著者
前原 正明 村澤 七月 中橋 良信 日高 智 加藤 貴之 口田 圭吾
出版者
Japanese Society of Animal Science
雑誌
日本畜産學會報 = The Japanese journal of zootechnical science (ISSN:1346907X)
巻号頁・発行日
vol.79, no.4, pp.507-513, 2008-11-25
被引用文献数
4 3

黒毛和種572頭のロース芯から得た脂肪交雑の脂肪酸組成をガスクロマトグラフィーにより分析した.ロース芯を画像解析した値と,各脂肪酸との関連性を調査した.モノ不飽和脂肪酸(MUFA)割合の平均値は57.0%(去勢 : 56.4%,メス : 58.3%),ロース芯脂肪割合の平均値は44.4%(去勢 : 45.6%,メス : 41.6%)であった.MUFA%は出荷月齢およびBFSナンバーと正の相関を示した(それぞれ0.27,0.25 : <I>P</I> < 0.01).BMSナンバーと有意な相関を示した脂肪酸はステアリン酸(-0.11 : <I>P</I> < 0.01)のみであった.MUFA%はあらさ指数(0.16)および最大あらさ指数(0.11)と正の,細かさ指数(-0.17)と負の相関係数を示した(<I>P</I> < 0.01)が,ロース脂肪割合(0.04)とはほぼ無関係であった.脂肪交雑の平均階調値はMUFA%と負(-0.38)の,パルミチン酸と正(0.43)の相関係数を示した(<I>P</I> < 0.01).
著者
杉元 雅晴 日高 正巳 嶋田 智明
出版者
公益社団法人日本理学療法士協会
雑誌
理学療法学 (ISSN:02893770)
巻号頁・発行日
vol.32, no.4, pp.309-312, 2005-06-20
被引用文献数
1

褥瘡はリハビリテーション医療を遂行する上で, 大きな阻害因子となる。平成14年10月に「診療報酬改訂の対策の評価(褥瘡対策未実施減算)」という項目が組み込まれ, 褥瘡対策チームの設置が強調された。ところが, 褥瘡対策チームの構成に関する規定によれば, 専任医師1名と専任看護師1名の計2名が規定されている。ほかの職種に関する規定はないが, 薬剤師, 栄養士, 理学療法士, 作業療法士, ソーシャルワーカーなどの多くの医療関連職種が専門能力を発揮することにより, 有効なアプローチが可能になると考えられる。平成16年4月の改正で, 入院中1回のみ褥瘡管理加算(20点/入院)が新設されたが, 専任の医師または褥瘡看護に5年以上の経験を有する看護師により褥瘡診療計画書を作成し実施する。ここでも, 理学療法士が褥瘡治療にかかわる光景は認められない。褥瘡は急性の創傷などの皮膚損傷とは違って, 多くの発生要因が関与している慢性の皮膚疾患である。接触面から受ける圧
著者
松田 りえ子 佐々木 久美子 酒井 洋 青柳 由美子 佐伯 政信 長谷川 康行 日高 利夫 石井 敬子 望月 恵美子 山本 敬男 宮部 正樹 田村 征男 堀 伸二郎 池辺 克彦 辻 元宏 小嶋 美穂子 佐伯 清子 松岡 幸恵 西岡 千鶴 藤田 久雄 城間 博正 大城 善昇 豊田 正武
出版者
公益社団法人 日本食品衛生学会
雑誌
食品衛生学雑誌 (ISSN:00156426)
巻号頁・発行日
vol.42, no.1, pp.18-23, 2001-02-25 (Released:2008-01-11)
参考文献数
7
被引用文献数
8 7

1996年から1998年に, トータルダイエット試料中のアルミニウム濃度を測定しアルミニウムの一日摂取量を推定した. 10か所の機関でトータルダイエット試料の調製及びアルミニウム濃度の測定を行った. アルミニウムの一日摂取量は平均3.5mgであり, 範囲は1.8mgから8.4mgであった. 分析結果の正当性は, 認証標準試料の分析により保証された.
著者
冨浦洋一 日高達 吉田 将
出版者
一般社団法人情報処理学会
雑誌
情報処理学会論文誌 (ISSN:18827764)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.42-49, 1991-01-15
被引用文献数
5

本格的な意味処理を行うためには 単語の意味に関する知識が必要であることは言うまでもないその中で 語彙間の上位-下位関係は 最も基本的な知識の1つである本研究では 動詞間の上位-下位関係を国語辞典から抽出する手法を開発することを目的とする動詞は第一階述語論理ではn項述語に対応するまた 動詞は一般に多義であり 語義が異なれば 上位-下位関係にある動詞も異なるそこで 動詞をその語義ごとに述語に対応させ 動詞間の上位-下位関係を述語間の関係として捉えるしたがって 動詞間の上位-下位関係の抽出では 単に見出し動詞と上位-下位関係にある動詞(定義動詞)を抽出するだけでなく 定義動詞の語義の選択 および 見出し動詞と定義動詞の変数の対応も考慮しなければならない本稿では まず (1)動詞間の上位-下位関係を論理的に定義し (2)見出し動詞とその語義文の論理的関係 および 語義文の統語構造と論理的性質について述べ (3)動詞間の上位-下位関係を示す情報は語義文の統語構造中のどこに現れるかについて述べるさらに (4)定義動詞の語義 および 見出し動詞との変数の対応を適切に選択するための必要条件とヒューりスティックについて述べ 最後に (5)抽出結果について述べる
著者
花木 麻衣 宮園 弥生 永藤 元道 竹内 秀輔 梶川 大悟 日高 大介 金井 雄 小畠 真奈 高田 英俊
出版者
一般社団法人 日本周産期・新生児医学会
雑誌
日本周産期・新生児医学会雑誌 (ISSN:1348964X)
巻号頁・発行日
vol.57, no.1, pp.43-48, 2021 (Released:2021-05-10)
参考文献数
18

分娩施設外での非計画的分娩により出生した新生児(以下,病院前出生児)の初期対応は主に救急隊が行うが,その教育体制は未だ確立していない.救急隊への周産期救急教育の課題を見出すことを目的に本研究を行った.2008年1月〜2018年12月の11年間で,救急隊による初期対応を受け当院に搬送された病院前出生児は40例であった.救急隊の分娩立ち会いは23例(57.0%)で,出生時の処置は32例(80.0%)がルーチンケアのみであったが,5例で人工呼吸を要し,そのうち1例では胸骨圧迫も要した.アプガースコアの採点は16例(40.0%)にとどまり,児の状態把握が不十分である可能性が示唆された.児の異常所見では体温36.0℃未満の低体温が最も多く24例(60.0%)に認め,保温方法にも課題が残ると考えられた.救急隊が周産期救急に関連した講習会を受ける機会は増えており,これらの課題に重点を置き,より実践的なシミュレーション教育を行うことが望まれる.
著者
室橋 春光 河西 哲子 正高 信男 豊巻 敦人 豊巻 敦人 間宮 正幸 松田 康子 柳生 一自 安達 潤 斉藤 真善 松本 敏治 寺尾 敦 奥村 安寿子 足立 明夏 岩田 みちる 土田 幸男 日高 茂暢 蓮沼 杏花 橋本 悟 佐藤 史人 坂井 恵 吉川 和幸
出版者
北海道大学
雑誌
基盤研究(B)
巻号頁・発行日
2011-04-01

発達障害は生物学的基盤を背景とし、社会的環境の影響を強く受けて、非平均的な活動特性を生じ、成長途上並びに成人後においても様々な認知的・行動的問題を生ずる発達の一連のありかたである。本研究では発達障害特性に関する認知神経科学的諸検査及び、社会的環境・生活の質(QOL)に関する調査を実施した。脆弱性と回復性に関連する共通的背景メカニズムとして視覚系背側経路処理機能を基盤とした実行機能やワーキングメモリー機能を想定し、事象関連電位や眼球運動等の指標を分析して、個に応じた読みや書きなどの支援方法に関する検討を行った。また、QOLと障害特性調査結果の親子間の相違に基いた援助方法等を総合的に検討した。
著者
石岡 学 藤村 達也 佐川 宏迪 日高 利泰
出版者
京都大学
雑誌
基盤研究(C)
巻号頁・発行日
2023-04-01

青春が大衆化しそのあり方が変容していった高度経済成長期において、青春はどのように表象されたのか。そしてそのイメージは、現実にその時期に青年期を送った者たちの青春のありようにどのような影響を与えたのか。本研究では、この問題を総合的に明らかにすることを目的とする。イメージ構築については、ポピュラーカルチャー(映画・TVドラマ・流行歌・マンガなど)において青春がどのように描かれたのかを分析する。実態的側面については、受験雑誌・人生雑誌・学校文集・手記などの分析を通して、多様な立場に身を置く若者たちの残した語りから、彼ら・彼女らが自身の青春をどう認識し意味づけたのかを明らかにする。
著者
松浦 靖 金子 真緒 平原 秀秋 日高 史絵 境田 博至 甲斐 孝憲 柚木崎 千鶴子 窄野 昌信
出版者
公益社団法人 日本食品科学工学会
雑誌
日本食品科学工学会誌 (ISSN:1341027X)
巻号頁・発行日
vol.60, no.12, pp.689-694, 2013-12-15 (Released:2014-01-15)
参考文献数
18
被引用文献数
1 2

本実験では,BLおよびその熱水抽出物であるBLExのSHRにおける血圧上昇への影響を検討した.BLおよびBLExをそれぞれ3%,1.5%飼料に添加し,3週間摂食させた結果,2週目以降,収縮期血圧は対照群に対し有意に低値を示し,BLおよびBLExによる血圧上昇抑制作用が認められた.次にSephadex LH-20およびDiaion HP20SSカラムクロマトグラフィーによりBLExを5つの画分に分画し,ACE阻害成分をin vitroで評価した結果,プロアントシアニジン画分のIC50値は0.004mg/mLであり,画分の中で最も強くACEを阻害した.なお,BLExから分画したプロアントシアニジン画分のSHRにおける血圧上昇への影響を検討した結果,2週目以降,収縮期血圧は対照群に対し有意に低値を示した.これらの結果より,BLおよびBLExは血圧上昇抑制作用を有し,その活性成分の一つとしてプロアントシアニジンの関与が示唆された.今後,ブルーベリー葉は血圧上昇抑制作用を有する新たな機能性食品として期待できる.
著者
佐藤 勢 早川 岳人 神田 秀幸 熊谷 智広 各務 竹康 辻 雅善 日高 友郎 遠藤 翔太 森 弥生 福島 哲仁
出版者
理学療法科学学会
雑誌
理学療法科学 (ISSN:13411667)
巻号頁・発行日
vol.32, no.1, pp.133-137, 2017 (Released:2017-02-28)
参考文献数
15
被引用文献数
2 1

〔目的〕老健施設入所者の転倒状況を調査し,時間帯別に分析を行い,転倒者の個人要因の特徴を明らかにすること.〔対象と方法〕福島市の老健施設で初回転倒した94名を対象者とし,性,年齢,身長,体重,要介護度,活動分類,認知症の分類,ADL評価,握力,長谷川式スケール,10 m歩行,BPSD,転倒場所について時間帯別に比較を行った.〔結果〕転倒者は9:01~17:00で39名,17:01~1:00は32名,1:01~9:00は23名の計94名であった.1:01~9:00の転倒者は低身長,BPSDの夜間不眠,廊下での転倒が有意に多かった.〔結語〕低身長,夜間不眠,廊下通行の特徴を持つ者は深夜から早朝にかけて転倒する可能性が高いため,注意が必要である.
著者
寺本 渉 吉田 和博 日高 聡太 浅井 暢子 行場 次朗 坂本 修一 岩谷 幸雄 鈴木 陽一
出版者
日本認知心理学会
雑誌
日本認知心理学会発表論文集 日本認知心理学会第8回大会
巻号頁・発行日
pp.37, 2010 (Released:2010-09-01)

背景的・空間的な「場」の本物らしさに関係する臨場感はよく取り上げられるが、場面の印象にとって重要な前景的要素(対象や事象など)の本物らしさを表す感性については検討されていない。本研究では,この前景的要素の本物らしさに対応する感性を「迫真性」と定義し,臨場感との比較を通じて,その時空間特性を検討した。まず,「鹿威し」がある庭園風景を素材とし、その提示視野角と背景音の音圧レベルを操作した。その結果、臨場感は視野角も音圧も大きいほど高まるが,迫真性は視野角が中程度,背景音が実物と同じ場合に最も高くなることがわかった。次に,鹿威しの打叩映像と打叩音の時間ずれを操作した結果,臨場感は音が映像に先行しても高く維持されるのに対し,迫真性は音が映像に対して遅れても維持された。以上の結果は,臨場感と迫真性は異なる時空間情報によって創出される独立した感性であることを示唆する。
著者
田中 遵 石田 憲 強矢 大輔 日高 單也
出版者
一般社団法人 日本デザイン学会
雑誌
デザイン学研究 (ISSN:09108173)
巻号頁・発行日
vol.59, no.2, pp.2_19-2_28, 2012 (Released:2012-09-20)
参考文献数
20

東京都品川区荏原地区の街区公園には,既存の遊戯施設以外に,家庭で使用されなくなったおもちゃが地域住民によって設置され再利用されることで,こどもの視点で遊び場が形成された東中延公園・二葉公園・旗の台なか公園がある。本研究では,この3つの公園とその周辺の街区公園を調査研究することにより,大人の視点で作られた為にこども達が創造的に遊んだり学んだりする場としての機能が失われている公園に,どのように地域住民が関与すればこども達や地域住民の為の街区公園になり得るかを探究することを目的とした。調査研究により,街区公園において,おもちゃの設置がこども達を楽しませるだけではなく,親同士,散歩にくるお年寄り,休憩にくる人々にコミュニケーションの場を提供することが明らかになった。今後は,地域住民主体の活動を評価し,それを推進していく新たな指針を策定していくことが重要な課題になると考えられる。
著者
日高 菜緒 橋本 尚史 中村 真貴 馬越 一也 野中 哲也 小畑 誠
出版者
公益社団法人 土木学会
雑誌
構造工学論文集 A (ISSN:1881820X)
巻号頁・発行日
vol.69A, pp.637-647, 2023 (Released:2023-04-11)
参考文献数
16

In this paper, a method to semi-automatically construct an analysis model from point clouds of steel truss bridges is proposed. The authors proposed practical analysis models of truss bridges based on structural experiment and reproduction analysis of end sway bracing. For efficient seismic reinforcements enormous existing bridges, it is necessary to construct analysis models efficiently. Therefore, point clouds that represented 3D features of targets are used to construct analysis models without using drawings. The proposed method is applied to point clouds of end sway bracing in a truss bridge and verified its accuracy based on structural experiments and reproduction analysis.
著者
武本 重毅 ポルンクナ ラティオン 日高 道弘 河野 文夫
出版者
一般社団法人 日本血液学会
雑誌
臨床血液 (ISSN:04851439)
巻号頁・発行日
vol.57, no.7, pp.848-853, 2016 (Released:2016-08-05)
参考文献数
18

成人T細胞白血病(ATL)患者(n=32)の可溶性CD25 (sIL-2R)ならびにCD30 (sCD30)の治療開始前血清レベルとリンパ節病変ならびに節外病変との関係を調べた。血清sIL-2Rレベルはリンパ節病変(領域)数(ρ=0.660, P=0.001)と,血清sCD30レベルは末梢血中ATL細胞数(ρ=0.456, P=0.009)との間に正の相関を認めた。次に初回治療前の胸水ならびに肺門リンパ節腫脹を検討できた24例について,その肺病変と末梢血中ATL細胞数,血清LDHレベル,sIL-2Rレベル,sCD30レベルとの関係を調べた。その結果,末梢血中ATL細胞数と腫瘍性肺病変との関連が疑われた。観察されたsIL-2RおよびsCD30血清レベルの上昇からは,リンパ節病変あるいは節外病変との関連が示唆され,ATL病態に関わる生体内メタロプロテアーゼ活性の指標となるかもしれない。
著者
愛甲 美穂 日高 寿美 石岡 邦啓 五十嵐 愛子 坊坂 桂子 山下 昭二 持田 泰寛 守矢 英和 大竹 剛靖 高橋 宏 小林 修三
出版者
一般社団法人 日本透析医学会
雑誌
日本透析医学会雑誌 (ISSN:13403451)
巻号頁・発行日
vol.49, no.3, pp.219-224, 2016 (Released:2016-03-28)
参考文献数
11
被引用文献数
3

透析患者は末梢動脈疾患 (peripheral arterial disease : PAD) の合併が多く, 重症虚血肢に至ると予後は著しく不良である. 予後改善にはPADを早期に診断・治療することが重要である. 足病変とPADの有無に基づき6つに区分し, 各区分に対するフットケアの間隔と内容を定めたフットケアプログラム (鎌倉分類) を策定した. 当院外来維持血液透析患者を対象に, 鎌倉分類導入前の2011年度群 (n=185) と, 導入後の2012年度群 (n=196), 2013年度群 (n=196) とに分け, 下肢潰瘍と切断発生件数をCochran-Armitage傾向検定を用い比較検討した. 新規潰瘍発生は, 2011年4.9件/100人・年であったが, 2012年3.1件, 2013年1.5件と有意に減少した (p=0.03). 下肢切断発生症例はすべて小切断で, 2011年1.6件/100人・年, 2012年1.0件, 2013年0.5件と推移した (p=0.14). 足病変を有する群で足関節および足趾上腕血圧比は足病変を有さない群に比較して低値であった. 足病変の有無を加味した透析患者における鎌倉分類はフットケアプログラムとして有用であり, 早期介入の意義が示唆された.