著者
照屋 大地 宮崎 大智 中條 拓伯
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 D (ISSN:18804535)
巻号頁・発行日
vol.J100-D, no.3, pp.287-297, 2017-03-01

複数の高速なデータ入力とインターネットへのデータ出力が必要となる組み込みシステムのプロトタイピングのためのフレームワークPyJerを提案した.PyJerを用いた開発では汎用の高位合成ツールとメモリアクセスチューニングのための高位合成ツールを組合せそれぞれの利点を活かすことが可能となる.これによってSoCを用いた組み込みシステムの高速なプロトタイピングが実現できる.複数ツールの使用に起因する複雑なビルド手順の自動化を行い,開発サイクルの短縮を可能とした.またPyJerによってセンサ入力の並列化を行ったアプリケーションのプロトタイピングを行い,ハードウェア使用率の低いこと,CPUを用いた実装と比較してパフォーマンスの向上が期待できることを確認した.
著者
宮崎隆 [ほか] 編
出版者
医歯薬出版
巻号頁・発行日
2006
著者
下田 正弘 小野 基 石井 清純 蓑輪 顕量 永崎 研宣 宮崎 泉 Muller Albert 苫米地 等流 船山 徹 高橋 晃一
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(S)
巻号頁・発行日
2015-05-29

本研究事業は、永続的に利用可能な仏教学の総合的知識基盤を日本に構築し、世界の仏教研究におけるウェブ知識拠点(ハブ)を構築することで次世代人文学のモデルを提供することを目的とする。これを達成するため、(1)大蔵経テキストデータベース(SAT-DB)を継続的に充実発展させ、(2)有望な新規国際プロジェクトを支援し、連携してSAT-DBネットワークを拡充し、(3)人文学の暗黙的方法の可視化を図って人文学テクストの適切なデジタル化を実現するためTEIと連携してTEI-Guidelinesを中心とするテクスト構造化の方法を精緻化し、(4)ISO/Unicodeとの連携し、国内のデジタル・ヒューマニティーズ(人文情報学)に関する研究教育の環境向上を図り、人文学国際化を支援する研究環境を整備する。これらの成果はSAT大蔵経テキストデータベースにオープンアクセスのかたちで反映させることをめざす。本年度は、James Cummings(Newcastle University, UK)、Paul Vierthaler(Leiden University, NLD)を迎えた国際会議「デジタルアーカイブ時代の人文学の構築に向けて」をはじめ、国際会議とワークショップを3回主催し、国内外で招待講演を行うとともに、東大から2度のプレスリリースを行って、当初の研究計画を大きく進展させた。その成果は、次世代人文学のモデルとなる新たなデジタルアーカイブSAT2018の公開となって結実した。SAT2018は、直接の専門となる仏教研究者にとって実用性の高い統合的研究環境を提供するばかりでなく、人文学研究のための専門知識デジタルアーカイブのモデルになるとともに、人文学の成果を一般社会に利用可能なかたちで提供する先進的事例となった。
著者
宮崎 かすみ
出版者
横浜国立大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2007

近年大幅な見直しが進行している十九世紀後半のイギリス同性愛史の最新研究成果の全体を渉猟した上で、研究者を招へいし、日本に広く紹介した。この知見に基づき、オスカー・ワイルドの文学について、同性愛をめぐる思想史の文脈から分析して明らかにした。これに並行して、この時代の英文学に特有な、同性愛タブーを背景としながらもそのなかでも根強く存在した同性愛文化に、同時代の英文学者、夏目漱石が大きく影響を受けたことを明らかにし、この成果を書籍にして刊行した。また英語圏で発表を行ったり、論文集に寄稿するなどして、漱石の代表作『心』とワイルド、聖書の関係性を英語圏に広く紹介した。
著者
孫 大雄 宮崎 清 樋口 孝之
出版者
日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.54, no.6, pp.1-10, 2008-03-31

本稿では、1920-1930年代における小池新二(1901-1981年)のデザイン振興活動を考究した。小池は、学生時代に美学美術史を学ぶ一方で旅と登山に親しみ、実践の活動を通して自然と文明に対する思索を行う視座を感得した。大学卒業後、建築美学を探求するなかで欧州で展開されていた近代造形活動の考えに心服し、1930年代には多くの建築情報の出版活動への関与を行い、合理性・工学的審美性など客観的な科学を基盤とした近代建築運動を精力的に紹介した。また、「海外文化中央局」を設立運営し、建築・工芸についての世界的な活動の動向を中心に、幅広く人類文化の全領域にわたる膨大な情報の収集.研究を行った。1936年の「日本工作文化連盟」設立にあたっては中心的な役割を果たし、「工作」という概念を用い、生活の様式をつくりあげるものとしての造形運動の啓蒙・指導をめざした。それらの活動を通して、生活のあらゆる場面に造形美を創成しようとする「汎美計画」の思想を構築し、提唱した。
著者
柳澤 弘揮 宮崎 修一 岩間 一雄
出版者
一般社団法人電子情報通信学会
雑誌
電子情報通信学会技術研究報告. COMP, コンピュテーション (ISSN:09135685)
巻号頁・発行日
vol.107, no.537, pp.1-8, 2008-03-03

安定結婚問題は,GaleとShapleyによって提案されたマッチングの問題である.任意の例題について,解が存在し,それを見つける多項式時間が存在することが知られている.しかし,このアルゴリズムによって得られるマッチングは「男性最適」,つまり,男性にとっては好ましいが女性にとっては好ましくないマッチングである(逆に,男女の役割を入れ替えれば,女性最適なマッチングになる).GusfieldとIrvingによって提案された男女平等安定マッチング問題は,男女両者にとって「公平な」安定マッチングを求める,つまり,男性側の不満足度の和が女性側の不満足度の和になるべく近づくような安定マッチングを求める問題である.この問題は,強NP困難であることが知られている.本稿では,男女平等安定マッチング問題に対して,ほぼ最適な解を求める多項式時間アルゴリズムを与える.さらに,評価指標を一つ増やして,男女平等(sex-equality)の観点でほぼ最適なもののうち,全体の公平さ(egalitarian)が最小の安定マッチングを求める問題を考える.我々は,この問題がNP困難であることを示し,この問題に対して近似度が2より良い多項式時間アルゴリズムを構築した.
著者
中村 満紀男 平田 勝政 岡田 英己子 二文字 理明 星野 常夫 荒川 智 宮崎 孝治 渡辺 勧持
出版者
筑波大学
雑誌
基盤研究(A)
巻号頁・発行日
1999

19世紀末にイギリスで誕生した優生学は、瞬く間に欧米列強にも後進国にも受容される。それは、それぞれが優生学を必要とする国内情勢と国際環境に置かれており、民族自滅を回避し、人種(種族)改良をめざしていたからである。その具体策として、肯定(積極)的優生学よりは否定(肯定)的優生学が諸科学の関与のもとに展開される。その主たる対象としては「精神薄弱」「狂気」等が、方法としては断種が選択される。断種の当初の目的は、優生学を目的とする劣等種の減少・解消と収容施設の不足に対する補完を意図する優生断種にあったが、優生学の科学的根拠に対する疑問とともに、精神薄弱者のコミュニティ生活可能論および性行動受容論、子どもをもつことによる生活・養育の困難等の社会適応上の理由に基づく選択断種へと転換することになる。この過程において、精神薄弱者およびその行動を正常とみる範囲が拡大したことは確かである。このような優生学とその影響は、国と地方によって差異があったが、それは優生学に対する支持勢力の有無に基づいていた。宗教的要素と科学の関与の度合いが最大の要因となる。概ね優生学を歓迎したプロテスタント教会と社会学等の関与が強力な場合は、優生学運動は拡大し、断種法が可決されたが、ローマ・カトリック勢力が強大で、科学が消極的な場合は、優生学運動の影響は限定され、断種は促進されなかった。20世紀末に至ってても優生学は消失していない。生殖医療と先端医療技術の普及にともなって、障害発生予防を目的として、優生学的思考を孕んだ新優生学として、社会下層やマイノリティや特定のエスニシティに関連して発展しつつある。
著者
岡本 陸 稲坂 晃義 宮崎 愛弓 長尾 徹
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.69, no.4, pp.4_19-4_28, 2023-03-31 (Released:2023-03-30)
参考文献数
26

近年,デザイン非従事者がデザインのプロセスに参加するような考え方や活動が注目されてきているが,多くの人々がデザイン行為に対する自己効力感に課題を抱えていると考える。本研究の目的は,デザイン非従事者に,共創という状況の中でDual Focus の考え方を援用したリフレクションを行わせることが,デザイン行為に対する自己効力感にどのような影響を与えるのかを明らかにすることである。デザインを専門的に学んでいない大学生に対して,デザイン行為を伴うグループワークを実施させた後,Dual Focus を用いてリフレクションをした群(他者視点を介入させる群)と,用いずにリフレクションをした群(他者視点を介入させない群)の2つに分け,それぞれの効果を分析した。その結果,グループワーク実施後にDualFocus を援用したリフクションを行った群は,自己に対してより詳細に振り返る傾向が確認され,さらにデザイン行為に対する自己効力感の一部分が有意に向上していることが分かった。
著者
宮崎 敦広 松原 仁
雑誌
ゲームプログラミングワークショップ2012論文集
巻号頁・発行日
vol.2012, no.6, pp.137-140, 2012-11-09

ポーカーのような不完全情報ゲームにおいては,得られている情報から優勢劣勢の判断をして行動を決定することが重要である.本研究では,テキサス・ホールデムというポーカーを題材に勝率を基にした優劣推定から行動を選択するコンピュータプレイヤを作成し,評価を行った.優劣推定の正解率から優勢と判断していい状況の基準を定めることができた.さらに勝率に加え相手の賭け金を考慮することによって,対人戦において失点を抑えることに成功した.
著者
宮崎 市定
出版者
京都大學文學部
雑誌
京都大學文學部研究紀要 = Memoirs of the Faculty of Letters, Kyoto University (ISSN:04529774)
巻号頁・発行日
vol.9, pp.85-136, 1965-03-20

この論文は国立情報学研究所の学術雑誌公開支援事業により電子化されました。
著者
宮崎 泰広 種村 純
出版者
一般社団法人 日本高次脳機能障害学会
雑誌
高次脳機能研究 (旧 失語症研究) (ISSN:13484818)
巻号頁・発行日
vol.36, no.1, pp.20-29, 2016-03-31 (Released:2017-04-03)
参考文献数
19
被引用文献数
1

半側空間無視における時計描画の数字の配置に関与する要因を検討した。対象は脳血管障害により半側空間無視を呈し, かつ時計描画において数字を不適切に配置した 32 名とした。数字の配置に関する分析として, 時計の左右側における数字の分布率を示す Transposition index (TI) を用いた。分析項目は, (1) TI と損傷部位の関係, (2) TI と線分抹消課題のLaterality index (LI) の関係, (3) 反時計回りに数字を記入した際の反応, (4) 単一の数字を記入した際の反応の 4 つとした。結果は数字の配置の偏りが症例により異なりTI は広範に分布した。さらに時計の外円内の右側のみに数字を配置した症例は, 6 までと 6 以上の数字を書く 2 群が確認された。前者は頭頂葉に限局した損傷例で, 後者は前頭葉や頭頂葉を含む広範な脳損傷例であった。また TI と LI は関連を認めなかった。反時計回りや単一の数字を記入する場合では数字の配置に偏りを認めない症例が確認された。以上より, 半側空間無視における時計描画の数字の配置の誤りは, 半側空間無視に合併するその他の障害の影響を受けることを示唆した。
著者
宮崎 哲治
出版者
一般社団法人 日本認知・行動療法学会
雑誌
認知行動療法研究 (ISSN:24339075)
巻号頁・発行日
vol.47, no.1, pp.33-45, 2021-01-31 (Released:2021-05-18)
参考文献数
13

症例は、強迫観念を主症状とする40歳代前半の男性強迫症患者。患者は初診時、悪い人間のオーラが襲ってくるというイメージが生じ、自分も悪い人間になってしまうのではないかという不安に圧倒され、仕事にも行けなくなっていた。無念無想の境地を思い出してもらうために行った剣道の素振りにより、強迫観念に対する望ましい対処の仕方を患者が体得し、imaginal exposure法を入院中集中的に行うことにより、強迫症状の改善に至った。これまで武道やスポーツで無念夢想の境地に入るような体験をしたことがある場合、再度その体験ができるような稽古や練習を行うことによって、強迫観念に対する望ましい対処の仕方を体得することは、強迫症の治療に寄与する可能性があると思われた。筆者なりの工夫を紹介するが、強迫症に対するimaginal exposure法などの行動療法を施行する際、本論文が参考資料になれれば望外の喜びである。
著者
宮崎 修一
雑誌
情報処理
巻号頁・発行日
vol.54, no.10, pp.1064-1071, 2013-09-15
著者
安岡 良文 栗田 隆志 小竹 康仁 赤岩 譲 野並 有紗 元木 康一郎 宮崎 俊一
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.44, no.SUPPL.3, pp.S3_69-S3_73, 2012 (Released:2013-09-25)
参考文献数
2

症例は動悸を主訴とする46歳,男性.発作時の心電図でnarrow QRS tachycardiaが記録されている.EPSではS1=600ms,S2=330msの心房期外刺激にて心室に2:1伝導する上室性頻拍が誘発された(心室の周期650ms,心房の周期320~350ms).房室伝導のブロック部位はHis束より近位で,心房興奮の最早期はCS入口部であった.2:1伝導の頻拍は連結期440~570msの範囲に限定されたPVCにより心房がリセットされずに1:1房室伝導に変化した.頻拍停止後の右室ペーシングにて頻拍中と同じsequenceで逆伝導を認めた.Para-Hisian pacingはAV nodal patternであった.頻拍はfast-slow型AVNRTであり,房室結節の下位共通路で2:1ブロックされていたものと診断した.PVCによる1:1伝導への変化は適度な連結期を有するPVCが下位共通路に侵入し,同伝導路内で順行性伝導とcollisionすることでERPの短縮が生じたため出現したと考えられた.