著者
後藤 惠之輔 森 俊雄 坂本 道徳 小島 隆行
出版者
長崎大学
雑誌
長崎大学工学部研究報告 (ISSN:02860902)
巻号頁・発行日
vol.35, no.64, pp.57-62, 2005-03

In recent years, the small island nick named as 'Gunkanjima' (formal name "Hashima") located in the southwest of the Nagasaki harbor attracted a lot of attention. Historically Gunkanjima, an island rich of coalmine supported modernization of Japan by supplying invaluable energy. However, abrupt shift in energy use during the 1970s forced the closure of the mines in this island on January 15, 1974. Eventually, since almost thirty years this island became an uninhabited island. But still there are many cultural heritages valuable from scientific standpoint left in the island, including the first Reinforced Concrete Apartment Building in Japan. In this paper, we have summarized the results of the interview with the former residents of this island and also the field survey in "Gunkanjima". This investigative study indicated that, the community structures followed by the residents of this island in those days, can be an ideal model to solve the present social problems arising in Japan. The results of the study also revealed the immense importance of Gunkanjima to be preserved as an industrial heritage, symbolizing the industrial growth of Japan. Hence got sufficient potential to be utilized as a scientific research center for the future generation and which in turn would promote revitalization of the surrounding areas.
著者
森崎 玲大 小島 仁志 金澤 朋子 村田 浩一 小谷 幸司
出版者
公益社団法人 日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.83, no.5, pp.597-602, 2020-03-30 (Released:2020-06-09)
参考文献数
17

This study targeted six exhibition zones with different characteristics at the Yokohama Zoo “Zoorasia ,” which grasped visitor satisfaction at each exhibition zone, clarified the relationship between visitor satisfaction and the purpose and attributes of visitors, identified the management and operation issues at each exhibition zone from a visitor satisfa ction perspective, and examined the factors that led to its occurrence. Ultimately, the aim of this study was to discuss a response policy in relati on to the management and operation policy of Zoorasia. The main results of this study are as follows:(1) Visitor attributes are classified into three types. (2) The degree of visitor satisfaction varies by exhibition zone and visitor type. (3) The factors affecting overall visitor satisfaction vary by exhibition zone and visitor type. (4) The management and operation issues (important improving items) vary by exhibition zone. With the above results, the response policy was discussed by relating issues in the management and operation of each exhibition zone with the current management and operation policy.
著者
中村 和昭 諫田 泰成 山崎 大樹 片岡 健 青井 貴之 中川 誠人 藤井 万紀子 阿久津 英憲 末盛 博文 浅香 勲 中村 幸夫 小島 肇 伊藤 弓弦 関野 祐子 古江-楠田 美保
出版者
日本組織培養学会
雑誌
組織培養研究 (ISSN:09123636)
巻号頁・発行日
vol.37, no.2, pp.123-131, 2018 (Released:2018-09-08)
参考文献数
4

近年、細胞培養に関連する技術の急速な開発に伴い、創薬研究、再生医療への応用など、細胞培養が貢献する分野が拡大している。培養細胞を利用する上において重要な点の一つとして、適切な状態の細胞を用いることが挙げられる。そのためには、使用する細胞の状態を把握することが重要である。その手段として、生きている細胞を非侵襲的に観察できる倒立位相差顕微鏡が汎用されている。倒立位相差顕微鏡による観察から得られるのは形態情報や細胞密度のみではあるものの、その観察は培養細胞を用いた実験の信頼性と再現性を担保するために有用な手段である。生きている細胞の観察の手法には様々な留意点がある。そこで、細胞培養の観察における基本概念を共有すべきと考え、「細胞培養の観察の基本原則」案を作成した。本基本原則案は、顕微鏡観察に先立つ細胞の目視、低倍率・高倍率での倒立位相差顕微鏡観察、観察のタイミング、適切な記録と保存などに関して7条項から構成されている。この基本原則の概念が共有され、細胞培養技術を用いた研究の信頼性が向上することを期待する。
著者
橋本 鉱市 村澤 昌崇 保田 直美 井本 佳宏 白旗 希実子 丸山 和昭 日下田 岳史 谷村 英洋 荒井 英治郎 石井 美和 高橋 望 高橋 哲 小島 佐恵子 勝野 正章
出版者
東京大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2017-04-01

近年、教育課題の複雑化に対し、限られた予算と人員の下に効率的に対応する手法のひとつとして、教育専門業務のアウトソーシング(OS)が模索されている。本研究は、就学前教育、初等中等教育、高等教育の各段階で進むOSの実態と影響を、総合的かつ実証的に分析し、これからの教育専門職のあり方、外部機関との連携における課題、方策を示すことを目的としている。研究計画としては、①国際比較調査:文献調査及び訪問調査を通じ、教育分野における専門業務のOSを促したマクロレベルの要因を解明する。②質的調査:教育機関、教育専門職、及びアウトソーシングを担う外部組織への聴き取り調査を通じ、OSが教育専門職の業務に与える影響や、必要な方策について明らかにする。③量的調査:質問紙調査及びWeb アンケートを通じ、我が国の教育分野における専門業務のOSの実態と潜在的な需要を把握する。上記3課題に関する初年度の研究実績としては、以下のとおりである。①英国への訪問調査を実施し、マンチェスター大学の研究者、全英教員組合の専門職員、民間教員研修プロバイダーから、教員研修民営化の現状と課題についての詳細な情報供与を受けるとともに、 それぞれの視点・立場での認識を聴き取った。民間教員研修の質保証という課題のほか、教職の専門職性の変容との関係についても示唆が得られた。②初中等レベルでは、学校における働き方改革に関連する基礎的作業として分業化、協業化の精査を進め、東北地方のA県ならびにB市の教育委員会関係者とラポールを形成した。また高等教育レベルでは、都下5大学の教職員に対する聞き取り調査を行った。③初中等レベルでは、小学校・中学校・高校の教員に対し教育業務のOSに対する意識に関する質問紙調査のたたき台を作成し、調査対象地域の選定を行った。高等教育レベルでは、大学教育のOSの現状を明らかにするための質問紙調査の設計を進めた。

18 0 0 0 OA 欧米小学算術書

著者
国元東九郎, 小島ミサヲ 訳
出版者
世界文庫刊行会
巻号頁・発行日
vol.上級編(5・6学年) 上, 1926
著者
小島 伸之
出版者
「宗教と社会」学会
雑誌
宗教と社会 (ISSN:13424726)
巻号頁・発行日
vol.14, pp.69-86, 2008

特別高等警察の宗教取締を評するに際して、国家権力による「宗教弾圧」という定型句が一般に用いられることが多い。研究者の多くもそれを受け入れているといえよう。しかし、「宗教弾圧」を行った側である特高警察が、なぜ宗教を取締ったのかについて、その論理を内在的且つ実証的に検討した研究はそれほど蓄積されていないのもまた事実である。本稿は、特高警察の宗教取締の論理を内在的に理解するひとつの試みとして、一般に特高警察が弾圧した二大不敬教団事件と位置づけられている「第二次大本事件」と「ひとのみち教団事件」を対比し、「不敬」の背後にある両事件の異質性を明らかにすることを目的としている。具体的には、第二次大本事件とひとのみち教団事件について、先行研究での位置づけを整理した上で、『特高月報』の取締報告を繙き、先行研究が「二大不敬事件」-「国体」に対する「異端」説に対する取締-として説明してきた両教団の取締が、それぞれ反体制的社会運動、呪術迷信的社会運動という異なる理由に基づいて取締を受けたことを明らかにするものである。
著者
熊坂 謙一 小島 尚 土井 佳代 佐藤 修二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.123, no.12, pp.1049-1054, 2003-12-01 (Released:2003-11-29)
参考文献数
10
被引用文献数
14 15

Glibenclamide, a sulfonylurea derivative (SU) antidiabetic agent was detected in a health food by three different methods: TLC, HPLC, and liquid chromatography-mass spectrometry (LC-MS). For analysis of SU antidiabetics, the sample was extracted with acetone as a sample solution. TLC analysis of the sample solution showed a specific spot that had the same characteristics as those of glibenclamide standard solution. HPLC analysis monitored using a photo-diode array detector showed that the sample solution had a peak with a unique UV spectrum, with coincided with that of standard glibenclamide. In sample solution, LC-MS analysis in positive and negative modes indicated that the (M+H)+ and (M-H)− ions occurred at m/z 494 and m/z 492, respectively. These results indicate that the monoisotopic mass is 493, coincident with that of glibenclamide. Quantitative HPLC analysis showed that the glibenclamide content in the health food was 0.78 mg/capsule (1.55 mg/g of sample contents). Because the initial dosage of glibenclamide for diabetics is 1.25—2.5 mg per day, this health food has sufficient medicinal effect and also has the potential to cause adverse effects.
著者
小島 浩之
出版者
国公私立大学図書館協力委員会
雑誌
大学図書館研究
巻号頁・発行日
vol.106, pp.1-11, 2017

本稿は,図書館職員が中国の古典籍を整理する際に必要な情報を得るための手引きとして,基礎知識や基本情報をまとめたものである。漢籍の定義からはじめて,漢籍を読み解くための基本参考書,辞書・辞典類について解説を加えたのち,分類,目録,書誌学・古文書学の順に,それぞれの伝統や学術背景に則して論じ,最後に敬意表現や避諱を例に,内容から年代などを推定する実例を附している。
著者
小島一騰 著
出版者
九春堂
巻号頁・発行日
1887
著者
小島 道裕
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.140, pp.201-211, 2008-03-31

筆者は,博物館におけるレプリカの意味について既に考察しているが,本稿では,歴史展示における模型の意味について考察した。歴史を展示する方法には,現存する過去の遺品を展示する方向と,展示テーマに沿って過去の情景を再現しようとする方向の2つがあり,模型は特に後者においてしばしば用いられるが,過去の再現としては不可避的に不完全なものであり,原理的にはそこから直接歴史を学ぶことは出来ない。しかし,実際の歴史,ないし現存する遺跡・遺物などへリンクするための,総合的・立体的な索引ないし入り口として考えれば,資料から歴史像を構成するという展示の本来的役割を促進させる意味で,その正当性を確保しうる。それは現実の歴史に対して歴史展示自体が持つ意味でもある。既存の模型を活用する実例,すなわち,復元模型の意味を,固定されたイメージ=「結論」ではなく,さまざまな情報へと開かれた「入り口」(索引)として読み直す試みとして,当館における「京都の町並み」模型にデジタルコンテンツを付加した事例を紹介した。またそこでは,模型の全体像を認識することの困難さという,作り手と受け手(観客)のギャップの問題についても考察することができた。
著者
浦上 涼子 小島 弥生 沢宮 容子
出版者
一般社団法人 日本教育心理学会
雑誌
教育心理学研究 (ISSN:00215015)
巻号頁・発行日
vol.63, no.3, pp.309-322, 2015 (Released:2015-11-03)
参考文献数
55
被引用文献数
6 7

本研究では, 体型に関するメディアの情報を受けた個人が, その影響から痩身理想をどの程度内在化しているかを評価するSociocultural Attitudes Towards Appearance Questionnaire-3 Revised(SATAQ-3R ; Thompson, van den Berg, Keery, Williams, Shroff, Haselhuhn, & Boroughs, 2000)の日本語版を作成し, 大学生の痩身理想の内在化とメディア利用頻度との関連性について検討した。研究1では, 男女大学生1,054名を対象に調査を実施し, 29項目(4下位尺度)の日本語版SATAQ-3Rを作成し, 尺度の信頼性と妥当性を確認した。研究2では, 男女大学生998名を対象に日本語版SATAQ-3Rとインターネットやテレビ, 雑誌といったメディア利用頻度との関連性を調べた結果, 男性より女性のほうが, メディアの影響を受けて痩身理想を内在化し, メディア情報を重要だと考え, 外見に関するプレッシャーを感じていることが示された。一方でスポーツマン体型への内在化は女性より男性のほうが高いことが示された。また, メディアのうち特にテレビと雑誌が大きく影響を及ぼす可能性が示され, わが国の摂食障害患者の増加を防ぐためにも, 学校教育におけるメディアリテラシー教育の重要性が示唆された。
著者
加藤 恵子 小島 十九子 後藤 喜恵 豊田 幸子 早坂 美代子 古川 智恵子
出版者
名古屋女子大学
雑誌
名古屋女子大学紀要 (ISSN:02867397)
巻号頁・発行日
no.16, pp.1-11,表1枚, 1970-03

"1 自製作,注文,既製服の割合のうち既製服利用者が最も多いが,服種別ではワンピースツーピースにおいて注文が多い.2 既製服の購入場所は百貨店,専門店,洋品店のうちで,百貨店が最も多い.3 既製服の柄では無地,プリント,縞ののうち無地が最も多く,そのなかでもブルー,白が最も好まれている.4 材質では化繊が多く,又寝衣では木綿が多くみられた.5 機能面で最も問題点となるのはウエスト,ヒップなどが合わないと答えたサイズを重視するスカート,スラックス等である.ブラウス,ワンピース,ツーピース等では袖刳がきゅうくつ,肩巾が広い等が多くあげられた.6 縫製面での問題点は各服種とも付属品がとれ易い,こわれやすい,縫い目が粗い,縫目がほつれる,縫代が少ない,穴かがりがほつれ易い等であった.7 既製服購入時の学生の態度は寝衣においては,材質にポイントをしぼり,スカート,スラックス等ではサイズを顕著に重視している適切な購入態度がみられた.8 価格においては夏の家庭着をのぞく他の全ての服種において,学生の経済的意識がきわめて低かった.以上の結果から学生の衣生活における既製服の利用度がきわめて高いことが把握出来たが,その問題点である機能面では衣服サイズの種類が少なくその表示において,大・中・小,L・M・S,号数などの違いはあるが,我が国ではまだ段階が少ない上に,これらのサイズの増減が各々同比率となっている.この中で適当と思われるものを一種選んでもそれぞれ,身体の各部のプロポーションが違っているため適切なフイットが得られず,満足出来ないものと考えられる.又縫製面では特に服種別に大差はみられないが,全体の服種を通して,特に縫い目があらい,各部分とも縫いしろが少ない,縫い目がほつれる,付属品がとれやすい,こわれやすい等の理由が目立つ.これらは既製服メーカーが利潤を上げるため,縫製面では特に,縫いしろの節約,付属品等は品質の低下,付け方の乱雑さが目立つ.又縫い目がほつれるなどの理由は,縫いしろが少ない上,サイズの不適当,材質の不適当,及び運動量の不足,着方などにも問題点があると思われる.したがって消費者の立場から,今後の既製服業界に要望することは,豊富なサイズ段階に加えて,平面サイズだけでなく,体型別,立体的なカッティングをも含んだサイズ表示である.又学生の既製服購入態度は,比較的合理性に富み,常識的に選別していると見られるが,全ての服種において,学生の購入時の経済的意識が極めて低く現われている.これは,親の経済に全てを依存しているせいであると考察されるので,この点において今後の洋裁教育の中て経済的感覚を認識させると共に,機能面,縫製面においての問題点を更に堀り下げて補正箇所,補正方法等を検討したい.本研究にあたり調査にご協力いただいた本学々生に,あつく御礼申し上げます."
著者
小島 道裕
出版者
国立歴史民俗博物館
雑誌
国立歴史民俗博物館研究報告 = Bulletin of the National Museum of Japanese History (ISSN:02867400)
巻号頁・発行日
vol.50, pp.443-460, 1993-02-26

近年つくられた多くの歴史系博物館ではレプリカ資料の使用が盛行しているが,それが博物館において「何」であり,いかなる形で用いることができるのかについては十分な共通理解のないのが現状である。本稿はこれについて主に技術的な面からその性格と限界を明らかにし,それによって,レプリカ資料が研究に,また展示においてどのように用いることが可能かを考察した。レプリカは原品の持つ情報の一部のみを転写したものだが,その転写は,どの様な技法の場合でも製作者の主観にかなりの程度頼る方法で行なわれており,厳密な客観性が保証されているとは言えない。従ってレプリカは研究資料としては写本の一つとして,また展示では特定のシナリオの中においてのみその正当性を主張し得る。またレプリカの製作は,それ自体が資料研究の行為と位置付けることができる。
著者
小島 周二
出版者
公益社団法人 日本薬学会
雑誌
YAKUGAKU ZASSHI (ISSN:00316903)
巻号頁・発行日
vol.134, no.2, pp.155-161, 2014 (Released:2014-02-01)
参考文献数
10
被引用文献数
2

Since the Fukushima nuclear plant accident following the great East Japan earthquake on March 11, 2011, we have been warned to be careful about possible radiation exposure almost every day in newspapers and on TV. Radioactive iodine (131I) and cesium (134Cs, 137Cs) produced by nuclear reactions were released into the air during and after the accident, and have been scattered by the winds in Tohoku and in the Kanto district. Even today, 2 years after the accident, there is great public concern about possible pollution of foodstuffs and fishery products with radioactive cesium, not only in Japan, but also in other countries. On the other hand, decontamination work has been proceeding, including removal of contaminated soil near the accident site. Since the accident, many media reports have continued to tell us only that current dose levels of radiation are not dangerous to human health. But, many people are not satisfied with such vague statements, and want to understand the situation in more detail. So, it is important to provide basic education about the effects of radiation to the general public. I am a professor of the Department of Radiation Biosciences at Tokyo University of Science, and so I am very familiar with radiation and its dangers. So, in my lecture today, we would like to explain the effects of radiation and put the present situation into perspective, so that people will better understand the risks, and not be unnecessarily afraid.