著者
Yi-Heng Li Yu-Wei Chiu Jun-Jack Cheng I-Chang Hsieh Ping-Han Lo Meng-Huan Lei Kwo-Chang Ueng Fu-Tien Chiang Shih-Hsien Sung Jen-Yuan Kuo Ching-Pei Chen Wen-Ter Lai Wen-Lieng Lee Jyh-Hong Chen Taiwan ACS STENT Registry Investigators
出版者
The Japanese Circulation Society
雑誌
Circulation Journal (ISSN:13469843)
巻号頁・発行日
pp.CJ-18-1283, (Released:2019-04-27)
参考文献数
23
被引用文献数
2

Background:Little information is available in Asia about the real-world practice of dual antiplatelet therapy (DAPT) duration for acute coronary syndrome (ACS) and its influence on clinical outcomes.Methods and Results:The Taiwan ACS STENT Registry was a prospective, multicenter study to observe ACS patients using clopidogrel-based DAPT after percutaneous coronary intervention (PCI). The primary outcome was a composite of cardiovascular death, myocardial infarction, and stroke. Overall, 2,221 ACS patients (62 years, 83% men) were included. DAPT duration was ≤9 months in 935 (42.1%). The incidence of primary outcome was higher in patients receiving DAPT ≤9 months compared with those receiving DAPT >9 months at 1 year (3.5% vs. 1.6%, P=0.0026). The incidence of stent thrombosis (overall 0.5%) was similar between groups. Multivariable analysis showed that DAPT >9 months was associated with a significantly lower risk of primary outcome (odds ratio 0.725, 95% confidence interval 0.545–0.965).Conclusions:Our data showed that short duration of DAPT (≤9 months) was common (42.1%) in Taiwan for ACS patients undergoing PCI. DAPT ≤9 months increased the risk of the primary outcome.
著者
住谷 昌彦 四津 有人 大住 倫弘
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2016-04-01

【目的】運動器慢性疼痛患者では,運動恐怖により運動発現過程で知覚運動協応の破綻が生じていることが報告されているが、その定量的評価は確立されていない.本研究では,到達・把握運動の3次元動作計測から取得される運動学的データを用いて運動恐怖による知覚運動協応の変容を定量的に分析することを目的とする。【方法】上肢の運動恐怖を伴う慢性疼痛患者を対象とし、健肢と患肢それぞれについて3次元動作解析を行った。3 次元位置磁気計測システムを用いて、到達・把握運動の運動軌跡を計測した。到達運動における運動速度の時系列変化を算出し,運動開始から運動速度がピークに達するまでの区間(加速期),運動速度のピークから運動終了までの区間(減速期)に分割した。太さの異なる目標物に対する把握動作の指最大開大幅と手運動速度を計測し、目標物の太さに依存する運動量に応じた運動恐怖の変化を動作解析により客観化できるか評価した。【結果】患肢運動は健肢運動に比して明らかに速度が遅く、指最大開大幅も小さかった。この傾向は、目標物の太さに応じて増悪した。ただし、目標物の太さが大きくなると健肢では指最大開大幅が大きくなり、目標物の太さに応じたこのような傾向は患肢でも維持された。【考察】患肢でも目標物の太さに応じた指最大開大幅は変化したことから生理的な運動表象の立案は行われていると考えられる。一方、目標物の太さに応じて加速期の運動が特に障害され指最大開大幅が不自然に小さくなっていること特に障害されていることから運動実行までの過程で運動恐怖が修飾していることを示唆する。これらの結果から、知覚-運動協応の中枢神経系における内的モデルに運動恐怖による修飾回路を組み入れることに成功した。
著者
Freslyn Lim-Saco
出版者
The University of Tokushima Faculty of Medicine
雑誌
The Journal of Medical Investigation (ISSN:13431420)
巻号頁・発行日
vol.66, no.1.2, pp.8-11, 2019-02-15 (Released:2019-04-27)
参考文献数
17
被引用文献数
5

Abstract : Theory development in nursing has been contentious so that issues about theory as knowledge base and counterpart of practice, and theory as the foundation of nursing as a discipline of knowledge and practice profession have facilitated the seeming ambiguity hindering theoretical contributions integral to human health and well-being. Nursing science continues to generate discussions about its development particularly grounding its practice as a legitimate component of human health care. The aims of this paper are (a) to describe three contemporary issues regarding theory construction and development in nursing, and (b) to advance a theory of nursing that can reconcile these issues. Content analysis following a review of literature revealed ontological,epistemological, and contextual issues on nursing theory development and theory-based practice perspective. The middle-range theory of Technological Competency as Caring in Nursing is advanced as integral to pursuing the reconciliation of theory development and practice engagements within the Universal Technological Domain in nursing and the health sciences. J. Med. Invest. 66 : 8-11, February, 2019
著者
岩井 秀成 土方 嘉徳 西田 正吾
雑誌
情報処理学会論文誌データベース(TOD) (ISSN:18827799)
巻号頁・発行日
vol.7, no.2, pp.11-23, 2014-06-30

Amazon.comに代表されるショッピングサイトの多くでは,アイテムに対してレビューを簡単に作成・閲覧できる機能が提供されている.レビューに書かれた他者の意見は有用であるが,小説や映画などのストーリーを持ったアイテムに対するレビューには,ストーリーの内容(本稿では「あらすじ」と呼ぶ)が書かれている場合がある.レビューによりあらすじが分かってしまうと,実際に小説や映画を見たときの楽しみや感動が減ってしまい問題である.そこで我々は,あらすじを文単位で検出し除去することを試みる.我々は,このあらすじ検出を実現するために,各文がレビューとしての文脈を維持する形で書かれていること(文脈一貫性)に注目する.本研究では,レビュー文書の文書構造とあらすじ以外の観点に基づくクラス情報を用いたあらすじ文判定手法を提案する.評価実験を行い,文書中における文の位置情報の付与と文脈情報の利用によりあらすじ判定の精度が向上することを確認した.また,被験者実験により,提案手法はユーザが知りたくなかった記述の多くを除去できており,かつ,商品購入の際に意思決定につながる文の多くを表示できていることを明らかにした.Users can write and read reviews of items easily on many Internet shopping sites. Reviews on items like novels and movies can include spoilers (undesired plot descriptions) along with the opinions of the review authors. It is an issue that spoilers might reduce a delight in reading novels and watching movies. Therefore, we try to detect and eliminate spoilers by sentence. In this paper, our target is utilization of contextual coherence that is originally embedded in a review document and makes readers to understand the content easier. We propose a plot classification method using the document structure and the information of multiple classes in reviews. Experimental results show that using position information of a sentence and context information contributes to the improvement of classification results. In addition, a user study shows the proposed method can remove spoilers without removing useful sentences.
著者
白山 竜次 郡山 啓作 木戸 君枝
出版者
一般社団法人 園芸学会
雑誌
園芸学研究 (ISSN:13472658)
巻号頁・発行日
vol.16, no.1, pp.71-78, 2017 (Released:2017-03-31)
参考文献数
19
被引用文献数
2

キクの暗期中断における間欠照明の花芽分化抑制に対する有効性を赤色光(以下R光と略す)および赤色光 + 遠赤色光(以下R + FR光と略す)を用いて検証した.同一照射時間帯(22:00~2:00) で連続照明と間欠照明を比較したところ,R光およびR + FR光ともにDuty比が低下するにつれて花芽分化抑制効果が低下した.またR光の連続照明とDuty比0.5で積算の放射照度を連続照明に対して1.0および0.5に設定した間欠照明の効果を比較したところ,1.0区は連続照明と同等であったが,0.5区は連続照明に比較して効果が劣った.このことから,本実験ではキクの同一時間帯での連続照明に対する間欠照明の優位性は確認できなかった.次に,同一積算照射時間において短時間の連続光(18分) と間欠により3時間に照射時間帯を拡張した間欠照明を比較した場合では,R光は間欠照明の効果が認められなかったが,R + FR光では連続照明に比較して間欠照明の花芽分化抑制効果が高くなった.これは短時間照明(18分) の場合,R + FR光の連続照明は,R + FR光によるフィトクロムの低Pfrレベルにより,暗期中断の効果が低下することによると考えられた.また,連続照明の時間帯を変えることで暗期中断の効果が変化したことから,同一積算照射時間の場合は,キクの暗期中断に対する感度が時間帯で変化することに注意する必要があると考えられた.実際のキク電照栽培では,暗期中断の時間がR + FR光での低Pfrによる花芽分化抑制効果の低下が発現する時間よりも比較的長時間であるために,間欠電照の優位性はほとんどないと考えられた.
著者
Li Yu-Yun Li Yi-Xuan Lo Tsai-Yun
出版者
Japanese Society for the Science of Design
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集
巻号頁・発行日
pp.229, 2015 (Released:2015-06-11)

台湾では、今でも民間信仰が盛んで、各地に、そのような寺院が多く見られる。そして、毎年、 多様な場所で、多様な時間に、多様な祭りが行われている。祭りの行列は「陣頭」と呼ばれ、踊り 子、祭り囃子の奏者、神輿などが列をなし、町をねり歩く。「官将首」は「陣頭」の一つで、新荘の 地蔵庵が発祥である。「官将首」の「陣頭」は二人が基本の形であり、地蔵菩薩の護法将軍の仮 装をしている。二人、三人、五人、七人、またはそれ以上の将軍で構成され、各将軍の仮装やア クセサリーもまちまちである。例祭の時には、行列の前に立ち、厄除祈念や招福祈願の儀式をし、 町をねり歩き、人びとに加護を与える。現代では、生活様式が変わったことで、この祭りにおける住 民の連携は薄くなり、その文化的意義も薄まりつつある。 本研究の目的は、「官将首」の文化を再認識する事ができる生活用品の開発である。研究成 果として、「官将首」の民俗文化から、意匠特質を抽出し、「官将首」がもつ「加護」と「先導」とい う信仰的意味をのせた緊急用の照明器具を開発した。
著者
楳田舎好文 作
出版者
和泉屋市兵衛
巻号頁・発行日
vol.四編, 1853
著者
縄手 雅彦 佐藤 基次 森本 大資 藤川 浩一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D, 情報・システム (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.90, no.3, pp.763-770, 2007-03-01
被引用文献数
5 3

上肢の機能に障害がありキーボードを使用して文字入力できない人のためのソフトウエアキーボードに必要な機能を検討した.アテトーゼなどにより机上のマウスを操作できない場合には文字入力はハンディマウスやトラックボールマウスを用いてソフトウェアキーボードにより行われることになるが,標準のスクリーンキーボードはキーサイズが小さく使いづらいことが問題になる.そこで,日本語入力として効率の良い50音順配列をもち,カーソル移動を移動平均法により平滑化する機能を実装したキーボードを開発した.上肢の機能障害をもつ被験者2名にハンディマウス及びトラックボールマウスを用いて文字入力実験を行ってもらったところ,移動平均を用いると文字入力が改善されることが確認された.文字入力にかかる時間には大きな変化はないものの,カーソル移動において行き過ぎることが減少し,ねらったキー上でクリックしやすくなることにより文字入力が楽になったと推測される.
著者
長阪 玲子 篠田 明 潮 秀樹 大島 敏明
出版者
公益社団法人 日本水産学会
雑誌
日本水産学会誌 (ISSN:00215392)
巻号頁・発行日
vol.74, no.1, pp.61-65, 2008 (Released:2008-01-23)
参考文献数
32
被引用文献数
4 6

我々は,昆布の三次機能に着目し,γ-オリザノールについて調査した。4 種の市販乾燥昆布から Bligh & Dyer 法にて全脂質を抽出し,HPLC によってヒドロキシ桂皮酸誘導体を分析するとともに,EI-MS によって構造解析を行った。その結果,市販昆布の中でも利尻昆布に γ-オリザノールが多く含まれていることが確認され,中でも stigmasteryl ferulate が主成分であることが明らかとなった。
著者
竹下 政孝
出版者
日本宗教学会
雑誌
宗教研究 (ISSN:03873293)
巻号頁・発行日
vol.78, no.2, pp.295-320, 2004

トルコの大衆紙『タクヴィーム』に毎日連載されているゼケリヤ・ベヤーズのコラム、「あなた方の質問への回答、本当のイスラーム」に、二〇〇〇年一〇月から二〇〇一年八月の期間に掲載された読者からの質問約五〇〇問の内容を分析することによって、トルコの民衆がイスラームに対してどのような意識・関心をもっているかを探った。質問が圧倒的に集中しているのは、儀礼行為に関するものである。その他に、ある事柄が、罪であるか、あるいは許されているかを問う質問も非常に多い。義務の儀礼行為は正しく履行されなければ罪となるので、質問の半分以上が罪に関するものであるといえる。罪を犯すことへの強い懼れは、死後の審判に対する確固たる信仰に由来する。また、質問の多くに、イマームの言葉が引用されることから、トルコの民衆の宗教生活に占めるイマームの役割の大きさを窺い知ることができる。
著者
川添 航 矢ケ﨑 太洋 玉 小 松山 周一 曾 宇霆 竹原 繭子 竹下 和希 益田 理広
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
日本地理学会発表要旨集 2017年度日本地理学会秋季学術大会
巻号頁・発行日
pp.100107, 2017 (Released:2017-10-26)

日本の高度経済成長期における急激な経済発展は,数々の恩恵をもたらした。一方で,経済発展を支えた人口増加により,首都圏における都市の過密化が大きな課題となった。その解決策として,ニュータウンと呼ばれる大規模な住宅団地の開発が郊外部で積極的に行われた。しかし,これらのニュータウンはバブル崩壊以降,高齢化や空き家・空地の増加などの問題を抱えることになった。これらの問題を抱えたニュータウンの再編成の過程を捉えることは,今後の住宅団地の開発にとって重要である。本研究では,空地が卓越したニュータウンの再生に着目する。茨城県県南地域は首都圏の最縁辺部に位置しており,常磐線沿線を中心に様々な規模で宅地開発が行われた。対象地域である茨城県土浦市おおつ野地区は比較的後期に宅地開発が行われ,長期間の開発の停滞とその後の大規模医療機関の進出による宅地の再生を経験した。本研究ではおおつ野地区におけるニュータウン開発の事例から,人口減少期におけるニュータウンの再生の現状を考察することを目的とする。おおつ野地区は田村・沖宿土地区画整理事業によって開発が行われた。この造成事業は1990年に始まり,一括業務代行方式によって当時の川鉄商事(現JFE商事)が開発し,2000年に事業が完了した。しかし,事業完了はバブル崩壊以降であったことから,住宅用地の購入者は少なく,空地が目立つ状態であった。 そのような状況が転換したのが,2013年の土浦協同病院の移転の決定である。土浦協同病院は災害リスクが低いこと,街路やインフラが整備されていたこと,国道354号バイパス線の開通により,県南・鹿行各地域からのアクセスが向上したこと   などを理由に,移転先をおおつ野地区に決定した。 また,土浦協同病院の付属施設である保育園,看護専門学校,関係施設である薬局なども相次いでおおつ野地区へ移転した。加えて,土浦協同病院の移転の決定以降,不動産開発が再開し,スーパーマーケットやホームセンターなどの商業施設も地区内に進出した。土浦協同病院の移転以降,おおつ野地区には高齢者,医者,看護師などの転入が進み,2008年時点では200世帯ほどであったが,現在は約500世帯まで増加した。おおつ野地区では分譲開始以降に自治会が組織され,老人会,防災訓練,防犯パトロール,子供育成会などの活動を実施している。 一方で,急激な世帯の増加により活動が硬直化し,住民の関係性も希薄化していることが課題となっている。住民のおおつ野地区への転入動機として,良好な子育て環境,定年後の居住地,などがあげられる。また,職場は土浦市内や県内各地域に位置していた。住民は病院移転による商業施設やバスの便数の増加に恩恵を感じている一方で,中心市街で買い物を行うためそのような影響が少ないという意見もあった。
著者
柳本 史教
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2017-04-26

平成30年度は以下の研究項目を実施した. 1. 平成29年度に実施したシアリップ形成試験結果の分析:複数の温度,負荷応力で実施したシアリップ形成を伴う脆性亀裂伝播試験に手えられた破面を非接触型3次元形状測定機を用いて解析した結果を分析し,シアリップ厚さの定量化を行った. 2. 亀裂先端近傍応力場決定因子の解明:従前より実施していた有限要素解析を用いた亀裂先端近傍応力場の解析を引き続き実施し,非定常効果や速度による影響を取りまとめた. 3. 脆性亀裂アレスト予測理論モデルの開発:上記1,2の成果およびこれまで実施してきた研究の内容を統合し,物理的根拠に立脚した脆性亀裂アレスト予測数値モデルを開発し,その妥当性を検証した.その結果,従来の理論モデルのような非現実的な家庭を導入することなくアレスト現象を再現することができることが示された. 4. 透明樹脂を用いた3次元構造中の亀裂伝播観察:実験難易度,コストの観点から実験趣旨を変更することなく透明度が高い弾性体であるアクリル樹脂を用いた高速き裂に対する3次元構造因子の影響について実験的に調査を行った.なお,当初想定していた3次元Application phase有限要素解析は計算コスト上現実的ではないことが研究途上で明らかになったことから実施せず,3次元効果についてはシアリップ形成試験結果を整理することに注力した.上記のうち,1の成果及び2,3の成果をそれぞれ取りまとめ2連報の論文としてすでに破壊力学に関する国際論文誌に投稿している.また,4については破壊に関する国際学会22nd European Conference on Fractureにて発表を実施済みである.
著者
小早川 悟 高田 邦道
出版者
公益社団法人 日本都市計画学会
雑誌
都市計画. 別冊, 都市計画論文集 = City planning review. Special issue, Papers on city planning (ISSN:09131280)
巻号頁・発行日
vol.38, no.3, pp.355-360, 2003-10-25
参考文献数
4
被引用文献数
1

現在の道路交通問題は、事故、渋滞、路上駐車、沿道環境、地球環境まで多岐に及んでいる。わが国の都市内交通対策では、1)路上駐車車両の道路空間占有が交通渋滞の大きな原因となっている、2)路上駐車車両総数における荷さばき目的の貨物車の占める割合が高い、3)顕在化している自動車需要の中で貨物車の占める割合は概ね40%と高い、4)地球温暖化の原因とされるCO2の総排出量の約20%、東京などの大都市圏では約36%が自動車交通で、物流による寄与量は半分以上と言われている、5)主要都市間の物流は企業自身で合理化という観点からコントロールできにくい複雑な要素を抱えている、などの理由から物流対策が重要であるとされている。 この課題に対して、路上に存在する貨物車対策として路上駐車車両を路外に転換させることが、道路交通の秩序化のためにも、また端末物流のシステム化のためにも必要である。そのための路外および路上の荷さばき施設の設置や路外転換を試みる社会実験が各地で行われてきている。貨物車を考慮した路上駐車対策は様々な場面で必要とされており、社会実験等でその効果の把握も行われてきてはいるが、実際にポケット・ローディング(PL)のような路外駐車施設を設置する場合に、どのような場所にどのように配置していけばよいかといったような解析を地区レベルで行っていくことは未だ不十分でその解法はない。 そこで、本研究では、練馬区において実施した路上荷さばき車両の路外転換実験の調査結果をもとに、特に近隣商業地を対象とした路外荷さばき施設の配置計画を検討し、社会実験の結果から配置計画の考え方の再考を行った。その結果、路上駐車の多く存在する商店街通りにおいて、PLからの横持ち距離を 100mとして200m毎に直線的に配置を行った路線型の配置計画では、十分な効果を得ることが不可能であり、特定の地区における車両の走行規制なども含めた総合的な交通対策として路外荷さばき施設を配置していく必要があると考えられる。
著者
中場 勝 結城 和博 佐藤 久実 佐野 智義 櫻田 博 本間 猛俊 渡部 幸一郎 水戸部 昌樹 宮野 斉 後藤 元#森谷 真紀子#中場 理恵子#齋藤 信弥#齋藤 久美#小関 敏彦#工藤 晋平
出版者
山形県農業総合研究センター
雑誌
山形県農業研究報告 (ISSN:18834655)
巻号頁・発行日
no.3, pp.27-51, 2011-03

「山形100号」は,山形県立農業試験場庄内支場(現山形県農業総合研究センター水田農業試験場)において,良質の「山形75号」を母に,東北農業研究センターで育成したいもち病に強い「奥羽366号」(後の「ひゅらひかり」)を父に人工交配し選抜育成した水稲品種である.奨励品種決定調査において有望と認められ,2010年に山形県の奨励品種(認定品種)に採用された.熟期は育成地では"中生の晩"に属し,稈長は"中稈",草型は"中間"で,耐倒伏性は「ひとめぼれ」より強い"中"である.いもち病真性抵抗性遺伝子型は"Pia,Pii"と推定された.葉いもち圃場抵抗性は"強",穂いもち圃場抵抗性は"極強"である。障害型耐冷型は"強",穂発芽性は"やや易"である.「はえぬき」に比べ,玄米千粒重は3g程度重く,収量性は高い.玄米品質は乳白粒などの白未熟粒が多く発生しやや劣る.胴割程度は,「ひとめぼれ」並に低く,「雪化粧」より明らかに低い.試験醸造の評価は,雑味がなくすっきりと淡麗な酒質となり,甘口,辛口など様々なタイプの酒に対応でき,掛米用として醸造適性に優れる.山形県における栽培適応地帯は,平坦地域から中山間地域で,普及見込み面積は500haである.
著者
中山 勝之 坂村 芳孝
出版者
一般社団法人 日本航空宇宙学会
雑誌
日本航空宇宙学会論文集 (ISSN:13446460)
巻号頁・発行日
vol.56, no.655, pp.363-369, 2008 (Released:2008-08-27)
参考文献数
22

The present paper reports the result of a numerical study on efficient solution-adaptive grid refinement algorithms for simulating unsteady flows with discontinuities. We implement a flow feature detection algorithm originally developed for quadrilateral grids by Aftosmis and Kroll (AIAA Paper 91-0124, 1991) to achieve efficient adaptation for triangular grids for simulating strongly unsteady flows with moving discontinuities such as shock waves and contact discontinuities. In their algorithm, the detection of strong shock waves is isolated from that of other smooth flow features, and the threshold for grid refinement is automatically tuned based on the statistics of grids in the smooth flow feature detection step. We illustrate the performance of the algorithm with numerical results for two benchmark problems (shock tube and double Mach reflection problems) of two-dimensional unsteady flows.