著者
桑原 浩平 窪田 英樹 濱田 靖弘 中村 真人 長野 克則 池田 光毅 谷地 誠 南沢 慶一
出版者
北海道大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

芝生や路上で気候要素の垂直分布(50, 100, 150cm)の測定を行なった。50cmの気温と環境グローブ温(長波放射のみ考慮)は150cmよりも高いが,気温と環境グローブ温はほぼ等しいため,環境グローブ温の垂直分布は長波長放射よりも気温の影響が大きい。また吸汗速乾素材と綿素材の衣服が生理心理反応に及ぼす影響を評価するために被験者実験を行った。速乾素材の方が汗による着衣重量増加量は有意に少なかったが,平均皮膚温や不快感には有意な差が見られなかった。
著者
北脇 秀敏 藤野 毅 押谷 一 藤田 賢二 御船 直人
出版者
東洋大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1998

1.廃棄物の鉄道輸送状況調査国内・国外の廃棄物の鉄道輸送状況調査を行い、鉄道輸送における技術的・制度的問題点を検討した。2.廃棄物の広域輸送の経済学的視点からの検討これまでの廃棄物処理の基本的な考え方は排出者費用負担の原則を踏まえて、排出域内処理を基本とされてきた。本研究では経済学的な視点から広域処理の問題点を示すとともに、地域計画論の視点から広域輸送方法の選択および処理施設の立地についても基本的な考え方を整理した。3.大規模処分場が環境に与える影響の検討廃棄物によって大規模埋め立てが生じた場合、従来の舗装では微気候が変化し、温暖化がもたらされるが、保水性ブロックや舗装を適用すると自然の土壌と同様な熱環境を維持することや、現在の都市表面が修復された場合のエネルギー効果についても明らかにした。この他、様々な利用法の1つとして家屋の屋根材としての適用場合の効果についても示した。4.わが国の廃棄物鉄道広域輸送のあるべき姿の検討鉄道による廃棄物の広域輸送が健康と環境の保全に果たす役割を整理し、鉄道広域輸送のあるべき姿を検討した。
著者
金井 明人 向山 和臣 小方 孝 川村 洋次
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告人文科学とコンピュータ(CH) (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.2000, no.67, pp.9-14, 2000-07-21
被引用文献数
3

本論文では,映像の修辞(映像の作者がある目的を持って映像技法を組み合わせること)に関する認知プロセスモデルを基に,映像に使用されている修辞と認知的効果の分類を,特に,物語内容との関係に注目して行なう.また,その分類を利用したコンピュータによる映像生成について検討する.実験では同じ物語内容から,映像による認知的効果の強度に対する戦略に応じた,複数の映像の修辞の生成を行なう.The rhetoric of the film means the combination of the film techniques based on a film director's purpose. In this paper, we especially consider the relationships between the rhetoric of the film and the story. The rhetoric of a film and its cognitive effects can be classified by using the cognitive process model. Film generation by computer technology based on the classification of the rhetoric is proposed. We generate different types of the rhetoric from the same story according to a strategy for intensity of cognitive effects.
著者
瀧田 詔生
出版者
中京大学
雑誌
中京大学体育学論叢 (ISSN:02887339)
巻号頁・発行日
vol.34, no.2, pp.77-89, 1993-03-15
著者
成田 伸 齋藤 良子 小川 朋子 角川 志穂 段ノ上 秀雄 野々山 未希子 鈴木 幸子 野々山 未希子 工藤 里香 水流 聡子
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2010

本科研の避妊・性感染症予防カウンセラー育成プログラムを受講した助産師の実践評価を目的に、プログラムに参加しその後病院で産後の女性へのケアを行ってきた助産師 9 名を対象にグループインタビューを行い分析した結果、産後入院期間が短く、避妊に関しては集団で簡単に話すのみで、性感染症の話題はない等の現状が明らかになった。今後は、これらの対象者により近い場で活動している薬局の薬剤師との連携等、情報アクセスで新たな展開が必要と明らかとなった。
著者
成田 新一郎 徳田 元
出版者
京都大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2010

グラム陰性細菌のリポ蛋白質は細胞質で前駆体として合成され、Sec膜透過装置の作用で内膜を透過した後、内膜に存在する酵素群の作用で成熟体となる。Lntはリポ蛋白質生合成の最終段階でアミノ末端システインのアミノ基にアシル鎖を付加する酵素である。Lntはグラム陰性細菌の生育に必須であると考えられていたが、本研究ではリポ蛋白質特異的ABCトランスポーターLolCDEを過剰発現させることにより、lnt遺伝子を欠失する大腸菌を作製することに成功し、アミノ末端にアシル鎖を持たない「アポリポ蛋白質」とリポ蛋白質輸送因子(Lol因子)との相互作用を解析した。
著者
ETO Masashi SONODA Kotaro INOUE Daisuke YOSHIOKA Katsunari NAKAO Koji
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
IEICE transactions on information and systems (ISSN:09168532)
巻号頁・発行日
vol.93, no.5, pp.1106-1116, 2010-05-01
被引用文献数
2

Network monitoring systems that detect and analyze malicious activities as well as respond against them, are becoming increasingly important. As malwares, such as worms, viruses, and bots, can inflict significant damages on both infrastructure and end user, technologies for identifying such propagating malwares are in great demand. In the large-scale darknet monitoring operation, we can see that malwares have various kinds of scan patterns that involves choosing destination IP addresses. Since many of those oscillations seemed to have a natural periodicity, as if they were signal waveforms, we considered to apply a spectrum analysis methodology so as to extract a feature of malware. With a focus on such scan patterns, this paper proposes a novel concept of malware feature extraction and a distinct analysis method named "<i>SPectrum Analysis for Distinction and Extraction of malware features</i>(<i>SPADE</i>)". Through several evaluations using real scan traffic, we show that SPADE has the significant advantage of recognizing the similarities and dissimilarities between the same and different types of malwares.
著者
西村 史子
出版者
和光大学現代人間学部
雑誌
和光大学現代人間学部紀要 (ISSN:18827292)
巻号頁・発行日
no.2, pp.79-91, 2009-03

日本の義務教育制度は、就学義務を原則としてきたが、近年の規制緩和の動向の中で、これは揺らぎつつある。1967(昭和42)年に導入された「義務就学猶予・免除者等の中学校卒業程度認定試験」は、当初は養護学校での教育もままならない病弱・虚弱の児童生徒に高等学校進学の希望を与えるための例外的措置であったが、養護学校の義務化、不登校生徒児童生徒や外国人子女への対策が講じられて、教育選択の自由を保障する一制度となっている。しかしながら現在では、むしろ日本の義務教育学校を利用できない、あるいはそれから除去された裕福ではない外国人子女に後期中等教育機関への進学を保障する救済機能を果たしつつあり、その教育費用の支弁の在り様を、日本国憲法の「義務教育の無償」規定を改めて見直しながら検討する段階を迎えている。
著者
片山 博昭 星 正治 グラノフスカヤ エヴィゲーニャ シンカレフ セルゲイ アプサリコフ カズベック グロシェ ベルン 武市 宣雄
出版者
(財)放射線影響研究所
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

研究協力者であるロシア連邦医学生物庁ブルナシヤン医学生物物理学センター・グラノフスカヤ研究員と線量推定のためのデータについて協議を行い、1949年1月1日から1962年12月31日までの核実験場周辺住民(14, 826人)の居住歴・職歴等の情報を疫学解析用データベースから抽出しグラノフスカヤ研究員に提供した。グラノフスカヤ研究員はこのデータを用いて個々の線量推定を開始した。2012年1月にグラノフスカヤ研究員を広島に招聘し、線量推定方式に関して再度打ち合わせを行った。また、広島大学主催の国際シンポジウムで疫学解析用データベースから抽出した被曝者の個人被曝線量推定に関してグラノフスカヤ研究員が発表を行った。
著者
渡辺 重佳
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.86, no.6, pp.658-660, 2003-06-01
被引用文献数
18

動作時の微細MOSFETのゲートリーク電流が低消費電力用2電源(V_H,V_L)方式に及ぼす影響について解析した.ゲートリーク電流によるシステムLSIの動作時の消費電力は従来の充放電による消費電力同様にV_L/V_H=0.6〜0.7で最小になり,消費電力の削減効果は充放電のときよりも更に15%程度大きくなる.
著者
白石 正 川合 由美 布施 明美 大谷 和子
出版者
Japanese Society for Infection Prevention and Control
雑誌
日本環境感染学会誌 = Japanese journal of environmental infections (ISSN:1882532X)
巻号頁・発行日
vol.23, no.2, pp.124-128, 2008-05-23
被引用文献数
3 3

従来から術前の手洗いは,4%グルコン酸クロルヘキシジンなどのスクラブ製剤を使用して行われているが,米国疾病管理センター(CDC)のガイドラインでは,速乾性擦式消毒薬を用いたウォーターレス法を推奨している.そこで,4%グルコン酸クロルヘキシジンスクラブ剤と0.5%グルコン酸クロルヘキシジンエタノール剤の手指消毒効果について看護師22名を対象にグローブジース法にて比較するとともに2製剤を使用した場合の経済効果を併せて検討した.その結果,消毒直後および消毒3時間後では2製剤間に有意差は認められず,2製剤の同等性が認められた.また,経済効果では,スクラブ製剤に比較してエタノール製剤のコスト低下が認められた.<br>
著者
鈴木 慎一朗 奥 忍
出版者
岡山大学教育学部附属教育実践総合センター
雑誌
岡山大学教育実践総合センター紀要 (ISSN:13463705)
巻号頁・発行日
vol.5, pp.57-67, 2005

本稿の目的は、黒澤隆朝・小川一朗編『標準師範学校音楽教科書』(1938)の歌曲を概観することによって、国定師範学校教科書が発行される直後の検定済教科書における歌曲の特徴と傾向を明らかにすることである。『師範音楽 本科用巻一』(1943)との比較を通して、以下の3点が明らかとなった。①『標準師範学校音楽教科書』は、歌曲の他、器楽、鑑賞、音楽理論、音楽基礎の分野を含み、編纂された教科書である。②8割近くの歌曲は、西洋の作品ないしは西洋の民謡であり、それらの歌詞は原曲の翻案か、新しく作られた日本語の詩である。③ミリタリズム志向の歌曲教材には、4/4拍子、 、弱起、長調の行進曲が適用されている。The purpose of this study is to examine the characteristics of songs in "Hyojun Shihan Gako Ongaku Kyokasho (Music Standard Textbook for normal schools)"(1938) authorized by the Ministry of Education normal schools. The following results were obtained by comparing with "Shihan Ongaku"(1943) designated by the goverment: 1) "Hyojun Shihan Gako Ongaku Kyokasho" was a textbook which contains songs materials, instrumental music, listening, music theory, and sight singing. 2) About 80 percent of the song materials were occupied by Western folk songs and songs composed by the European composers. However, lyrics of these songs were adapted from the originals or newly written in Japanese. 3) Regarding military-oriented materials, Western marches with 4/4, doted rhythm, beginning in up-beat, and in major key were adopted.
著者
金子 毅
出版者
東京基督教大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

本研究の目的は、まず米国における技術文化スローガン「safety-first」の構築過程を解析し、そこに内在する精神性と、その輸入概念としての日本語の「安全第一」活動との相違を明示することにあり、具体的には自動車工業都市デトロイトの成立事情とプロテスタント教会及びこれを取り巻く信仰の変質の問題を論じる。考察の軸としたのは信者である事業経営者と牧師との間に生じた、信仰をめぐる葛藤とその局面である。具体的な考察対象としたのは、フォード社における信仰実践に与した人物として、S.S.マーキュス及び着任間もない若きラインホルド・ニーバーである。そこから明らかとなったのは信者である経営者の意図に沿った道徳へと信仰が左右され、さらに従業員の私的生活をも包摂する「奉仕」を容認する「経営宗教」による独自の経営倫理意識の構築と、これによる「フォーディズム」という生産管理の実態であった。そこには時代をめぐる二つの社会的要因が作用している。第一に、労働を取り巻くカトリックを含む移民と禁酒運動による米国市民化という教会外部からの要因である。第二に、教会と信徒教育を取り巻く内的要因であり、これは聖書に依拠したテキスト化に動機付けられた教育の変質を示唆する。以上より、プロテスタンティズムに内在する資本主義の精神性という仮説に依拠せずに労働をめぐる「奉仕」観の変質を捉え、そこから生じた「safety」という理念へと肉迫することが可能となる。「フォーディズム」成立の時代のもとでは、聖書における主体的な「safety」の構えは失われ、空洞化されたスローガン「safety-first」と化したといえよう。
著者
杉原 薫 園田 直樹 今福 太郎 永田 俊輔 指宿 敏幸 山野 博哉
出版者
日本サンゴ礁学会
雑誌
日本サンゴ礁学会誌 (ISSN:13451421)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.51-67, 2009-12-01 (Released:2010-08-07)
参考文献数
57
被引用文献数
12 18

高緯度域の造礁サンゴ群集は,地球温暖化による表層海水温(SST)の上昇や海洋酸性化といった地球規模での撹乱の影響指標として,現在注目されつつある。そこで本研究では,高緯度域の造礁サンゴに関する基礎データを収集することを目的として,鹿児島県甑島列島から島根県隠岐諸島にかけてみられる造礁サンゴの生息環境と群集構造の定量調査を2002年から2009年にかけて行った。その結果,生息種数と被覆率がともに高い造礁サンゴ群集は,どの海域でも波浪エネルギーが中程度で濁度が小さいと推定される地点(外洋に近い島陰あるいはやや遮蔽的な湾口)の水深10m以浅で多くみられた。また,これらの生息範囲は,緯度の増加に伴ってより波浪の影響の少ない内湾の浅海域あるいは外洋に近くても水深の深い環境へと局所化する傾向が認められた。甑島列島上甑島でみられた造礁サンゴ群集の優占種は,亜熱帯性の卓状・枝状Acropora(A. hyacinthusやA. muricata)と板状のPavona decussataであった。長崎県五島列島の福江島と若松島では,外洋側で温帯性の卓状Acropora(A. glauca, A. japonicaやA. solitaryensis)が,内湾側で被覆状~塊状種(Leptastrea pruinosa,Mycedium elephantotusやHydnophora exesaなど)と温帯性の枝状Acropora(A. tumidaやA. pruinosa)がそれぞれ卓越していた。長崎県壱岐と対馬では,温帯性の卓状Acropora種は全くみられず,塊状のFavia spp.と葉状~被覆状種(Echinophyllia spp.やLithophyllon undulatumなど)が大部分を占めていた。隠岐諸島では,塊状~被覆状のOulastrea crispata,Alveopora japonicaとPsammocora profundacellaの生息が確認されたのみで,これらの種は生息群体数も少なく散在的な分布を示す群集(個体群)を構成するに過ぎなかった。