著者
市川 美智子 岩田 吉生
出版者
愛知教育大学障害児教育講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.1, pp.1-10, 2004-03

側音化楫音障害を呈する男児に対して,構音指導,発音指導,動機付け,機能訓練及び耳の訓練を関連させた指導計画のもと,側音化傾向にある/ʃi/, /tʃi/, /dʒi /音を取り出して指導を行った。第1期では,動機付け,口唇・唇の運動訓練,耳の訓練,母音口形指導,/ʃi/音の発音指導を行った。第2期では,口唇・舌の運動訓練,発音指導を中心に行った。発音指導は,単音の指導から始め,複数音節,単語,文章へと徐々に進めていった。また,音の定着を図るため,単音表出の回数や速さを変化させた。第3期では,音の定着の強化を図った。構音検査では,第1期には50単語中14単語・15音節であった誤りが,第3期末において50単語中5単語・6音節にまで減少し,側音化構音は徐々に改善していった。側音化構音障害は,治療が非常に困難とされているが,本児の改善していった経過を分析する中で,今後の指導指針,指導の在り方を検討した。
著者
田中 皓介 稲垣 具志 岩田 圭佑 大西 正光 神田 佑亮 紀伊 雅敦 栗原 剛 小池 淳司 佐々木 邦明 佐々木 葉 Schmöcker Jan-Dirk 白水 靖郎 泊 尚志 兵藤 哲朗 藤井 聡 藤原 章正 松田 曜子 松永 千晶 松本 浩和 吉田 樹
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
土木学会論文集D3(土木計画学) (ISSN:21856540)
巻号頁・発行日
vol.77, no.2, pp.129-140, 2021 (Released:2021-06-20)
参考文献数
20
被引用文献数
2

本稿ではCOVID-19の蔓延および政府からの社会経済活動自粛要請に伴う,人々の意識行動への影響を把握することを目的にWebアンケート調査を行った.その結果,感染・死亡リスクを,現実の数倍~数千倍過大に評価している様子が明らかとなった.また,接触感染対策として効果的な「目鼻口を触らない」の徹底度合いが他の対策に比べて低く,周知活動の問題点を指摘した.さらに,緊急事態宣言に対する65%以上の支持率や,「家にいる」ことについて,「ストレス」を感じる以上に「楽しい」と感じる人が多いこと,行動決定のために参考にするのはキャスターや評論家や政治家よりも「専門家の意見」の影響が大きいことなどが明らかとなった.
著者
遠藤 辰典 坪井 潤一 岩田 智也
出版者
一般社団法人 日本生態学会
雑誌
保全生態学研究 (ISSN:13424327)
巻号頁・発行日
vol.11, no.1, pp.4-12, 2006-06-25 (Released:2018-02-09)
参考文献数
28
被引用文献数
12

砂防ダムなど河川工作物による段差は、河川に生息する生物にとって往来を妨げる障壁となる。特に魚類は、川に沿った線的な移動を余儀なくされることから、隔離の影響が著しく大きくなる。そのため、河川工作物によって分断化された場合、工作物上流に隔離された集団が絶滅している可能性がある。そこで、本研究では河川工作物がイワナSalvelinus leucomaenisとアマゴOncorhynchus masou inhikawaeの生息分布に与える影響を調査した。2004年6月から9月に、放流魚と交雑の無い在来個体群の生息が期待される富士川水系の小河川において野外調査を行った。流程に沿った潜水目視により2種の分布域を調べ、GPSによって分布最上流地点および河川工作物の正確な位置を把握した。在来個体群が生息していた29河川に設置されている工作物は計356基(1河川あたり12.3基)であり、全てにおいて魚道は併設されていなかった。調査の結果、1970年代に河川最上流部までイワナ、あるいはアマゴが生息していたが、本調査を行うまでに工作物の上流域で絶滅したと推定される河川が、両種ともに確認された。また、2種の共存河川も5河川から1河川に減少していた。ロジスティック回帰分析を用いて、最上流にある河川工作物(UAB)より上流の2種の生息に影響を及ぼす要因を検討した結果、種、河川にある工作物数、UABより上流の集水面積が有効な説明変数として選択された。すなわちUAB上流の個体群の存在確率は、アマゴの方が低く、またUAB上流の集水面積(生息水域)が小さいほど、工作物数が多いほど低かった。このモデルから、個体群維持(50%個体群存在確率)に必要な集水面積は、イワナでは1.01km^2、アマゴでは2.19km^2と推定され、これより上流に工作物が設置された河川ほど、工作物上流に隔離された集団が絶滅する可能性が高くなることが示された。
著者
岩田 一明 森脇 俊道 川野 常夫
出版者
一般社団法人 日本人間工学会
雑誌
人間工学 (ISSN:05494974)
巻号頁・発行日
vol.17, no.5, pp.239-247, 1981
被引用文献数
1 1

椅子から起立し再び着席する動作について動力学的観点から解析を行い, 動作に及ぼす加齢の影響について検討を加えた. 動作の撮影には16ミリシネカメラを用い, グラフィック・タブレットにより運動情報をミニコンピュータ内に取り込み, 人体の2次元数学モデルに基づいて身体各関節に作用する力やトルクを計算した.<br>実験は22歳から80歳までの男性被験者19名について行い, 解析の結果, 加齢と共に身体各関節運動における協調性の欠如から動作に滑らかさがなくなることが定量的に求められた. 動作中腰に作用するトルクの最大値は加齢と共に若干減少するが, 特に目前のテーブルに手をつくことにより平均20%低下することなどが得られた.
著者
水野 一枝 水野 康 山本 光璋 松浦 倫子 松尾 藍 岩田 有史 白川 修一郎
出版者
一般社団法人 日本家政学会
雑誌
日本家政学会誌 (ISSN:09135227)
巻号頁・発行日
vol.63, no.7, pp.391-397, 2012

Eleven healthy male subjects slept from 13:30 to 15:30 under ambient temperature and humidity maintained at 29℃ and RH70%, using polyurethane foam mattresses (U) and camel mattresses (C). A polysomnography,skin temperature (Tsk), microclimate, bed climate, and subjective sensations were obtained. The rapid eye movement sleep (REM) in the first hour for the U significantly increased compared to that for the C. The leg, arm, and mean Tsks for the C significantly increased compared to those for the U during the later segment of sleep. The microclimate humidity significantly increased, while the microclimate temperature and bed climate significantly increased during the later segment of sleep. The subjective humid sensation and the requirement for decreasing the mattress temperature significantly increased in U compared to the C. These results suggest that bed mattress material can increase the subjective humid sensation and the requirement for decreasing mattress temperature by 1) increasing the bed climate and microclimate temperature and humidity, and 2) changing the REM distribution.
著者
山本 哲矢 岩田 綾子 河内 涼子 湯田 泰明 鈴木 秀俊
出版者
The Institute of Electronics, Information and Communication Engineers
雑誌
電子情報通信学会論文誌 B (ISSN:13444697)
巻号頁・発行日
vol.J104-B, no.10, pp.792-805, 2021-10-01

国際標準化団体である3rd Generation Partnership Project (3GPP)では,第5世代移動通信システム(5G: 5th Generation mobile communication systems)の無線インタフェースの一つであるNew Radio (NR)の規格標準化が進められている.NRでは,モバイルブロードバンドの高度化(eMBB: enhanced Mobile Broadband)だけでなく,超高信頼・低遅延通信(URLLC: Ultra Reliable and Low Latency Communication)もサポートする.URLLCの基本機能は,Release 15において仕様化され,Release 16では,URLLCの適用範囲拡大のための仕様化が進められた.本論文では,URLLC実現のための基盤となる技術に焦点を当て,3GPP Release 15及びRelease 16において規格化されたNRの主要無線アクセス技術について解説するとともに,それら技術の適用効果を無線区間遅延評価により明らかにする.また,Release 17において検討されている技術課題についても紹介する.
著者
岩田 礼
出版者
日本音声学会
雑誌
音声研究 (ISSN:13428675)
巻号頁・発行日
vol.5, no.1, pp.18-27, 2001
被引用文献数
1

金沢大学人間社会研究域歴史言語文化学系
著者
林 謙年 山口 以昌 川村 晋 榊原 信幸 伊藤 和男 岩田 直也
出版者
一般社団法人 日本燃焼学会
雑誌
日本燃焼学会誌 (ISSN:13471864)
巻号頁・発行日
vol.55, no.171, pp.21-26, 2013 (Released:2018-01-26)
参考文献数
2

City gas, which is mainly made from natural gas, has been widely recognized as clean fuel, and its demand is getting higher year by year in Japan. The natural gas is imported in the form of LNG from varied countries. The calorific value of the imported natural gas is usually lower than the Japanese city gas, therefore, gas companies adjust the calorific value of send-out city gas to the regulated value by adding LPG to the natural gas during the process of city gas production. We have developed a new, state-of-the-art, calorific value adjusting system, which operates in wide flow-rate range, more than four (4) times wider than a conventional system does. We report the outline of the newly developed system and its performance confirmed through a pilot-scale test, along with a short description of a typical process of city gas production and conventional methods of calorific value adjustment.
著者
岩田 慈 田中 良哉
出版者
日本臨床免疫学会
雑誌
日本臨床免疫学会会誌 (ISSN:09114300)
巻号頁・発行日
vol.38, no.5, pp.398-402, 2015 (Released:2016-01-04)
参考文献数
25
被引用文献数
1

自己免疫疾患病態においてB細胞は病態形成に極めて重要な役割を担うが,その機能発現にはT細胞との相互作用が極めて重要である.著者らは,ヒト末梢血B細胞を用いたin vitro実験により,BCR/CD40/TLR/サイトカイン(IL-4, IL-21)刺激は,Syk, Btk, JAKなどのチロシンキナーゼを介したシグナルの活性化により,サイトカイン産生,分化誘導・クラススイッチに重要なgene network,抗体産生などを多様に制御していることを明らかにした.またRA,SLE患者末梢血B細胞のSyk, Btkのリン酸化は,健常人に比し有意に亢進しており,特にRA患者においては,ACPA強陽性例において有意に亢進していた.T細胞選択的共刺激調節剤,CTLA-Igアバタセプトの投与により,RA患者末梢血CD4陽性T細胞中のTfhの割合は有意に減少し,さらにB細胞のSykのリン酸化も有意に抑制された.これらの結果より,B細胞,B-T細胞の相互作用を標的とした生物学的製剤,さらにSyk, Btk, JAKなどのチロシンキナーゼを標的とした阻害剤は自己免疫疾患の制御に有用である可能性が示唆された.本編では,RAやSLEを中心に,B細胞,B-T細胞相互作用を標的とした生物学的製剤やSyk, Btk, JAK阻害剤の最近の知見についても概説する.
著者
村田 浩平 松浦 朝奈 岩田 眞木郎
出版者
日本昆虫学会
雑誌
昆蟲. ニューシリーズ (ISSN:13438794)
巻号頁・発行日
vol.10, no.1, pp.1-10, 2007-03-25

ヒメイトアメンボは,水田に生息する水生カメムシの1種である.本研究では,本種の飼育条件下における捕食行動を明らかにするとともに,餌昆虫の1つであるセジロウンカに対する天敵としての能力を評価すること,長日条件下(16時間明期,8時間暗期)において,23℃,25℃,30℃,35℃の異なる飼育温度における本種の繁殖能力を評価した.餌昆虫の密度に対する本種の機能の反応は,セジロウンカ,キイロショウジョウバエいずれを供試した場合も飽和型を示し,セジロウンカに対する日あたり攻撃量の最大値は1.65個体,キイロショウジョウバエに対しては1.48個体であった.捕食率(捕食数餌/密度)は,両餌昆虫とも捕食数の増加とともに減少した.セジロウンカを供試した場合の寄主発見能力,攻撃摂食時間,攻撃摂食時間から予想される日あたり攻撃量の限界値は,キイロショウジョウバエを供試した場合に比べて高かった.本種の産卵行動は,水面上や容器壁面,キムワイプ上に1卵ずつ行われた.本種の産卵前期間は,およそ1〜2日であった.産卵期間は,23℃区で10.5日,25℃区で20.8日,30℃区で19.5日,35℃区で7.5日となり,25℃区と30℃区における産卵期間は23℃区と35℃区のそれらとの間に有意差は認められなかったものの,後者では産卵期間が短くなる傾向が示された.1メスあたりの平均総産卵数は,23℃区で100.8卵,25℃区で186.2卵,30℃区で223.2卵,35℃区で55.4卵となり,23℃区および35℃区における1メスあたりの平均総産卵数は25℃区,30℃区に比べて少ない傾向を示した.卵から成虫までの生存率は,25℃区で最も高く,次いで23℃区,30℃区の順で35℃区は,全卵が孵化しないか孵化失敗により死亡した.本種の卵期間は,23℃区で8.7日,25℃区で7.4日,30℃区で5.9日であり,飼育温度が高くなるにつれて有意に減少した.幼虫期は,通常5齢までであったが,25℃区,30℃区において各1個体,計2個体のみ幼虫期が6齢の個体が見られた.1齢から終齢までの幼虫期間は,23℃区で15.6日,25℃区で13.1日,35℃区で10.9日であり,温度が高くなるにつれて有意に減少した.
著者
岩田,重雄
出版者
日本計量史学会
雑誌
計量史研究
巻号頁・発行日
vol.2, no.1, 1980-11-10

Probably there is no one who talks of the history of the microbalance but refers to the achievements of Warburg, E. and Ihmori, T. For instance, Bahrndt, K. titled his article "The Microbalance And Its Development Since 1886", and stated that the microbalance for physical and chemical researches was first developed by them, and that, therefore, the year 1886 is the epochmaking era. This microbalance was so constructed that the atmosphere and temperature could be changed as desired in the entire range of pressure from atmospheric pressure to vacuum. Furthermore, for weighing continuous changes of mass, they employed a method of weighing by means of the lever of light with the object of solving various problems in physics and chemistry. With the development of this microbalance, study of density, atomic weight, adsorption, absorption, coefficient of expansion, magnetic susceptibility, vapour pressure, osmotic pressure, surface tension, viscosity, particle size distribution, chemical equilibrium, reaction velocity, etc., has become easier since that time. Teizo Ihmori was born in the Province of Hizen on August 24,1851. He went up to Tokyo in 1871,where he learned German and then taught German at the Tokyo Foreign Language School. In 1877,he became an assistant teacher in the Medical Faculty of the Tokyo University and taught physics there. Meanwhile, he translated a German book on physics into Japanese and published it for the students of his Medical Faculty as their reference books. In 1881,he became an assistant professor, and simultaneously he taught in another school. In 1884,Teizo Ihmori studied in Freiburg University in Germany, where he made a microbalance under the guidance of Prof. Warburg of the Physical Institute. Using this microbalance, he studied the phenomena of water adsorption on the surface of glass and many other substances, and contributed his article to Annalen der Physik and Chemie, Neue Folge. In March, 1886,Freiburg University awarded him the degree of Doktor der Philosophie. He further improved his microbalance, raised its sensitivity to 0.5 μg and using it, he studied the phenomena of adsorption of many substances and published his many views on the component materials of the microbalance. In 1887,he returned home and served in the Fourth High School both as a teacher and the vice principal temporarily. In the following year, he founded a private pharmaceutical school with some of his friends, and after 1893,he became professors of the abovementioned school and a girl's higher normal school. As an educator, he devoted himself solely in order to develop his students' abilities. While he was teaching physics to his students, he always wore a kindly face, and his fat body and smiling face were favourably received with good feeling. However, at the beginning of the 20th century, he was attacked by cerebral hemorrhage. Although he recovered once, he had been in poor health since then. He passed away in March, 1916 at the age of 65.

1 0 0 0 OA 山陰道昔話

著者
岩田勝市 編
出版者
横山書店
巻号頁・発行日
1912
著者
岩田 修二
出版者
Japan Association for Quaternary Research
雑誌
第四紀研究 (ISSN:04182642)
巻号頁・発行日
vol.42, no.3, pp.181-193, 2003-06-01 (Released:2009-08-21)
参考文献数
53
被引用文献数
9 6

面積は小さいが,日本アルプスは第四紀研究にとって重要な高山環境なので,そこでの研究は注目に値する.日本アルプスの削剥にとっては,大規模崩壊などの重力地形が重要である.その発生時期や,下流の河谷の埋積とどのように関係するかについてはまだ未解決である.最終氷期の氷河最大拡張期はMIS4~MIS5aであった.そして,最終氷期後半の氷河最大拡大時期はMIS2(北半球氷床のLGM)ではなく,MIS3の可能性が大きい.したがって,MIS2の氷河最大拡大期を想定して書かれたこれまでの垂直分布図や古環境地図は改訂を検討すべきである.日本アルプスにも,過去には山岳永久凍土が存在し,現在も局所的には分布することが岩石氷河の研究や地温観測から明らかになった.晩氷期と完新世の寒冷期における山岳永久凍土の地形形成や,植生に対する役割を再評価すべきである.最終氷期から完新世への移行期には,高山帯での崩壊が頻発したらしい.今後の研究の進展のためには,未発表の調査結果の印刷と公開現地検討会の開催が重要である.
著者
鈴木 花菜 岩田 吉生
出版者
愛知教育大学特別支援教育講座・福祉講座
雑誌
障害者教育・福祉学研究 (ISSN:18833101)
巻号頁・発行日
vol.17, pp.37-45, 2021-03

聴覚障害児を育てる保護者にとって、早期からの教育機関による支援は必要不可欠である。庄司ら(2011)の研究では、人員不足や教育相談体制の未整備、人事異動による専門性維持の困難が乳幼児教育相談の課題となっていることが報告されている。また、これらの保護者支援の困難さについて、下司(2013)は難聴幼児通園施設に関する調査を行っているが、聾学校幼稚部における保護者支援の困難さや、保護者支援に対する具体的な対応がまとめられている論文は少ない。そこで、本研究では、全国の聾学校乳幼児教育相談担当者に調査を依頼し、保護者への具体的な支援方法、困難さ、担当教員の専門性、今後の課題について整理し、幼稚部の充実した保護者支援について検討することを目的とした。その結果、聾学校の幼稚部(教育相談担当を含む)の教員は、聴覚障害児を持つ保護者における心理的な不安や子育てに対する悩みを理解し、様々な支援を行っていることが明らかにされた。また、聾学校と医療機関の連携を進める努力を重ねていることがわかった。聾学校の幼稚部の教員は、幼少期の聴覚障害児に対する多様な指導・支援だけでなく、保護者に対しても多様な対応を取っていくことが課題とされる。
著者
岩田 雄治 杉田 治男 出口 吉昭 Fred I. KAMEMOTO
出版者
Japanese Society for Aquaculture Science
雑誌
水産増殖 (ISSN:03714217)
巻号頁・発行日
vol.40, no.2, pp.183-188, 1992-06-20 (Released:2010-03-09)
参考文献数
11

1984年11月に駿河湾から採集されたサガミアカザ抱卵雌より得た幼生を飼育し, その形態を観察した。採集時に発眼卵であった卵は, 40日後に孵化を開始した。幼生はプレゾエア, 2期のゾエアを経てメガロパに達した。ゾエアは摂餌が観察されず, メガロパにおいて摂餌が観察された。同属の幼生との比較ではミナミアカザエビ幼生と類似していたが, ゾエアの生時の体色および腹節の背棘が無いことによって同種との判別が可能であることが判った。
著者
岩田 忠久 柘植 丈治 石井 大輔
出版者
公益社団法人 日本油化学会
雑誌
オレオサイエンス (ISSN:13458949)
巻号頁・発行日
vol.14, no.3, pp.123-129, 2014

<p>現在,様々なバイオベースプラスチックが開発されているが,熱的あるいは機械的性質,加工性,生産性,原料問題など多くの課題を抱えている。本稿では,微生物産生ポリエステル合成において炭素源を糖から非可食系植物油へ転換する取り組み,木質バイオマスの1つでこれまで廃棄されてきたヘミセルロースであるキシランの有効利用に関する研究,食品廃棄物の1つであるコーヒーの搾り滓から抽出されるカフェ酸を原料としたポリエステル合成に関する筆者らの最近の研究成果について紹介する。</p>