著者
佐藤 智美
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.67, no.556, pp.25-34, 2002
被引用文献数
5 17

Radiation patterns and fmax are evaluated using Kik-net strong motion records of the 2000 Tottori-ken Seibu earthquake and the aftershocks. In order to evaluate frequency-dependent radiation patterns, an empirical model of observed radial-to-transverse ratios (R/T) for aftershocks is constructed as a function of frequency, hypocentral distance and theoretical R/T. Fmax are estimated after removing site effects including soil nonlinearity and forward directivity effects. Based on the results that decay of spectra at frequencies higher than fmax is small and that fmax are not dependent on magnitude, it is pointed out that the effects of source-controlled fmax are small.
著者
佐藤 稔 日高 水穂
出版者
秋田大学
雑誌
秋田大学教育文化学部研究紀要. 人文科学・社会科学 (ISSN:1348527X)
巻号頁・発行日
vol.54, pp.9-17, 1999-03

This is a preliminary report of the language change among the people in Ogata village in Akita prefecture.Ogata village was created by land reclamation in 1966 as a national project, and its residents were from all overJapan (About half are from Akita prefecture, and the other half are from other areas of Japan. ) Since the people of the second generation are now in the leading roles of the community, the community has developedtheir own variety of Japanese. In this short article, we present an outline of the community and report the resultsof the preliminary survey.
著者
首藤 伸夫 米地 文夫 佐藤 利明 豊島 正幸 細谷 昂 元田 良孝
出版者
岩手県立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1999

1.終戦直後の開拓事業から展開してきた岩手山麓の農業は販売農家率が高く、後継者の同居率が高い。当該地帯は、被災後にも農業再建を目指す潜在力が高いと判断された。2.岩手山の約6000年前の噴火と、磐梯山1888年噴火は極めて類似しており、磐梯山での住民の対応記録の分析で学んだことは、岩手山で災害が生起した際の避難行動のために、役立つ。3.住民の郵送調査と面接調査、防災マップの収集と分析、行政のヒアリング等を行い、高齢者の避難や冬季の避難の対策、防災マップのノウハウの蓄積が重要であることを示した。4.火山活動情報が岩手山周辺の宿泊施設等への入り込み数に与える影響の数量分析、宿泊施設への聞き取り調査、雲仙普賢岳に事例を比較した総合的な考察を行った。5.災害の発生予測、被害緩和と訓練との関係の認知、予想被害の深刻さの認知、地域社会との関係の認知、避難訓練の参加コストの見積もり等が、住民の防災への対応に影響することを示した。6.災害時の通信に関しては、有効な方法をすべて調査し無線LANの優位性を示した。次に無線LANベースの情報ネットワークを構築し、その上でインターネットを利用する安否情報システムを開発した。さらに双方向ビデオ通信システムを開発し、実験で有効性を確認した。7.社会福祉分野における危機管理として、住民への直接的情報伝達におけるユニバーサルデザインの配慮が求められる。また、災害時の情報伝達システムには、ケアマネジメントとの連動、ニーズ変化等動的情報への対応、サポートネットワーク変容への視点が重要である。8.被災者の医療・看護体制に関しては、被災が予想される地域住民の健康状況及び防災調査の結果に基づき、災害弱者の避難方法、治療継続の保証を確保することに重点をおいて対策を実施した。弱者救援の組織化と慢性疾患患者の自己管理の情報提供である。
著者
桃井 昭好 佐藤 茂雄 中島 康治
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. NC, ニューロコンピューティング (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.104, no.474, pp.37-42, 2004-11-20

ストカスティックロジックを用いた1000ニューロンハードウェアシステムの構築を行った。ストカスティックロジックは確率密度変調された1bitのデジタルパルス列を用いて演算を行う。そのため、バイナリロジックに比べて回路面積を小さく実現でき、さらにアナログ回路に比べて外部ノイズ耐性が高い回路を実現できる。また、確率的な動作に起因するノイズを利用することでネットワークの性能を向上させることができる。今回、我々は1000ニューロンシステムの詳細、及びシステムの測定結果についての報告を行う。
著者
佐藤 讓 前川 英己 朝倉 祝治 岡部 徹 山口 勉功
出版者
東北大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2003

カネミ油症事件を引き起こしたPCBや、ゴミ処理時に発生するダイオキシン等の有機ハロゲン化合物は、人体に有害で環境に深刻な影響を及ぼし、かつ処理困難である。本研究の目的はこれらをほぼ完全に分解することにある。有機ハロゲン化合物の処理で最も困難なものは、成分であるハロゲンを如何に効率よく無害な物質に変化させるかである。化学的に最も安定なハロゲン化合物はアルカリ金属等との無機塩である。そこで、これに最適な方法として塩基性の溶融塩による分解処理を選定した。本研究では、強塩基性の溶融塩としてKOH-K_2CO_3およびNaOH-Na_2CO_3混合塩を用い、これに被処理物の溶液とキャリアガスである模擬空気を混合して吹き込み、ガスクロマトグラフィー・マススペクトロメータ(MS/GC)を用いて排ガスの分析を行った。15年度においては四塩化炭素を対象にして、16年度においてはモノクロロ、ジクロロおよびトリクロロベンゼン等を対象として実験を行った。17年度においては、これらのクロロベンゼン類の確認実験を行うと共に、PCBの一種である4-4'ジクロロビフェニルベンゼンを対象として実験を行った。実験では試料を含む溶液をキャリアガス(模擬空気、酸素あるいは窒素)に混合して溶融塩中に吹き込んだ。これらの流量を独立のコントローラによって制御し、吹き込む混合物の流量・濃度を変化させた。トリクロロベンゼンおよび4-4'ジクロロビフェニルは常温で固体であるために溶媒に溶かし、比較的希薄な溶液とした。その結果、総ての化合物について700℃以下の低温で99.998%以上の分解効率を得た。またキャリアガスとして窒素用いた実験でも同程度の分解効率を得たが中間生成物が検出された。しかし、それらは何れも塩素を含まないものであり、CO_2やH_2Oまでの完全分解とは行かずとも無害化の観点からは有効であり、本方法のPCB分解処理への適用が有効であることが確認された。
著者
佐藤 節郎 舘野 宏司 小林 良次 坂本 邦昭
出版者
日本雑草学会
雑誌
雑草研究 (ISSN:0372798X)
巻号頁・発行日
vol.43, no.4, pp.317-327, 1998-12-28
被引用文献数
4

1995年4月3日, 1996年4月28日および同年5月24日にハリビユ種子をそれぞれ, 17.8, 26.7および26.7g/aの量で播種した後, トウモロコシ(品種:Pioneer 3352)を666本/aの密度で播種した。リビングマルチとしてイタリアンライグラス(品種:タチワセ) をトウモロコシと同時に0.3および0.6kg/aの量で播種, または, アトラジン+アラクロールを10.0+10.8 a.i.g/aの量で土壌散布した。播種後5.5-11週に, トウモロコシとハリビユを定期的に刈り取り, リビングマルチ区および除草剤区の両草種の生長およびトウモロコシの窒素吸収の推移を無処理区と比較した。また, トウモロコシ収量と収穫時のハリビユの生長を同様に比較した。4月3日播種トウモロコシでは, リビングマルチは競合によりハリビユを十分に抑制したが(Fig. 1), 同時にトウモロコシとも激しく競合し, トウモロコシの生長は有意に減少し, トウモロコシの葉の窒素含有量も低下した(Fig. 2, Table 2, 3)。4月28日播種トウモロコシでは, リビングマルチは一定のハリビユ抑制効果を示し (Fig. 1), トウモロコシの生長と葉の窒素含有量にもほとんど影響を与えなかった(Fig. 2, Table 2, 3)。5月24日播種トウモロコシでは, イタリアンライグラスが出芽後の高温により十分に生長しなかったため, リビングマルチはハリビユを抑制できず(Fig. 1), また, トウモロコシの生長や窒素吸収に影響を与えることはなかった(Fig. 2, Table 2, 3)。いずれの播種日のトウモロコシも, 生育期の純同化量(NAR)は, いずれの調査日においても有意な雑草防除処理間差が認められず, イタリアンライグラスと激しく競合した4月3日播種におけるリビングマルチ区のトウモロコシにおいても, NARの明確な低下は認められなかった(Table 3)。リビングマルチ区トウモロコシの収穫時には, 4月3日播種ではハリビユが全く認められず, 4月28日播種ではハリビユが認められたものの, その密度と重量は無処理区に比べ有意に小さく, 5月24日播種ではハリビユの密度と重量は無処理区とほぼ同等であった(Fig. 4)。トウモロコシ収穫時の無処理区のハリビユの密度と重量は, 4月28日および5月24日播種において4月3日播種よりも小となった(Fig. 4)。リビングマルチ区のトウモロコシ収量は, 無処理区に比べ, 4月3日播種で34-40%, 4月28日播種で11%減少したが, 5月24日播種ではリビングマルチ区と無処理区の間に有意な差は認められなかった(Fig. 5)。アトラジン+アラクロールの土壌処理は, トウモロコシの生長, 生長期の窒素吸収および収量を低下させることなくハリビユを十分抑制できた(Fig. 1-5, Table 2, 3)。イタリアンライグラスリビングマルチは, 若干の減収を前提とすれば, 4月下旬に播種するトウモロコシにおいてハリビユの防除のために利用が可能であり, また, 有機物の連続的な投与により土壌処理剤の効果が不十分な圃場では有効な技術となりうると考えられた。
著者
天野 敏之 佐藤 幸男
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. D-II, 情報・システム, II-パターン処理 (ISSN:09151923)
巻号頁・発行日
vol.85, no.3, pp.457-465, 2002-03-01
被引用文献数
58

本論文では,固有空間法を用いた画像補間法により,文字などのテロップを含む1枚の画像のみを用いて文字を補間により消去する手法を提案する.風景画などの画像はフラクタル的な性質があり,画像の自己相関性が仮定できる場合が多い.筆者らはこの点に着目し,欠損を含む1枚の画像のみから固有空間により画像を記述するルールを表現した.このように生成された固有空間は,画像の特徴を反映しており,この固有空間を用いることにより画像補間を実現した.本補間手法はオリジナル画像を復元するものではないが,実験の結果画像の自己相関性が成立する画像については違和感なく補間できることが確認された.
著者
入江 功 滝川 清 小島 治幸 吉田 明徳 浅野 敏之 渡辺 訓甫 富樫 宏由 後藤 智明 村上 啓介 佐藤 道郎
出版者
九州大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1998

本調査は、平成10年から12年の3年間をかけて、九州各県にある九州大学,佐賀大学,長崎大学,熊本大学,鹿児島大学,宮崎大学,大分日本文理大学,九州共立大学,東海大学(静岡),東和大学などの大学が協力体制をつくり、(1)各大学が所在する県の海岸を対象に、海岸の景観・利用・防災に関する共通のアンケート用紙でサーベイし、(2)既往最大級の津波・高潮による浸水域を求め、これをとりまとめるものである。本調査が計画検討されていた平成10年頃には、既に次年度発足へ向けての海岸法の改正が検討中であり、学識経験者の海岸の開発保全に対する意見が要請される趨勢にあった。このため、少なくとも各大学の所在する地域の海岸については、十分な知識と理解を持っておくことが重要であると認識され、まず海岸の「防災」「環境」「利用」について、九州全域の海岸のサーベイを行うことになった。同時に九州沿岸は、南西域の津波、内湾および北部域の高潮に脆弱な海岸が多いため、津波計算、高潮計算をベースに沿岸の自然力に対する危険度をハザードマップで認知する手法を検討した。まず、海岸環境のサーベイにおいては、多くの評価項目から厳選した55項目を用い、各大学所属県の海岸を現地踏査した。その際撮影した海岸の写真画像を用い、別途写真画像のみで同じ55項目の評価項目で評点をつけ、現地踏査と写真画像とで評価結果がどの程度異なるかを主成分分析により調べた。その結果、両者の違いはほとんどないことが分かったので、今度は九州全海岸127地点について、写真画像のみを用い、17名程度の学生・職員により海岸環境の相対評価を行った。また、ハザードマップの在り方に付いては、3年間を通して議論の対象となった。まず、防災担当部局(者)は人間宣言すべきであること、すなわち、その危険度に至る前提、不確定さを明示すること、危険度としては、可能最大の自然力を対象とすること、宮崎海岸のように津波警報等の住民伝達が間に合わない場合の避難システムをマップ表示すること等の意見が出された。結局数値計算結果に、これらの考え方をどう生かして行くかの議論が締めくくりにもなった。
著者
六鹿 茂夫 廣瀬 陽子 黛 秋津 佐藤 真千子 小窪 千早 梅本 哲也 吉川 元 上垣 彰 大西 富士夫 西山 克典 小久保 康之 吉村 貴之 中島 崇文 末澤 恵美 服部 倫卓 木村 真
出版者
静岡県立大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
2008

黒海地域の国際関係を歴史、経済、域内国際関係、域外国際関係の4次元から分析し、国際会議をボアジチ大学(イスタンブール)と静岡県立大学にて開催して学際的総合化に努めた。その結果、1.黒海としての地域性、2.地政学的重要性、3.黒海地域の特殊性と地域特有のイシュー(エネルギー、民主化、凍結された紛争)、4.黒海地域の構造とその変動、5.黒海地域と広域ヨーロッパおよび世界政治との相互連関性が明らかにされた。
著者
佐藤 弘明 吉田 則信 宮永 喜一
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会論文誌. C, エレクトロニクス (ISSN:13452827)
巻号頁・発行日
vol.84, no.10, pp.954-963, 2001-10-01
被引用文献数
22

フォトニック結晶は, ある波長帯の光を強く遮へいするストップバンド特性(フォトニックバンドギャップ:PBG)を有し, 光ファイバやスラブ導波路のような弱導波の導波路では実現できない波長程度の鋭い曲がり等を有する微細構造デバイスの製作の可能性が期待されている.しかし, それらの設計・製作には多くの困難が予想され, シミュレーションによる特性の把握と予測は必要不可欠であり, これまでFDTD法やBPM等で解析されてきている.特に, 機能的光回路デバイス製作のためには, 分散性や非線形効果を有する誘電体を含むフォトニック結晶光導波路構造の全体的解析が必要不可欠である.本論文では, 凝縮節点空間回路網における媒質条件の取扱いの特長を生かして, 種々の媒質を含んだフォトニック結晶光導波路構造の基本特性について明らかにする.
著者
佐藤 昌子 濱 裕光 和知 孝雄 土井 正 岡田 明
出版者
大阪市立大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
1997

本研究課題は高齢化社会において高齢者自身が自活して生活するため,画像による情報伝達の効果を明らかにし,有効な利用方法を探索することを目的としている。薄暮時や夜間では,特に視覚や運動能力の機能低下している高齢者にとって危険度が増すことから交通安全施策が早急に必要とされる課題である。道路交通標識や高齢者衣服の設計に資するため,高輝度反射材料の構造特性と反射特性の関係を明らかにした。また,視覚刺激として伝えられる情報を記憶する場合,色と形がどのように影響するかを検討した(佐籐)。多機能化かつタッチパネル化した駅の切符券売機を例にとりあげ,その操作画面をシミュレートする装置を開発し,高齢者を含むユーザによる操作性評価の可能性について検討した(岡田)。大規模災害時の避難経路における照明の確保について、神戸、静岡、大阪を対象に広域避難所周辺の住宅地域において、街路照明の設置状況や路面照度の実態調査と非常時の街路照明の確保についての住民の意識調査を行った。その結果、街路照明について日常の防犯照明としての機能は最低限確保されているものの、広域停電を伴うな非常時には、照明の確保は困難で、避難経路を指示できる自照式案内表示も未整備であることが明らかになった(土井)。高齢者に多く見られる関節部位の疾患は、直ちに高齢者の歩行、寝起き、衣服の脱着、食事、排便、入浴など日常生活に必要な動作に障害を与える。そこで,股関節の障害で同病院に通院、入院する患者の歩行動作を3次元コンピュータ・モデル・シミュレーションで画像表示する方法を開発し,これらの画像情報から患者の個人差を配慮した生活補助システム,住宅や生活用具の開発などに有効利用しうることを示唆した(和知)。ヒトの3次元知覚原理を明らかにするため,あるシーンを撮影して3次元画像処理を行うことによりカメラ位置(ヒトの目の受光に対応)を理論的に検出する方法を検討した。その結果、基準となる三角形を導入し、その三角形からの相対位置を計算することによって世界座標を求め,カメラの動き検出が可能となることを明らかにした(濱)。