著者
井上 達紀
出版者
早稲田大学
雑誌
萌芽研究
巻号頁・発行日
2006

インターネット上のB2Cショッピングサイト、そのトップページ(HTMLとして書かれた文字情報)を収集し、ショッピングサイトと定義づけられるキーワードを抽出した。抽出したキーワードは、おおまかに、検索・商品紹介・カート・量・ログイン・発注決済配送・カスタマサービスに関する説明・運営会社に関する説明・法的な説明・ユーザナビゲーション・コミュニティ、へと分類される。得られたキーワードは英語・フランス語・韓国語・ベトナム語・中国語(繁体字と簡体字)に翻訳した。また、その翻訳者から該当するキーワードがネイティブなショッピングサイトで使われているかどうかの意見を得た。多言語への切り替え機能に関しては、日本発の多言語に切り替えることのできるB2Cショッピングサイトは、ユニクロ・無印といった多国展開しているグローバル企業以外は、あっても日英のみであり、3ヵ国以上の切り替えはほとんどみあたらなかった。英・中・韓・仏・越のうち、日英の次に多い多言語B2Cサイトは日中であった。また、他国語のページは、日本語のサイトがそのまま翻訳されたものではなく、むしろ、各国向けにローカライズされたものがほとんどであった。本調査研究により、インターネット上のB2Cショップが提供しているショッピング機能を、自動巡回ソフトによる蓄積された文字情報をもとに数量化・統計情報化する礎を構築できたと考えている。
著者
田中 きく代 阿河 雄二郎 竹中 興慈 横山 良 金澤 周作 佐保 吉一 田和 正孝 山 泰幸 鈴木 七美 中谷 功治 辻本 庸子 濱口 忠大 笠井 俊和
出版者
関西学院大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2008

本研究は、海域史の視点から18・19世紀に北大西洋に出現するワールドの構造に、文化的次元から切り込み、そこにみられた諸関係を全体として捉えるものである。海洋だけでなく、海と陸の境界の地域に、海からのまなざしを照射することで、そこに国家的な枠組みを超えた新たな共時性を映し出せるのではないか。また、海洋を渡る様々なネットワークや結節点に、境界域の小さな共同体を結びつけていくことも可能ではないか。このような着想で、共同の研究会を持ち、各々が現地調査に出た。また、最終年度に、新たなアトランティック・ヒストリーの可能性を模索する国際海洋シンポジウム「海洋ネットワークから捉える大西洋海域史」を開催した。なお、田中きく代、関西学院大学出版会、日本学術振興会科学研究費補助金基盤研究(B)研究成果報告書『18・19世紀北大西洋海域における文化空間の解体と再生-「境界域」の視点から-』を、報告書として刊行している。
著者
岡本 さえ
出版者
東京大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究所紀要 (ISSN:05638089)
巻号頁・発行日
no.115, pp.p1-60, 1991-03

本題目将按照以下順序進行研討:(一) 禁書著者的剖析(二) 禁書的標準―清朝政府的論理―(三) 有関異端思想的事件―文字之獄和四庫全書―(四) 査禁的全貌(五) 対中国思想的影響(一) 禁書著者的剖析第一章 主張「実学」的明末士大夫在禁書著者之中,所謂「実学」派是最積極反対満州族的南下的士人。他們熟知敵人的実力,主張応該使用西洋火器,訓練精兵,戦略上主張据点防衛,否認広域防衛。他們厭悪党争,反対伝統制夷狄的方法。他們中的大部分対西洋文化抱有濃厚的興趣,不只是積極地導入数学、天文学、力学、水利学、軍事学等的技術科学,並且介紹論理学、倫理学、哲学、天主教等的文化。他們「致用」「実用」的観点,不只是対軍事,同時也貫徹在和防御没有直接関係的領域。
著者
飯沼 恒一
出版者
日本エアロゾル学会
雑誌
エアロゾル研究 (ISSN:09122834)
巻号頁・発行日
vol.18, no.1, pp.9-14, 2003-03-20 (Released:2007-11-27)
参考文献数
27
被引用文献数
1

1 0 0 0 IR 弐臣論

著者
岡本 さえ
出版者
東京大学東洋文化研究所
雑誌
東洋文化研究所紀要 (ISSN:05638089)
巻号頁・発行日
no.68, pp.p101-177, 1976-03

Cet article se propose de mettre en lumiére ce qu'ont été les Erchen de la Chine du 17 éme siècle-fonctionnaires chinois qui servirent les deux dynasties Ming et Qing.L'article se compose de quatre parties.Dans la premiére, on trouvera une classification des Erchen en quatre groupes selon le processus de leur apparition:1°Erchen militaires soumis aux Mandchous à l'époque des Ming (avant 1644)2°Erchen militaires soumis au début des Qing (aprés 1644)3°Erchen lettrés du Nord4°Erchen lettrés du Sud(une liste des Erchen est annexée à l'article)Dans la seconde partie est exposée leur activité sous les Mandchous.Les Erchen, comme chefs militaires (groupes 1°set 2°) et comme hauts fonctionnaires (groupes 3°et 4°), apportèrent leur expérience d'experts à la politique intérieure des Qing et sauvèrent beaucoup de compatriotes au cours des luttes entre les oppresseurs et les opprimés.La troisième partie traite de 1'attitude des Mandchous vis-à-vis des Erchen.Les Mandchous, accordant la préférence à la politique militariste et raciste, oppèrent un filtrage et destituèrent les esprits libres, nombreux chez les groupes 3°et 4°.(Il faut noter que les Erchen militaires considérés comme dissidents ont été exclus des Erchen par les Mandchous et tous tués sous le nom de Nichen 逆臣.)La quatrièe partie expose l'état d'esprit des Erchen d'après leurs écrits.Les Erchen sont une élite du temps des Ming marquée par la formation"utilitariste"致用主義.Si obéissants aux Mandchous qu'ils soient, ils gardaient l'esprit critique qu'ils avaient acquis avec leurs idées"utilitaristes."Cette liberté d'esprīt leur coûta à cette époque, leur carrière politique et à l'époque suivante, provoqua l'interdiction de leurs écrits en Chine.Un autre article exposera les raisons qui ont poussé les Mandchous à condamner"l'esprit dangereux", c'est-à-dire, a interdire beaucoup de livres 禁書 de l'époque précédente y compris les écrits des Erchen.
著者
内田 耕一 寺井 崇二 山本 直樹 飯塚 徳男 坂井田 功
出版者
山口大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

我々は漢方薬・防風通聖散(TJ-62)および大柴胡湯(TJ-8)の非アルコール性脂肪性肝炎(NASH)に対する治療効果の検討のため、ラットコリン欠乏性脂肪性肝炎・肝硬変モデルを用いて実験を行なった。防風通聖散投与群および大柴胡湯投与群は肝線維化を有意に改善した。肝星細胞の活性化を有意に抑制した。また肝発癌については前癌性病変のマーカーであるGSTP蛋白の発現が、防風通聖散投与群と大柴胡湯投与群では有意に抑制した。これらの漢方薬での結果を2008年11月米国、サンフランシスコで開催された第95回アメリカ肝臓病学会でそれぞれ発表した。
著者
後藤田 貴子
出版者
徳島大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

本研究はシンナーを吸引する人における肝障害について検討することである.トルエン序在下で培養したヒト肝癌細胞で障害が認められ,トルエンを吸入させたラットの肝臓でも障害が認められた.また,ラットのトルエン吸入群で肝線維化が認められ,肝線維化に影響を及ぼす因子も増加していた,よって,トルエンが直接,肝細胞の障害を引き起こし,さらに,トルエン吸入により肝線維化に影響を及ぼす因子が活性化することにより,肝」臓に線維化をもたらす可能性が示唆された.
著者
田口 真 吉田 和哉 中西 洋喜 高橋 幸弘 坂野井 健
出版者
国立極地研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

惑星大気・プラズマの光学的リモートセンシングを目的とした気球搭載望遠鏡システムを開発した。アルミ角材で構成されるゴンドラを設計・製作した。望遠鏡、太陽電池パネル、PC及び高圧電源を収納する気密容器、ジャイロ(CMG)を収納する防水容器、デカップリング機構がゴンドラに取り付けられる。CMGとデカップリング機構の制御によって、目標精度である約0.2°でゴンドラの姿勢を制御できることが確認された。望遠鏡の光路を波長帯で分け、中心波長400nm及び900nmのバンドパスフィルターを通して別々のCCDビデオカメラで撮像する。経緯台制御によって星像を約0.01°の精度で追尾できることを実験で確認した。望遠鏡視野に天体を捉えたのちは、星像位置検出用光電子増倍管からの出力をフィードバックして2軸可動ミラーマウントを制御することで、星像を視野中心に安定化できることを確認した。追尾性能向上のため、サンセンサーの視野をやや広くし、ガイド鏡の視野をやや狭くする改良を施した。ゴンドラ重量は約300kgとなった。電源は太陽電池から約250Wを供給するが、ニッケル水素充電池でノミナル消費電力を2時間まで供給することが可能である。ニッケル水素充電池の低温特性を測定し、性能に問題ないことを確認した。太陽電池と組み合わせた充放電回路を設計・製作した。熱真空試験を実施し、成層圏環境下で問題なく動作することを確認した。将来、北極で本格的な実験を実施するための調査として、ESRANGEの気球実験担当者と打ち合わせた。10月には実際にスウェーデン・キルナにある気球実験フィールドを視察した。これまでの開発成果を国際学会や国内学会・シンポジウムで発表した。また成果をまとめてAdv.Geosci.誌に投稿し受理された。
著者
佐藤 博信 松浦 尚志 都築 尊 松永 興昌 片渕 三千綱 生山 隆
出版者
福岡歯科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2004

老年性骨粗鬆症モデルマウス(SAMP6)の下顎骨が骨粗鬆症様の骨の性質を有する可能性を組織学的および生化学的に検証した.コントロールマウス(SAMR1)と比べると,SAMP6の下顎骨は骨形態計測学的に骨量が少なく,骨基質の透過型電子顕微鏡像で明らかなコラーゲン線維の狭小化が認められた.両マウスの下顎骨の骨基質の生化学分析によると,その大部分はI型コラーゲンであった.SAMP6の下顎骨は,SAMR1に比べ,基質中のコラーゲン量が少なく,またコラーゲンの翻訳後修飾の一つであるハイドロキシリシンの量が多く認められた.リシンのハイドロキシル化が亢進するとコラーゲン線維の狭小化が起こることが報告されており,SAMP6の下顎骨のコラーゲンに認められるコラーゲン線維の狭小化はおそらくリシンのハイドロキシル化の亢進が関与しているものと推察された.リシンのハイドロキシル化の亢進は,同マウスおよび骨粗鬆症患者の大腿骨でも認められることが報告されており,骨粗霧症の骨質に大きく関与するコラーゲン性状に,コラーゲン翻訳後修飾の一つであるリシンのハイドロキシル化が寄与している可能性が示唆された.本研究の結果から,老年性骨粗鬆症モデルマウスの下顎骨は骨量的にも骨質的にも骨粗鬆症様の性質を有していることが明らかとなった.骨粗鬆症患者の顎骨も量的のみならず質的に低下している可能性が考えられ,今後の臨床研究により骨粗鬆症患者での傾向を明らかにしていくとともに,ゲノム解析による骨質診断法の確立とそれに対応した歯科治療の開発へと発展させていける可能性が見出せた.

1 0 0 0 OA 不死鳥

著者
松永 和介
出版者
公益社団法人日本船舶海洋工学会
雑誌
日本造船学会誌 (ISSN:03861597)
巻号頁・発行日
no.659, 1984-05
著者
野村 新
出版者
大分大学
雑誌
一般研究(C)
巻号頁・発行日
1992

教育はその国や地域の歴史や伝統など文化の上に構想されねばならない。沖縄には歌や踊り、漆器や織物など豊かな伝統文化があるが、沖縄の教育が本土並の学力の育成を追求するあまり、伝統文化と無関係に学校教育が実践されることが起こりかねない。本研究では具体的な学校教育のなかで、沖縄の民謡や民踊、棒術などを授業や学校行事などに取り入れながら、学力形成の在り方を追究するもので、沖縄の歴史や文化を調査するとともに、浦添市立宮城小学校・宮城幼稚園の教師たちと共同で授業や学校行事などの立案・実践・分析はもとより、研究者自身も授業や身体的表現活動を指導して研究を深めた。特に1992年10月の運動会では、行進や野外劇、創作舞踊など、沖縄の曲やリズムや踊りの「結い回る」や「エーサー」、「カチャシー」を取り入れ、伝統武術の「棒術」などを種目として取り上げた。1993年2月の学芸会にも「エーサ」や「さびら」などの沖縄のリズムと踊りと「沖縄空手」や沖縄の民話「きじむなー」を基盤に、「かさじぞう」を初め「ペルシアの市場にて」や「走れメロス」のオペレッタを上演した。また研究者自身が沖縄をテーマにした150行の叙事詩「不死鳥の如く」を書き、それに梶山正人(千葉経済短期大学教授)が沖縄固有の曲と中国の曲を基調とした作曲をして表現活動の実践させるなど、沖縄の伝統的な唄や踊りのリズムと本土の民話や欧米調の物語や曲想との結合と、歌や身体的表現活動と教科の授業を関連させて学力の育成を試みた。研究の結果、子どもたちに構成・演出・表現などで多面的に追究する思考力や創造性や感性や社会性が育ち、追求力や集中力、持久力や自立心や耐性などの精神的な意志力の形成が顕著にみられ授業や学級活動との相互関連性のなかで学力が充実するなど、伝統文化を教育に生かす方向性をとらえることができた。
著者
紺野 茂樹
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2005

まず取り組んだのは、「苦しむことを望まない」という、全人類に共通する属性に依拠する、「共苦の連帯」の反対物である、排外主義的民族主義の分析である。集団的な「些細な差異に拘るナルシシズム」(フロイト)に基づく、この排外主義的民族主義は、1930年代から40年代にかけて猛威を振い、冷戦後、世界各地で不死鳥のように蘇った。その最も陰惨な形が、90年代の旧ユーゴやルワンダ等における、そしてイスラエルによる現在進行形の、「民族浄化」である。具体的には、まずは従来から親しんできた、30年代から40年代にかけての『権威と家族』をはじめとするフランクフルト学派とその周辺の思想家達による、ファシズム-ナチズムおよび反ユダヤ主義の分析や、丸山眞男による天皇制軍国主義の分析等を繙き、今日でも学ぶに値する洞察にアクセントを置いて、再構成した。これらの社会心理学的研究で展開されているのは、マルクスの唯物論とフロイト精神分析の総合を目指して行われた、ファシズムの大衆=群衆心理分析である。しかし大いに驚いたのは、この30-40年代の大衆=群衆心理のかなりの部分が、90年代以降の日本のそれも含めた排外主義的民族主義において、反復しているという点であった。更に、他者の苦しみに対する想像力として、これまでのホルクハイマー-ショーペンハウアーにおける「共苦(Mitleid)」に加えて、ルソーにおける「憐れみ(pitie)」やスコットランド啓蒙における「同感(sympathy)」の思想史的・現代的意義と問題性についても、イグナティエフやマルガリートといった、現在存命中の内外の思想家による研究と照らし合わせながら探究した。そして、この過程の中で、これまではあまり視野に入っていなかった、世界人権宣言をはじめとする、人権を国家の枠組みを超えて普遍化しようとする、国際法上の試みにも取り組み始めた。
著者
田中 勝
出版者
豊田工業高等専門学校
雑誌
奨励研究(A)
巻号頁・発行日
1994

まちづくりの出発点は住民参加であり、学校や家庭、地域社会などのあらゆる場で適切なまちづくり教育が行われていく必要がある。本研究は、まちづくり教育の先進国である英国を日本のモデルに位置づけ、(1)都市・住宅事情史とその社会的背景、(2)小中学校におけるまちづくり教育の実践と評価の2点について日英比較を行った。研究成果を要約すると、以下の如くである。1.英国のまちづくり教育は自然環境保護に出発し、社会改善運動の歴史の中で都市環境教育をも含めた環境教育の一分野として確率した。特に産業革命後の急速な都市化に対する都市計画の中で、初等教育や社会教育におけるまちづくり教育の意義(プル-デンレポート、スケフィントンレポート)を常に確認していた点が日本とは決定的に異なる。2.英国独自の教育体系とカリキュラムの中でまちづくり教育に関する多様な提案や実験が行われている。レディング大学では環境教育の指導者育成と情報交換を行い、ロンドンのア-バンスタディセンターではコミュニティにおける都市環境教育の拠点として最新の情報提供や教材作成(ア-バントレイル)を行っている。アイアンブリッジに代表されるエコミュージアム手法を用いたまちづくり教育は、小中学生に都市の時間的な変容と空間体験をしてもらう意味で極めて有効であり、わが国でも既存の凍結的博物館施設をエコミュージアムとして再生していくことが望まれる。3.英国に比べて日本の都市・住宅事情は戦後にドラステックな変貌を遂げ、その多様な内容が教育現場で適切に把握されていない状況にある。まちづくり教育は環境教育の中では全く新しい概念であり、現実の都市計画と連動していない点にも問題がある。4.豊田市のまちづくり副読本を作成するために市内小中学校の校歌を収集し、その中から市民の環境イメージとしての都市景観要素(猿投山や矢作川、逢妻川)を抽出した。
著者
中牧 弘允 住原 則也 塩路 有子 澤野 雅彦 廣山 謙介 日置 弘一郎
出版者
国立民族学博物館
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2001

最終年度にあたるため、イギリスでの補足調査を実施するとともに、研究成果のとりまとめをおこなった。報告書には日本語版と英語版を掲載した。(1)宗教共同体に関しては、三井がクエーカ-の企業体であるロウントゥリー(ヨーク)の調査を継続し、クエーカーのダービー家によって創始された製鉄業の象徴的建造物であるアイアンブリッジを訪問した。(2)企業博物館に関しては、中牧、広山がストーク・オン・トレントとバートン・アポン・トレントでそれぞれ陶器業と醸造業の補充調査を実施した。ケリーはバートン・アポン・トレントに合流するとともに、他の醸造業の博物館についても調査を実施した。住原とセジウィックはスコットランドで昨年度着手した蒸留酒のビジターセンターについて補充調査を実施した。廣山、中牧、ヘンドリーはロンドンでウエルカム財団ならびにその資料を展示した大英博物館企画展の調査を実施した。澤野はレディングでハントゥリー&パーマー社の補充調査をおこなった。(3)観光産業の経営文化に関しては、塩路が引き続きコッツウォルズ地域を対象に、とくに陶器をめぐる産業と家庭と関係について補充調査を実施した。(4)マツナガは長期滞日中のため現地調査はおこなわなかったが、報告書の英語版の監修に当たった。(5)日置は勤務校の責務のため、現地調査を実施しなかった。(6)オックスフォード・ブルックス大学でミニ・シンポジウムを開催し、メンバー以外の研究者や学生の参加を得た。
著者
香取 眞理
出版者
物性研究刊行会
雑誌
物性研究 (ISSN:05252997)
巻号頁・発行日
vol.82, no.2, pp.220-228, 2004-05-20

本研究会で報告された確率過程・確率モデルのうち,1次元非対称単純排他過程(笹本氏),多核成長模型(今村氏),弱磁場量子グラフ(齊藤氏),Randomly Triangulated Surface(守氏)などは,いずれもランダム行列理論と関係が深い.本講演では,Dysonによるブラウン運動模型の考え方に従ってランダム行列の理論を紹介し,エルミート行列値過程の固有値の成す確率過程が非衝突拡散粒子系として実現されることを説明した.講演では,時間的に非斉次な場合の非衝突拡散粒子系も,ブラウニアン・ブリッジを用いることによって構成できること,またそれらがPandey-Mehtaの2層行列模型と関係することなどにも言及した.