著者
荒井 幸代 宮崎 和光 小林 重信
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能 (ISSN:21882266)
巻号頁・発行日
vol.13, no.4, pp.609-618, 1998-07-01 (Released:2020-09-29)
被引用文献数
1

Most of multi-agent systems have been developed in the field of Distributed Artificial Intelligence (DAI) whose schemes are based on plenty of pre-knowledge of the agents' world or organized relationships among the agents. However, these kind of knowledge would not be always available. On the other hand, multi-agent reinforcement learning is worth considering to realize the cooperative behavior among the agents with littls pre-knowledge. There are two main problems to be considered in multi-agent reinforcement learning. One is the uncertainty of state transition problem which is owing to concurrent learning of the agents. And the other is the perceptual aliasing problem which is generally held in such a world. Therefore, the robustness and flexibility are essential for the multi-agent reinforcement learning toward these two problems. In this paper, we evaluate Q-learning and Profit Sharing as the method for multi-agent reinforcement learning through some experiments. We take up the Pursuit Problem as one of the multi-agent world. In the experiments, we do not assume the existence of any pre-defined relationship among agents or any control knowledge for cooperation. Learning agents do not share sensation, episodes and policies. Each agent learns through its own episodes independent of the others. The result of experiments shows that cooperative behaviors emerge clearly among Profit Sharing hunters who are not influenced by concurrent learning even when the prey has the certain escaping way against the hunters. Moreover, they behave rational under the perceptual aliasing areas. On the other hand, Q-learning hunters can not make any policy in such a world. Through these experiments, we conclude that Profit Sharing has the good properties for multi-agent reinforcement learning because or its rubustness for the change of other agents' policies and the limitation of agent's sensing abilities.
著者
位髙 駿夫 藤平 杏子 大川 康隆 宮崎 誠司 塚田 真希
出版者
The Society of Physical Therapy Science
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.37, no.4, pp.369-373, 2022 (Released:2022-08-20)
参考文献数
22

〔目的〕本研究は,女性柔道選手の月経期間別の月経随伴症状と生活習慣との関連性について明らかにすることを目的とした.〔対象と方法〕18歳から21歳までの女性柔道選手169名を対象とし,プロフィール,柔道実施状況,生活習慣で構成された質問紙と月経随伴症状に関する質問紙(MDQ)調査を実施した.〔結果〕月経前および月経中のMDQの総得点と平日の睡眠時間との間に負の相関が認められた.平日および休日の睡眠時間が短い女性柔道選手は月経随伴症状の得点が高値を示す関係性が明らかとなった.〔結語〕女性柔道選手において月経前や月経中は月経随伴症状が悪化することから,睡眠時間をはじめとした生活習慣への注意が必要である.
著者
劉 俊哲 植田 憲 宮崎 清
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.3, pp.3_93-3_102, 2012 (Released:2012-11-30)
参考文献数
53

本稿は、中国の南京に伝わる伝統的な「秦淮灯彩」の歴史の源流、変遷、沿革と歴史の諸相を考察したものである。特に、「秦淮灯会」活動を明確に記載した文献の調査を通して、南北朝時代から清末、民国までの歴史を回顧した。その結果、以下の知見が得られた。(1)古くから「秦淮灯会」は、「秦淮灯彩」を用いながら一連の具体的な活動を通して長期間に当該地域の活性化に果たす役割がある。(2)「秦淮灯彩」をはじめ、当該地域に盛んになった手工業から生み出した伝統的な生活文化は、人びとが地域のなり立ちを確認する重要な契機を提供していた。(3)「秦淮灯彩」は身分、年齢、性別を問わず、当該地域の人びとに共有された。そのため、「秦淮灯彩」のあった姿を明らかにすることは、人間関係、調和社会の構築を強調している中国には、現実的な意義がある。(4)近年では、機器導入するによる、量産が多くなされるととに、「秦淮灯彩」の質と意匠の低下が激しい現状を迎えている。今後、伝統的なものづくりを、いかに継承していくかが大きな課題となっているといえよう。
著者
宮崎 貴久子 斎藤 真理
出版者
日本家族社会学会
雑誌
家族社会学研究 (ISSN:0916328X)
巻号頁・発行日
vol.14, no.2, pp.54-65, 2003-01-31 (Released:2010-02-04)
参考文献数
30

死によって大切な人を失うことは大きな喪失体験である。世界保健機関によると, 緩和ケアの目標は, 患者とその家族にとってできる限り良好なクオリティ・オブ・ライフを実現させることであり, 患者の療養中も, 患者と死別後も家族への援助を継続する。本研究の目的は, 一般病棟の緩和ケアにおける, 患者の死が家族にどのように影響するのかを明らかにすることである。16名の家族の自由意志による研究参加協力を得て, 死別6か月以降にライフライン・インタビュー・メソッドによる面接調査を行った。描かれたライフラインの分岐点とイベントの分析結果より, 家族が死別体験をどのようにとらえて, 将来をどのように描いているのかその傾向を探った。家族の悲嘆反応は死別した家族との生前の関係, ジェンダー, 年齢などの多くの要因によって異なる。家族ケアの今後の課題と方向性を提示する。
著者
梅津 顕一郎 Kenichiro UMEZU 宮崎公立大学人文学部 Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities
雑誌
宮崎公立大学人文学部紀要 = Bulletin of Miyazaki Municipal University Faculty of Humanities (ISSN:13403613)
巻号頁・発行日
vol.29, no.1, pp.193-202, 2022-03-10

本稿は、社会学的消費文化論の理論枠組みに関する一考察の試みである。かつて若者文化論、メディア文化論等に接点を持ち、ポスト・モダン化する現代社会を説明する有力な議論枠組みの一端を担ってきた所謂消費文化論は、今日、有効な理論的役割を果たしているとは言えない状況になっている。 これに対して本稿では、大塚英志が1989 年の『物語消費論』以来、幾度となく修正を試み展開してきたと思われる「物語消費」の概念を中心に、消費と物語性に関する従来の議論を再整理することで、消費文化論の社会的有効性を再生する足がかりを模索する。筆者は80 年代の消費文化論に対しては批判的な立場であり、その問題視座の根幹をマーケティングと80 年代の我国に於けるポスト・モダニズムの接点に置いていることを公言している大塚にとってその現代社会論的な貢献について筆者のような観点から議論することは、必ずしも本人の執筆意図に即したものであるとは言えないだろう。しかし筆者は大塚の議論が、益々グローバル化する情報社会の下での、消費を介した認識や社会観、あるいはアイデンティティの形成に対して批判的な議論を展開するための、有効な道具となりうる可能性を孕んでいると考える。彼の提示する「サーガ(saga)」としての大きな物語という概念は、J.F. リオタールが提起した「ナラティブ(narrative)」としての大きな物語とは本質的に異なるものである。しかしそれは決して概念的誤謬によるズレではなく、むしろ「物語」の変質を言い当てたものである。 ここでは、大塚の「サーガとしての物語」と、J.F. リオタールによる「大きな物語」の概念について比較検討を行い、それらを大澤真幸による3 つの時代区分に当てはめることにより、シミュラークルも含む記号的価値の消費と、それを通じた世界認識の概念地図を、試論的に構築していく。
著者
頼 瓊琦 趙 英玉 田中 みなみ 宮崎 清
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
日本デザイン学会研究発表大会概要集 47
巻号頁・発行日
pp.148-149, 2000-10-16 (Released:2017-11-08)

This is one of the results of a series study, color image survey in Asian countries. This paper reports study result of vivid, pale and dark tone color image perceived by Asian country students, including Taiwan, Japan, Korea and five cities in china. Results show that there are basic similar feelings toward different tone colors among subjects, nevertheless the Country, such as vivid color is active, pale color is passive and soft yet subtle differences exist too. The researchers assumes the former is the basic mutual color feeling and the later is the cultural influence imposed on subjects.
著者
宮崎 正也
出版者
特定非営利活動法人 組織学会
雑誌
組織科学 (ISSN:02869713)
巻号頁・発行日
vol.35, no.2, pp.114-127, 2001-12-20 (Released:2022-08-03)
参考文献数
35

コミュニケーション研究の分野において新聞,雑誌,書籍,ラジオ/テレビ放送などのメディア内容を分析することで社会的文脈や行為主体の意図を推論するための手法として,「内容分析」が開発されてきた.本稿では,この手法をインクジェット・プリンタ業界の事例研究に応用する.業界全体での製品コンセプトの変遷と各企業の競争上の注目点を新製品ニュース・リリースの分析によって描く.その結果から各社の競争戦略を読み解く.
著者
藤森 明 内藤 秀宗 宮崎 哲夫 徳小田 康秀 吾妻 眞幸 橋本 幸枝 上坂 正利 小島 弘栄 似鳥 嘉昭
出版者
一般社団法人 日本人工臓器学会
雑誌
人工臓器 (ISSN:03000818)
巻号頁・発行日
vol.26, no.1, pp.157-160, 1997-02-15 (Released:2011-10-07)
参考文献数
8

3種のポリスルホン膜、PS-1.6UW、APS-150、BS-1.6を血液透析(HD)および血液透析濾過(HDF)に使用し、膜断面における蛋白付着状態を共焦点レーザー走査蛍光顕微鏡で観察した。観察した蛋白は、アルブミン(Alb)、IgG、β2-microglobulin (β2-MG)、C3a、顆粒球Elastase、interleukin-1β、interleukin-6、tumor necrosis factor-αの8種類である。Alb、β2-MGは各膜ともHD、HDFで同様の強い蛍光が観察されたが、サイトカインの付着は各膜とも少なかった。緻密層の厚さや細孔構造の違い、表面polyvinyl pyrrolidone配合比率、電位の違いなどによると思われる、若干の差異を認めたものの、今回比較観察した3種類のポリスルホン膜では、これらの蛋白付着パターンに大きな違いを認めなかった。
著者
酒井 太一 大森 純子 高橋 和子 三森 寧子 小林 真朝 小野 若菜子 宮崎 紀枝 安齋 ひとみ 齋藤 美華
出版者
日本公衆衛生学会
雑誌
日本公衆衛生雑誌 (ISSN:05461766)
巻号頁・発行日
vol.63, no.11, pp.664-674, 2016 (Released:2016-12-08)
参考文献数
19
被引用文献数
3

目的 向老期世代における新たな社会関係の醸成と保健事業での活用を目指し,“地域への愛着”を測定するための尺度を開発することを目的とした。方法 “地域への愛着”の概念を明らかにした先行研究に基づき合計30項目を“地域への愛着”の尺度案とした。対象は東京近郊に位置する A 県 B 市の住民とし住民基本台帳データより,50~69歳の地域住民から居住エリア・年代・男女比に基づき1,000人を多段階無作為抽出し,無記名自記式質問用紙を郵送にて配布・回収した。収集されたデータを用いて尺度の計量心理学的検討を行った。結果 583人から有効回答が得られた(有効回答率58.3%)。項目分析では項目の削除はなかった。次いで因子分析を行い,因子負荷量が0.40未満の 2 項目,複数の因子にまたがって0.40以上であった 3 項目,因子間相関が0.04~0.16と低くかつ項目数が 2 項目と少なかった因子に含まれる 2 項目の計 7 項目を削除し 4 因子構造23項目を採用し尺度項目とした。各因子は“生きるための活力の源”,“人とのつながりを大切にする思い”,“自分らしくいられるところ”,“住民であることの誇り”と命名した。 “地域への愛着”尺度全体の Cronbach の α 係数は α=0.95であり内的整合性が確認された。既存のソーシャル・サポートを測定する尺度と相関をみたところ統計学的に有意な相関があり(P<0.001)基準関連妥当性も確認された。また,共分散構造分析による適合度指標も十分な値を示した。結論 開発した尺度は“地域への愛着”を測定する尺度として信頼性・妥当性を有すると考えられた。
著者
山田 裕一 宮崎 康支
出版者
松本短期大学
雑誌
松本短期大学研究紀要 (ISSN:09107746)
巻号頁・発行日
no.32, pp.49-60, 2022-03

幼児教育・保育者向け指南本(いわゆる「ハウツー本」)のテクスト分析を通して、障害児教育・保育における環境づくり、言葉がけ、そして人間関係についての射程を明らかにした。一般の幼稚園・保育園において障害児や医療的ケア児等の受入を一般化しようという社会的潮流と、それに伴う制度的変遷などを受け、保育所・幼稚園の保育者においては障害児保育等に関する学習やスキル向上の必要性に駆られている。研修以外の有力な学習方法の選択肢として指南本があり、その分析を通して伝達されうるメッセージを検討した。特に国が示すあるべき保育のあり方や障害者権利条約および障害者差別解消法施行に伴う、障害の社会モデルの考え方がどのように反映されているのかについて、2冊各2版の指南本において環境づくり・言葉がけ・人間関係に関する論点について分析・検討した。その結果、指南本における指導の射程として保育の多様性や子どもの理解、そしてユニバーサルデザイン等の理念を掲げて伝達されていた。一方で、個別の言語・図像表現と全体的な内容が子どもの医学的・個人的理解に傾斜しているように読み取れた。これはイラストや図を用い、わかりやすさや手に取りやすさを重視した指南本の限界である可能性がある。今後の研究課題としては、こうした指南本に幼児教育・保育の政策がどのようにして言語・図像において表現され、それが如何にして読者に解釈されうるか、また指南本では伝わりにくい子どもの多様性を大切にする保育のあり方や社会モデルの哲学・理念をどう伝えていくかという点になる。(著者抄録)
著者
千葉 伸太郎 足川 哲夫 徳永 雅一 森山 寛 林 成彦 宮崎 日出海
出版者
日本口腔・咽頭科学会
雑誌
口腔・咽頭科 (ISSN:09175105)
巻号頁・発行日
vol.9, no.3, pp.443-451, 1997-06-01 (Released:2011-07-05)
参考文献数
7
被引用文献数
1

(目的) 小児の睡眠呼吸障害と睡眠時の成長ホルモン (GH) 分泌への影響について検討した.(対象と方法) 1995.7.1~1996.6.30にAdenotonsillectomyを行った患児のうち, いびきのエピソードを認めた24例に術前後で血中ソマトメジンC値を測定した.(結果) 24例中15例で増加, 6例で不変, 3例で減少し, 全体で平均170.46±91.58ng/mlから222.0±114.29ng/mlへと有意に増加を認めた.(結論) アデノイド, 扁桃肥大によるいびきを伴う小児では睡眠呼吸障害のため深睡眠の出現が影響を受けGH分泌が減少し, 手術により睡眠呼吸障害が改善するとGH分泌が増加すると推察した.
著者
高木 恭子 宮崎 仁志
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.105-108, 2022-06-25 (Released:2022-07-21)
参考文献数
7

食品による健康危機事案が発生した際に対応可能な金属類の分析法を,マイクロ波分解装置と誘導結合プラズマ発光分光分析(ICP-AES)装置を用いて検討した.水道水質基準項目および水質管理目標設定項目に設定されている元素を含む18種類の元素(アルミニウム,ヒ素,ホウ素,カドミウム,コバルト,クロム,銅,鉄,水銀,マンガン,モリブデン,ニッケル,鉛,アンチモン,セレン,スズ,タリウム,亜鉛)を対象とし,食品試料として飲料5種類(緑茶,ブラックコーヒー,牛乳,オレンジジュース,ビール)および加工食品7種類(ビーフカレー,ぎょうざ,えびのチリソース和え,さばの塩焼き,えびピラフ,お好み焼き,果実缶詰)を使用した.添加回収試験の結果,真度は88~108%であり,室内精度は0.2~11.3%であった.本法では試料の秤量から測定終了までの所要時間は3時間以内であり,健康危機発生時における金属類の分析法として適用可能であると考えられた.
著者
兒玉 庸平 朱山 裕宜 宮崎 祐丞 竹内 孝
出版者
一般社団法人 人工知能学会
雑誌
人工知能学会全国大会論文集 第36回 (2022)
巻号頁・発行日
pp.3G3OS15a04, 2022 (Released:2022-07-11)

鉄道事業者は新駅設置時の需要推定や駅改良の効果測定に際して,駅勢圏(駅周辺エリアで居住・就業する人がどの駅を利用しているかを示す商圏の一種)の推定を実施する.従来は駅中心ら半径数km以内を駅勢圏とし,国勢調査などの統計データを用いて鉄道利用者数を推定する手法が用いられるが,異方性を考慮しないため,実際の駅勢圏に即しておらず予測と実態との間に大きな乖離が生じている.近年,IC定期券サービスや経路検索サービスの登場により大規模な空間データの取得が可能となり,より空間的に細かい粒度で精度の高い駅勢圏の推定が期待される.本研究では,郵便番号ごとのIC定期券登録数から駅勢圏を定義し,郵便番号ごとの各駅のIC定期登録数を予測する問題として駅勢圏推定を定式化する.さらに対象エリア内の郵便番号から近隣駅までの所要時間,駅同士の地理的関係性などの地理空間情報を用いた教師あり学習によって駅勢圏の推定法を提案する.従来手法と比較し,提案法による新駅需要の推定誤差が削減されたことを示す.

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著者
宮崎県立都城図書館 [編]
出版者
宮崎県立都城図書館
巻号頁・発行日
vol.昭和9年6月, 1934
著者
瀬川 典久 村山 優子 権藤広海 山根 信二 宮崎 正俊
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.815-824, 2002-03-15

WWW(World Wide Web)上で動作するコミュニケーションシステムの1つである電子掲示板システムは様々なシステムに搭載され幅広い人たちに利用されている.これらのシステムの多くは,文字情報の交換を基本としている.そのため,情報の受け手と送り手とであらかじめ使用する文字コードについて合意する必要があり,さらに,図などを用いることができない.本研究では,文字コードによらないエンターテイメントコミュニケーションのための手書き伝言板システム「戸口伝言板」をWWW上に実装した.戸口伝言板とは,学生寮などで個人の部屋の扉に設置した伝言板のことである.実装したプロトタイプシステムでは,ユーザがマウスなどを用いて手書きでメッセージを作成する.このようなシステムでは自由で活発なコミュニケーションのために匿名性が必要となる.従来の電子掲示板のメッセージは,利用者自身が明らかにしない場合,匿名性が保証される.戸口伝言板では,利用者が手書きのメッセージを伝言板に残すため,筆跡から書き手を特定される恐れがある.本論文では,戸口伝言板のような手書きのメディアにおけるメッセージの匿名化について報告する.筆跡から書き手を特定できないようにするためには,書き手の筆跡の癖をその筆跡から取り除くことが必要であるが,同時に筆跡を取り除いた後のメッセージは読める形でなければならない.本論文では,筆跡における匿名化アルゴリズムを提案し,実装した.ユーザによる利用実験により匿名化アルゴリズムの評価を行い,その有効性を確認した.
著者
丸川 恵理子 吉田 文彦 宮崎 英隆 櫻井 仁亨 石井 良昌 小村 健
出版者
公益社団法人 日本口腔外科学会
雑誌
日本口腔外科学会雑誌 (ISSN:00215163)
巻号頁・発行日
vol.56, no.5, pp.323-327, 2010-05-20 (Released:2013-10-19)
参考文献数
17

The initial symptoms of leukemia include oral manifestations such as gingival hemorrhage and swelling. In patients with these symptoms, attention should be paid to the early diagnosis of acute leukemia. This report describes three cases of acute myelogenous leukemia (AML) with initial manifestations in the oral cavity.Patient 1: A 32-year-old woman. Ulcer lesions of the oral mucosa were diagnosed as decubital ulcers, and symptoms did not respond to the application of steroid ointment. She also had appetite loss, general malaise, and bloody stools. Blood examination showed a low white-cell count (1,600/μl).Patient 2: A 52-year-old man. He received anti-inflammatory treatment and had pain at the mandibular third molar region and gingival swelling, but the symptoms did not improve. At the initial visit, pericoronitis of the mandibular third molar with fever and general malaise were observed. Blood examination showed a low white-cell count (2,300/μl) and remarkably increased myeloblasts (20 %) .Patient 3: A 54-year-old woman. She received medication to treat full-mouth gingival swelling. However, fever and general malaise persisted. Blood examination showed a high white-cell count (47,000/μl).All three patients were given a diagnosis of AML on bone marrow biopsy.When the patients present with oral symptoms such as gingival swelling and ulcers accompanied by fever and general malaise, blood examinations should be promptly performed for the differential diagnosis of acute leukemia.