著者
和田山 正
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IT, 情報理論 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.109, no.143, pp.55-60, 2009-07-16

近年、コンプレスドセンシングに関する本稿では、2元線形符号に基づくp×m 2値センシング行列のランダム構成法を提案する。ここで与えられるセンシング行列は2元線形符号の生成行列を利用することにより、O(p log_2m)ビットの情報で表すことができる。提案法により構成される線形符号の平均重み分布の結果に基づき、行列の制約等長性(Restricted Isometry Property)とインコヒーレンスについての解析を行った。
著者
和田 良子
出版者
敬愛大学・千葉敬愛短期大学
雑誌
敬愛大学研究論集 (ISSN:09149384)
巻号頁・発行日
vol.66, pp.115-133, 2004

本稿はRabin (2000)のcalibration theoremの意義を問い、期待効用理論の一般化理論の重要性を主張するものである。Calibration theoremは富に関する限界効用逓減だけでリスク態度を説明することへの痛烈な批判である。Rabinは、10ドルのような小さいstakeで期待値がプラスになるようなクジを拒む者は、1/2の確率で無限大の金額が当たるような10000ドルのクジをも退けるというパラドックスを導いた。期待効用理論への問題提起は古く、Alles (1956)に遡る。Allesによって、期待効用仮説を形成する公理のうち、独立性公理が守られないという実験結果が報告されている。独立性公理は期待効用の線形性を保証する公理であるため、それ以来、期待効用の線形性が持つ問題点を改善しようとした理論が多く発表されており、Machina(1989)によってサーベイされている。修正理論の多くは主観的な確率に基づいてウエイト付けをしたものや、非線形な形にしたものなどである。さらに、期待効用理論に代わる理論を構成するものとして、TverskyやKahanemanらによるprospect theoryにも再度焦点が当たった。Prospect theoryの多くは、特別な局面における意志決定についてのfact finding的なものであり、それらを取り入れる形で新しい理論が形成されてきた。それに対し、Epstein and Zin (1989)では、期待効用理論を一般的な異時点間の効用関数の特殊なケースとして導出している。修正型期待効用関数との最大の違いは、効用関数の形状からリスク態度を導くのではなく、リスク態度が現在と将来に関わる意思決定であることに注目し、リスク態度を、現在と将来の消費弾力性や(現在と将来の消費の平準化への嗜好の程度を表す)時間選好率と同様のパラメーターとして、recursiveな効用関数にあらかじめ組みこんでいるところである。
著者
曽田 五月也 和田 純一 平田 裕一 山中 久幸
出版者
日本建築学会
雑誌
日本建築学会構造系論文集 (ISSN:13404202)
巻号頁・発行日
vol.59, no.457, pp.29-36, 1994
被引用文献数
10 6

The damper investigated is an assemblage of a couple of units composed of two parallel steel plates and a layer of epoxy visco-elastic material (VEM) between them. When subjected to shear deformation, the VEM exhibits a hysteretic property or an energy absorbing capacity. The purpose of this paper is to present a method to construct a mechanical model to exactly simulate the dynamic behaviors of this damper, paving the way to putting it to practical use in the passive vibration-control design of buildings. A series of cyclic loading tests on the damper reveals that an equivalent stiffness and an equivalent damping coefficient, representing the hysteretic properties of the damper, are mainly dependent on the loading frequency and the current temperature. A linear three-element dashpot-spring model proposed has been confirmed capable of simulating these properties exactly .
著者
小林 宏行 河合 伸 押谷 浩 酒寄 享 小池 隆夫 大西 勝憲 斎藤 玲 中山 一朗 富沢 磨須美 大道 光秀 平賀 洋明 渡辺 彰 貫和 敏博 青木 信樹 関根 理 鈴木 康稔 荒川 正昭 和田 光一 岡 慎一 稲松 孝思 増田 義重 島田 馨 柴 孝也 吉田 雅樹 佐藤 哲夫 林 泉 宍戸 春美 赤川 志のぶ 永井 英明 渡辺 尚 馬場 基男 松本 文夫 桜井 磐 嶋田 甚五郎 堀 誠治 小田切 繁樹 鈴木 周雄 高橋 健一 平居 義裕 石丸 百合子 山本 俊幸 鈴木 幹三 山本 俊信 下方 薫 齋藤 英彦 成田 亘啓 三笠 桂一 三木 文雄 二木 芳人 副島 林造 澤江 義郎 仁保 喜之 大泉 耕太郎 市川 洋一郎 徳永 尚登 原 耕平 河野 茂 門田 淳一 朝野 和典 平潟 洋一 前崎 繁文 伊藤 直美 松本 慶蔵 永武 毅 宇都宮 嘉明 力富 直人 那須 勝 山崎 透 斎藤 厚 普久原 浩 広瀬 崇興 佐藤 嘉一 熊本 悦明 河村 信夫 岡田 敬司 稲土 博右 守殿 貞夫 荒川 創一 宮崎 茂典 大森 弘之 公文 裕巳 小野 憲昭 渡辺 豊彦 村田 匡 熊澤 淨一 松本 哲朗 尾形 信雄 高橋 康一 天野 拓哉 中村 元信 山本 松男 清水 武昭 岩井 重富 国松 正彦 大塚 一秀 中川 良英 渡辺 哲弥 松山 秀樹 杉山 勇治 中山 一誠 品川 長夫 真下 啓二 真辺 忠夫 木下 博明 森本 健 久保 正二 藤本 幹夫 上田 隆美 岩佐 隆太郎 横山 隆 児玉 節 津村 裕昭 松田 静治 保田 仁介 山元 貴雄 岡田 弘二 遠藤 重厚 山田 裕彦 高桑 徹也 斎藤 和好 相川 直樹 田熊 清継 藤井 千穂 福田 充宏
雑誌
日本化学療法学会雜誌 = Japanese journal of chemotherapy (ISSN:13407007)
巻号頁・発行日
vol.45, no.10, pp.846-871, 1997-10-25
被引用文献数
7
著者
柴田 克己 福渡 努 和田 英子 佐々木 隆造
出版者
日本ビタミン学会
雑誌
ビタミン (ISSN:0006386X)
巻号頁・発行日
vol.78, no.9, 2004-09-25

ニコチンアミドは, ヒトにおいてもトリプトファンからde novo合成される. トリプトファン-ナイアシン転換係数を60とすると, 日本人では, ナイアシン当量摂取量の半分はトリプトファンから生合成されたものであるため, この係数をどのように扱うかは, ナイアシンの必要量算定においてきわめて重要な問題となっている. ところが, このde novoニコチンアミド合成経路が, ヒトにおいて摂取ニコチンアミド量によって影響を受けるか否かについては, 未だに報告がない, もし, 摂取ニコチンアミド量によってde novoニコチンアミド生合成経路がフィードバック阻害をうけているならば, ナイアシンの必要量の策定に大きな影響を及ぼすことになる. そこで, 6名の女性を被験者として, ニコチンアミドの付加がde novoニコチンアミド生合成経路の中間代謝産物の産生に及ぼす影響を調べた. その結果, アンスラニル酸, キヌレン酸, キサンツレン酸, 3-ヒドロキシキヌレン酸, キノリン酸の産生量はニコチンアミドを89μmol/日, 310μmol/日, 562μmol/日という量を付加させても, 全く変動しなかった. すなわち, de novoニコチンアミド生合成経路は目的産物であるニコチンアミドによってフィードバック阻害を受けていないことが明らかとなった. したがって, ナイアシンの必要量を算定する上で, 摂取ニコチンアミド量を考慮に入れたトリプトファン-ナイアシン係数を算定する必要がないことが, はじめて明らかとなった. 〔論議〕勝沼会友 代謝経路におけるfeed back inhibitionは, その系の最初のステップになることになっているので, うまくデザインされていると思います. トリプトファンからナイアシンへの合成系の終末産物は何でしょうか. それによりデザインは変えねばならぬと思いますが. 柴田委員 ありがとうございます. 最終産物はニコチンアミドです. ヒトには, ニコチンアミド→ニコチン酸の反応を触媒するニコチンアミダーゼ活性は検出されていませんので. 上田委員 こういう栄養実験の被検者はどのように生活管理されるのでしょうか. といいますのは, 運動したり紫外線を受けたりすると, NAD→ポリ(ADP-リボース)系が動いてNAD合成にも影響するように思われます. 柴田委員 外での積極的な運動をさせていません. 一定の生活を送るように管理しています. 先生のサジェストは, 食事摂取基準の策定において, 大変重要なことですので, 検討してみる必要があると考えます.
著者
和田 誠 権田 武彦
出版者
国立極地研究所
雑誌
南極資料 (ISSN:00857289)
巻号頁・発行日
vol.86, pp.1-8, 1985-09

1979年3月から1980年1月まで南極みずほ基地で雪結晶の顕微鏡観測を行った。種々の形の雪結晶の中に, 骸晶構造を持つ角柱結晶が, 比較的多く降っていることがわかった。この論文では, この結晶の結晶学的諸特性と成長条件を議論する。
著者
和田 均 安藤 善司 西村 融
出版者
一般社団法人日本機械学会
雑誌
日本機械学會論文集. A編 (ISSN:03875008)
巻号頁・発行日
vol.52, no.482, pp.2416-2421, 1986-10-25

A simple procedure for obtaining a stress intensity factor using FEM proposed by the authors was applied to analyze the problem of a lug with cracks. First, to confirm its usefulness for the present method, a problem for a rectangular plate with an edge crack subjected to three point bending was calculated by the present method. The present results were compared with present photoelastic experimental results or usual results. Next, a dynamic calculation for the same problem and a problem for a lug with cracks were carried out by the present method, and the results were compared with the present experimental results using a strain gaga method. Consequently, as the usefulness of the present method was recognized, the static and the dynamic stress intensity factor of the lug with cracks was investigated by the present method varying a pin hole diameter or a crack length systematically. Furthermore, the relation between the static stress intensity factor and the dynamic one was presented.
著者
中澤 高清 森本 真司 塩原 匡貴 和田 誠 青木 周司 山内 恭 菅原 敏
出版者
東北大学
雑誌
国際学術研究
巻号頁・発行日
1997

1998年7月、1998年12月〜1999年3月にスバールバル諸島ニーオルスンにおいて、大気中の温室効果気体やエアロゾルなどの実態の把握を目指し、集中観測を行った。これらの観測から、北極域におけるCO_2、CH_4、O_3の変動が詳細に捉えられると同時に、CO_2データは海水表層でのCO_2交換の評価のための基礎データとなった。エアロゾルについては今回の集中観測で多くの基礎データの蓄積がなされ、冬から春にかけての極域におけるエアロゾルの特徴をとらえることができた。北極域における大気微量成分の広域3次元分布、特に極渦の形成・崩壊期に着目した輸送・循環・変質の過程を調べるため、1998年3月6日〜14日の期間、航空機にオゾンおよびCO_2の連続測定装置、大気サンプリング装置、エアロゾル計測装置、エアロゾルサンプリング装置等を搭載し、観測を実施した。観測は北極点を通過し北極海を横断する長距離高高度飛行(巡航高度12km)を基本とし、その他、スピッツベルゲン島近海上空およびアラスカ州バーロー沖合上空では海面付近から高度12kmまでの鉛直プロファイルの観測を行った。機器は概ね順調に動作し、良好なサンプルやデータを取得することができた。その結果、(1)CO_2やO_3濃度は圏界面高度で不連続に変化し、圏界面を挟んで鉛直混合が大きく妨げられる様子が確認された、(2)CH_4とN_2O濃度に見られた正の相関は前年度にスウェーデンで実施された大気球による北極成層圏大気の観測結果と良い一致を示した、(3)硫化カルボニル(COS)の高度分布測定から、COSが成層圏エアロゾルの硫黄供給源であることを示唆する結果が得られた、(4)北極ヘイズ層は多層構造をなし対流圏上部まで到達することがあった、(5)エアロゾルの直接サンプリングにより、成層圏・自由対流圏では主に硫酸粒子、下部混合層では海塩粒子の存在が確認された。
著者
金 漢龍 堀江 武 中川 博視 和田 晋征
出版者
日本作物学会
雑誌
日本作物學會紀事 (ISSN:00111848)
巻号頁・発行日
vol.65, no.4, pp.644-651, 1996-12-05
被引用文献数
17

温度傾斜型CO_2濃度制御チャンバー(TGC)を用い, 2段階のCO_2濃度(&cong;350μLL^<-1>, 690μLL^<-1>)と4段階の温度条件とを組み合わせて生育させた水稲(アキヒカリ)個体群の収量およびその構成要素器官の生長反応を1991年と1992年の2作期について検討した. 実験に供した温度範囲は, 全生育期間の平均気温として1991年は27.2〜31.1℃, 1992年は26.0〜29.3℃であった. 約2倍増のCO_2濃度(690μLL^<-1>)処理による水稲の最大増収率は最も低温, すなわち現行の外気温もしくはそれに近い温度条件下で得られ, 1991年と1992年にそれぞれ40%と22%であった. この収量増加は, 主としてCO_2濃度倍増処理による単位面積当たりの穎花数の増加に帰せられ, 登熟歩合や粒重に対するCO_2濃度の効果は相対的に小さかった. CO_2濃度倍増処理による穎花数の増加率, ひいては増収率の年次間差異は, N施肥量の年次間の違い(1991年: 24 gN m^<-2>, 1992年: 12 gN m^<-2>)を反映した結果と考えられる. 一方, 現行の気温より高温条件下における収量は, CO_2濃度にかかわらず, 気温上昇に伴って急激に低下した. 気温上昇にともなう減収程度はCO_2濃度倍増区で大きい傾向にあり, 高温条件下では収量に対するCO_2濃度の効果がみられなくなった. 高温条件下での収量低下の原因はまず高温による不稔穎花の増加に求められ, 次に不完全登熟籾の増加にあった. 不稔穎花の発生は開花期の日最高気温の平均値と最も密接に関係していることが認められた.
著者
川手 進 六本木 隆 大和田 進
出版者
一般社団法人日本消化器外科学会
雑誌
日本消化器外科学会雑誌 (ISSN:03869768)
巻号頁・発行日
vol.27, no.8, pp.1999-2002, 1994-08-01
被引用文献数
7

偶然に発見された巨大な大網嚢腫性リンパ管腫の1例を経験したので,若干の文献的考察を加えて報告した.患者は16歳の男性で,感冒様症状のため来院した際に,腹部の膨隆と波動を指摘され,精査加療のため入院した.腹部超音波および腹部CT検査で多房性の腫瘤を認め,大網嚢腫の診断で嚢腫剔出術を施行した.嚢腫は多房性で,大きさ32×23×15cm,重さ7,100gで,その表面は大網組織で覆われていた.病理組織学的に腫瘍は嚢腫性リンパ管腫であった.本症例は大網嚢腫の本邦報告例のうち最大であった.
著者
滝嶋 康弘 米山 暁夫 宮地 悟史 柳原 広昌 中島 康之 和田 正裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. CS, 通信方式 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.494, pp.37-42, 2001-12-06

携帯電話に対するビデオ配信用コンテンツ制作システムの設計法を提案する。モバイルマルチメディアが注目される中、そのコンテンツ制作は従来のインターネット配信向け制作環境などとは異なる要求条件を有する。受信端末環境、伝送ネットワーク環境、製作環境における低レート伝送、素材時間短縮、補助情報・テロップ挿入、一素材多利用等の条件を考慮し、低レートAV符号化、高機能AV編集、軽量テロップフォーマット、高速フォーマット変換等の特徴を持つ制作システムを提案する。本設計に基づくソフトウエアシステムの開発に関しても報告する。
著者
滝嶋 康弘 米山 暁夫 宮地 悟史 柳原 広昌 中島 康之 和田 正裕
出版者
一般社団法人映像情報メディア学会
雑誌
映像情報メディア学会技術報告 (ISSN:13426893)
巻号頁・発行日
vol.25, no.83, pp.37-42, 2001-12-13

携帯電話に対するビデオ配信用コンテンツ制作システムの設計法を提案する。モバイルマルチメディアが注目される中、そのコンテンツ制作は従来のインターネット配信向け制作環境などとは異なる要求条件を有する。受信端末環境、伝送ネットワーク環境、制作環境における低レート伝送、素材時間短縮、補助情報・テロップ挿入、一素材多利用等の条件を考慮し、低レートAV符号化、高機能AV編集、軽量テロップフォーマット、高速フォーマット変換等の特徴を持つ制作システムを提案する。本設計に基づくソフトウエアシステムの開発に関しても報告する。
著者
滝嶋 康弘 米山 暁夫 宮地 悟史 柳原 広昌 中島 康之 和田 正裕
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会研究報告. AVM,[オーディオビジュアル複合情報処理] (ISSN:09196072)
巻号頁・発行日
vol.35, pp.37-42, 2001-12-13

携帯電話に対するビデオ配信用コンテンツ制作システムの設計法を提案する。モバイルマルチメディアが注目される中、そのコンテンツ制作は従来のインターネット配信向け制作環境などとは異なる要求条件を有する。受信端末環境、伝送ネットワーク環境、制作環境における低レート伝送、素材時間短縮、補助情報・テロップ挿入、一素材多利用等の条件を考慮し、低レートAV符号化、高機能AV編集、軽量テロップフォーマット、高速フォーマット変換等の特徴を持つ制作システムを提案する。本設計に基づくソフトウエアシステムの開発に関しても報告する。
著者
滝嶋 康弘 米山 暁夫 宮地 悟史 柳原 広昌 中島 康之 和田 正裕
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. IE, 画像工学 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.101, no.496, pp.37-42, 2001-12-06
被引用文献数
1

携帯電話に対するビデオ配信用コンテンツ制作システムの設計法を提案する.モバイルマルチメディアが注目される中, そのコンテンツ制作は従来のインターネット配信向け制作環境などとは異なる要求条件を有する。受信端末環境、伝送ネットワーク環境、制作環境における低レート伝送、素材時間短縮、補助情報・テロップ挿入、一素材多利用等の条件を考慮し、低レートAV符号化、高機能AV編集、軽量テロップフォーマット、高速フォーマット変換等の特徴を持つ制作システムを提案する。本設計に基づくソフトウエアシステムの開発に関しても報告する。
著者
和田 修 行川 敏正 宮野 信治 福田 良 芳賀 亮 沼田 健二
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. ICD, 集積回路 (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.100, no.5, pp.1-6, 2000-04-13

ロジック混載DRAMマクロに適した不良セル救済効率の高いデータ線シフトリダンダンシ方式について報告する。データ線シフトリダンダンシ方式は、DRAM内部のグローバルデータ線と入出力バッファの接続をシフトすることにより, 欠陥ビット線を救済する方式でロジック混載DRAM等、高速動作が要求されるDRAMには適した方式である。本方式を採用した混載DRAMマクロは周波数200MHzで動作し、データ転送レート51.2Gbit/sを実現した。
著者
加々美 寛雄 飯泉 滋 大和田 正明 濡木 輝一 柚原 雅樹 田結庄 良昭 端山 好和
出版者
日本地質学会
雑誌
地質学論集 (ISSN:03858545)
巻号頁・発行日
no.44, pp.309-320, 1995-11-30
被引用文献数
10

瀬戸内・近畿地方の領家帯地域に分布する火成岩類の活動時期は, ジュラ紀初期-中期, 後期白亜紀, 中新世中期の3回である。最初のジュラ紀初期-中期に活動した火成岩類は領家花崗岩中に捕獲岩体として分布するはんれい岩, 変輝緑岩である。前者は下部地殻条件下 (6-8 kb) におけるソレアイト質マグマからの早期晶出相と考えられる。ノーライト, 角閃石はんれい岩, 変輝緑岩によるSm-Nd全岩アイソクロン年代は192±19 Maである。また, ノーライト, 角閃石はんれい岩中に不規則な形の産状を示す斜長岩質はんれい岩のSm-Nd全岩年代は162±29 Maである。後期白亜紀の火成活動は約110 Ma 前, 安山岩質マグマの活動で始まり, その後, 花崗岩の大規模な深成作用に引き継がれた。この深成作用は100-95 Maと80-75 Maの2つの時期に分けることができる。中新世中期の火成活動はユーラシア大陸から西南日本が分離, 移動したことにより引き起こされたものである。日本海形成(15 Ma)に関係した火成活動は, ユーラシア大陸東縁部の狭い範囲で始新世後期-漸新世初期に始まった。ジュラ紀初期*中期火成岩類の ^<87>Sr/^<86>Sr初生値, εNd初生値は後期白亜紀花崗岩類のこれらの値と似ている。このことは両火成岩類が似た起源物質から形成されたことを暗示している。一方, 中新世中期火成岩類のSr同位体比初生値, εNd初生値は以上の火成岩類の値とは著しく異なっている。中新世中期の日本海形成とともに, 西南日本弧の大陸性リンスフェアがフィリピン海プレート上にのし上げた。この出来事によって, 瀬戸内, 近畿領家帯地域下のリンスフェア・マントルはLILあるいはLREE元素に枯渇した化学組成をもつ様になった。中新世中期に活動した玄武岩はこの様にして形成された新しいマントルから形成された。高マグネシア安山岩は玄武岩を形成したマントルより浅い, 沈み込むプレートに由来する流動体相の影響を受けたマントルから形成された。安山岩, 石英安山岩は上部マントル由来のマグマと下部地殻の部分溶融によって出来たマグマとの混合物から形成された。それらのSr同位体比初生値とεNd初生値は, 下部地殻の部分溶融によって出来たマグマの寄与の程度により変わる。この下部地殻は苦鉄質化学組成をもち, 西南日本弧の後期白亜紀に活動した花崗岩類にとっても重要な起源物質である。