調査と併せて、世帯間の関係性を分析するためのネットワーク・データを体系的に収集した点にある。ネットワーク・データのクロス・チェックは予想以上に手間のかかる作業であったが、調査地の住民、とくに教師の方々の多大な協力を得て、質の高いデータの収集を完遂することができた。帰国後は、データの入力作業を進めるとともに、以前に収集したアンディジャン州のマハッラのデータとの比較などを進めている。なお、報告者の就職のため、特別研究員としての本研究は、最終年度を残して打ち切られることになったが、今回収集したデータの解析は今後進めてゆく。
著者
福川 康之 高尾 公矢 川口 一美
出版者
聖徳大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

わが国の新しい高齢者問題のひとつである「孤独死」に着目し,地域における孤独死の発生状況や発生予防への取り組み,ならびに孤独死の関連要因を,事例検討,大規模調査,参与観察,郵送調査などの手法を用いて検討した.これにより,独居高齢者の対人ネットワークの特徴や地域性が明らかになった.またわが国の孤独死問題への取り組みの遅れとともに,地域ネットワークの活性化が孤独死予防に有効となる可能性を示唆する結果が得られた.
著者
立木 康介
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

啓蒙の時代を代表するカントとサドを西洋倫理思想の歴史的展開のなかに位置づけるジャック・ラカンの観点に依拠し、プラトン、アリストテレスから、エピクロス派、ストア派を経由し、18世紀のリベルタン思想にまで流れ込むヘドニズムの伝統と、カントとサドによってもたらされたその転覆の意義とが明るみに出された。
著者
大月 直樹 丹生 健一 白川 利朗
出版者
神戸大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

HPV陽性扁平上皮癌の培養細胞株にE6およびE7に対するsiRNAを導入することにより、E6およびE7の発現が抑制され、p53およびRbの発現がmRNAレベル、タンパクレベルでともに増強し、結果として細胞の増殖は抑制され、アポトーシスが誘導されることがin vitroで確認された。現在in vivoでの実験を行い、解析中である。
著者
平井 啓久 香田 啓貴 宮部 貴子 遠藤 秀紀
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

調査地はインドネシア、タイ、マレーシア、バングラデシュの4カ国を対象におこなった。解析した種は8種である。西シロマユテナガザルの染色体ならびにDNAの解析を世界で初めておこない、第8染色体に逆位を発見した。テナガザル全4属のミトコンドリアゲノムの全塩基配列を用いて系統関係を解析し、新たな分岐系統樹をしめした。転移性DNA解析がヘテロクロマチンの研究に新たな洞察を与えた。音声や形態を新規の方法で解析し、新たな視点を示した。
著者
跡部 真人
出版者
横浜国立大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2010

微小な流路内で化学反応を行うマイクロリアクターは、様々な分野で応用が期待されている反応デバイスであり、これを利用した研究は1990年代初頭から分析化学の分野で、また、最近は有機合成化学の分野でも大きな成果を挙げている。とくに大きな比界面積を有し迅速な溶液混合が可能といった特徴は、均一系反応よりもむしろ固-液不均一系界面での反応のほうが効率化できるなど利点が多く、典型的な固-液界面での反応である電気化学反応においても大変魅力的なものと言える。さらに、電気化学測定・分析の領域のみならず、電解合成の分野においては、マイクロリアクターの利点はこれだけではない。電極間距離がマイクロオーダーであり、「電解液の流れがリアクター内で厳密に制御されている」といった特徴を最大限に活用すれば、従来のバッチ式反応容器(フラスコやビーカー)では決して実現できなかった全く新しい電解合成反応や電解合成システムが構築できることも予想される。このような着想に基づき、今年度はマイクロリアクターを利用した1)電解反応をキーステップとするカスケード反応システムの開発と2)連続的レドックス反応システムの開発の2つの電解反応システムの開発を実施し、着想原理の妥当性を十分に示すことが出来た。さらにそれぞれの反応システムの汎用性やリミテーションについても検証し、電解合成プロセスにおけるマイクロリアクター利用技術の基盤的指針を獲得した。
著者
佐藤 久美子 梶川 祥世
出版者
玉川大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

本研究は、外国語学習において歌を通して単語を一定期間反復聴取することは、音声言語発達を促進し、第二言語習得に効果的であるという仮説を立てこれを検証した。2 歳-3 歳の幼児と6 歳~11 歳の児童を対象として一定期間英語歌を聴取させ、英語反復力及び発音力を測定した。これにより母語と非母語の音声処理の関係が8 歳頃を境に変化することを明らかにし、幼児においては歌聴取による非母語反復能力の促進を確認した。
著者
山内 和人 山村 和也 佐野 泰久 稲垣 耕司 三村 秀和 森 勇藏
出版者
大阪大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2003

本年度(平成18年4月〜平成18年7月)の研究実績1 走査型蛍光X線顕微鏡システムの構築これまで開発を進めてきた、ナノ集光システムの後段に、既存のXYステージと蛍光X線ディテクターを装着させ、走査型の蛍光X線顕微鏡システムを構築した。XYステージには、0.01μm分解能のステージを用いた。蛍光X線ディテクターからの波形分布を、各ポイントで取得可能なシステムとし、複数の元素マップを取得することを可能とした。SPring-8のBL29XULにおいて、テストパターンによるシステムの動作確認と、細胞内の元素分布の観察を行った。テストパターンはFIB (Focused Ion Beam)により作製した。顕微鏡システムの空間分解能のテストを行った結果、30nmの分解能でテストバターンに書かれていた文字を画像化することができた。細胞観察では、細胞内の核やミトコンドリアの観察において、同時に複数の元素分布を可視化することに成功した。2 ブロジェクション顕微鏡システムの予備検討ブロジェクション型顕微鏡システムとしては、将来的な発展性を考慮すると、近年注目をあびているX線回折顕微鏡の導入が不可欠であり、検討を開始した。本手法は、X線の透過強度分布から、集光点近傍のサンプル内の電子分布を求めるものであり、原理的にナノメートルの空間分解能を持つ顕微鏡手法として有力である。今年度は、位相回復法と呼ばれる数学的手法に基づくブログラムを開発した。そして、ミラー集光光学系においても、透過強度分布からサンブルの電子構造を求めることが可能であることがわかった。
著者
湯本 博勝
出版者
(財)高輝度光科学研究センター
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究では-ミラー型光学素子による硬X線ナノ集光実現を目的とし,本X線集光ミラーを作製するために必要となる形状精度を保証可能な表面形状計測システムの構築を行った.可視光位相シフト白色顕微干渉計を利用しミラーの部分的な表面形状計測を行うと同時に,各計測領域間の相対角度決定型の高精度スティッチング干渉法を開発した.これにより,ミラー全体形状に関して1nm単位の高精度なデータ算出が可能となった.
著者
柴田 純祐 川口 晃 江口 豊
出版者
滋賀医科大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

近年、癌の浸潤、移転に関する因子として、各種接着因子やプロテアーゼが注目されている。urokinase-type plasminogen activator(u-PA)はセリンプロテアーゼの一種で、plasminを介してpro-collagenaseを活性化し、細胞間基質を溶解することで癌の浸潤、転移に関与しているものと考えられている。本研究は、消化器癌手術切除標本を用いて、免疫組織化学染色法及びin situ hybridization法により、u-PAを中心とする線溶因子の発見と局在及びその臨床的意義について検討した。その結果、ヒト消化器癌において、u-PAは癌細胞自身が産生しており、その発現率は、食道癌で15例中1例(6.7%)と低く、胃癌では111例中44例(39.6%)、大腸癌で145例中48例(33/1%)であった。さらに、大腸癌u-PA陽性症例では有意にリンパ節転移率が高く、また、胃癌及び大腸癌のu-PA陽性症例で、5年生存率は各々有意にu-PA陰性症例と比し低かった(51.0% VS 77.5%:胃癌、60.2% VS 80.9%:大腸癌)。一方、u-PAの抑制因子である plasminogen activator inhibitor(PAI)の免疫組織化学的検討では、大腸癌において癌細胞周囲近傍の線維芽細胞に、PAI-2は胃癌、大腸癌において癌細胞自身に局在していた。さらに、PAI-1は大腸癌のリンパ節転移を抑制する傾向が、PAI-2に関しては、胃癌、大腸癌の5年生存率において、u-PA陽性PAI-2陰性例が最も予後が悪く、u-PA陰性PAI-2陽性例が最も良かったことより、PAI-1、PAI-2は、癌の浸潤、転移機構を抑制する可能性が示唆された。現在、消化器癌手術は、根治性とquaality of life (QOL)の立場より、拡大あるいは縮小手術の方向にあり、その指標として、真の悪性度、つまり生物学的悪性度が求められている。そこで、術前の組織生検、あるいは手術切除標本におけるu-PA、さらにPAI-1、PAI-2の発現を組み合わせて生物学的悪性度の一指標とし、術式、あるいは術後の化学療法を含めた集学的治療を行う臨床応用が期待される。
著者
原 純輔 秋永 雄一 片瀬 一男 木村 邦博 神林 博史
出版者
東北大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

これまでの研究の過程で、社会調査データアーカイブに関する整備体制と利用実態の国際比較を通して、わが国の現状を検討するという課題が、浮上してきた。そこで、世界最初の国勢調査実施国であり、データの整備と公開が進んでいるアイスランド国立大学およびアイスランド国立博物館における聴取調査を実施した(秋永雄一・原純輔)。また、昨年度に引き続き、社会調査データアーカイブについてのケルン大学社会調査データ・アーカイヴ、マンハイム社会科学方法論研究所での再調査(木村邦博・秋永雄一)を実施するとともに、ケルン大学におけるセミナーに参加した。この結果についても研究会で検討を行った。その結果、「公共財」としての社会調査データという理念が、両国に共通に存在しており、わが国との大きな違いとなっていることが明らかになった。また、過去2年間の実績をふまえて、SSM調査(報告者・片瀬一男。以下同様)、国民性調査(海野道郎)、生活時間調査(三矢恵子)、青少年の性行動全国調査(原純輔)、宮城県高校生調査(神林博史)に対象を絞り、調査の概要・成果に加えて、とくにデータの保存およびデータの公開・利用可能性に焦点をあてながら研究会における再検討を行った。その結果、企画者側の調査データの公開に関する姿勢は多様であるが、とりわけ社会的評価の高い調査では、データのとりかたに独特の工夫がされていることが多く、他の研究者がそれを利用することには相当の困難が伴うことを、具体的に明らかにした。以上の成果は、現在報告論文集としてとりまとめ中である。
著者
太田 宏平
出版者
首都大学東京
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2004

圏論について現代的意義のある哲学的研究を行うために論理学及び計算論の進展との関わりに注目した。categorical combinator、categorical abstract machine、λσといった、直接的に圏に関わっていた諸体系は計算を自然演繹的およびラムダム計算における正規化ではなくて式計算におけるカット除去によって捉えるという現代の潮流(それは具体的には、proof net, geometry of interaction, game semantics, pointer abstract machineを始めとする諸々のabstract machine, interaction net, 微分ラムダ計算等である。)の源となっている。2006年5月に投稿し、2007年1月に差し戻された論文「空所について」では、フレーゲの空所ないし項場所に基づく関数表現の捉え方が、上記の潮流のひとつのまとまった成果であるP.-L.Curienの抽象ベーム木の体系に近いということを指摘した。このことは、変項という一種の表現ではなくて、表現をそこにおくことのできる場所という考えに基づいて関数表現を捉えることや、フレーゲが不飽和性を本来見出すべき領域として意義Sinnの領域を挙げていることの重要性にもつながっていくことが投稿後明らかになったので、今後行う再投稿においてはこのあたりの事情も論じていく予定である。7月と11月に行った研究発表では抽象ベーム木と同様の体系であるludicsにおける証明および命題の取り扱いを、ダメットおよびマルティン=レーフのそれと比較して論じた。上記フレーゲ研究の進展に伴い、これは証明を関数のような不飽和なものとしてとらえるか、それともマルティン=レーフのように飽和した数学的対象としてとらえるかという問題であることが明らかになった。
著者
金保 安則 横関 健昭 船越 祐司 長谷川 潤 杉本 里香
出版者
筑波大学
雑誌
特定領域研究
巻号頁・発行日
2005

低分子量G蛋白質Arf6を介するシグナル伝達機構とその生理機能、およびそのシグナル伝達の破綻に起因する疾患との関連の解明を目的として、分子・細胞・個体レベルで解析を行った。その結果、(1)Arf6はリン脂質キナーゼPIP5K・を活性化して神経スパインの退縮を制御していること、(2)Arf6は、肝臓の発生と腫瘍血管形成に重要であり、Arf6をターゲットとした抗ガン剤の開発が可能であること、(3)Arf6はJNK相互作用蛋白質を介して神経突起の伸長とブランチングを制御していることを明らかにした。
著者
長谷川 潤
出版者
筑波大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

ホスファチジルイノシトール4,5-二リン酸(PIP2)の合成酵素であるホスファチジルイノシトール4-リン酸5-キナーゼ(PIP5K)の2つのアイソザイムPIP5K_AおよびPIP5K_Bのノックアウトマウスを作製したところ、これらの酵素が精子形成に必須であることが分かった。また、2)エタノールアミンキナーゼ-1により合成されるホスファチジルエタノールアミンが、神経突起の伸長において重要な役割を担っていることが分かった。
著者
玉田 芳史 河原 祐馬 木村 幹 岡本 正明 横山 豪志 滝田 豪 左右田 直規
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2005

本研究は民主化以後に登場した新しいタイプの指導者について、(1)その登場の背景ならびに(2)登場が民主化に与える影響について分析した。具体的に取り上げたのは、韓国の盧武鉉大統領、中国の胡錦涛国家主席、タイのタックシン首相、マレーシアの与党青年部副部長カイリー、インドネシアのユドヨノ大統領とゴロンタロ州知事ファデル、インドのインド人民党(BJP)、ロシアのプーチンである。(1)背景 (a)民主化に伴い指導者が選挙を通じて選ばれるようになったことが新しいタイプの指導者の登場を可能にした。(b)1990年代に政治経済の激動を経験し(経済危機、長期政権の崩壊)、国民が危機からの脱却を可能にしてくれる強い指導者を待望した。(c)既存の政党組織よりも、個人的な人気によって、支持を調達している(自由で公平な選挙が実施されているとはいえない中国とマレーシアは例外)。(d)指導者は国民に直接訴えた。危機で傷ついた国民の自尊心の回復、危機の打撃を受けた経済再生とりわけ弱者の救済をスローガンとした。このいわゆるポピュリズムの側面は中国やインドにも共通していた。(c)(d)双方の背景には、放送メディアやインターネットの積極的な活用が宣伝を容易にしたという事情があった。2 影響 (a)強い指導力を発揮できた事例とそうではない事例がある。韓国とインドネシアでは期待外れに終わり、タイとロシアでは期待通りとなった。(b)強い指導力を制度化できるかどうかに違いが見られた。プーチンは成功したものの、タイでは強い指導者の登場を嫌う伝統的エリートの意向を受けたクーデタで民主主義が否定された。
著者
横山 伊徳 中野 等 箱石 大 杉本 史子 高野 信治 吉田 昌彦 井上 敏幸 井上 敏幸 梶原 良則 小宮 木代良 杉本 史子 高野 信治 宮崎 修多 吉田 昌彦
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2006

天領豊後日田の広瀬家に伝わる未整理の史料群(大分県日田市・広瀬資料館所蔵「広瀬先賢文庫」)について文書構造を検討して目録を作成し、研究・教育に活用可能な状況を創り出した。また、同史料に基づく共同研究を実施し、近世後期から幕末維新期にかけての広瀬家を中心とする地域ネットワークの実態を、政治情報・経済情報・思想言説という、三つの視角から究明し、報告書にまとめた。
著者
古川 照美 西沢 義子 中路 重之 木田 和幸 梅田 孝 高橋 一平 高橋 一平
出版者
弘前大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2006

子どもの生活環境を考えた場合、家庭での生活習慣は重要である。本研究では、中学生時期の親子に対しての生活習慣改善を促す介入プログラムの検討を目的に、親子関係と子どもの生活習慣の関連、及び親子の身体特性の関連について検討した。その結果、親子で身体特性及び生活習慣の関連が認められ、さらに親子関係が子どもの生活習慣に影響を与えていることが示唆された。子どもの生活習慣改善のためには、親子関係を見据えながら、親をも含めた支援が必要である。
著者
長友 康行 高橋 正郎
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

グラスマン多様体への調和写像の線型方程式による特徴づけを利用して、対称空間上に等径関数を構成し、さらにラドン変換により、それら等径関数が球面上の等径関数に変換されることを示した。また、複素射影空間から複素射影空間への定エネルギー密度関数をもつ調和写像のモジュライ空間を線形代数的データを用いて記述した。最後に、エルミート対称空間から複素グラスマン多様体への正則写像に関しても同様の結果を得ることができた。
著者
長友 安弘 岡山 昭彦
出版者
宮崎大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2010

マイクロパーティクル(MP)の間質性肺炎(IP)病態形成への関与、臨床応用への可能性を明らかにすることを目的とし、気管支肺胞洗浄液(BALF)中の MP を測定した。IP の BALF 中の MPは増加しており、MP 濃度は BALF 中の総細胞数、特にリンパ球数と正の相関をしたが、好中球数や LDH 濃度とは相関しなかった。これらの結果から MP は抗炎症性に働いている可能性が考えられた。今後さらに研究を進めたい。