著者
平野 哲
出版者
公益社団法人 日本リハビリテーション医学会
雑誌
The Japanese Journal of Rehabilitation Medicine (ISSN:18813526)
巻号頁・発行日
vol.57, no.5, pp.392-398, 2020-05-18 (Released:2020-06-13)
参考文献数
19
被引用文献数
1

脳卒中患者で下肢麻痺が中等度以上である場合には,麻痺の完全な回復は困難であり,装具や歩行補助具を用いた歩行再建が現実的な目標であることが多い.道具を使った新しい歩容を修得する過程では運動学習が起こるため,効果の高い歩行練習とは,運動学習を促進させる歩行練習であるといってよい.したがって,歩行練習を支援するロボットにも,運動学習を促進する機序が必要であり,医療者もこのことを理解してロボットを活用する必要がある.本稿では,運動学習を促進する工夫を備えたロボットについて,ウェルウォークを例に説明する.ロボットを用いた歩行練習のエビデンスや今後の展望についても言及する.
著者
長谷部 雄飛 福田 浩二 中野 誠 近藤 正輝 佐竹 洋之 平野 道基 下川 宏明
出版者
公益財団法人 日本心臓財団
雑誌
心臓 (ISSN:05864488)
巻号頁・発行日
vol.46, no.SUPPL.3, pp.S3_36-S3_42, 2014 (Released:2015-10-26)
参考文献数
7

症例1は, 15歳女性. 小学生の時にWPW症候群を指摘. 運動中に出現した心拍数300/分台の偽性心室頻拍で当科紹介. C型顕性WPW症候群, デルタ波はⅡ誘導で陰性であり, 心外膜側Kent束と予測された. 順伝導ERPは220msec, 心室早期刺激にて容易に房室回帰性頻拍が誘発された. 冠状静脈洞 (CS) 内の順伝導最早期部位における心室側への通電で離断に成功した.  症例2は, 22歳男性. 小学生の時にWPW症候群を指摘. 強い精神的ストレス下で, 心拍数280/分台の偽性心室頻拍を発症. ピルジカイニド内服後もデルタ波残存し, Ⅰ, Ⅱで陽性, V1, aVFで (±) であり, 後中隔Kent束と予測された. Kent束の順伝導ERPは240msec未満. CS入口部前面に順伝導最早期を認め, 入口部から内部に入った逆伝導最早期部位への通電と, さらに奥での追加通電にて離断に成功した. CS内通電を要した後中隔Kent束で, 心房細動合併時に速い心室応答を示したハイリスク偽性心室頻拍の若年2症例経験したので文献的考察を加えて報告する.
著者
沢崎 健太 木下 藤寿 平野 修 末藤 俊寿 本田 達朗 茂原 治 向野 義人
出版者
公益社団法人 全日本鍼灸学会
雑誌
全日本鍼灸学会雑誌 (ISSN:02859955)
巻号頁・発行日
vol.51, no.4, pp.492-499, 2001-08-01 (Released:2011-03-18)
参考文献数
5
被引用文献数
3 5

企業内労働者における運動器症状への経絡テストを用いた鍼治療の効果と医療費との関連性があるかを鉄材の移動、組立、溶接作業などの動作を繰り返し行う肉体労働職を主体とした有痛者117名を対象として検討した。8週間の治療で痛みが半減した者は頚肩部痛で83%、腰痛で77%、膝痛で88%に達した。心理検査 (POMS) では緊張、抑鬱、怒り、疲労、情緒混乱のスコアが有意に減少した。鍼治療期には運動器疾患の受診は半減し、その健康保険医療費は約1/3となった。終了後も医療費減少は持続し、経絡テストを用いた鍼治療は健康づくりならびに医療費削減に有用と考えられた。
著者
神田 学 張 翔雲 鵜野 伊津志 川島 茂人 高橋 裕一 平野 元久
出版者
日本気象学会
雑誌
天気 (ISSN:05460921)
巻号頁・発行日
vol.49, no.4, pp.267-277, 2002-04-30
参考文献数
20
被引用文献数
3

地域気象モデルに花粉の移流・拡散・発生・沈降の物理プロセスを組み込んだ花粉予測モデルを開発した.花粉発生フラックスは・スギ林上の集中観測結果と物理的考察に基づき大気飽差の関数としてモデル化された.スギ林データベースや花粉自動観測システムが整備されている山形盆地を対象として検証計算を行い,花粉個数濃度の日変動特性が概ね良好に再現された.とりわけ花粉が夜間の弱風時に盆地内で滞留し高濃度化する現象が計算で示された.また,地表面摩擦速度や花粉粒子の沈降速度が花粉発生に及ぼす影響を感度分析により検討した.
著者
日本 PDA 製薬学会 電子記録電子署名委員会 クラウド CSV グループ 荒井 健太郎 荒木 澄江 石川 明水 稲葉 光治 荻本 浩三 杉浦 明子 坪田 浩之 峠 茂樹 西山 宇一 平野 勝久 古市 正 前田 豊
出版者
一般社団法人日本PDA製薬学会
雑誌
日本PDA学術誌 GMPとバリデーション (ISSN:13444891)
巻号頁・発行日
vol.18, no.2, pp.25-122, 2016 (Released:2016-12-20)
参考文献数
7

It could be worthwhile to make proposals related to practical methods for CSV of cloud-based GxP business systems, given that any guidelines for CSV of those systems have not yet been issued by the Ministry of Health, Labor and Welfare. In this study, we will show development activities, verification activities and a supplier audit, all of which our group experienced, for a SaaS-type electric document management system for GxP businesses, leading to an attempt to share the best practices in CSV of cloud-based GxP business systems. The feasibility of our proposal related to the CSV life-cycle management of cloud-based GxP business systems at the previous PDA Japan Annual meeting will also be discussed in this study.
著者
阿部 なつ江 金松 敏也 末次 大輔 山崎 俊嗣 岩森 光 安間 了 平野 直人 折橋 裕二 原田 尚美 富士原 敏也
出版者
日本地球化学会
雑誌
日本地球化学会年会要旨集
巻号頁・発行日
vol.57, pp.189-189, 2010

海洋研究開発機構・海洋研究船「みらい」によるMR08-06航海(通称:SORA 2009: South Pacific Ocean Research Activity 2009)は、南太平洋および沈み込み帯における地質学・地球物理学的研究ならびにチリ沖における古海洋環境変動復元研究を行う事を目的とし、平成21年1月15日(木)関根浜出港 ~ 平成21年4月8日(水)バルパライソ入港までの計84日間、3レグに渡り実施され,レグ1は、1月15日関根浜出港~3月14日バルパライソ入港までの59日間実施された。そのレグ1における航海実施概要と,太平洋横断中の海底地形・重力の測定結果を発表する。
著者
平野 宏子
出版者
国立国語研究所
雑誌
国立国語研究所論集 (ISSN:2186134X)
巻号頁・発行日
no.7, pp.45-71, 2014-05

1節では,本研究が国立国語研究所共同研究プロジェクト「日本語教育のためのコーパスを利用したオンライン日本語アクセント辞書の開発」の一部であり,web辞書構築の土台となる韻律教育の効果を,紙媒体を使って検証してきたものであることを述べた。2節では,音声の特徴と,学習者の日本語らしい音声習得へのニーズの高さについて述べた。3節では,日本と中国で学習者の日本語音声に対する関心は高くても,音声教育が体系的に行われていないこと,従来の教科書には単音や語のアクセント型の記述はあっても,連語のアクセントや文のイントネーションの記述は少ないこと,しかし最近は韻律の重要性の認識が高まり,韻律学習を目的とした教材の出版が顕著に増えているが,現在のカリキュラムや教材の中で音声教育が自然に導入されることが理想的であることを述べた。4節では,中国語話者の日本語発話の韻律的特徴について述べた。中国語話者のピッチパターンでは,文節ごとの急峻なピッチの上下変動がみられ,音響的な意味のまとまりの形成を阻害すること,日本語にはないアクセント型が出現しやすいことを述べた。5節では,従来の音声教育の問題点を踏まえ,web辞書OJAD開発に関わる教育効果を検証するために,開発と並行して行ってきた紙媒体での音声教育の実践方法について述べた。6節では,音声教育実践の効果についてアンケート調査をもとに分析を行った。ゼロ初級からの音声教育は従来のカリキュラムを変更することなく行え,韻律視覚化教材使用によって教師と学習者間で音声に関して様々な気づきと対話が生まれ,教師は基準をもとに自信を持って指導することができるようになり,学習者は音声学習を負担に感じるよりむしろ面白いと答えた。7節では,教材のweb化,OJADの開発について紹介した。
著者
平野 賢一 田中 良治
出版者
社団法人 日本金属学会
雑誌
日本金属学会会報 (ISSN:00214426)
巻号頁・発行日
vol.9, no.6, pp.341-358, 1970-06-20 (Released:2011-08-10)
参考文献数
95
被引用文献数
3 4
著者
松尾 知之 平野 裕一 川村 卓
出版者
一般社団法人 日本体育学会
雑誌
体育学研究 (ISSN:04846710)
巻号頁・発行日
vol.55, no.2, pp.343-362, 2010 (Released:2010-12-28)
参考文献数
43
被引用文献数
4 2

The purposes of this study were to elicit experiential knowledge from expert baseball pitchers and baseball coaches, to elucidate key coaching points related to movement in baseball pitching, to classify them into categories, and to investigate any commonality among them. Semi-structured interviews were conducted with four former Japanese professional baseball pitchers and seven expert high-performance (national level) Japanese baseball coaches. Each interviewee was requested to comment on the pitching of 25 amateur baseball pitchers (11 junior high school, 8 high school, and 6 collegiate baseball pitchers), which had been videotaped beforehand. The comments were recorded, dictated literally, and divided into segments on the basis of meaning unit. Based on the properties of the various meaning units, some were gathered and classified into categories. For this process, we conducted a member check and triangulation to improve reliability and validity. We extracted 3283 units and classified them into 14 general categories and 71 specific categories. The most frequent category was “trunk open and quick turn during the stride and arm cocking phases”. However, this accounted for only 5.5% of the total meaning units. The next most frequent categories were “weighting on the pivot foot in the balanced position and during the stride phase” (4.7%) and “the throwing arm movement during the stride phase” (4.6%). The contents of all categories covered various aspects of movement. Among the relatively frequent categories, a few elicited the same opinion among the interviewees, but some had different opinions even about the same pitcher. These results suggest that there is a diversity of coaching points among coaches, and that it is important to know the categories that are determinative and those that should be chosen selectively.
著者
平野 照之
出版者
一般社団法人 日本血栓止血学会
雑誌
日本血栓止血学会誌 (ISSN:09157441)
巻号頁・発行日
vol.28, no.3, pp.335-344, 2017 (Released:2017-06-16)
参考文献数
28

要約:脳梗塞の抗凝固療法には,急性期治療薬および再発予防薬としての位置付けがある.臨床現場では,脳梗塞急性期に未分画ヘパリンの持続静注を用いることが多いが,そのエビデンスは乏しい.一方,非弁膜症性心房細動を有する脳梗塞の再発予防における経口抗凝固療法の意義は確立している.直接阻害型経口抗凝固薬(direct oral anticoagulant, DOAC)またはワルファリンから患者プロファイルに適したものを選んで使用する.
著者
平野 照之
出版者
日本神経治療学会
雑誌
神経治療学 (ISSN:09168443)
巻号頁・発行日
vol.34, no.1, pp.3-7, 2017 (Released:2017-05-31)
参考文献数
32

Thrombolytic therapy for acute ischemic stroke was established in 1995, when the National Institutes of Neurological Disorders and Stroke recombinant tissue–type Plasminogen Activator Stroke Study (NINDS rt–PA stroke study) group revealed the efficacy of intravenous alteplase infusion at 0.9mg/kg. The drug, alteplase, was introduced to Japan in 2005 after Japan Alteplase Clinical Trial (J–ACT) showed identical efficacy and safety to NINDS study using a reduced dose of 0.6mg/kg. The time allowance for the use of the drug was extended from 3 hours to 4.5 hours in 2012 in Japan. This therapy is still being investigating in several ways : 1) Optimal dosing, 0.6mg/kg vs. 0.9mg/kg, was investigated on the Enhanced Control of Hypertension and Thrombolysis Stroke Study, 2) extending time window over 4.5 hours using advanced brain imaging, 3) Introduction of mobile stroke unit that enables field administration, 4) Developing new–generation thrombolytic drugs that have more fibrin specificity, better plasminogen activator inhibitor resistance and longer half–life than alteplase.Streptokinase, alteplase, duteplase, desmoteplase, and tenecteplase are the previously or currently tested drugs as for the use of acute thrombolytic therapy. Among them, alteplase is the only drug approved to use in clinical settings. Other drugs except for tenecteplase were failed to proceed to clinical application. Tenecteplase is currently the only drug that has possibility to replace alteplase in the future. Several phase III studies comparing tenecteplase with alteplase are currently ongoing. In Japan, however, tenecteplase is officially not available currently, even for acute myocardial infarction. The most advanced study, Tenecteplase versus Alteplase for Stroke Thrombolysis Evaluation (TASTE), is targeting more than 1,000 stroke patients who have targeted mismatch on advanced brain imaging within 4.5 hours. Should tenecteplase proved better efficacy and safety over alteplase, international standard drug will be replaced to tenecteplase.
著者
平野 剛 那須 大毅 小幡 哲史 木下 博
出版者
バイオメカニズム学会
雑誌
バイオメカニズム (ISSN:13487116)
巻号頁・発行日
vol.22, pp.27-36, 2014 (Released:2017-02-15)
参考文献数
13

ホルン演奏時の表情筋の制御様式と熟達度によるその違いを調べるために2つの実験を行った. 第1実験では熟達奏者にさまざまな音を演奏させ, 音が鳴る直前と音が鳴っているときの表情筋の活動と唇周りの皮膚表面の動きを計測した. その結果, 音が鳴る直前の活動強度と音が鳴っているときの活動強度の間に差はみられなかった. また計測されたほとんどの筋で演奏する音量が大きいほど, また演奏する音の高さが高いほど筋活動量は高くなった. 一方で口唇周りの皮膚表面の動きは, 演奏する音量, 音の高さにかかわらず一定だった. この結果から, 熟達ホルン奏者は意図した音に応じて, 音が鳴る直前から広範囲の表情筋の活動を共同的に制御し, 振動する唇の張力や質量を変化させていることが示唆された. 第2実験では熟達奏者と未熟達奏者の2群に分けて, 表情筋の活動の違いを検討した. その結果, 連続しない1つの音を演奏する課題では活動量に違いはみられないが, 異なる音の高さを連続して演奏する課題では, 上唇に付着する筋に活動量の違いが見られた. 上唇に付着する筋の活動は, 複雑な演奏を行うときに重要な役割を果たし, その制御には長期的な訓練を要することが示唆された.
著者
楊 平安 平野 侃三
出版者
社団法人日本造園学会
雑誌
ランドスケープ研究 : 日本造園学会誌 : journal of the Japanese Institute of Landscape Architecture (ISSN:13408984)
巻号頁・発行日
vol.64, no.5, pp.451-456, 2001-03-30
参考文献数
12
被引用文献数
1

本論文は,高雄市の日本植民地時代における公園緑地計画の展開を明らかにすることを目的とし,文献及び公文書等の記録の検討並びに新たな資料の発掘による次の事項を明らかにした。高雄市の公園緑地計画は,(1) 港湾都市として整備を開始する早い時点で最初に計画された公園が,台北市の圓山公園と同じように市街地を展望する地点であること,(2) 1917年には土地利用計画に合わせた公園の配置計画が立てられており,小学校に隣接した小公園及び河川沿いの緑道が計画されていること,(3) 更に,大台北市区計画が立てられた同年には,ブールバールで結ばれた同様のパークシステムが計画され,今日の高雄市の骨格を形成していること。
著者
梅野 淳嗣 江﨑 幹宏 平野 敦士 冬野 雄太 小林 広幸 河内 修司 蔵原 晃一 渡邉 隆 青柳 邦彦 安川 重義 平井 郁仁 松井 敏幸 八尾 恒良 北園 孝成 松本 主之
出版者
医学書院
巻号頁・発行日
pp.1411-1422, 2017-10-25

要旨●遺伝学的に確定診断された非特異性多発性小腸潰瘍症45例の臨床像を検討した.本症は女性に多いこと,貧血は必発するが肉眼的血便はほぼみられないこと,炎症所見は比較的低値にとどまること,約30%に血族結婚を認めることが確認された.また,終末回腸を除く回腸を中心に,輪走ないし斜走する比較的浅い開放性潰瘍が腸間膜付着側と無関係に多発することが小腸病変の形態学的特徴と考えられた.性別による比較では,胃病変は女性に有意に多く,ばち指,骨膜症や皮膚肥厚といった肥厚性皮膚骨膜症の所見は男性に有意に多かった.本症の診断に際しては,小腸病変の評価に加えて,上部消化管病変や消化管外徴候の評価,SLCO2A1遺伝子変異の検索も必須と考えられた.
著者
本光 英治 柳 博 神谷 利夫 平野 正浩 細野 秀雄
出版者
公益社団法人 日本セラミックス協会
雑誌
日本セラミックス協会 年会・秋季シンポジウム 講演予稿集
巻号頁・発行日
vol.2005, pp.386, 2005

我々の研究グループは、今日まで透明p型酸化物半導体の探索を行い、層状構造を有するオキシカルコゲナイドLaCuOCh (Ch:カルコゲン)が可視域の光に対して透明であり、さらに室温で励起子が安定に存在することを発見し、このような性質が結晶構造中に内包された層状構造がもたらす量子井戸構造に起因するものであることを見出した。LaMnOPn (Pn:プニコゲン)はLaCuOChと同じ結晶構造を有するが、この物質の結晶構造は丁度[La-O]絶縁障壁層を磁気活性な導電層である[Mn-Pn]層で挟んだトンネル磁気抵抗デバイスによく似た構造をしていることから、我々はこの物質の電気、磁気的な特性に大きな関心をもち、今回LaMnOPnに関する試料の合成と電気、磁気特性に関する報告を行う。
著者
平野 明日香 加藤 正樹 藤村 健太 早川 美和子 加賀谷 斉 向野 雅彦 才藤 栄一
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.43, no.3, pp.255-262, 2016 (Released:2016-06-20)
参考文献数
18
被引用文献数
2

【目的】急性期病院では高齢障害者が増加し,リハビリテーションの重要性が高まっている。当院急性期病棟に理学療法士を病棟配置した効果を検討した。【方法】疾患別リハビリテーション実施者を対象とし,病棟配置前の44例を対照群,病棟に専任配置後の79例を専任群,専従配置(ADL維持向上等体制加算算定)後の83 例を専従群とし,当院患者データベースより後方視的に調査した。【結果】専従群は他2 群よりリハビリテーション実施割合が有意に増加,リハビリテーション開始までの日数,在院日数は有意に短縮した。アンケート調査より,病棟医師・看護師は情報共有がしやすい,リハビリテーション専門職は病棟とのパイプ役として期待との回答が多かった。【結論】理学療法士の専従配置は病棟医師・看護師と情報共有を密に行え,治療の効率化が図れると示唆された。