著者
山田 努
出版者
東北大学
雑誌
若手研究(A)
巻号頁・発行日
2002

本研究計画の最終年度に当たる平成16年度には,石垣島およびニューカレドニアで行っていたシャコガイ飼育実験を終え,水槽内のシャコガイを採取した.石垣島での飼育実験は,平成14年夏から平成16年夏までの約2年間,ニューカレドニアでは,平成15年春から平成16年冬までの約1年半行った.ニューカレドニアのシャコガイ(シャゴウ2個体,シラナミ3個体,ヒレジャコ2個体)は,CITESに従がって日本に輸入し(CITES PERMIT No.:2004-NC-7329および7330),これらのシャコガイ殻について,成長線解析や同位体比分析を行った.パラオでの飼育実験は,パラオがCITESに加盟しておらず,シャコガイ殻の輸入ができないため断念した.代わりに,マレーシアで飼育実験を行う計画を立てたが,相手機関の協力が得られず実施できなかった.また,平成16年夏には,沖縄県与那国島で化石シャコガイ殻を採取した.石垣島吉原で飼育・採取した2個体のシャゴウの成長線解析・同位体比分析を行った.まず,全体の傾向をみるために,サンプル約10個毎に同位体比分析を行った.その結果,(1)日輪幅の変化の主な規制要因が日射量変化であること,(2)日輪幅変化に見られる負のスパイクが大雨や台風に襲来を反映している可能性が高いこと,(3)殻の炭素同位体比の変化は,水温・日射量・日輪幅と負の相関を示すが,共生藻の光合成活動やシャコガイ類の代謝活動などの生理学的過程が複雑に関与していること,(4)殻の酸素同位体比の変化は,水温変化と極めて強い負の相関を持ち,また,殻はほぼ酸素同位体平衡下で形成されること,が明らかになった.残りの同位体比分析を進めたところ,上記の成果をさらに支持する結果を得た.
著者
本多 克宏
出版者
大阪府立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2008

非構造的なテキストデータから有益な情報を抽出することを課題とし,線形ファジィクラスタリング(局所的主成分分析)に基づく標本や変量の分類,視覚化などを通して,分析者が潜在的な相関ルールを直感的に理解することができる分析手法の開発を目的に研究を行った.テキスト-単語マップ作成におけるキーワードの自動選別法や,ノイズ文書を無視しながら類似したテキストからなる群ごとに核となる文書を強調する手法などを開発した.
著者
井田 哲雄 MARIN Mircea
出版者
筑波大学
雑誌
挑戦的萌芽研究
巻号頁・発行日
2010

折紙における「折る]過程を研究し,以下の成果を得た.(1) 折る過程を抽象的に表現する代数的グラフ書換系を定義し,グラフ書換を記述・実行する言語処理系を開発した.(2) グラフ書換操作から代数系へと変換するアルゴリズムの開発とその正当性の検証を行った.(3) 研究の進展に応じてコンピュータによる折紙実行システムの拡張を行い,折紙幾何定理の証明の高速化と多くの定理の自動証明を可能とした.
著者
新保 健介
出版者
仙台市立金剛沢小学校
雑誌
奨励研究
巻号頁・発行日
2012

【研究目的】社会的事象間の関連を説明するには,社会的事象への仮説立てと検証が不可欠である。折しも平成23年度から,新学習指導要領が完全実施された。その要諦は「言語活動」である。社会科における言語活動は,収集した情報を比較・関連づけ・総合しながら再構成すること。考えたことを伝えて互いに深め合うこととしている。しかし,仮説無きままの児童による言語活動では効果はありえない。そこで(1)地図統計等資料の比較によって仮説立てや検証を行えるよう支援する。(2)確かな仮説立てや検証のための話し合い・討論等の言語活動を行い,コミュニケーションの中で理解を確立する。以上二点を踏まえた授業開発が本研究の目的である。【研究方法】・比較により児童の積極的な仮説立てを促す資料の収集児童が資料比較活動によって仮説を自ら立てられるようにした。そのために児童が仮説を立てやすい資料を〓〓く収集した。映像資料や画像資料の取材にあたって,高解像度デジタルカメラやビデオカメラを活用した。また授業において児童が資料を比較する上で視覚効果を高めた。・児童が社会的事象を総合的に捉えることができる言語活動案の作成授業における言語活動には(1)資料比較による仮説立て(2)仮説の検証という二段階を含ませた。具体的にはKJ法を用いて児童同士が互いの考えを伝え合い深める活動やイメージマップを活用して互いの考えを練り上げていく活動をとり入れた。授業内容はデジタルビデオカメラで撮影し,検証した。授業後には児童へアンケートを行い結果を検証した。・言語活動の位置づけと効果的指導過程の策定小学校社会科教科書の解説書をもとにカリキュラムを分析し,言語活動の活用手順を盛り込んだ指導計画ならびに指導案を作成した。【研究成果】研究の結果,資料比較活動によって児童が仮説を立てやすくなることが分かった。調査によって,全99名の児童からの結果により,資料提示によって仮説を立てやすくなった(96.9%)という結果を得た。また児童のノート記述から資料から事実と予想がはっきり記述されていた。そこで予想の検証という次の段階へつながりやすくなり、イメージマップ活用による検証を目的とした言語活動が明確な意義を持って行われた。社会科での仮説立てと検証を盛り込んだ授業が、目的が明確な言語活動づくりにつながったと考える。
著者
下妻 晃二郎 能登 真一 齋藤 信也 五十嵐 中 白岩 健 福田 敬 坂巻 弘之 石田 博 後藤 玲子 児玉 聡 赤沢 学 池田 俊也 國澤 進 田倉 智之 冨田 奈穂子
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

経済状況の低迷が続く多くの先進国においては、公的医療資源の適切な配分は、費用対効果などの合理的な社会的価値判断に基づいて行われている。日本では従来そのような仕組みがなかったが、2016年度から、高額な医療用製品を対象に政策への施行的導入が予定されている。本研究では費用対効果分析による効率性の向上にむけて技術的課題の解決を図り、同時に、効率性の追求だけでは疎かになりがちな公平性の確保を図るために考慮すべき、倫理社会的要素の明確化とそれを政策において考慮する仕組み作りを検討した。
著者
品川 哲彦
出版者
関西大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

本研究はグノーシス研究、生命哲学、未来倫理、ホロコースト以後の神学など多様な面をもつヨナスの哲学的経歴を統合的に理解することを目的とした。その生命哲学に含まれる目的論的自然観、存在と善を結びつける形而上学、グノーシス思想と近代哲学に自然からの離反という共通の欠陥をみる指摘、神学的思索はいずれもそれだけをとれば価値多元社会の現代では反時代的と批判されやすい。しかしその哲学は、人間以外の自然のみならず人間自身が技術的操作の対象と化している現状への危機感の表明である。本研究は、英独で発刊された書籍に収録された二編を含む七編の論文、依頼講演二回の学会発表を通じて上記のヨナスの現代的意義を示した。
著者
前田 富士男
出版者
慶應義塾大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2005

西洋絵画は近世以降、物語性に即して線描・明暗・色彩を統合して自然主義的な再現を実践してきた。しかし、1800年頃に始まる近代では、19世紀後半の印象主義の登場や20世紀初頭の抽象絵画の成立が告げるように、色彩表現が圧倒的に重要な役割を演じるようになる。しかし、こうした問題を絵画作品の構造問題として追究する試みは、従来なされていない。われわれが本研究で「色彩メディア」概念をあえて使用するのは、作品構造の変革に対応する色彩表現の変容を追究するためにほかならない。その意味で、本研究では、「オーバーラップ」をキー概念として提示する。印象主義時代に始まる点描やクロワゾニスムは、本質的には、色彩を重層化、オーバーラップする方法以外の何ものでもない。点描やクロワゾニスムについて、画面平面内のある色相と他の色相とのコントラストや視覚混合がこれまで重視されてきた。しかし、そうではない。ある画面層内における色彩の関係づけにとどまらず、その画面層と別種の関係づけをもつ他の画面層とを重ねることが重要なのだ。つまり、色彩の関係化の関係化が問題なのである。それをオーバーラップと呼ぶ。この方法は言い換えれば、画面層そのもののオーバーラップ、つまり、画面のポリフォーカス化を含意する。セザンヌからピカソに連続する表現革新は一般に、色彩とは無関係に論じられるが、そうではない。また、開かれた作品として特徴づけられる近代美術の特性も、色彩とは別次元で理解されてきたが、そうした理解も不十分なのである。本研究は、19世紀後半からの色彩研究の一次資料をドイツ・スイスにて実証的に調査し、その資料の分析にもとづき、色彩メディアのもつ絵画における特性を「オーバーラッブ」と統括し、色彩のオーバーラップこそ、近代絵画の作品構造の変革をも照らしだすとの、新しい視座を提起する。
著者
米山 裕 坂口 満宏 山崎 有恒 河原 典史 和泉 真澄 南川 文里 轟 博志 ハヤシ ブライアン・マサル 物部 ひろみ 宮下 敬志 東 栄一郎 清水 さゆり ニイヤ ブライアン
出版者
立命館大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2006

本研究の目的は、北米を中心とした「日系移民史」とアジアにおける「移殖民史」の分断状況の打破を試みるため、環太平洋地域を対象として、(1)各地における日本人社会の形成、(2)国際移動した日本人と様々な国家との関係、(3)環太平洋地域システム形成の分析をすることであった。いずれも達成することができた。さらに、地理学情報システム(GIS)を活用した移動研究の新しい方法論を模索することができた。
著者
澁谷 治男 渡辺 明子 融 道男
出版者
東京医科歯科大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
1996

パニック障害におけるコレシトキニン(CCK)の関与が、とりわけCCKB受容体の関与が推察される。その根拠としては、(1)CCKB受容体アゴニストを投与すると健康人、パニック障害患者で通常の発作に非常によく似たパニック発作を誘発し、その誘発率は患者群で高い。(2)CCKB受容体アンタゴニストをラットやサルに投与すると抗不安作用を示す。(3)パニック障害患者では脳脊髄液に含まれるCCK8が減少している。(4)in vitroの研究でパニック障害患者のリンパ球をCCK4で刺激すると細胞内Caの増加は健常人の場合より大きい。(5)第1度親族のパニック障害罹病危険率は健常人が0.9%であるのに対してパニック障害患者では13.2%、女性の発現率は男性の2倍であるなど遺伝要因が大きく関与する疾患である。このような所見はパニック障害がCCKB受容体の機能亢進にもとずく病態であることを推察させる。そこで本研究ではパニック障害患者のCCKB受容体遺伝子をセカンドメッセンジャ系に直接関与する細胞内第3ループを重点的に遺伝子解析を行った。解析に用いたパニック障害患者81人(男性41人、女性40人)である。血液10mlからDNA抽出キットを用いてDNAを得た。CCKB受容体のエクソン2、3、4の各部位のついてそれぞれオリゴヌクレトチドプライマーを設計しPCRを行った。PCR産物は1.5%アガロースゲルを用いた電気泳動によって増幅を確認した。PCR産物はフロムフェノールブルーおよびキシレンシアノールを含む色素バッファーにて2-5倍に希釈し、95Cで5分間の熱変性の後、直ちに氷冷し、アクリルアミドゲルにアプライした。4Cあるいは18Cの2条件で電気泳動を行った後、アクリルアミドゲルに銀染色を行いバンドを検出した。その結果、SSCPによってエクソン2において2例、エクソン3で9例、エクソン4で3例にバンドシフトを認めた。すなわち、これらの部位でのDNA塩基配列の違いがあることを示唆しており、今後ダイレクトシークエンス法によってゲノムDNAの塩基置換を検索する予定である。さらに変異のある遺伝子頻度をパニック障害者と健常対象者と比較検討する予定である。
著者
中谷 敏昭 林 達也
出版者
天理大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

高齢者が自立生活を維持するためには下肢筋機能が維持されていることが望ましい.本研究では,連続ジャンプ(SSC動作)を用いて下肢筋力や筋パワーなどの筋機能を改善する運動プログラムの効果と中止の影響を検討した.連続ジャンプは,Borg-RPEで14.3程度,着地時の床反力は体重の約2倍程度であった.3ヶ月間のトレーニグでは,下肢筋力やバランス能力が改善した.トレーニグ終了後は,脚伸展能力が低下する傾向にあった.トレーニング期間を5ヶ月間に延ばした場合には,下肢筋力とバランス能力が改善した.連続ジャンプを用いた本課題のトレーニグは,高齢者の下肢筋機能やバランス能力を改善するプログラムと言える.
著者
石橋 正己 荒井 緑 當銘 一文 石川 直樹
出版者
千葉大学
雑誌
新学術領域研究(研究領域提案型)
巻号頁・発行日
2011-04-01

天然物抽出エキスコレクションおよび天然物基盤合成化合物ライブラリーを用いて,ウィント(Wnt),ヘッジホッグ(Hh),トレイル(TRAIL),bHLH転写因子等のシグナル分子を標的とした天然物の探索および活性化合物の作用メカニズムの解析に関する研究を行った.各シグナル経路ごとにスクリーニングで得られた代表的な化合物として,Wntシグナル阻害作用をもつカルデノリド,TRAIL耐性克服作用をもつクワ科植物由来のプレニル化フラボン,Hhシグナル阻害作用をもつジテルペン,Hes1担持ビーズを用いる「標的タンパク質指向型天然物単離法」により得られた放線菌由来のピペリジンアルカロイドなどが挙げられる.
著者
伊東 紘一 入江 喬介 川井 夫規子 中村 みちる 谷口 信行
出版者
自治医科大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1995

臨床応用を試みるために正常者ボランティアの手の骨を用いて骨および周囲の骨膜,腱、関節の描出を行った。骨の内部はおよそ半分が描出できた。骨膜の認識は13MHzの周波数を用いた時にわずかに可能であったが、明瞭な画像とならないので、周波数を更に高めたり、画像処理のための工夫が必要と考えられた。そこで、骨内部における超音波の減衰を測定し、その減衰量から、骨内部の描出に必要なダイナミックレンジを演算処理により向上させる方法を考案し、動物の骨を用いて超音波出力を2通りに変化させて検討した。その結果、動物の骨では送信出力強度の差による変化は見られなかった。また、受信側のサチュレーションや透過パルス以外の信号が混入していないことを確認できた。一方、半分に切断した骨と切断していない骨との間で10dBの減衰量の差があり、骨膜の散乱が大きいことが推測できた。動物および人の骨において骨内部の描出に必要なダイナミックレンジは80dB以上であるとの結論を得た。また、骨内部の描出には一音線上で64回以上の加算が必要であることが判明した。
著者
宮野 英次
出版者
九州工業大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2011

多くの重要な離散最適化問題は計算量の意味で困難(NP困難)となる.すなわち,最適解を求めるための多項式時間で動作するアルゴリズムが存在しない.また,ある状況では,問題を解く前に,完全な入力が与えられない場合もある.例えば,入力が徐々に与えられるような要求列となっている場合である.将来の要求に関する情報が欠損している場合にもアルゴリズムは効率よく動作する必要がある.前者をオフライン計算モデル,後者をオンライン計算モデルと呼ぶ.本研究では,それら2つの計算モデルにおける困難な離散最適化問題に対して,最適解に対する出力解の精度が理論的に保証されたアルゴリズムを設計した.
著者
武内 和彦 TRUDY Fraser TRUDY Fraser FRASER Trudy
出版者
東京大学
雑誌
特別研究員奨励費
巻号頁・発行日
2011

本研究の主要目的は、国際的な平和と安全に対する現代の脅威に対応する国連システムの効率性について調査を行うことである。本年度はオーストラリア・メルボルンのロイヤルメルボルン工科大学で開催された「People and the Planet」というワークショップに参加し、本研究成果を発表し、レビューを受けることができた。本年度も英国パルグレイブ・マクミラン社から出版予定の「The UN Today : Human Security in a World of States」の執筆に引き続き取り組んだ。原稿は査読審査段階であり、現在校正作業を行っている。最終原稿は平成25年9月1日に出版社に提出し、引き続き編集を行う予定である。国連大学サステイナビリティと平和研究所のヴェセリン・ポポフスキー博士と共同で取り組んでいる「グローバルな立法者としての安全保障委員会」というテーマのプロジェクトでは、安全保障委員会の立法的決議の知識基盤を構築することを模索し、安全保障委員会の立法行動が国連加盟国と国際的な安全と平和に与える影響について評価する。平成24年夏には、ニューヨーク市立大学ラルフ・バンチ国際研究所の所長であるThomas Weiss氏が開催した専門家諮問会議に参加し、平成25年3月にはセント・アンドルーズ大学のグローバル立憲政治研究所の所長であるAnthony Lang氏による「著者のワークショップ(Authors Workshop)」に参加した。現在、このプロジェクトの論文に取り組んでおり、ラウトレッジ社から出版される「Global Institutions」シリーズとして出版される予定である。
著者
山下 和也
出版者
富山大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2007

雪の結晶はどれをとっても美しい形をしているが、その形は千差万別で、全く同じ形のものは存在しないといわれている。Packardが定義した六角格子上の2次元セルオートマトンを拡張し、六方晶上の3次元セルオートマトンを新たに定義した。このモデルを用いて、従来のモデルでは生成できなかった角柱,針といった立体的な構造を持つ雪の結晶の類似パターンの生成を行った。
著者
中村 恵子
出版者
名古屋市立大学
雑誌
若手研究(B)
巻号頁・発行日
2009

本研究は、虚弱高齢者の生活空間の拡充に向け人的・情報的ネットウークモデルを開発することを目的としており、2年目にあたる平成22年度は次の調査・検討とモデル作成にむけた準備を行った。1.調査の実施;「虚弱高齢者の生活空間とソーシャルネットワークの特性」の検討虚弱高齢者の生活空間の特性を明らかにするため、平成19年に初回調査を行ったA県郊外在住の虚弱高齢者61名を対象に3年後の追跡調査と横断調査を実施した(4月~8月)。追跡調査が可能であった高齢者は39名(男性7名、女性32名、平均年齢84.5±6.3歳)であり、調査不可能の高齢者22名の内訳は死亡8名、入院・入所3名、認知症4名、体調不良2名、転居1名、音信不通・調査拒否4名であった。結果、虚弱高齢者の生活空間は、life-space assessment (LSA)を調査したところ平均26点であり、活動範囲は自宅から平均半径631mであった。3年間で高齢者の生活機能(老研式活動能力指標)は平均8.0点から5.0点へと有意に低下しており、一週間における交流日数には変化がなかったが、外出日数は平均5.6日から4.6日へと有意に減少していた。またソーシャルサポートして連絡を取り合う親戚と近隣の人数も有意に低下していた。以上から、虚弱高齢者の生活空間は自宅を中心とした狭い範囲となっており、加齢に伴う生活機能の低下とともに外出日数やソーシャルサポートの縮小が示唆されたため、この特性を踏まえた支援や環境整備の検討が必要である。2.ネットワークモデル作成にむけた準備22年度はモデル地区のアセスメントを継続しており、モデル作成にむけた協力機関や協力者の体制を整えている段階である。
著者
中村 艶子
出版者
同志社大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2008

アメリカの先進的ワーク・ライフ・バランス企業や国内の「ファミリー・フレンドリー企業」、女子学生のキャリア、働き方について論文、共著、共訳の形でまとめた。また、日米のワーク・ライフ・バランス動向を追い、企業内保育所を類型化し、その内容・成果について国内外の学術交流(講演)や学会においてこの課題について発信を行った。
著者
菊川 芳夫
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2009

格子カイラルフェルミオンの生じるゲージアノマリーの厳密相殺を示すための局所的コホモロジー問題を解くために,格子上のChern-SimonCurrentの局所性およびゲージ共変性に着目し, FieldTensorによる展開法を用いる解法を提案した。2次元SU(N)理論については,この方法が有効であることを示し,数値的な検証を行った。
著者
高橋 正身 宮岡 等 板倉 誠 東 貞宏 山森 早織 片岡 正和
出版者
北里大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2009

SNAP-25はシナプス前部に発現するタンパク質で、神経伝達物質の放出に必須な役割を果たしている。SNAP-25のSer^<187>はプロテインキナーゼCによってリン酸化を受けるが、その機能的な役割については明らかではなかった。今回SNAP-25のリン酸化がPP2Aによっても制御され、モノアミン放出の制御や発達期にけるてんかん発症抑制などに重要な役割を果たしていることを明らかにした。
著者
鈴木 守 青木 克己 小島 荘明 多田 功 相川 正道 辻 守康
出版者
群馬大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

1.本研究の目的現在マラリアをはじめとする寄生虫病は工業先進国を除き世界各地に蔓延している。とくに途上国においては、寄生虫病による慢性的な健康障害が地域経済の遅れの原因として指摘されている。日本の橋本首相は1997年7月のデンヴァーにおける先進国首脳会議において寄生虫病対策の重要性を指摘しG8(先進8か国)は率先して世界の寄生虫病対策を推進すべき旨を提案した。本研究は世界各地域の寄生虫病の問題点を特定し、1998年8月に予定されている第9回国際寄生虫学会の企画を進めることを目的に企画された。2.研究の結果(1)ヒトの感染するマラリアをはじめとする寄生虫病について、さらに重要な獣医寄生虫学、魚類寄生虫学につき、世界各地域の現状と世界的視野でどのような研究がどこで進められているかについて班員全員による調査研究が行われた。その結果第9回国際寄生虫学会の企画が九州大学多田功プログラム委員長により完成した。(2)橋本首相提案を考慮して「世界規模でみた寄生虫病による経済損失」に関する国際研究集会が東京で開催され、スイス(世界保健機関)イギリス(オックスフォード大学、リバプール大学)アメリカ合衆国(世界銀行)フィリピン(フィリピン大学)タイ(チュラロンコーン大学)より招聘された研究者が各課題につき研究結果を報告した。橋本提案推進上有効であったものと判断される。(3)寄生虫病の理解を深めるためには展示技術が極めて重要であるため、ロンドン大学に2名が派遣され研修を受けた。この結果は第9回国際寄生虫学会にご来臨が予定されている天皇、皇后両陛下に世界の寄生虫病の実状の展示をご覧いただくために活用される。