著者
佐藤 未知 松江 里佳 橋本 悠希 梶本 裕之
出版者
特定非営利活動法人 日本バーチャルリアリティ学会
雑誌
日本バーチャルリアリティ学会論文誌 (ISSN:1344011X)
巻号頁・発行日
vol.19, no.2, pp.295-301, 2014-06-30 (Released:2017-02-01)
被引用文献数
3

When a head is equipped with a hanger made of wire sideways, and its temporal region is sandwiched by the hanger, the head rotates unexpectedly. We named the phenomenon "Hanger Reflex", and we have studied this phenomenon to understand its mechanism and to show the possibility of utilizing the phenomenon as a human interface or for rehabilitation. In this paper, we evaluated that the necessary conditions of the Hanger Reflex are compressions to temporofromtal region of the head and its counter position. We also developed an interface that can induce head rotation by Hanger Reflex, without giving pain to the user.
著者
渋井 佳代
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム学会誌 (ISSN:02850885)
巻号頁・発行日
vol.29, no.4, pp.205-209, 2005 (Released:2007-10-23)
参考文献数
23
被引用文献数
6 1

女性は,月経,妊娠・出産,閉経を通して,視床下部-下垂体-卵巣系の内分泌環境が大きく変動する.それに伴い,気分の変調や睡眠が変化することはよく知られている.月経前には,いらいら,抑うつ感を伴った日中の眠気の増加が特徴的である.妊娠中に関しては,妊娠前期に過眠がみられるが,妊娠中期には比較的安定し,妊娠後期に夜間不眠が多く経験される.睡眠時無呼吸症候群やむずむず脚症候群が発症する場合もある.産褥期には夜間睡眠の分断化が余儀なくされる.更年期には,ほてりやのぼせなど自律神経症状がきっかけとなる夜間不眠がみられる.それぞれのライフステージにおけるホルモン動態を正しく理解し,適切な対処をする必要がある.
著者
岡﨑 龍史 太神 和廣 横尾 誠 香﨑 正宙
出版者
学校法人 産業医科大学
雑誌
Journal of UOEH (ISSN:0387821X)
巻号頁・発行日
vol.39, no.4, pp.277-290, 2017-12-01 (Released:2017-12-16)
参考文献数
20
被引用文献数
6

2011年および2013年に行った福島第一原子力発電所事故の健康影響へのアンケート調査では健康影響への不安は,患児の保護者と放射線知識の高い医師や医学生とでは,患児の保護者の方がより強いことが確かめられた.福島県民健康調査事業で甲状腺検査によって,甲状腺がんが190名報告され,放射線影響の可能性に対する福島県民の不安は残っている.今回,事故後6年を経過後の放射線教育の受講状況や不安に対する調査を行うとともに,福島県内の患児の保護者に対して,放射線影響と福島県民健康調査事業での甲状腺検査についてアンケート調査を行った.全質問20項目の無記名自記式アンケートを福島県小児科医会各医療機関へ郵送し,受診した小児・青少年の保護者,および医療機関関係者から回答を得た.505部回収され,回収率は26.7%であった.患児の保護者では,「放射線教育を受けたことがない」が30%,「人体の影響についての教育を詳しく受けていない」が67%であった.患児の保護者では,「甲状腺がん」,「子どもへの健康影響」,「将来生まれてくる子や孫への遺伝的な影響」の項目に対し,医療従事者に比べ不安が高い傾向にあった.現状での甲状腺がんの発症は,原発事故による放射線影響と考え,甲状腺検査の継続を望む者が多いことが判明した.
著者
小倉 昌弘 柴田 瞳 前田 隆平 佐藤 翼
出版者
一般社団法人 日本臨床衛生検査技師会
雑誌
医学検査 (ISSN:09158669)
巻号頁・発行日
vol.69, no.2, pp.261-266, 2020-04-01 (Released:2020-04-01)
参考文献数
16

緒言:子宮頸部小細胞神経内分泌癌(small cell neuroendocrine carcinoma; SCNEC)は比較的稀な腫瘍で悪性度の高い腫瘍として知られている。今回我々は細胞診で術前診断が可能であった子宮頸部原発のSCNECの1例を報告する。症例:患者は20歳代,女性。持続する子宮出血で,擦過細胞診が施行された。細胞診では特定構築のない集塊配列と核の相互圧排像,裸核状で乏しい細胞質と核の細顆粒状の細胞所見からSCNECと診断された。一方で,細胞質が豊富で大型核を有する異型細胞集塊の細胞所見から扁平上皮癌の存在も疑われた。生検による組織診断では小型で単一のN/C比の高い細胞が密に増殖しておりSCNECと診断され,その後広汎子宮全摘出術が行われ,免疫組織化学的検索により扁平上皮癌成分を含むSCNECと最終診断された。本症例は腫瘍径6 cmで傍大動脈リンパ節転移陽性であったが,術後36ヶ月間再発および転移は認められていない。結論:子宮頸部SCNECの細胞診断には特定構築のない細胞配列と核の相互圧排像および細顆粒状核クロマチンの出現が必要である。
著者
上田 大貴 川端 祐一郎 藤井 聡
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.78, no.6, pp.II_668-II_676, 2022 (Released:2022-04-20)
参考文献数
24

2020年に発生した新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の拡大は,健康被害のみならず,感染症対策のための社会活動制限を通じて,経済にも大きな損失をもたらした.本研究では,2020年第2・第3四半期において,新型コロナウイルス感染症対策のための行動制限が各国のGDPに与えた影響を44ヵ国のデータを用いて検討し,行動制限がGDPを大きく低下させることを確認する.また,データの比較が可能なG7各国について,労働者の賃金に対する政府補償の充実度合いが行動制限及びその緩和に与える影響についての実証研究を行った.その結果,政府による補償の充実は感染拡大を抑止するための行動制限を促進する効果とともに,制限の解除時においては経済活性化の促進効果を持つことが示唆された.
著者
藤村 彰夫
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.44, no.Supplement, pp.41-51, 1991-07-24 (Released:2010-03-11)
参考文献数
50
被引用文献数
2

Internal structure of terrestrial planets and moons are best characterized by seismological method. In the present paper, we will briefly describe the seismological instrumentation and results obtained for the moon and Mars. Since the most significant seismological data were obtained by the Apollo seismic network, emphasis is put on the lunar study. The velocity structure of the shallow moon (<120km depth) has been determined by the analysis of man-made impacts. On the other hand, the velocity structure of the mantle (120km-1, 000km) has been determined by using 41 deep moonquakes, which periodically occur at depth from 800km to 1, 150km. The velocity structure at depth below 1, 000km has not yet been established. Several petrological models are made by using the velocity structure of the mantle and other geophysical constraints such as the density distribution, moment of inertia, temperature distribution, and elastic data of the candidate minerals of the moon. These petrological models, however, are not so accurate that they do not constrain the formation process of the moon. The more detailed information on the lunar interior such as the size of core is required for clarifying the formation process of the moon. The forthcoming Japan lunar penetrator (LUNAR-A) mission, which is planned to be launched in 1996, will provide useful data on the lunar interior. A new seismic network of triangle form with about 5, 000km length will be constructed by the penetrator seismometers. We expect the results by the LUNAR-A mission to clarify several unsolved problems of the deep sturucture of the moon.
著者
鈴木 毅彦
出版者
公益社団法人 東京地学協会
雑誌
地学雑誌 (ISSN:0022135X)
巻号頁・発行日
vol.122, no.6, pp.1088-1098, 2013-12-25 (Released:2014-01-16)
参考文献数
40
被引用文献数
1 6

This paper reviews historical volcanic disasters that have affected the Tokyo Metropolitan area and its surroundings, central Japan, and discusses the dangers of volcanic disasters occurring in future. The 1707 (Hoei) eruption of Fuji volcano, the 1783 (Tenmei) eruption of Asama volcano, and the so-called Kanto Loam, volcanic soil deposits containing large quantities of Holocene to Pleistocene fall-out tephras, suggest the potential hazards that originate from volcanic activities. Small to moderate eruptions (VEI 1 to 2) of Asama volcano have resulted in minor ash falls in and around Tokyo every one to two decades. It is most likely that Asama volcano will generate minor ash falls in the near future. Volcanic disasters caused by larger but rare eruptions of VEI 4 to 5 are considered, referring to the 1707 (Hoei) eruption of Fuji volcano, and measures and predictions for the next eruption of Fuji volcano. In this paper, volcanic disasters affecting Tokyo in the near future are not only those caused by ash falls but also those caused by lahar along the Tone, Edo, Sakawa, and Sagami rivers related to Asama, Haruna, and Fuji volcanoes, because the landform developments of these areas in Holocene and historical disasters suggest that these drainage basins have the potential for lahar disasters. In addition, more severe eruptions of VEI 6 to 7 are considered for their impacts and frequencies referring to geological records of air-fall tephras and/or pyroclastic flow deposits such as VEI 6 Hakone-Tokyo tephra (ca. 66 ka) and VEI 7 Aira-Tn tephra (ca. 29 ka).
著者
岩田 健太郎 野口 善令 土井 朝子 西本 隆
出版者
一般社団法人 日本東洋医学会
雑誌
日本東洋医学雑誌 (ISSN:02874857)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.289-302, 2013 (Released:2014-02-28)
参考文献数
64
被引用文献数
1 1

迅速診断検査(RIDT)とノイラミニダーゼ阻害薬(NI)が開発され,インフルエンザ診療の様相は激変した。しかし,RIDT の感度の低さ,副作用や薬剤耐性など NI の問題もあり,その診療は未だ最適とは言えない。そこで,インフルエンザをウイルスという「モノ」ではなく「現象」として認識し,漢方薬を治療選択に加えた診療意思決定モデルを開発した。まず患者の重症度を吟味し,重症・ハイリスク患者では RIDT に関係なく NI 点滴を基本とする。重症でもハイリスクでもない場合は,NI か漢方薬を患者に選択させ,前者の場合は検査前確率が50%未満で RIDT を用い,それ以上では事後確率への影響の低さから RIDT を行わない。漢方薬では「現象」を対象としているため,原則として RIDT は行わないものとした。本モデルでは RIDT を選択的に行うことで検査属性を活かし,かつ検査の乱用や誤解釈を回避することが可能になる。
著者
広重 佳治
出版者
日本生理心理学会
雑誌
生理心理学と精神生理学 (ISSN:02892405)
巻号頁・発行日
vol.13, no.2, pp.66-76, 1995 (Released:2012-11-27)
参考文献数
27
被引用文献数
1 1

覚醒・睡眠移行時における様々な意識体験を25名の女子学生より聴取した.強制覚醒前3分間のポリグラフ記録は標準的睡眠段階と緩徐眼球運動 (SEM) の変動性を反映した5つのEEG-EOG段階に分類された : W (低頻度のSEMを伴う標準的段階W), D1 (高頻度のSEMを伴う標準的段階W), D2 (高頻度のSEMを伴う標準的段階Wと1), D3 (高頻度のSEMを伴う標準的段階1と2) およびS (低頻度のSEMを伴う標準的段階2と3+4).睡眠感と眠気はEEG-EOG段階の関数として増加したが, SEMが睡眠感と直接関係した.視覚心像は段階Wを除くすべての段階で報告され, その半数は夢見あるいは幻覚の印象を伴い, 経過時間の過小評価と相関した.思考は段階D1とD2では未来定位, 現実定位および過去定位を含んだ多様な内容をみせたが, 段階D3とSでは曖昧さが増して内容忘却が優勢となった.こうした混沌とした思考活動はしばしば視覚心像とともに生じた.
著者
デ・アントーニ アンドレア
出版者
日本文化人類学会
雑誌
文化人類学 (ISSN:13490648)
巻号頁・発行日
vol.86, no.4, pp.654-673, 2022-03-31 (Released:2022-07-20)
参考文献数
64

本稿は、現代日本における「憑き」や「憑依」を通して治癒した人々の経験に焦点を当てながら、精霊が発生する過程や精霊を祓うことによる治療過程を検討する。徳島県にある賢見神社で参与観察した民族誌的データに基づき、情動・感覚、身体化された記憶と想像力との相互関係がいかに治療の効果や治癒と関わるのかを分析する。治療の受け手の治癒過程に注目しながら、情動・感覚、身体化された記憶と想像力の役割を検討した上で、憑依を通した治癒経験を理解するためには、ヒーラー側に焦点を当てるのではなく、受け手に焦点を当てるような分析モデルの方が効果的であると論じる。
著者
柴田 尚 戸澤 一宏 杉山 英男
出版者
日本菌学会
雑誌
日本菌学会会報 (ISSN:00290289)
巻号頁・発行日
vol.54, no.2, pp.jjom.H24-11, 2013-11-01 (Released:2018-01-27)
参考文献数
12

チェルノブイリ事故以後から富士山において実施している野生きのこを指標とした放射性セシウムに関するモニタリングの結果を報告した.福島事故以前には,高海抜地域の野生きのこで放射性セシウム濃度が高く,福島事故以後には,低海抜地域の野生きのこで放射性セシウム濃度が高かった.また,富士山の野生きのこに含まれる Cs-137濃度に対するチェルノブイリ事故の寄与率と福島事故の寄与率を計算し,前者(17%)に比べて後者(73%)が高い数値であることを示した.
著者
遠藤 秀紀
出版者
日本哺乳類学会
雑誌
哺乳類科学 (ISSN:0385437X)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.79-83, 2002 (Released:2008-07-23)
参考文献数
9
被引用文献数
2
著者
福井 大祐
出版者
日本野生動物医学会
雑誌
日本野生動物医学会誌 (ISSN:13426133)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.41-48, 2013-06-01 (Released:2018-05-04)
参考文献数
31
被引用文献数
1

近年,人為的な要因による野生動物の感染症の発生が問題となっており,課題の1つとして人と野生動物の関わりがあげられる。本来,人が野生動物に餌を与える必要はないが,娯楽のための餌付けから保護を目的とした給餌まで様々な目的で野生動物への餌やりが行われている。一方で,餌やりによって特定の種が局地的に集合して行動生態の改変や生物多様性の低下が起こったり,感染症の発生リスクが高まったり,生態学的健康を人為的に損なうおそれがある。例として,国際的なツル越冬地の出水でナベヅルの高病原性鳥インフルエンザ(2010年冬),旭川でスズメのサルモネラ感染症(2008~2009年冬),北海道内でカラス類における鳥ポックスウイルス感染症(2006年以降)の集団発生が認められ,それぞれ給餌,餌台,ゴミという餌やりが関わっていると考えられる。餌やりによって集合した野生動物が家畜に感染症を拡散させるリスクも問題となっている。人,家畜および野生動物の生命を支える生態学的健康を守るため,人と野生動物の関わりと感染症について,学術整理とバイオセキュリティ対策が必要である。
著者
米田 彬史 板倉 光 荒井 考磨 海部 健三 吉永 龍起 三宅 陽一 白井 厚太朗 木村 伸吾
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
pp.18-00038, (Released:2019-03-15)
参考文献数
69
被引用文献数
4 11

日本におけるニホンウナギの自然分布域を明らかにするために,文献調査からシラスウナギの来遊記録をまとめ,耳石安定同位体比分析に基づく判別手法から全国の河川・湖沼から収集した個体を天然加入個体と放流個体に判別した。その結果,九州一帯,瀬戸内海沿岸,青森県以南の太平洋沿岸,京都府以南の日本海沿岸は自然分布域の主要部,福井県から青森県までの日本海沿岸は自然分布域の縁辺部と推定された。しかし,主要部であっても天然加入個体の割合が3割程度以下の場合もあり,資源が放流個体に依存している状況がうかがえた。
著者
藤森 新 大山 恵子 諸見里 仁 田淵 大貴 大山 博司
出版者
一般社団法人 日本痛風・尿酸核酸学会
雑誌
痛風と尿酸・核酸 (ISSN:24350095)
巻号頁・発行日
vol.46, no.1, pp.23-28, 2022-07-25 (Released:2022-07-25)

新型コロナウイルスワクチンは新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の発症と重症化予防に大きく貢献しているが,種々の副反応に悩まされる接種者も多い.2021年10月に外来通院中の痛風患者にアンケート調査することで,COVID-19ワクチン接種と痛風発作の関連を検討した.無記名回答,重複回答,無症候性高尿酸血症患者を除外した痛風患者1,720例のうちワクチン接種を済ませた1,480例の中で,20例(1.35%)がワクチン接種3日以内に痛風発作を起こしたと回答していた.ワクチンの種類による差はみられなかった.13例は尿酸降下薬による治療中で,そのうちの10例については血清尿酸値のコントロールは概ね良好であった.また,アンケート調査の回答に加えて診療録の記録も考慮すると57例(3.58%)の患者がワクチン接種後に痛風発作が起こりやすくなっていたと判定された.ワクチン接種が痛風発作のリスクを高めるとの報告があり,ワクチン製剤に含まれるアルミニウムアジュバントが自然免疫機構におけるNLRP3インフラマソームを活性化して痛風発作をきたす機序が推察されているが,COVID-19ワクチンにはアルミニウムアジュバントは含まれていない.COVID-19ワクチン接種による痛風発作の発症機序については不明と言わざるをえないが,痛風発作はCOVID-19ワクチンの副反応の一つである可能性が示唆された.
著者
渡辺 豊子 喜代吉 夏子 山田 光江
出版者
一般社団法人 日本調理科学会
雑誌
調理科学 (ISSN:09105360)
巻号頁・発行日
vol.25, no.4, pp.293-300, 1992-11-20 (Released:2013-04-26)
参考文献数
9
被引用文献数
3

We prepared cake batter for sponge and pound cakes with both 120 and 190 gram in weight in 12cm round cake pans. Cakes were baked under six different baking temperatures from 150°C to 200°C with 10°C intervals.We examined how the temperature shifted inside these cakes during baking under pre-set baking temperature and also the effect of temperature changes on the final shape of the product, as a cake rose while baking.We conclude from the results of our experiments as follows:1) In all cases, the higher the baking temperatures were, the faster the inner temperature of cakes rose.2) The sponge cake of 120g had the fastest rising speed of inner temperature. The sponge cake of 190g had the second faster speed and the pound cake of 190g had the slowest one.3) It became clear that there were three stages in the changing pattern of the temperature. The first stage was until the temperature at the point of 1cm from both edge and bottom of the cake, became stable. The second stage was until the core temperature stabilised. The third stage was up to the completion of baking. A sponge cake rose mainly in the first stage (93-103% of the final height), barely did so in the second stage and became flat on the top. A pound cake rose to 77-84% of the final height in the first stage and kept on rising also in thes econd stage until it formed a mountain like shape on the top.4) It can be concluded that the suitable temperature for baking sponge cake is around 160°C and that for pound cake about 180°C.
著者
岩谷 舟真 村本 由紀子
出版者
日本グループ・ダイナミックス学会
雑誌
実験社会心理学研究 (ISSN:03877973)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.29-41, 2017 (Released:2017-09-07)
参考文献数
17
被引用文献数
3 1

本研究の目的は,多元的無知の先行因を検討することである。具体的には,「集団メンバーの行動を観察したとき,その行動が彼ら自身の選好と反していると推測する者ほど,却って当該行動の『規範性』を認知し,それに沿って振る舞う」という仮説を検討した。研究1では大学生の時間厳守規範に焦点を当てて通時的調査を行い,仮説に合致する現象を確認した。研究2では,実験室実験によって当該現象の生起プロセスをより精緻に検証した。参加者は5人1組で実験室に入り,2種類の水を試飲して品質の評定を行うという課題をひとりずつ順番に行った。このとき,すべての参加者が,自分は4番目に配置されていると信じており,先行する3人が「不味い」水を「より高品質である」として選択する様子を観察した。結果,「先行の参加者は(前の人に合わせて)個人的選好と反する行動をしている」と推測する者ほど,当該の行動の規範性を知覚しており,それゆえに自らも規範に沿って振る舞う(「不味い」水を選択する)ことが示された。