著者
加藤 晴美
出版者
公益社団法人 日本地理学会
雑誌
地理学評論 Series A (ISSN:18834388)
巻号頁・発行日
vol.84, no.1, pp.22-43, 2011-01-01 (Released:2015-01-16)
参考文献数
56

現在,合掌造りの里として知られる飛騨白川村は,明治・大正期には山奥の別世界とみなされ,大家族制をはじめとする「奇異」な風習が残る地域として認識されていた.本稿では,このような認識が変容し,白川村が「古い文化」を有する貴重な地域として高い評価を獲得していくのはいつ頃であるか,またその背景はいかなるものであったかを検討し,山村が近代日本の中でどのように位置付けられていたのかを考察した.本稿では山村像が変容した時期を昭和戦前期と位置付け,この時期における白川村の生活変容や,当時盛んに行われた郷土研究や観光開発などが,白川村に対する認識の変容に影響を与えたことを明らかにした.白川村はブルーノ・タウトによってその価値が初めて認められたとも言われるが,実際にはタウト以前に始まった日本人郷土研究者らによる認識像の変容が,白川村に対する評価の高まりを導いたと考えられる.
著者
加藤 清司
出版者
公益社団法人 日本産業衛生学会
雑誌
産業衛生学雑誌 (ISSN:13410725)
巻号頁・発行日
vol.37, no.5, pp.309-319, 1995 (Released:2009-03-27)
参考文献数
121
被引用文献数
4 4

有機リン化合物は,合成樹脂産業での抗酸化剤や可塑剤,農業用殺虫剤あるいは神経ガス兵器として利用されてきている.一部の有機リン化合物は, acetylcholine esterase阻害作用とは異なる遅発性神経毒性(OPIDN)を有している.本総説では, OPIDN研究の現況について述べ,今後の研究の方向について考察する. OPIDNでは,化合物暴露後7日以上の潜伏期,軸索変性を伴う下肢麻痺,および加齢や動物種による感受性の相違が特徴的である.若い動物や齧歯類では感受性は低い.阻害された神経毒性エステレース(または神経障害標的エステレース: NTE)の坐骨神経での回復の早さばかりではなく, carboxylesteraseを含む解毒機構が加齢および種による感受性の相違に貢献している. OPIDNでは順行性軸索輸送には変化は認められないようであるが,逆行性軸索輸送は阻害されると報告されている. NTEの阻害,および阻害されたNTEのagingがOPIDNの発症機序と考えられてきたが,これに反対する議論もある. CaM K IIのようなkinaseによるcytoskeletal proteinのリン酸化や神経毒性物質高親和性結合部位がOPIDNの発症を引き起こすのかもしれない.亜リン酸トリフェニル(TPP)は合成樹脂産業で一般的に使われている化合物であるが, OPIDNとはいくぶん異なる遅発性神経毒性を持っている. TPP誘導性神経毒性の潜伏期はOPIDNのそれに比べ短く,齧歯類も同毒性に対して感受性を示す.軸索の障害に加え,神経細胞も障害される.ミトコンドリアのエネルギー代謝関連酵素が本毒性の標的かもしれない.今後の研究はOPIDNとcytoskeletal proteinのリン酸化および高親和性結合部位との関連の追究に向けられるとともに,齧歯類での発症モデルの開発に向けられることが望まれる.これらの研究はOPIDNについて未解明の部分に解答を与えるとともに,変性性神経疾患の病因解明にも貢献するであろう.
著者
盛山 芳恵 加藤 和江 村 徹 十字 猛夫
出版者
日本組織適合性学会
雑誌
日本組織適合性学会誌 (ISSN:21869995)
巻号頁・発行日
vol.12, no.3, pp.183-201, 2006 (Released:2017-03-30)
参考文献数
7
被引用文献数
10 11

日本骨髄バンク登録ドナー(以下ドナーとする)として登録された人々のHLA型から, HLA-A, -B, -DRの3座位のHLA抗原の遺伝子頻度およびHLA-A, -B, -DRの3座のHLA抗原のハプロタイプ頻度の算出を行い, さらにドナーが登録した骨髄データセンターの都道府県をそのドナーの出身地と仮定して, HLAハプロタイプの都道府県別頻度の計算を行った. ドナー全体のハプロタイプ頻度と韓国, 台湾, 中国, 中国東北部のハプロタイプ頻度との比較も行った. 11th International Histcompatibility Workshop(以下11th IHWとする)の日本のHLA遺伝子頻度結果は, 全検体数が少なかったために検出できなかった日本人には比較的稀であるとされてきたHLA型が, 今回のドナー全体での調査では, いくつか検出された. これは大きな集団を解析することによって初めて可能になった貴重なデータである. 都道府県別ハプロタイプ頻度を較べてみると, ハプロタイプの分布に多少の差異があることが示された. 東北アジアの近隣の国々(韓国, 台湾, 中国, 中国東北部)との比較では, 日本は韓国と多くのHLA抗原ハプロタイプを共有している事が示され, 人類学的に近い関係にあることが推測された.
著者
太田 剛 森本 容介 加藤 浩
出版者
日本教育工学会
雑誌
日本教育工学会論文誌 (ISSN:13498290)
巻号頁・発行日
vol.40, no.3, pp.197-208, 2016-12-24 (Released:2017-03-23)
参考文献数
26

本稿では,初等中等教育において全国レベルでプログラミング教育が実施されている英国,オーストラリア,米国のカリキュラムを調査し,その内容を総括的に述べる.各国とも情報教育として,プログラミング教育を包含するコンピュテーショナルシンキングの考え方を中核にして,抽象化,問題の分析,アルゴリズム,データ活用,評価,協働作業等の能力の育成を目指した学習内容を定義している.各国のプログラミング教育は類似した内容で,小学校低学年ではロボットやパズルを使用して手順の指示を行い,小学校高学年ではビジュアル言語を使用して分岐や反復を含むプログラムを制作し,中学校高校ではテキスト言語を使用して複数のデータ型やモジュールを含むプログラムを開発する.また,従来のICTの基本的操作,情報倫理,情報の安全教育などを小学校低学年から実施するなど総合的な情報教育の面もある.
著者
加藤 康子
出版者
文化経済学会 (日本)
雑誌
文化経済学 (ISSN:13441442)
巻号頁・発行日
vol.13, no.1, pp.36-44, 2016-03

人間の創造性こそが都市経済の今後の担い手であるとする創造都市論において、創造人材とされるクリエイティブクラス以外の市民の潜在力については、ほとんど注目されて来なかった。本研究は、都心でのアートと趣味縁をテーマとした市民有志による活動の場が、クリエイティブクラス以外の市民層が各自の潜在的な創造力を発現させる契機となっている事例に着目し、敷田の「ハーフシフト」概念を応用しながら、その機制(メカニズム)について事例からの分析を試みる。
著者
加藤 孝宣 脇田 隆字
出版者
日本ウイルス学会
雑誌
ウイルス (ISSN:00426857)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.287-295, 2005 (Released:2006-03-23)
参考文献数
43
被引用文献数
5 7

C型肝炎ウイルス(HCV)は,1989年カイロン社の研究グループにより発見された.日本では200万人,世界中で17000万人にのぼる感染者が存在し,インターフェロンを中心とした治療が行われているがその効果は未だ不十分である.これまでHCVには良いウイルス培養系と実験用の感染小動物が存在しないことがHCVの基礎研究の妨げになってきた.我々はHCVによる劇症肝炎患者からHCV株を分離し,その株が他の慢性肝炎患者由来の株に比べ,効率的に増殖できることを明らかにしてきた.さらにこの株を用いることにより培養細胞中での感染性HCV粒子生成に成功した.この感染性HCV粒子は培養細胞だけでなくチンパンジーにも感染可能であった.この系を用いることにより,HCVの感染から分泌まですべてのステップが培養細胞内で観察可能であり,ウイルスの複製機構の解明や抗ウイルス薬の開発に有用であると考えられる.
著者
加藤 弘之 胡 振江 日高 宗一郎 松田 一孝
出版者
日本ソフトウェア科学会
雑誌
コンピュータ ソフトウェア (ISSN:02896540)
巻号頁・発行日
vol.31, no.2, pp.2_44-2_56, 2014-04-24 (Released:2014-06-24)

双方向変換とは,ソースデータをターゲットデータに変換した後,ターゲットデータ上の更新をソースデータに反映させることが可能な計算の枠組みのことである.双方向変換の考え方は,古くはデータベース分野におけるビュー更新問題として扱われてきたが,近年は新しいプログラミングモデルと進化的ソフトウエア開発の手法として注目を浴び,プログラミング言語の観点から様々な双方向変換言語が提案されてきた.この解説論文は,会話の形で,プログラミング言語,ソフトウェア工学,データベースの視点から,双方向変換の歴史,基本原理,実践,応用,そして今後の課題について概説する.
著者
日本皮膚科学会疥癬診療ガイドライン策定委員会 石井 則久 浅井 俊弥 朝比奈 昭彦 石河 晃 今村 英一 加藤 豊範 金澤 伸雄 久保田 由美子 黒須 一見 幸野 健 小茂田 昌代 関根 万里 田中 勝 谷口 裕子 常深 祐一郎 夏秋 優 廣田 孝司 牧上 久仁子 松田 知子 吉住 順子 四津 里英 和田 康夫
出版者
公益社団法人 日本皮膚科学会
雑誌
日本皮膚科学会雑誌 (ISSN:0021499X)
巻号頁・発行日
vol.125, no.11, pp.2023-2048, 2015-10-20 (Released:2015-10-22)
参考文献数
185

Here, we present our new guideline for the diagnosis and treatment of scabies which we, the executive committee convened by the Japanese Dermatological Association, developed to ensure proper diagnosis and treatment of scabies in Japan. Approval of phenothrin topical use under the National Health Insurance in August 2014 has contributed to this action. Permethrin, a topical anti-scabietic medication belonging to the same pyrethroid group as phenothrin, is already in use worldwide. For making proper diagnosis of scabies, following three points should be taken into consideration: clinical findings, detection of the mite(s) (Sarcoptes scabiei var. hominis), and epidemiological findings. The diagnosis is confirmed when the mites or their eggs are identified by microscopy or by dermoscopy. As we now have a choice of phenothrin, the first line therapy for classical scabies is either topical phenothrin lotion or oral ivermectin. Second line for topical treatment is sulfur-containing ointments, crotamiton cream, or benzyl benzoate lotion. Gamma-BHC ointment is no more provided for clinical use. If the patient is immunosuppressed, the treatment option is still the same, but he or she should be followed up closely. If the symptoms persist, diagnosis and treatment must be reassessed. For hyperkeratotic (crusted) scabies and nail scabies, removal of thick scabs, cutting of nails, and occlusive dressing are required along with topical and/or oral treatments. It is important to apply topical anti-scabietic lotion/cream/ointment below the neck for classical scabies or to the whole body for hyperkeratotic scabies, including the hands, fingers and genitals. For children and elderlies, it is recommended to apply treatment to the whole body even in classical scabies. The dosage for ivermectin is a single oral administration of approximately 200 μg/kg body weight. It should be taken on an empty stomach with water. Administration of a second dose should be considered at one-week with new lesions and/or with detection of mites. Safety and effectiveness of combined treatment with topical and oral medications are not yet confirmed. Further assessment is needed. Taking preventative measures is as important as treating those infected. It is essential to educate patients and healthcare workers and conduct epidemiological studies to prevent further spread of the disease through effectively utilizing available resources including manpower, finance, logistics, and time. (Jpn J Dermatol 125: 2023-, 2015)
著者
向井 周平 河﨑 公 佐藤 あかね 佐藤 洋平 加藤 肇 村上 高志
出版者
公益社団法人 日本獣医師会
雑誌
日本獣医師会雑誌 (ISSN:04466454)
巻号頁・発行日
vol.76, no.1, pp.e5-e10, 2023 (Released:2023-01-31)
参考文献数
13

子宮広間膜により腹壁背部から吊り下げられている牛の子宮には,捻転が生じても正常な位置へ戻る力が働いている.押し込み保持法は,その元に戻る力を引き出すように,子宮を押し込み続けて子宮捻転を整復するという新しい概念に基づく用手整復方法である.本法では,① 回転ではなく押し込む力を加えること ② 押し込み続けること ③ 胎子ではなく子宮に力を加えることの3点が重要となる.本法の適応は,分娩時に発症し産道に手を挿入可能な症例であり,整復開始時に胎子を産道から触知できない症例も含まれた.未破水の症例では人工破水を行う必要はなかった.6年間で子宮捻転の35例に本法を適応し,27例の整復に成功し胎子生存率は70%であった.本法は,従来法と比べ,短時間で省力的に整復でき,適応症例の範囲も広く,子宮捻転の用手整復率向上に寄与すると考えられる.
著者
加藤 護
出版者
公益社団法人 日本地震学会
雑誌
地震 第2輯 (ISSN:00371114)
巻号頁・発行日
vol.70, pp.153-160, 2017-09-10 (Released:2017-10-11)
参考文献数
36

An MJMA 6.7 (Mw 6.2) earthquake occurred in Northern Nagano, Japan, on November 22, 2014. While the damage in the city center of Nagano was relatively minor, 65 stone lanterns, among 182, standing in the precinct of the Zenkoji Temple, approximately 25 km from the epicenter, were toppled by the ground motion of this earthquake. Damage of the surrounding residential area was minor. Directions of the collapse were dominantly in the north-south. Strong motion seismograms recorded at nearby JMA Nagano Local Meteorological Observatory were rich in high frequency, especially in the NS component, which explains collapse of stone objects whose natural periods are few tenths of a second. Similar damage was documented in a historic earthquake in 1714, and recurrence of such damage implies that high frequency ground motions from large earthquakes in this epicentral area have been repeated threats to the Zenkoji Temple and Nagano City.
著者
水谷 敦史 加藤 俊哉 中山 禎司 本城 裕美子 影山 富士人 森 弘樹 小澤 享史 吉野 篤人
出版者
一般社団法人 日本集中治療医学会
雑誌
日本集中治療医学会雑誌 (ISSN:13407988)
巻号頁・発行日
vol.20, no.1, pp.75-79, 2013-01-01 (Released:2013-04-23)
参考文献数
6
被引用文献数
2 1

重症の急性鉄中毒により死亡した稀有な症例を経験したので,考察を踏まえ報告する。症例は23歳,女性。鉄欠乏性貧血の既往があり,処方されていた鉄剤(クエン酸第一鉄ナトリウム)を意図的に過剰服用し,当院に救急搬送された(推定摂取量2,400 mg)。当院来院時の症状は傾眠・腹痛・嘔吐であり,非重症の鉄中毒症例と思われたが,その後進行性に悪化し意識障害が出現,播種性血管内凝固症候群(disseminated intravascular coagulation, DIC)となった。デフェロキサミン投与,輸血療法,血漿交換,持続的血液濾過透析などの集中治療を行ったが,最終的に肝不全とその合併症(DIC・脳浮腫)により死亡した。急性鉄中毒重症例では,肝不全が完成した後に集中治療を開始してもその効果は乏しく,肝不全の発症予防および重篤化防止が重要であると考えられる。そのために,治療開始初期から消化管除染・デフェロキサミン投与・急性期血液浄化法などの集中治療を行うことが必要であると考えられた。
著者
加藤 恵梨
出版者
現代日本語研究会
雑誌
ことば (ISSN:03894878)
巻号頁・発行日
vol.40, pp.124-141, 2019-12-31 (Released:2019-12-31)
参考文献数
8

本研究の目的は、二人称代名詞「あなた」「あんた」「おまえ」「きみ」を『日本語日常会話コーパスモニター公開版』によって調査し、現代日本語の話しことばにおける4語の使用者数・使用回数および使用対象を明らかにすることである。調査の結果、4語の中で「あなた」の使用者数が最も多かったが、全体的に4語の使用者数および使用回数は少なかった。また、男女別にみると、男女間で4語の使用者数・使用回数および使用対象に大きな違いはなかった。さらに、先行研究で相手への指示・批判として「あなた」が使われることが多いと指摘されているが、今回の調査では多くみられなかった。
著者
佐野 洋子 宇野 彰 加藤 正弘 種村 純 長谷川 恒雄
出版者
日本失語症学会 (現 一般社団法人 日本高次脳機能障害学会)
雑誌
失語症研究 (ISSN:02859513)
巻号頁・発行日
vol.12, no.4, pp.323-336, 1992 (Released:2006-06-23)
参考文献数
30
被引用文献数
12 11

発症後3年以上を経過した失語症者72名にSLTAを施行し,いわば到達レベルの検査成績を,CT所見により確認した病巣部位と発症年齢の観点から比較検討した。SLTA評価点合計の到達レベルは,基底核限局型病巣例,前方限局損傷症例が高い値を示し,これに後方限局損傷例が続き,広範病巣例と基底核大病巣例は,最も低い値であった。発症年齢が40歳未満群は,軽度にまで改善する症例が多い。40歳以降発症例と,未満発症例で,到達レベルに有意な差が認められたのは,広範病巣例と,後方限局損傷例であった。前方限局損傷では,発症年齢での到達レベルの有意差はみられず,失語症状はいずれも軽減するが構音失行症状は残存する。これに対し,後方限局損傷例では,聴覚経路を介する課題や語想起の課題で発症年齢による到達レベルの差が認められる。このことから脳の,機能による可塑性が異なることが示唆される。また基底核損傷例は病巣の形状で到達レベルに差異が著しく,被殻失語として一括して予後を論ずることは難しい。
著者
小島 拓 長谷部 大地 加藤 祐介 倉部 華奈 船山 昭典 新美 奏恵 加納 浩之 齊藤 力 小林 正治
出版者
特定非営利活動法人 日本顎変形症学会
雑誌
日本顎変形症学会雑誌 (ISSN:09167048)
巻号頁・発行日
vol.26, no.3, pp.237-242, 2016-08-15 (Released:2016-09-14)
参考文献数
22
被引用文献数
2 2

Peripheral facial nerve palsy following orthognathic surgery is a rare complication. We discuss the incidence of this complication, its possible causes, subsequent treatment and ultimate outcomes.A total of 910 patients underwent orthognathic surgery in our department during the period from 2001 to 2015. Five (0.55%) of those patients had peripheral facial nerve palsy postoperatively. The postoperative day when facial nerve palsy occurred ranged from day 1 to day 13. All of the cases were unilateral and included lip motility disturbance, difficulty in closing the eyes and inability to wrinkle the forehead. All of the patients received medication with an adrenocortical steroid and vitamin B12. Stellate ganglion block and physical therapy were also used for the patients who had moderate to severe facial nerve palsy. Complete recovery was achieved in all but one of the patients, in whom slight palsy remained. There were several possible causes of facial nerve palsy including abnormal bleeding, postoperative swelling, and handling of operating instruments.In conclusion, peripheral facial nerve palsy after orthognathic surgery is relatively rare. If it occurs, however, complete recovery can be expected in most cases.
著者
日本PDA製薬学会 電子記録・電子署名(ERES)委員会 データインテグリティ分科会 DI対応進め隊 阿部 いくみ 永田 久雄 荻原 健一 橋本 勝弘 加藤 尚志 橋本 剣一 杉浦 明子 普天間 竜治 高橋 潤 政井 宣興 武田 幸雄 櫻井 國幸 谷川 誠 前田 豊
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.24, no.1, pp.10-22, 2022 (Released:2022-06-22)
参考文献数
6

Although the regulatory requirements for data integrity are appropriately described in the relevant guidelines, the question can naturally be raised on how to afford the industry for their implementation. Hereof, it is worth advancing some proposals for concrete measures of data integrity remediation so that the industry could enforce the compliance without ambiguity in the above regulation specified by the authorities. In this study, we will introduce practical methods for time adjustment, hybrid, and audit trail review in the perspective of data integrity and attempt to share best practices for regulatory compliance regarding data integrity. The study will also detail all the points of time adjustment, hybrid, and audit trail review described at the “DI Remediation Practical Seminar” held in July 2021.
著者
加藤 伸司
出版者
日本老年臨床心理学会
雑誌
老年臨床心理学研究 (ISSN:24364568)
巻号頁・発行日
vol.4, pp.47-55, 2023-03-30 (Released:2023-04-10)
参考文献数
8

HDS-R は,認知症の鑑別の補助的検査として使用されることが多いため,20 点/21点のカットオフポイントを中心とした得点評価が重視されている。HDS-R の設問は見当識や様々な質的に異なる記憶に関する項目で構成されており,それらの情報が必ずしも臨床場面やケアの場面に活用されていない。検査者やケアに当たる人は,HDS-R で得られる情報の意味を理解し,日常生活への影響やケア場面における留意点などを適切に評価できることが重要である。